ネタバレ解説『バッド・バッチ』シーズン2第4話 シドの過去、心配になるそれぞれの関係 あらすじ&考察 | VG+ (バゴプラ)

ネタバレ解説『バッド・バッチ』シーズン2第4話 シドの過去、心配になるそれぞれの関係 あらすじ&考察

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『スター・ウォーズ:バッド・バッチ』シーズン2第4話はどうなった?

アニメ『スター・ウォーズ:バッド・バッチ』は、アニメ『クローン・ウォーズ』(2008-2020) に登場したクローンのエリート部隊“バッド・バッチ”を主人公した作品。2021年にシーズン1が配信され、2023年1月よりシーズン2の配信を開始している。『バッド・バッチ』では、クローン大戦後のクローン達の姿を中心に、『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』(2005) 後の知られざる物語が描かれる。

シーズン1と同じく全16話が用意されているシーズン2も、あっという間に全体の4分の1に差しかかる第4話が配信された。今回は『バッド・バッチ』シーズン2第4話をネタバレありで解説していく。以下の内容はネタバレを含むので、必ずディズニープラスで本編を鑑賞してから読んでいただきたい。

ネタバレ注意
以下の内容は、アニメ『スター・ウォーズ:バッド・バッチ』シーズン2第4話の内容に関するネタバレを含みます。

第4話「ライオット・レース」あらすじ&ネタバレ解説

舞台はサファ・トーマ

前回のシーズン2第3話はクロスヘアー回で、メインのバッド・バッチメンバーは一切登場しなかった。その代わりに『エピソード3』『クローン・ウォーズ』でも活躍を見せたコーディが登場。コーディはかつてオーダー66でオビ=ワン・ケノービを攻撃したが、クロスヘアーの容赦ないやり方に疑問を抱き帝国軍を離れた。

体制の側についたはずなのに孤立を深めていくクロスヘアー。一方のバッド・バッチメンバーも、第4話からは個々のメンバーにスポットライトが当てられるようだ。シーズン2第4話は、ハンターとエコーがナーフ・ナゲットの運搬をしている間に起きる一件が描かれる。ナーフ・ナゲットは小説『ジェダイの継承者』(2015) にも登場し、ルーク・スカイウォーカーも食べている。

「ナーフ・ナゲットの運搬」の仕事とは、ウーバーイーツ的な者だろうか。シーズン2第4話の冒頭では、オメガとレッカーがデジャリック(ホログラフィックのボードゲーム)で遊んでいるが、シーズン1第10話では、シドがオメガにデジャリックの「天賦の才」があることを認めている。オメガがデジャリックに勝ち続けたことでバッド・バッチの借金をチャラにしたのだ。

シドは店に残っているテク、レッカー、オメガにサファ・トーマという場所へ同行する任務を与える。サファ・トーマでは、第4話のタイトルにもなっているライオット・レースが行われているようだ。

『スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス』(1999) のポッド・レースを思い出すが、「ライオット・レース」は直訳すれば「暴動レース」。武器での攻撃ありのより激しいレースが行われている。

シドお抱えのレーサーはドロイドのテイ・オー。日本の競走馬のトウカイテイオーが元ネタだと思われる。ちなみにテイ・オーの英語表記は「TAY-0」となっており、ゼロを「オー」と読ませている。圧倒的な強さを見せるテイ・オーだが、テクとソリが合わない。

シドの過去

一行の前に現れたのは、シドをフルネームの「シダリン・スケールバック」で呼ぶミルレギ。何やらシドの過去を知っているようである。第4話はシドの暗い影にスポットライトが当てられる。お抱えのレーサー同士で勝負することを選んだシドとミルレギだが、テイ・オーはミルレギのレーサーに挟み撃ちにされてクラッシュしてしまう。シドの負けだ。

しかし、オメガはミルレギに再度勝負を持ちかけ、負けた金額の倍額の支払いとシドの身の安全を賭けた勝負に挑む。シーズン1から続く、誰のことも諦めないこの姿勢がオメガの特徴だ。一方、テクはシドの尻拭いをする毎度のパターンに嫌気がさしていた。シドとバッド・バッチの間に壁ができつつある。

シドは人質に取られ、テクはテイ・オーを修理するものの、憎まれ口ばかり叩くテイ・オーは不運にもスピーダーに轢かれて完全に破壊されてしまう。だが一行は勝負を諦めず、レース場を研究していたテクがレーサーとして出場することになる。

