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Netflixオリジナルアニメに注目
2020年も様々なSF作品の公開が控えている。映画作品では『ハーレイクインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY』(3月20日公開)やMCU最新作の『ブラック・ウィドウ』(5月1日公開)、クリストファー・ノーラン監督の『TENET テネット』(9月18日公開)など、注目作品が目白押しだ。
一方で、劇場で公開されないNetflixの作品も負けていない。今回は、2020年に配信を開始するNetflixのオリジナルアニメ作品に注目してみよう。Netflixのアニメーション部門といえば、2019年10月にNetflixオリジナル・アニメーション部門のバイスプレジデント、メリッサ・コブがWomen in Animation Diversity Awardsの表彰を受けたばかり。アニメ界のダイバーシティ推進に貢献したとの評価を受けた。
日本からも『DEVILMAN crybaby』(2018) や『アグレッシブ烈子』(2018-) など、人気のNetflixオリジナルアニメシリーズが配信されている。2020年はどのような作品が公開されるのか見てみよう。
2020年 配信開始するNetflixのオリジナルSFアニメ
『日本沈没 2020』7月10日配信開始
Netflixオリジナルアニメシリーズ『#日本沈没2020』制作決定!!
『夜は短し歩けよ乙女』『夜明け告げるルーのうた』『DEVILMAN crybaby』等で世界的な評価を受ける #湯浅政明 監督が #小松左京 の傑作小説を大胆にアニメ化!
いま描くべき日本が、ここにある。#japansinks2020 pic.twitter.com/NfzipUvtiE
— 日本沈没2020 (@japansinks2020) October 8, 2019
2020年最注目アニメの一つが『日本沈没 2020』だ。日本を代表するSF作家・小松左京の名作『日本沈没』(1973) を初のアニメ化。『DEVILMAN crybaby』でデビルマンを現代に甦らせた湯浅政明監督が指揮をとる。音楽は『DEVILMAN crybaby』の牛尾憲輔。『日本沈没 2020』では、東京オリンピック後の日本を舞台に、「いま描かれるべき日本沈没」が描かれる。詳細は以下の記事をご覧いただきたい。
『攻殻機動隊 SAC_2045』4月23日配信開始
「攻殻機動隊」シリーズ最新作の『攻殻機動隊 SAC_2045』は、『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』(2002) を手がけた神山健治監督と『APPLESEED』(2004) を手がけた荒牧伸次監督がタッグを組んだ作品だ。この二人は2019年に配信を開始したNetflixオリジナルアニメ『ULTRAMAN』に続いてタッグを組む。『ULTRAMAN』は、2019年、日本のNetflixで最も視聴されたアニメ作品だ。キャラクターデザインを手がけるのはロシア出身のイラストレーター、イリヤ・クブシノブ。グローバル資本主義が破綻したあとの2045年を舞台に公安9課が新たなサイバー犯罪に挑む。
『オルタード・カーボン: リスリーブド』2020年3月19日配信開始
Netflixオリジナルアニメ映画
『オルタード・カーボン:リスリーブド』#ネトフリ オリジナルSFシリーズ実写作品のスピンオフがアニメ映像化🎉◆監督:中島丈
◆脚本:佐藤大&近藤司
(カウボーイビバップ)
◆アニメーション制作:アニマ2020年春、全世界独占配信予定!#ネトフリアニメ pic.twitter.com/8iOxPMbCKk
— Netflix Japan Anime (@NetflixJP_Anime) October 23, 2019
リチャード・モーガンの小説を映像化したNetflixオリジナルドラマ『オルタード・カーボン』(2018-) をアニメ化。アニメシリーズではなく、1時間13分の長編アニメとして公開される。アニメ制作を手掛けるのはアニマ、脚本では『カウボーイビバップ』や『攻殻機動隊 S.A.C』を手がけた佐藤大が近藤司とタッグを組む。
『オルタード・カーボン: リスリーブド』のあらすじと詳細は、以下の記事から。
なお、ドラマ版も2020年にアンソニー・マッキーが主演を務めるシーズン2が公開された。
『エデン』2020年秋配信開始
