ネタバレ解説『バッド・バッチ』シーズン2第6話 幻の『エピソード6』『クローン・ウォーズ』が描き直される あらすじ&考察 | VG+ (バゴプラ)

ネタバレ解説『バッド・バッチ』シーズン2第6話 幻の『エピソード6』『クローン・ウォーズ』が描き直される あらすじ&考察

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『バッド・バッチ』シーズン2第6話はどうなった?

『スター・ウォーズ:バッド・バッチ』は2021年にシーズン1が配信された「スター・ウォーズ」のアニメシリーズ。2023年1月からシーズン2の配信を開始した本作は、クローン戦争後に帝国軍を離れたクローンのエリート部隊“バッド・バッチ”の旅を描く。

シーズン2第5話では「スター・ウォーズ」シリーズの古代の扉を開くような演出で注目を集めた。第6話ではどんな展開が待ってい他のだろうか。第6話もネタバレありで解説していく。

ネタバレ注意
以下の内容は、アニメ『スター・ウォーズ:バッド・バッチ』シーズン2第6話の内容に関するネタバレを含みます。

第6話「部族」あらすじ&ネタバレ解説

チェーンコードを“作る”意味

『スター・ウォーズ:バッド・バッチ』シーズン2第6話のタイトルは「部族(Tribe)」。「スター・ウォーズ」シリーズでお馴染みのあの部族を中心としたエピソードになっている。暇そうにしていた前回とは一転して任務に就くバッド・バッチは、ヴァンガード・アクシスという名のドロイドの密輸集団との取引に挑んでいる。

バッド・バッチが持ってきたのは偽装チェーンコード。運び屋というわけではなく、テクが作ったものだという。新しいビジネスを始めているようだ。チェーンコードとは、ドラマ『マンダロリアン』(2019-) で初めて紹介された「スター・ウォーズ」世界のID。マイナンバーやソーシャル・セキュリティのような役割を担っており、『マンダロリアン』ではボバ・フェットのチェーンコードに父ジャンゴの情報まで記載されていることが分かっている。

『バッド・バッチ』シーズン1では、帝国成立直後に帝国が人民統制のためにチェーンコードを導入する様が描かれた。『バッド・バッチ』と『マンダロリアン』でのチェーンコードの描かれ方はこちらの記事で解説している。

それにしても、バッド・バッチが帝国が導入したシステムをないがしろにするような商品を作って売っているのは面白い。現実に置き換えれば偽装パスポートや偽装マイナンバーを流通させているようなもので、政府にとっては厄介な相手だ。

グンジー登場

取引の最中、オメガはウーキー族の若者が虐待を受けている場面を発見する。ヴァンガード・アクシスと交戦になるが、心配は無用。このウーキーは『スター・ウォーズ:クローン・ウォーズ』(2008-2020) にも登場したグンジーだ。『クローン・ウォーズ』ではジェダイ・イニシエイト(パダワンになって師匠に付く前のアカデミーで集団訓練を積む子ども達)として登場した。

『クローン・ウォーズ』ではライトセーバーに使用するクリスタルを手に入れるエピソードも描かれたが、『バッド・バッチ』シーズン2第6話では奪われたライトセーバーを探す様子を見せている。ドロイドがライトセーバーを持っているのを見つけたグンジーは、フォースの力でライトセーバーを取り返すと、応援に駆けつけたバッド・バッチメンバーと共にヴァンガード・アクシスを退け、宇宙への脱出に成功する。

だが、スペースシップの中でもグンジーの警戒は解けない。オメガを除くバッド・バッチメンバーは、他でもないジェダイを処刑するオーダー66を実行したクローンたちと同じ姿をしているからだ。オーダー66後の銀河においては、ジェダイとクローンの関係性は最悪と言ってよい。

ハンターは、自分たちは抹殺指令を無視し、帝国には仕えていないことをグンジーに伝えると、グンジーはオーダー66を逃れるも惑星キャッシークを目指している途中にヴァンガード・アクシスに捕まったと明かす。キャッシークは映画『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』(2005) に登場したウーキー族の故郷で、ヨーダが指揮をとってドロイド軍と戦った場所でもある。ヨーダがキャッシークにいるときオーダー66が発令された。

実は、『クローン・ウォーズ』で映像化が実現しなかったエピソードの中には、バッド・バッチとヨーダが惑星キャッシークに派遣される話があった。同じく実現しなかったキャド・ベインとボバ・フェットの関係を描いたエピソードは、ドラマ『ボバ・フェット/The Book of Boba Fett』(2021-2022) で引き継がれたように思われるが、バッド・バッチとキャッシークのエピソードは『バッド・バッチ』シーズン2で日の目を見ることになったようだ。

