ネタバレ解説『バッド・バッチ』シーズン3第8話 アノ人登場で新展開、クロスヘアーにも変化が あらすじ&考察 | VG+ (バゴプラ)

ネタバレ解説『バッド・バッチ』シーズン3第8話 アノ人登場で新展開、クロスヘアーにも変化が あらすじ&考察

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『バッド・バッチ』シーズン3第8話はどうなった?

「スター・ウォーズ」シリーズのアニメ『バッド・バッチ』(2021-) は、クローン戦争終結後、映画『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』(2005) の直後の銀河を舞台にした作品だ。2024年3月20日(水) には、映画『スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス』(1999) の100年前を舞台にしたドラマ『アコライト』の配信が2024年6月5日(水) より開始されることが発表され、初映像も公開された。

2024年は、『エピソード1』から始まった「スター・ウォーズ」のプリクエル(新三部作)の公開から25周年の年にあたる。新三部作の前後の背景がより鮮明に描かれていく中、『バッド・バッチ』でもクローンをめぐる重要なストーリーが展開されている。シーズン3第8話ではどんな展開が待っていたのか。今回もネタバレありで解説&考察していこう。なお、以下の内容は本編の重要なネタバレを含むので、必ず本編をディズニープラスで鑑賞してから読んでいただきたい。

ネタバレ注意
以下の内容は、アニメ『バッド・バッチ』シーズン3第8話の内容に関するネタバレを含みます。

『バッド・バッチ』シーズン3第8話「危険領域」あらすじ&ネタバレ解説

フェネック・シャンド再登場

『バッド・バッチ』のファイナルシーズンとなるシーズン3も、第8話がちょうど折り返し地点になる。前回なんとか危機を脱け出したバッド・バッチだったが、オメガが帝国に追われる理由を突き止めるというミッションが残っている。エコーはタンティスに囚われたクローンたちを救出したレックスたちの元に戻っていた。だが、オメガはエコーたちを助けたい様子。オメガの正義感が表れているが、クロスヘアーはオメガがエコーたちから離れていることが一番の助けだと諭している。

惑星パブーに戻った一行は、フィーから連絡を受ける。オメガはフィーを知らないクロスヘアーに「古代の脅威の解放者」と説明するが、これはフィーがシーズン2第5話で古代兵器スカラ・ナルを蘇らせたからで、シーズン2第13話でもオメガはフィーを「古代の脅威の解放者」と称えている。

フィーはM値について調査し、一流の賞金稼ぎたちが帝国のためにM値の標的を回収していることが分かったという。そこで一行は賞金稼ぎのフェネック・シャンドに話を聞くことに。フェネックはドラマ『マンダロリアン』(2019-) で登場し、のちにボバ・フェットの相棒になった賞金稼ぎだ。ドラマ『ボバ・フェット/The Book of Boba Fett』(2021-2022) でもメインキャラクターとして活躍した。

これまでのフェネック・シャンド

フェネック・シャンドは、『バッド・バッチ』ではシーズン1第4話から登場し、ナラ・セに雇われてオメガの身柄を確保しようとしていたが、第9話ではカミーノのラマ・スーに雇われてオメガを狙うキャド・ベインと対峙して退け、オメガの脱出を援護した。このエピソードでは、オメガがボバ・フェット以来となるジャンゴ・フェットの純粋な遺伝子を持つクローンであることが明らかになった。ナラ・セに雇われていたフェネックは、オメガが狙われる理由を「分かってるはず」と、何かを知っている様子を見せていた。

オメガはそのことを覚えていたのだろう。フェネックのことを「事情通かも」と話し、ハンターとレッカーはフェネックに会いに行くことになる。ハンターがクロスヘアーを連れて行かなかったのは、クロスヘアーの腕の震えが治っていないことに気づいたからだ。オメガとクロスヘアーはパブーに残り、クロスヘアーの腕の震え問題に取り組むことになる。

ハンターとレッカーは、酒場でフェネックと合流。フェネックがハンターたちを見て「稼ぎを邪魔したクローン」と言っているのは、前述のエピソードでナラ・セがフェネックにオメガがバッド・バッチと一緒にいるのならもう追わなくてよいと告げたからだ。フェネックはここでもオメガが元気か気遣う様子を見せている。

M値についての仕事は受けたことがないと話すフェネックだが、それについて知っている人を二人に紹介するために、追っている大物の賞金首を二人に捕らえてほしいと話す。いつも通り直接解決にならない回りくどいクエストだが、二人はもう慣れっこである。

パブーではドロイドのAZIがクロスヘアーの腕を診ていたが、震えの原因は身体ではなく精神的なものだと診断している。受けた実験の詳細を聞けば原因を探れると話したAZIを振り払う姿を見るに、クロスヘアーは相当辛い思いをしたのだろう。

オルド・エリスのサイラー・サリス

フェネックが狙う賞金首はサイラー・サリスという人物。二つ名は「オルド・エリスの殺し屋」となっているが、オルド・エリスはゲーム『Star Wars ジェダイ:フォールン・オーダー』(2019) に登場した犯罪シンジケートのハクシオン・ブルードの拠点だ。「殺し屋」というのも、「Sylar(サイラー)」という名前と「Slayer(殺し屋)」の語感をかけたものだ。

サイラー・サリスは、ゲームにも登場したハクシオン・ブルードの幹部を複数殺害したとして賞金首になったという。フェネック・シャンドの指揮のもと、サイラー・サリスを狙う一行。フェネック、ハンター、レッカーというチームは銀河でもなかなか上位に入るチームではないだろうか。