一方のミルレギはシドとの時間を懐かしがるが、シドは「私は変わった」と主張する。シーズン1ではジェダイからも信頼を受けていた情報屋という触れ込みだったが、ミルレギは「いずれお前の本性に気づく」と改めてその過去に言及する。確かにシドは他のシリーズに登場しておらず、表舞台には出てこなかった存在だ。いったい何があったのだろうか。

できた借り

レースにはクエーサーという名のバトル・ドロイド型のドロイドも参戦。ドラマ『マンダロリアン』(2019-) シーズン3の本予告には、『エピソード3』以降初めて実写作品でバトル・ドロイドが登場した。クローン同様、捨てられたバトル・ドロイドたちにも「その後」があるのだ。C-3POと同型のドロイドも二体参戦。こちらも『マンダロリアン』シーズン3の本予告に同型のドロイドが登場している。

レースはテクがスピーダーの武器を捨てるという奇策を用いて善戦。身を軽くして生き延びるというのはバッド・バッチらしいやり方だ。さらに「スピーダーの墓場」と呼ばれる危険なトンネルを選んでショートカットすると、機動力を武器に挟み撃ちもすり抜け、見事レースに勝利する。

約束通りシドの負けはチャラになってシドはバッド・バッチに借りができ、「埋め合わせはする」と約束する。シドに借金ができてバッド・バッチがチャラにするだけの回であった。しかし、ミルレギはシドのことを「恩を仇で返すような奴だ」と三人に忠告する。シドが持つ暗い一面を示唆して、シーズン2第4話は幕を閉じる。

『バッド・バッチ』シーズン2第4話 考察&感想

テク回と思いきやシド回

『スター・ウォーズ:バッド・バッチ』シーズン2第4話はレース回。今回紹介された“ライオット・レース”は、任天堂のゲーム「F-ZERO」シリーズを思い出すエキサイティングなものだった。今後、実写でも登場することに期待したい。

前回のクロスヘアーに続き、テクにもフォーカスする回だったが、第4話はなんといってもシドにまつわる今後の展開を示唆するものだった。シドはすっかりバッド・バッチと行動を共にするようになったが、その過去についてはあまり知られていない。一方でシーズン2第1話では、シドが帝国の拡大を前に自分の店も長くないだろうと予測していた。

シドとバッド・バッチの安定した関係は、あまり長く続くものではないのかもしれない。仮にミルレギが言うようにシドが信頼できないのだとすれば、第1話でシドが信頼できると話していた海賊のフィーの信頼も怪しくなる。シドの暗い過去は心配だが、バッド・バッチにはシーズン1でクロスヘアーを赦した過去もある。両者の関係が崩れないことを願うばかりだ。

ハンターとエコーは?

それにしても、第4話に登場しなかったハンターとエコーがコンビで任務についている点が気になる。この二人はシーズン2第1話で反帝国の戦いに加わるかどうかで意見の食い違いを見せていたからだ。

帝国支配と反乱という大きな物語の中で、それぞれの関係という小さな物語に注目させるのが『バッド・バッチ』の面白いところだ。次はどんな展開が待っているのか、シーズン2第5話の配信を楽しみに待とう。

アニメ『スター・ウォーズ:バッド・バッチ』シーズン2はDisney+で独占配信。

『スター・ウォーズ:バッド・バッチ』(Disney+)

シーズン2第5話のネタバレ解説はこちらから。

第1話のネタバレ解説はこちらから。

第2話のネタバレ解説はこちらから。

第3話のネタバレ解説はこちらから。

 

シーズン1を振り返りながら考えるハンターの行動原理と、『バッド・バッチ』の魅力についての解説はこちらから。

シーズン1ラストの解説はこちらの記事で。

シーズン1で明かされたクローン兵廃止の理由はこちらから。

 

ドラマ『マンダロリアン』シーズン3は2023年3月1日より配信開始。本予告の解説&考察はこちらの記事で。

『スター・ウォーズ エピソード1』の100年前を描く異色のドラマ『アコライト』についてはこちらから。

齋藤 隼飛

社会保障/労働経済学を学んだ後、アメリカはカリフォルニア州で4年間、教育業に従事。アメリカではマネジメントを学ぶ。名前の由来は仮面ライダー2号。編著書に『プラットフォーム新時代 ブロックチェーンか、協同組合か』(社会評論社)。
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