ネタバレ解説『バッド・バッチ』シーズン3第4話 クロスヘアーとオメガの凸凹コンビ、そしてラストは… あらすじ&考察 | VG+ (バゴプラ)

ネタバレ解説『バッド・バッチ』シーズン3第4話 クロスヘアーとオメガの凸凹コンビ、そしてラストは… あらすじ&考察

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『バッド・バッチ』シーズン3第4話はどうなった?

アニメ『スター・ウォーズ/クローン・ウォーズ』(2008-2020) で描かれたクローン大戦のその後を描く『スター・ウォーズ:バッド・バッチ』(2021-) がいよいよフィナーレを迎える。ファイナルシーズンとなるシーズン3は2024年2月21日(水) より配信をスタート。初回の3話が一斉に配信された。

今回は、全15話で構成されるシーズン3の第4話について、ネタバレありで解説&考察していこう。以下の内容はネタバレを含むので、ディズニープラスで本編を視聴してから読んでいただきたい。

ネタバレ注意
以下の内容は、アニメ『スター・ウォーズ:バッド・バッチ』シーズン3第4話の内容に関するネタバレを含みます。

『バッド・バッチ』シーズン3第4話「それぞれのやり方」あらすじ&ネタバレ解説

追われるオメガ

シーズン3第3話では、オメガはクロスヘアー、そしてバッチャーと共にタンティスのラボを脱出。しかし、帝国側にはオメガの遺伝子があれば、ミディ=クロリアン値を減少させずにクローンを作り出せることが知られてしまった。パルパティーンがなんとしてでも成功させようとしているネクロマンサー計画(蘇り計画)のために、オメガは追われる身となる。

シーズン3第4話の冒頭では、前話で受けた攻撃によって故障した船でハイパースペース航路を行くオメガたちの姿が描かれている。オメガたちは故障の影響である惑星に不時着。他の囚人も助けようとする優しいオメガに対し、クロスヘアーはまず自分たちのことをなんとかするよう説得する。タンティスに捕えられているのはクローンたちであり、オメガには兄弟たちを助けたいという思いがあるのだろう。

一方、オメガを逃した嫌疑をかけられているナラ・セは、さらにドクター・ヘムロックからオメガの検査結果の偽装を疑われることに。ナラ・セはその結果が、みんながコロナ禍で知ったであろう「偽陽性」であると主張し、この場だけは凌ぐことができている。ヘムロックはオメガを連れ戻して再検査をすれば分かると語って去る。ヘムロックは根拠なく否定したりはしない人物で、そこにはドクターとしてのプライドが垣間見える。

戦略家オメガ

オメガとクロスヘアーは巡回兵の目を掻い潜り、宇宙港のシャトルに忍び込む作戦に。クロスヘアーは変装がなかなか似合っている。クロスヘアーは、ハンターらへの長距離通信は帝国に傍受されるため連絡できないと言っているが、設立まもない帝国はそこまで通信網をおさえていたということだ。クロスヘアーは最近まで帝国軍にいたのだから間違いない情報だろう。

強行突破しようとするクロスヘアーに対し、オメガはここを交渉を乗り切ろうとする。オメガとクロスヘアーのコンビは、ドラマ『オビ=ワン・ケノービ』(2022) でのオビ=ワンとレイアを思わせる。聡明な少女と問題を抱えた中年男性による凸凹コンビだ。

チケットを買おうとしたオメガはチェーンコードを要求されるが、これはドラマ『マンダロリアン』(2019-) で紹介されたマイナンバーのようなものだ。帝国ではチェーンコードがなければ移動も制限されるし、チェーンコードを出せば移動は記録される。徹底した管理社会だ。

チケットを売るための賄賂として3万クレジット(約3万ドル/300万円)を要求されたオメガとクロスヘアーは、賭けカードゲームでお金を稼ぐことに。オメガは「前にもやった」と言っているが、これはシーズン1第10話での話だ。オメガはチェスゲームのデジャリックに勝ち続けて、バッド・バッチの借金をチャラにした。この時はオメガは戦略に長けていると説明されていた。

オメガは勝ち続けると帝国軍のキャプテンに目をつけられる。シーズン1第10話ではゲームに勝って店の中で目立っていたオメガをハンターが注意していた。今回はハンターはいないし、クロスヘアーは放任主義だ。オメガはキャプテンからも2万クレジット分勝利するも、賭博は違法だと因縁をつけられ、1万クレジットの罰金を取られてえしまうのだった。メチャクチャではあるが、キャプテンがしっかり1万クレジット分の負けは受け入れているところは憎めない(この後に取り返そうとするけども)。

「それぞれのやり方」

それでもオメガの手元には3万5,000クレジットが残っている。しかし、オメガは消えたバッチャーの情報を買うためにフルーツ売りの少年に5,000クレジットを払い、残りは3万クレジットに。二人のチケットちょうど分だ。バッチャーは帝国のキャプテンに連れて行かれたそうなのだが、クロスヘアーにはバッチャーをもうちょっと安全な場所に隠しておくとかしてほしかったものだ。

クロスヘアーは、バッチャーを連れ戻しに行こうとするオメガを制止しようとするが、オメガは「絶対に見捨てない」と諦めない。オメガはクロスヘアーにクレジットを渡すと、「私自身の道を行く (I’ll find my own way.)」と言い、クロスヘアーの前から立ち去るのだった。シーズン3第4話のタイトル「それぞれの道」を思わせるセリフだ。