水中の機雷を一つずつ解除して進んでいた一行だったが、ワニのようなクリーチャーが出現。結構ゲームっぽいステージだ。レッカーの怪力は助かる。迫り来るワニたちを排除し、ハンターたちは徐々にサイラー・サリスに近づいていくが、フェネックは二人がここまで必死に情報を得ようとしている点が引っかかる様子だ。

フェネックは過去にオメガを取り逃がしたのではなく、賞金が取り下げられたことを明かし、徐々に情報が共有されていく。金次第で動くと言い張るフェネックにハンターが言った「金は全てじゃない」というセリフは、オメガとの出会いによってハンターが変化したことを示しているのだろう。それにしても、前回と今回の任務を経てハンターのヘルメットの塗装は一層ボロボロになっているように見える。

クロスヘアーの素直さ

ハンターとレッカーは二人でサイラー・サリスに挑む。なかなかの強敵だが、フェネックが加わり三人がかりになればあっという間にサイラー・サリスを制圧。フェネックとバッド・バッチという珍しい3人のチームアップが楽しめた回だった。後にフェネックがボバ・フェットと共に行動することになると考えると、ジャンゴ・フェットの純粋なクローンであるオメガとボバ・フェットのために戦うバッド・バッチとフェネックの共闘という見方もできる。

腕の震えのせいでスナイパーとしての実力が発揮できないクロスヘアーは、心の問題ではないと否定するが、オメガは自分で治すしかないと説得。オメガは「グンジーとキャッシークのウーキー」から教わったとして、クロスヘアーを瞑想で治そうとするが、これは『バッド・バッチ』シーズン2第6話で訪れたウーキーの惑星キャッシークと、『スター・ウォーズ:クローン・ウォーズ』(2008-2020) にも登場したウーキーのパダワンだったグンジーのことを指している。

オメガは旅の中で多くのことを身につけていた。クロスヘアーはそこに一緒にいれなかったことに少しの寂しさも感じているかもしれないが、その経験の違いを受け入れ、ここではオメガの言うように瞑想に取り組んでいる。素直さは大事だね。

『バッド・バッチ』シーズン3第8話のラストでは、サイラー・サリスの身柄を手に入れたフェネックは、情報を手に入れたらハンターらに連絡すると言って飛び去ってしまう。もちろんハンターは約束が違うと怒てちる。一方のフェネックは、何者かにバッド・バッチのことを報告し、「奴らを探し出せるだろ?」と問いかけるのだった。フェネックは誰かにバッド・バッチのことを密告しているのか、それとも……。

『バッド・バッチ』シーズン3第8話 考察&感想

フェネック・シャンドは敵?

『バッド・バッチ』シーズン3第8話では、フェネック・シャンドが再登場。シーズン1とシーズン2に登場したキャラたちが続々と再集結している。しかし、ラストではフェネックが裏切っていることを示唆する演出も。おそらくだが、これはミスリードで、フェネックの言う「奴ら」というのはハンターたちのことではなく、情報源のことなのだろう。

シーズン1でも疑問だったが、ここまでオメガのことを気にかけていて、クローン事情に詳しいフェネックは、やはりボバ・フェットの事情も知った上で一緒にタトゥイーンの統治に乗り出したのだろうか。ボバ・フェットの出生の背景を知っていながら何も言っていないのであれば、それはフェネックなりの優しさなのかもしれない。

クロスヘアーの方は、いよいよ腕の震え問題と向き合うことに。タンティスでのトラウマが関係しているようで、辛い思いをしたのだろうし、できればそれと向き合わずとも治せるといいなと思う。あるいは、治せないとしてもスナイパーとしての仕事はオメガが引き継ぎ、クロスヘアーは別のことをするか、兵士としては引退してもいい(もちろんチームごと隠居してもいい)、そんな結論が近年の「スター・ウォーズ」らしいと思うのだが、いかがだろうか。

なんにせよ、クロスヘアーに素直さが芽生えてきたのはいいことだ。ハンターの「お金は全てじゃない」発言といい、中高年のおじさんたちが他者との関わりを経て少しずつ変化していくのが『バッド・バッチ』の醍醐味の一つである。

次週からはいよいよ全15話の後半戦が始まる。5月1日(水) 配信の最終話に向けてどんな展開が待っているのか、引き続き追いかけていこう。

公開されたばかりのドラマ『アコライト』の特報予告はこちらから。

アニメ『スター・ウォーズ:バッド・バッチ』シーズン3はディズニープラスで配信中。

『スター・ウォーズ:バッド・バッチ』(Disney+)

『バッド・バッチ』シーズン3第9話の解説はこちらから。

シーズン3第7話の解説はこちらから。

シーズン3第6話の解説はこちらから。

シーズン3第5話の解説はこちらから。

シーズン3第4話の解説はこちらから。

シーズン3第3話の解説はこちらから。

シーズン3第2話の解説はこちらから。

シーズン3第1話の解説はこちらから。

 

『バッド・バッチ』シーズン2最終話の解説はこちらから。

シーズン1で明かされたクローン兵廃止の理由はこちらから。

 

ドラマ『スター・ウォーズ:アコライト』は2024年夏配信開始を予定している。詳しくはこちらから。

映画『マンダロリアン&グローグー』についての情報はこちらの記事で。

2024年公開予定の「スター・ウォーズ」作品についてはこちらから。

齋藤 隼飛

社会保障/労働経済学を学んだ後、アメリカはカリフォルニア州で4年間、教育業に従事。アメリカではマネジメントを学ぶ。名前の由来は仮面ライダー2号。編著書に『プラットフォーム新時代 ブロックチェーンか、協同組合か』(社会評論社)。
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