『バッド・バッチ』シーズン3第12話はどうなった?
アニメ『スター・ウォーズ:バッド・バッチ』(2021-) がいよいよクライマックスを迎える。『バッド・バッチ』は『スター・ウォーズ/クローン・ウォーズ』(2008-2020) のその後を描くアニメシリーズで、帝国成立直後の銀河におけるクローンをめぐる物語が展開されている。「スター・ウォーズ」全体に関わる重要な事実も明かされており、ファン必見のシリーズとなっている。
『バッド・バッチ』はシーズン3でフィナーレを迎えることが発表されており、そのシーズン3も第12話を含めて残り4話に迫っている。今回は新たな展開を迎える『バッド・バッチ』シーズン3第12話をネタバレありで解説していこう。
以下の内容は、アニメ『バッド・バッチ』シーズン3第12話の内容に関するネタバレを含みます。
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『バッド・バッチ』シーズン3第12話「ジャガーノート」あらすじ&ネタバレ解説
「無事」とは
『バッド・バッチ』シーズン3第12話のタイトルは「ジャガーノート」。マーベルコミックのあのキャラクターを想起するタイトルだが、「ジャガーノート」はヒンドゥー神話に登場する神の化身の名前で、転じて「巨大な力」を意味する。
前回、オメガはパブーにこれ以上の危害が及ばないように自ら帝国に出頭。クロスヘアーらが発信機でそれを追跡する作戦だったが、発信機の取り付けには失敗してしまった。『バッド・バッチ』シーズン3第12話は、タンティスに連れ戻されたオメガがドクター・ヘムロックと再会するシーンから幕を開ける。
オメガはナラ・セに代わって研究を担当するようになったエメリーとも再会。シーズン3第10話で子どもを使った実験に抵抗を覚え始めたエメリーだが、この時点ではまだ従順さを保っている。「無事でよかった」というエメリーの言葉に対する「私が無事?(Am I?)」というオメガの返答は皮肉が効いている。
浮上した意外な名前
一方のクロスヘアーらは次の任務に挑むことになる。前回負傷したレッカーは無事だった様子。レッカーは愚痴っているが、ハンターは意外とオメガを行かせたクロスヘアーに怒っていないようだ。言い出したら聞かないオメガの性格をよく知っているからだろうし、自分が戦線から離脱してしまったという負い目もあるのだろう。
クロスヘアーは、タンティスの位置を知り得る人物として意外な名前を口にする。ランパート中将だ。エドモン・ランパートは『バッド・バッチ』シーズン1第2話から登場した本シリーズのオリジナルキャラクターで、チェーン・コードの導入や、クローン兵から人間の徴兵に切り替えるウォー=マントル計画を主導した。
シーズン1のラストでは、クローン技術を帝国が独占するためにカミーノを壊滅させた。シーズン2ではこの件が議会で追及されると、パルパティーンが登場してランパート中将を失脚させた。ランパートは「私は命令に従っただけ」と主張するも捕えられている。
ランパート中将は中将クラスで帝国の重要な計画を指揮していたにもかかわらず、他の作品に登場していないことの理由がこの顛末の中で示されていた。しかし、今回はバッド・バッチがランパート中将を利用するという。確かにランパートはカミーノを壊滅させた時にナラ・セをタンティスまで連れて行っているため、タンティスの場所を知っていると考えられる。
お茶目の友達
クロスヘアーはこれまでランパートについて黙っていたことについて、できればタンティスに戻りたくなかったこと、ランパートは信用できないということが理由だと話す。タンティスによっぽどのトラウマがあるのだろう。それにランパートはクローンの故郷を滅ぼしたのだから、ハンターらの宿敵でもある。
ここに現れたのは宇宙海賊のフィー。秘密の洞窟に船を停めて、宇宙から帰ってきたらしい。フィーとクロスヘアーは意外にも初対面となる。フィーはクロスヘアーについてテクから「まばゆい (sparkling) 人柄」と聞いていると話している。フィーは「お茶目」の友は自分の友だと言い船を貸してくれることに。「お茶目 (brown eyes)」というのはフィーが使うテクの呼び方だ。
そしてバッド・バッチは、ランパート中将が捕えられているエレバスの労働収容所に向かうことになる。ちなみに冒頭で帝国側の通信妨害が続いているということに言及されており、ハンターらがエコーやレックスらの助けは借りられないということが暗に示されている。
エレバスでの任務
