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『ラブ、デス＆ロボット』アニメーションの秘密
待望のメイキング映像公開!
Netflixオリジナルの短編SFアニメアンソロジー『ラブ、デス＆ロボット』より、そのメイキング映像が公開された。『ラブ、デス＆ロボット』では、懐かしい雰囲気のアニメーションから、ピクサーのような親しみのあるスタイルのもの、見たことのないような映像表現まで、様々なアニメーションスタイルが提示されていた。今回、Netflixは1分弱〜3分未満の短いメイキング映像を計16本公開。「Inside the Animation」と名付け、『ラブ、デス＆ロボット』各作品の制作過程を紹介している。
二作品のメイキングに注目
中でも注目は、詳細な解説が付いた「わし座領域のかなた」と「秘密戦争」のメイキング映像だ。それぞれのアニメーションはフランスとハンガリーのスタジオで制作されている。『ラブ、デス＆ロボット』は革新的な映像表現を提示してくれたが、その裏には、一体どんな苦労があったのだろうか。
「わし座領域」のラブシーン撮影秘話
フランスのユニット・イメージ社 (Unit Image) がアニメーションを手がけた「わし座領域のかなた」からは、ラブシーンのメイキング映像が公開された。「わし座領域のかなた」の共同監督でユニット・イメージの共同創設者でもあるMaxime Luereは、この作品の台本を読んだ際に、制作チームに以下の内容のメールを送ったという。
これは無理です。複雑すぎてCGでは作れません。誰もやったことありませんよ。
これに対して、返ってきた返事は……
その通り。だから作りたいんです。
モーションキャプチャーで制作されたラブシーンの撮影は、決して簡単ではなかったという。Luereはこう語る。
セクシーにしなければいけません。でも、実際には（撮影現場は）セクシーではないんです。朝の8時に変なスーツを着て、周りにはたくさんの技術者がいて、しかもシラフで撮影しているんですから。
それでも、このシーンを完成させることができたのは、“俳優の見事な演技”によるものだという。また、「わし座領域のかなた」には、45人もの技術者が携わっていたことも明らかにされている。
「秘密戦争」は馬もモーションキャプチャー
一風変わったメイキングシーンは、「秘密戦争」のアニメーションを手がけたハンガリーのディジック・ピクチャーズ (Digic Pictures) から。なんとこちらは、“馬”のモーションキャプチャーの撮影現場を公開。まずは通常のスタジオで馬の体型をスキャンし、モデルを構築。その後、馬と騎手の動きを取り込むため、馬が走り回れる環境にモーションキャプチャーの機材が持ち込まれ撮影が行われた。モーションキャプチャーのスキャニングは、スーツに取り付けられたマーカーを追跡して行われるため、馬にも特注のスーツを着せている。実際の馬の動きをモーションキャプチャーで取り込んだことにより、馬が崖から滑り落ちるシーンでも実際の馬を使わずに、リアルな映像表現を実現している。
その他の作品のメイキングも
『ラブ、デス＆ロボット』のその他の作品についても、コンセプトアートや完成前のCG映像を紹介する短いメイキング映像が公開されている。
「ソニーの切り札」のコンセプトアートでは、怪物の腕から刃が飛び出す機能が図を用いて説明されている。ケン・リュウ原作の「グッド・ハンティング」では、見えない機械の部分まで丁寧に設計されていたことがわかる。ぬるぬる動く人間の描写が特徴的な「目撃者」は絵コンテも公開。CG制作の様子も一部公開されており、ドレスの布一枚から丁寧に作り込んでいることがわかる。『ラブ、デス＆ロボット』の中でも人気作品となった「ロボット・トリオ」のメイキングは、人類滅亡後の世界を描いたコンセプトアートが見どころ。映像部分では、ふわふわになる前の猫の様子も確認できる。
ソニーの切り札
グッド・ハンティング
目撃者
ロボット・トリオ
短編アニメとはいえ、18本の作品をそれぞれのスタジオが相当な労力をかけて制作していたことが伝わってくる。こうして生み出されたクオリティの高さこそ、『ラブ、デス＆ロボット』が世界中のユーザーを魅了した理由の一つだ。同シリーズの続編制作に期待がかかる。