エコーは危険だと警告するが、ハンターは「ジェダイに安全な場所はない」と同情を隠そうとしない。ウーキー、ジェダイ、クローンの旅が始まる。

攻め込まれるキャッシーク

キャッシークに到着した一行は、森に住む生き物たちに怯みながらも、グンジーの助言とフォースの力でこれを乗り越える。ウーキーとしての能力とジェダイとしてのフォースの力を操るグンジーの姿は、マンダロリアンとジェダイの二つの要素を取り込もうとしているグローグーの未来の姿を想起させる。現実においてもミックスのバックグラウンドを持つ子ども達にとって、重要なモデルになることだろう。

森を進んで行った一行だが、焼き払われた集落を目にする。膝から崩れ落ちるグンジーに、オメガは「私の故郷も破壊された」と話す。オメガと他のバッド・バッチメンバーの故郷である惑星カミーノは『バッド・バッチ』シーズン1最終話で帝国によって焼き払われた。シーズン2第6話は、ウーキーとクローンという共に帝国に故郷を破壊された者同士が共闘するストーリーになっている。

一行が次に目にしたのは、帝国の戦車に乗るトランドーシャン。トランドーシャンはキャッシークの近隣惑星トランドーシャの民族で、奴隷商人を生業としていることからウーキー族とは対立している。トランドーシャのメンバーは、コマンダー・ヴェノモーという人物の指示でキャッシークの石碑を焼き尽くしている。これに耐えかねたグンジーはライトセーバーを使って敵を一掃。バッド・バッチも加勢して戦車部隊を倒すことに成功する。

クローン大戦後に帝国がキャッシークを支配しているという設定は、ゲーム『スター・ウォーズ ジェダイ:フォールン・オーダー』(2019) でも描かれている。また、『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』(2018) ではチューバッカが奴隷化されていたりと、ウーキー族が悲惨な状況に置かれていることも示唆されている。しかし、「スター・ウォーズ」正史でここまではっきりキャッシークが攻撃されている様子が描かれるのは初めてだ。

同盟の絆

バッド・バッチは溝を掘って森の延焼を阻止すると、クリーチャーに乗るウーキー族と合流。ウーキーの長のヤナとの出会いを果たす。ここでグンジーが故郷の記憶を失っていることが明かされているが、ドラマ『オビ=ワン・ケノービ』(2022) でも、オビ=ワンが幼い頃にジェダイ入りしたことから幼い頃の記憶が曖昧であること明かしている。

幼い子でもフォース・センシティブであると見るや、ジェダイに育てるために迎えに来て家族から引き離すのだから、ジェダイという組織の暗い側面が見え隠れする。ハンターの「ジェダイでも子どもだ。仲間が必要だ」という意見の方がよっぽど人間的だ。

一方のトランドーシャンは、帝国側のクローン・トルーパーと共にジェダイ狩りを始める。帝国司令部に報告しようとするのを、トランドーシャンの一人が「その前に俺が見つける」と止めてくれたのは助かった。『オビ=ワン・ケノービ』で描かれたように、この時期のダース・ベイダーはオビ=ワンを見つけ出すためのジェダイ狩りに躍起だったからだ。

ウーキーの集落でもてなされているバッド・バッチだが、帝国の指示で動くトランドーシャンの隊列が近づいていることを知る。エコーは、ウーキーとは長年組んでおり、無視はできないと共和国時代からの同盟を理由に一緒に戦うことを提案する。ハンターの「君らだけで戦うことはない (You don’t have to do this alone.)」という言葉には勇気づけられる。

ウーキー族の戦い

助けを求めて木に祈るウーキー族を、ハンターらは見下すことなく「どんな援軍でも歓迎だ」と言って待つ。ドラマ『ボバ・フェット』ではタトゥイーンの先住民族であるタスケン・レイダーの習慣がリスペクトを持って描かれた。民族的多様性の尊重は、Disney+で展開される「スター・ウォーズ」シリーズの特徴の一つだ。

木々の作戦に従ったバッド・バッチとウーキーたちは森のクリーチャーたちと共にクローン兵とトランドーシャンの部隊を退けていく。一方のトランドーシャンは火炎放射器を使い始める。火炎放射器は「スター・ウォーズ」シリーズ内でもマンダロリアンやクローン・トルーパーが使用している。フォースを持つジェダイにとっても厄介な武器だ。

