『バッド・バッチ』シーズン3第13話はどうなった?
2021年に配信を開始した「スター・ウォーズ」のアニメシリーズ『バッド・バッチ』がついにシリーズのクライマックスを迎えている。『スター・ウォーズ/クローン・ウォーズ』(2008-2020) で登場したクローンの不良分隊=バッド・バッチを主人公とした物語も、いよいよ残るところあと3話だ。
最終シーズンとなることが発表されているシーズン3は、全15話で構成される。今回は、ラスト3話に差し掛かる『バッド・バッチ』シーズン3第13話をネタバレ有りで解説していこう。
以下の内容は、アニメ『バッド・バッチ』シーズン3第13話の内容に関するネタバレを含みます。
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『バッド・バッチ』シーズン3第13話「突破口」あらすじ&ネタバレ解説
収容所のオメガ
『バッド・バッチ』シーズン3第12話では、シーズン2で退場した帝国軍のランパート元中将がサプライズで再登場。オメガが連れて行かれたタンティスへの行き方を知る人物として、ハンターたちはランパートを労働収容所から脱獄させたのだった。
一方、タンティスに連れ戻されたオメガは、高いM値を持つ子ども達が集められた部屋に入れられていた。シーズン3第13話では、タンティスを目指すハンターたちと、再度の脱獄を狙うオメガの様子が描かれることになる。
タンティスの施設に入れられている子ども達はオメガよりも幼いということもあってか、オメガは随分大人びて見える。いや、この3シーズンの間にオメガはかなり成長したのだろう。子ども達の前では頼もしいリーダーシップを見せている。
ここでオメガは、イヴァがエメリーから自分が置いていった人形をもらったことに気づく。エメリーは子ども達から信頼されているようで、エメリーの存在が脱出に際しての最後の切り札になることを示唆している。ここにいる子どもはイヴァに加えて、ジャックス、サミ、ベイルンの4人。それぞれに赤・青・白・緑の肌の色をしており、オメガをリーダーとしたチームになる未来が想像できる。
しかし、厳しい監視下に置かれた子ども達は「すぐに慣れるよ」と語る。大人も子どもも、圧政下にあれば諦めが先行してしまうもの。諦めないオメガがここに希望をもたらすことになる。
今回の作戦
フィーと別れたハンターとランパート達は、今はレックスと共に行動しているエコーと合流。帝国の船を盗んで迎えに来てくれたようだ。頼りになる。これでテクとオメガを除くバッド・バッチメンバーが揃い、オメガの奪還に向けて動き出していく。
ランパートによると、タンティスに行く船はコルサントの軌道上にある衛星003に停泊し、座標はそのナビに直接送られるという。このやり方でタンティスは座標の情報を外部に漏らすことなく極秘に研究を進めてきたようだ。
バッド・バッチは、タンティス行きの船から座標を抜き出す作戦を選ぶ。シャトルはエコーが盗んできたものがあるので、あとはランパートを上官に変装させるだけ。元中将のランパートは格下である大佐用の制服を嫌がるが、ここはバッド・バッチが有無を言わさず作戦に乗り出すことになる。ランパート、なかなか使える。
オメガのリーダーシップ
オメガはエメリーの訪診時に道具を盗み出し、脱出の足がかりを手に入れる。エメリーはわざと見逃したのか、それとも罪悪感から監視の目が手薄になっているのだろうか。それにしてもオメガは結構血液をとられているようで、オメガが脱出できたとしてもパルパティーンのクローン計画は進んでいくことになるかもしれない。
オメガはイヴァ達から情報を得てここを脱出する方法を導き出す。過去に自分は脱出したと言い、みんなを勇気づけた上で、チップを使って部屋の配置を再現し、具体的なプランを提示するなど、指揮官として優秀な姿を見せている。
オメガは血液サンプルを送るための管を脱出口として、ハッチを開ける道具も見せた上でメンバーに協力を要請する。まずはリーダーが準備とプランを進めておき協力を依頼。しかも、失敗してもいいから挑戦しようという姿勢まで見せている。素晴らしいリーダーシップだ。
バッド・バッチのパラメーター
帝国の部隊になりすましたバッドバッチとランパートはコルサント付近の衛星に到着。ランパートの流石の堂々たる態度で、一行は潜入に成功する。ランパートは見かけでやってきたわけではないとは言っていたが、こういう上から目線の威圧的な態度が取れるかどうかも帝国内でのキャリアにおいては重要なのだろう。