代わりにバッド・バッチはフィーの力を借りて隠密潜入に挑む。フィーは船で着陸ではなく落下することで密かにエレバスの労働収容所に入り込み、バッド・バッチはデータバンクにアクセスしてランパートを探すことに。ランパート中将は髭も伸ばしっぱなしで作業着を着た見違えた姿で、言葉が通じない相手と労働に勤しんでいる。
そのランパートが輸送されるタイミングを狙い、バッド・バッチは護送車を襲撃。「プラン55」を発動する。この作戦はおそらく、狭い室内でクロスヘアーが跳弾を利用して敵を混乱させ、レッカーがクロスヘアーの背後から真っ直ぐに敵を狙撃するというものだ。
クロスヘアーはランパートと再会。バッド・バッチは他の捕虜も解放して護送車を乗っ取ると、ランパートへの尋問を始める。しかし、さすがは若くして中将まで上り詰めたランパートだ、尋問は一筋縄では行かない。ランパートは、まずこの星から連れ出してくれれば情報を与えると条件を出し、バッド・バッチは脱出作戦に挑むことになる。
橋と崖の上を舞台にしたド派手な護送車アクションを乗り切ったバッド・バッチ。レッカーがあわや崖から落下、というテクの一件を思わせる場面もあったが、迎えにきたフィーの船に乗り込んで脱出に成功する。
ランパートはタンティスの座標は誰も知り得ないように設計されていると話す。だが、抜け道の存在を知っていると言い、思っていたよりも強力的な姿を見せる。確かにパルパティーンに切り捨てられては帝国に戻ることはできないし、これから銀河で生き抜くためには、ここでバッド・バッチと協力する他ない。
オメガが連れてこられた場所
一方のオメガはエメリーの血液テストを受け、改めてその血によってM値の複製が可能であることが示される。気をよくしたのか、ドクター・ヘムロックはオメガに対してM値の複製研究について語り始める(研究者らしいと言えばそうなのだが……)。M値は直接複製できない(クローンでフォースは再現できない)こと、試みてもM値のレベルが落ちてしまうこと、サンプルを混ぜても失敗したがオメガのサンプルを混ぜるとM値のレベルが落ちなかったこと——。
そしてオメガが連れてこられたのは、シーズン3第10話でエメリーが連れてこられた子ども達の収容所だった。ヘムロックは、パズルの最後のピースだとすれば、他の子ども達は残りのピースだと語り、これからオメガはここで暮らすと告げて『バッド・バッチ』シーズン3第12話は幕を閉じる。
『バッド・バッチ』シーズン3第12話ネタバレ考察&感想
オメガ救出の鍵
『バッド・バッチ』シーズン3第12話では、ランパート中将が再登場。ここ最近、毎話ゲストキャラがサプライズ登場していたが、今回も意外な人物が物語に絡んでくることになった。だが、これまでと違うのは、ランパートは『バッド・バッチ』のオリジナルキャラだという点だ。ここでバッド・バッチを、オメガを助けてくれるようならば一気に人気キャラへの道が開けるかもしれない。
それにしても、今回のランパート救出のアクションシーケンスは凄かった。タフな護送車を使った強引なカーアクションは見ていて気持ちがよく、シリーズ屈指のアクションシーンだったと言える。様々なアクションを見せてきてくれた『バッド・バッチ』でまだやっていないことがあったということにも驚く。
最後にはオメガが子ども達の収容所へと連れてこられた。ここで収容されている子どもの一人は、第10話のラストでエメリーから受け取ったオメガの人形を持っているはずだ。おそらくオメガはそれを見て、自分の人形を子どもに渡したエメリーの良心に気づくはず。オメガが最後のひと押しでエメリーを改心させることができれば、脱出への道筋が見えてくるだろう。
ちなみに今回のタイトルの「ジャガーノート」は、誰も止められない爆走するバッド・バッチの護送車の圧倒的な力のことだと解釈することができる。あるいは、ランパート中将まで切り捨てられたより大きな力に対して、敵同士だったバッド・バッチとランパートが手を結ぶことに引っ掛けたタイトルだろうか。または、オメガが最後のピースとなって、パルパティーンのクローンという巨大な力が誕生することを示唆しているのかもしれない。
気になるのはランパートが、「タンティスの座標は誰も知り得ないように設計されている」と話していたこと。そんなことが可能なのだろうか。ドラマ『アソーカ』(2023-) で紹介された、“別の銀河”にあるとか? それに「抜け道」の存在も気になるところ。ラスト3話で物語はどう動くのか、最後まで目が離せない。
アニメ『スター・ウォーズ:バッド・バッチ』シーズン3はディズニープラスで配信中。
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