しかし、その相手をしたのはグンジーではなく森の生き物たち。森を焼き払わせまいとトランドーシャンに襲いかかるのだった。森の延焼を防ぐため、今度はバッド・バッチとウーキー族で力を合わせて溝を掘る。部族の酒を飲み交わして一見落着……。しかし、ハンターは幼いオメガとグンジーの姿を見て、「まだ子どもだが、この銀河では無垢ではいられない」と厳しい現実を口にする。

マーベルも含むディズニー作品は、子どもも戦いに参加する作品が少なくない。少年兵の現状を前にすると、フィクションでまで子どもに戦わせることや、それを肯定的に描くことに対する批判はある。今回の『バッド・バッチ』シーズン2第6話では、子どもまでも戦わざるを得ない帝国支配下の世界の状況に触れる丁寧さはあったように思う。

「いつか我々も新たな道に出会う」と話すウーキーの長のヤナに、ハンターハ「戦争から遠く離れた道だといいが」と語り、アニメ『バッド・バッチ』シーズン2第6話は幕を閉じる。

『バッド・バッチ』シーズン2第6話 考察&感想

幻の『エピソード6』

アニメ『スター・ウォーズ:バッド・バッチ』シーズン2第6話のタイトル「部族」とは、ウーキー族のことだった。ジェダイと共に戦ったウーキーがこうして帝国の攻撃に晒されている様子を見ると、映画『スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還』(1983) で幻となった、ウーキーが大活躍して帝国を壊滅に追い込むという物語も見てみたかった。

その初期案は惑星キャッシークが舞台になる予定だったが、惑星エンドアでイウォークが活躍する物語に変更された経緯がある。今回、『バッド・バッチ』で改めてキャッシークでのウーキーの活躍が描き直されることになったというわけだ。

また、今回、キャッシークに残されたウーキー族のその後が描かれたことで、他の作品でもキャッシークが登場する可能性も出てきた。例えば、ヨーダはウーキーを奴隷商人から救ったことから、ウーキー族からは“名誉家族”として受け入れられており、ドラマ『マンダロリアン』に登場するヨーダと同じ種族のグローグーがウーキー族と出会う物語もあり得るだろう。

『マンダロリアン』は『エピソード6』の後の話なので、そうなれば大人になったグンジーの姿も見られるかもしれない。グローグーにとっては貴重なジェダイの“家族”が出来る。もしくは、グローグーが50年もの間匿われていた場所は、ウーキー族が住むキャッシークだったのかもしれない。第6話の「部族(Tribe)」というタイトル通り、民族を起点にした交流に期待したい。

次週は2話同時配信

ウーキー族については、これまでの“気が短い”という設定も本作では見受けられず。非常に親しみやすい雰囲気のウーキーが描かれている。同じく故郷のカミーノを破壊されたバッド・バッチとの出会いは、シーズン2の後半に生きてくるのだろうか。

虐げられた同胞との出会いは、バッド・バッチが反帝国の流れに加わるには大きなきっかけになり得る。様々な場所で人助けをしては金儲けのチャンスを逃しているバッド・バッチだが、この積み重ねがいつか実を結ぶ時が来るだろう。

なお、次回の2月8日(水) は第7話と第8話が同時配信される。シーズン2は第1話と第2話、第7話と第8話、第15話と最終回の第16話が同時配信という作りになっている。つまり次週でシーズン2も折り返しということだ。

レースをしたり、宝探しをしたりと、シーズン2の前半はのんびりとしていた印象だが、ここに来て再び帝国との戦いに身を投じたバッド・バッチ。第7話と第8話は合わせて1セットの中編になることが予想されるが、どんな展開が待っているのだろうか。まだまだ目が離せない。

アニメ『スター・ウォーズ:バッド・バッチ』シーズン2はDisney+で独占配信中。

『スター・ウォーズ:バッド・バッチ』(Disney+)

シーズン2第5話のネタバレ解説はこちらから。

第1話のネタバレ解説はこちらから。

第2話のネタバレ解説はこちらから。

第3話のネタバレ解説はこちらから。

第4話のネタバレ解説はこちらから。

 

シーズン1を振り返りながら考えるハンターの行動原理と、『バッド・バッチ』の魅力についての解説はこちらから。

シーズン1ラストの解説はこちらの記事で。

シーズン1で明かされたクローン兵廃止の理由はこちらから。

 

ドラマ『マンダロリアン』シーズン3は2023年3月1日より配信開始。本予告の解説&考察はこちらの記事で。

齋藤 隼飛

社会保障/労働経済学を学んだ後、アメリカはカリフォルニア州で4年間、教育業に従事。アメリカではマネジメントを学ぶ。名前の由来は仮面ライダー2号。編著書に『プラットフォーム新時代 ブロックチェーンか、協同組合か』(社会評論社)。
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