しかし、最後にはやっぱり強行突破に。留守番をしていたレッカーが士官に「お前のキャプテンはどこだ?」と聞かれ、「キャプテン中です(Captaining)」と答えるお茶目さを見せるも、結局その士官を倒したことでバッド・バッチは早期の脱出を余儀なくされる。
ハンターらは暗号解除に苦戦。これもテクがいれば順調に進んだのだろうか。改めてバッド・バッチはバランスの取れたチームだったなと思う。特異な5人が集まって、それで5角形のパラメーターのバランスが取れていたのだ。
タンティスに向かうのは科学船だということは分かったが、座標が送られるのは離陸後だという。警備の固い科学船に忍び込むことができるのはエコーだけ。バッド・バッチの次の作戦は、エコーが中から近接センターを切って、ハンター達の船を科学船にくっつけることで一緒にハイパースペースジャンプしてしまう、というものだ。エコー、めちゃくちゃ優秀である。
「Our way out.」と「Negative.」
オメガの方も作戦を実行に移す。自分の房の壁のハッチを開けて脱出路を確認。そこに厳しめのドクター・スカルダーが登場するが、オメガの房への到着時には全ては片付けられたあとだった。脱獄ものとしては鉄板の演出だ。
スカルダーが去ったあと、オメガは子ども達に「脱出方法はある」と宣言。英語では「Our way out.」と言っており、ドラマ『キャシアン・アンドー』(2022-) でキャシアン達がナーキーナ・ファイブからの脱獄した時の標語「One way out.(道はひとつ)」を想起させる言葉になっている。
科学船に侵入したエコーの前には、R2-D2でお馴染みのR2シリーズのアストロメク・ドロイド達と遭遇。科学船だから乗っていたのだろうか、ファンには嬉しいサプライズだ。エコーはそのドロイド達を追って潜入に成功する。
エコーは傍受されないよう通信を切っている状態で、ハンター達はエコーが近接センサーを切ったと信じて科学船に接近。センサーが切られていなければ撃ち落とされる状況だが、焦るランパートに対し、クロスヘアーは「エコーに任せろ」と信頼を寄せている。
ランパートの「作戦を中止しろ」という“命令”に、ハンターは「ダメだ (Negative)」と拒否。命令に従わないのがバッド・バッチだ。バッド・バッチはもう従う者を持たないが、ランパートの存在を利用して、バッド・バッチの基本に立ち返る素晴らしい演出だと言える。
仲間を信じて科学船に合流したバッド・バッチはハイパースペースジャンプに成功。シリーズのクライマックスは、現行バッド・バッチフルメンバーでいよいよタンティスに乗り込んで行く。
『バッド・バッチ』シーズン3第13話ネタバレ考察&感想
テクはどうなる?
『バッド・バッチ』シーズン3第13話では、オメガが脱出計画を進めるとともに、バッド・バッチがついに探し続けていたタンティスへの道を切り拓いた。これもクロスヘアーが合流したからこその展開だし、今回の任務についてはエコーなしでは成り立たなかった。最終決戦の舞台にランパートもついてくるというのは意外だったが、トカゲの尻尾切りにあったランパートは再び帝国に寝返ることはないだろうから、何かの役には立ってくれるだろう。
しかし、バッド・バッチにはまだ欠けている存在がいる。テクである。シーズン2ラストでは、死体は発見されていないと言われていた。しかし、テクが帝国側の暗殺者になっているというセオリーも可能性は低くない。『バッド・バッチ』シーズン3ラスト2話でその謎は明かされることになるだろう。
オメガのその後は?
一方のオメガは素晴らしいリーダーシップを発揮している。幼い頃から訓練と実践を積んできたオメガは、銀河において重要な人材になりつつあるが、ここで生じるのが「後のシリーズに登場してない問題」だ。
ドラマ『マンダロリアン』(2019-) のディン・ジャリンやグローグーらと同じく、オメガは銀河で起きるジェダイ絡みの事件では姿を現していない。ということは、このあとオメガは長い間どこかに身を潜めることになりそうだ。
高いM値を持つオメガは、タンティスの子ども達と脱走に成功したあと、帝国から身を隠すことになるだろう。もしかすると、その間にグローグーと出会い、帝国崩壊までの十数年間はグローグーとオメガは共に過ごしていた可能性もあるだろう。現在制作中の映画版も含む『マンダロリアン』シリーズでは、大人になったオメガの実写版も見てみたい。
そのためには、まず『バッド・バッチ』で最後まで生き延びてほしいところだが……。いよいよシリーズフィナーレを迎えるラスト2話、心して配信を待とう。
アニメ『スター・ウォーズ:バッド・バッチ』シーズン3はディズニープラスで配信中。
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