しかし、クロスヘアーはオメガに追いつくと、「お前のやり方でやる (We’ll do this your way.)」と、オメガのやり方を受け入れる。こうしてオメガの周りの人々はオメガに影響を受けて変化していく。現行のバッド・バッチメンバーと違い、クロスヘアーはオメガと過ごした時間が短い。クロスヘアーが変わっていくのはこれからの話だろう。

二人はバッチャーが捕えられた施設に忍び込むことに成功したものの、そこではキャプテンが待ち伏せていた。船が墜落したと聞き、二人がドクター・ヘムロックの施設から逃げ出したクローンだと勘づいていたのだ。オメガはここでクロスヘアーのやり方にスイッチ。銃撃戦になるも、この状況を脱するために、そこに捕えられていた全ての動物を解放するというオメガのやり方は貫いている。

キャプテンは何か巨大な生き物に捕えられて引き摺り込まれてしまう。この生き物は『スター・ウォーズ エピソード7/フォースの覚醒』(2015) に登場したラスターだろうか。一方で、オメガとクロスヘアーは貨物船の奪取に成功。この二人、毎話船を奪って脱出している。助けてもらったバッチャーはすっかりクロスヘアーに慣れた様子だ。

久しぶりの再会

オメガとクロスヘアーが巨大な貨物船を盗んで逃げ出すことに成功したことを知り、現場を訪れたドクター・ヘムロックは船の追跡を指示。二人が乗っているのは今回も帝国の船であるため、早期に船を乗り換えなければならない。

そして、オメガは暗号通信でハンターに合流地点の情報を送ると、意外なスピード展開でハンター&レッカーと合流を果たす。音楽が感動的だ。ハンターはオメガを見つけるために5度も銀河を渡ったと言うが、今回はオメガの方がバッド・バッチを見つける結果になった。オメガも成長したと言えるが、オメガの言うようにクロスヘアーの助力も大きい。

クロスヘアーとハンター&レッカーも再会を果たすが、めちゃくちゃ気まずい空気で『バッド・バッチ』シーズン3第4話は幕を閉じる。

『バッド・バッチ』シーズン3第4話ネタバレ考察&感想

どうなるクロスヘアー

『バッド・バッチ』シーズン3第4話の「それぞれのやり方」というタイトルは、オメガとクロスヘアーのそれぞれのやり方を互いに取り入れることで問題を解決するという意味だった。オメガとクロスヘアーは前話と合わせて二つも難局を乗りこたのだから二人の間には一定の信頼関係が生まれたはずだ。

『バッド・バッチ』シーズン1のフィナーレでは、クロスヘアーはドロイドのAZIを助けようとしたオメガを救い、ハンターからバッド・バッチに戻るチャンスをもらっていた。しかし、クロスヘアーはこれを断り、帝国の側についている。

この時、ハンターは「望むものが違っても、敵である必要はない」とクロスヘアーに伝えているし、シーズン1のフィナーレと同じく、今度もクロスヘアーはオメガを助けてハンターの前に立っている。しかし、帝国のせいでテクを失い、エコーもクローン兵解放の戦いに身を投じている今、ハンターはあの時と同じ気持ちでクロスヘアーに向き合うことはできるのだろうか。

バッド・バッチを切り捨て、帝国側につき、帝国に切り捨てられたからといってバッド・バッチに帰ってくるということが許されるのだろうか。そもそもクロスヘアー自身がそうすることを受け入れられないのではないだろうか。そんなことをグルグルと考えさせられるシーズン3第4話の終わり方だった。

それでも、一行は追われるオメガを守るといった共通の目的のためならば、共にいることはできるのではないだろうか。シーズン3になってから登場していないレックスやエコーがピンチに陥っており、一行が助けに向かうという展開もあり得るだろう。話し合いだと意地の張り合いになるけれど、とりあえず一旦一緒に任務についてみたら、また元に戻れるような気がする。次回以降はなんとかドタバタになってくれることを願いたい。

アニメ『スター・ウォーズ:バッド・バッチ』シーズン3はディズニープラスで配信中。

『スター・ウォーズ:バッド・バッチ』(Disney+)

『バッド・バッチ』シーズン3第5話の解説はこちらから。

シーズン3第3話の解説はこちらから。

シーズン3第2話の解説はこちらから。

シーズン3第1話の解説はこちらから。

 

『バッド・バッチ』シーズン2最終話の解説はこちらから。

シーズン1で明かされたクローン兵廃止の理由はこちらから。

 

ドラマ『スター・ウォーズ:アコライト』は2024年夏配信開始を予定している。詳しくはこちらから。

映画『マンダロリアン&グローグー』についての情報はこちらの記事で。

2024年公開予定の「スター・ウォーズ」作品についてはこちらから。

齋藤 隼飛

社会保障/労働経済学を学んだ後、アメリカはカリフォルニア州で4年間、教育業に従事。アメリカではマネジメントを学ぶ。名前の由来は仮面ライダー2号。編著書に『プラットフォーム新時代 ブロックチェーンか、協同組合か』(社会評論社)。
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