『エデン』は『鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST』(2009-2010) を手がけた入江泰浩監督、『カウボーイビバップ』(1998) のキャラクターデザインを手がけた川元利浩がタッグを組んだNetflixオリジナル作品。全4エピソードでの配信を予定している。舞台は数千年後の未来に存在する所有者を失ったロボット達が住む街“エデン3”。二体の農業用ロボットが教えに反して密かに人間の赤ちゃんを育て始めるところからストーリーが展開される。プロデューサーのジャスティン・リーチ、アートディレクターのクローバー・シェほか、国際色豊かな面々で製作される。
『虫籠のカガステル』2020年2月6日配信開始
Netflixオリジナルアニメシリーズ
『虫籠のカガステル』場面写真✨人が巨大な昆虫になってしまう奇病
<カガステル>
虫は理性を失い、人を襲い繁殖を続ける。これは、カガステルを狩る“駆除屋”の少年・キドウと、父をなくした少女・イリの物語。
2020年全世界独占配信予定🎉#ネトフリアニメ pic.twitter.com/fKDpkUJ2Pv
— Netflix Japan Anime (@NetflixJP_Anime) October 23, 2019
個人サイトのウェブ漫画からスタートし、フランスで漫画賞も受賞した橋本花鳥の原作をNetflixがアニメ化。人間を巨大な虫に変えてしまう奇病“カガステル”が流行した世界が舞台。人類は壊滅の危機に瀕する中、“駆除屋”のキドウと父を失った少女・イリの物語が描かれる。『フルメタル・パニック!』(2002) の千明孝一が監督を務める。
『パシフィック・リム』2020年配信開始予定
2020年の配信開始を目指して製作されているのが、ギレルモ・デル・トロ監督の映画『パシフィック・リム』(2013) をアニメ化した作品だ。映画版を製作したレジェンダリー・ピクチャーズと、アニメ版「ゴジラ」シリーズ (アニゴジ) を手掛けたポリゴン・ピクチュアズがタッグを組んで製作する。既に2シーズンが製作されることが決まっている。ショーランナーは映画「ソー」シリーズのクレイグ・カイルと、マーベル作品のライターとして活躍してきたグレッグ・ジョンソン。グレッグ・ジョンソンは2019年9月よりレジェンダリーのエグセクティブ・プロデューサーとなっている。
『Yasuke』2020年配信開始?
戦国時代、織田信長に仕えた黒人の侍・弥助を主人公にしたオリジナルアニメーション作品。メカと魔法が入り混じるSFファンタジー作品として製作される同作は、『ブーンドックス』(2005-) のルショーン・トーマスが手がける。Netflixのアニメシリーズとは無関係の別プロジェクトだが、『ブラックパンサー』(2018) のチャドウィック・ボーズマンが主演を務める実写映画『Yasuke』の製作も進められている。
『Trese』2020年配信開始
バジェッテ・タン、カジョ・バルディッシモによるフィリピン発のコミックを原作にしたアニメ作品。フィリピンのマニラを舞台に、主人公のアレクサンドラ・トレースが裏社会の邪悪な生き物たちと対峙する。「バットマン」や「ワンダーウーマン」といった数多くのアニメ作品を手がけてきたジェイ・オリヴァが製作総指揮を務める。プロデューサーは、ジャカルタとシンガポールを拠点にするBASEエンターテインメントのターニャ・ユソンとシャンティ・ハーマイン。
『オーバー・ザ・ムーン』2020年配信開始
中国のPearl Studioとタッグを組んだNetflixオリジナルのミュージカルアニメーション映画。月の女神に会うために宇宙船を作った少女は、広大な宇宙に冒険に出かける。監督を務めるのは『アラジン』(1993) や『ターザン』(1999) を手がけた伝説のアニメーター、グレン・キーン。プロダクションデザイナーに、『リトルプリンス 星の王子さまと私』(2015) でエミー賞アニメーション部門賞受賞のセリーヌ・デスルマウクス。
『魔法が解けて』パート3 2020年配信開始
2018年にパート1が、2019年にパート2が配信されたファンタジーコメディ作品の最新シーズン。その見た目からもわかる通り、『ザ・ジンプソンズ』(1989-) を手がけたマット・グレイニングによるシットコム (シチュエーション・コメディ) 作品だ。貧困と疫病が蔓延する中世風の“ドリームランド”が舞台。
以上が、2020年1月時点で2020年中の公開が予定されているNetfixオリジナルのSFファンタジーアニメ作品だ。日本のアニメ作品も強いが、製作陣には国際色豊かな面々が集っている。2020年のNetflixは、アニメカルチャーを次のステージに引き上げることができるだろうか。
ドラマ作品も負けていない。ドラマ作品では日本、ブラジル、ノルウェー、ベルギー、マレーシアなど、世界各国で製作されたオリジナル作品が公開される予定だ。詳細は以下の記事を参照していただきたい。
2020年もNetflixから目が離せない。