最終話 第6話ネタバレ解説! ドラマ『ロキ』ラストの意味は? シーズン2はある? あらすじ&考察 | VG+ (バゴプラ)

最終話 第6話ネタバレ解説! ドラマ『ロキ』ラストの意味は? シーズン2はある? あらすじ&考察

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ドラマ『ロキ』完結

2021年6月9日(水) より配信を開始したドラマ『ロキ』が、いよいよ完結の時を迎えた。『ロキ』は『ワンダヴィジョン』『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』に続く2021年配信のMCUドラマ第3弾で、MCUでは初めてヴィランが主役に据えられた作品だ。

第5話まで様々な世界を見せてくれた『ロキ』だが、最終話では6週間の旅路がいよいよ決着の時を迎える。どのような結末を迎えたのか、ネタバレありで解説していこう。

ネタバレ注意
以下の内容は、ドラマ『ロキ』最終話 第6話の内容に関するネタバレを含みます。

第6話「とわに時を いつでも」のネタバレあらすじ&解説

黒幕登場

これまでの振り返りでは、第1話でロキが「痛みを与える存在」と断罪された場面から、第5話のクラシック・ロキの助けを得てアライオスを手懐けてラスボスが待つ屋敷へ到達するまでが振り返られる。

全てが終わりに向かって進んでいく中、マーベルのオープニングロゴの場面で流れだす曲はハリー・ジェイムス&キティ・カレンの「イッツ・ビーン・ア・ロング・ロング・タイム (It’s Been a Long, Long Time)」(1945)。『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019) のラストシーンでも流れた、スティーブ・ロジャースにとっての大事な曲だ。詳しくはこちらの記事で紹介している。

この曲を背景に、『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(2016) の戦いでサム・ウィルソがジャイアントマンに対してかけた「よくやった」という声や、『マイティ・ソー バトルロイヤル』(2017) においてハルクと再会したソーの「職場の友達なんだ!」という声など、MCUの歴史における名言が再生されている。マーベルのロゴが消えると宇宙が映し出され、今度は、人類初の月面着陸を達成したニール・アームストロング船長の「私たちにとっては小さな一歩だが……」という言葉や、グレタ・トゥーンベリの「恥ずかしくないのでしょうか! (How dare they!)」など、現実社会における名言が続く。

しかし、最後に呟かれる一言は、MCUからのものだった。それはドラマ『ワンダヴィジョン』におけるヴィジョンのセリフ「嘆くのは、愛を貫いている証拠では?」だ。その後にシルヴィの「目を覚まして」という声が聞こえて、ロキとシルヴィの姿が映し出される。MCUの歴史と現実の歴史が重なり合い、最後には「愛」へと到達する、MCU史上最も壮大なオープニングとなっている。

屋敷の前に立ったロキとシルヴィは、扉の前で再び決意を確認する。ロキはシルヴィを止めないと告げるが、流石のシルヴィも緊張が隠せない。シルヴィにとっては、人生の全てをかけて探し出した最後の敵がこの先にいるのだ。

だがここで登場したのはミス・ミニッツ。スリラーものではお馴染みのビックリ演出で登場するが、ミス・ミニッツは黒幕ではなく、「在り続ける者」と呼ぶ人物の案内係のようだ。“在り続ける者 (He Who Remains)”は、原作コミックで1976年の『Thor #245』で初登場を果たしたキャラクターで、TVAの真の指導者であり、タイムキーパーを創り出した存在だ。

ドラマ『ロキ』における“在り続ける者”は、ロキとシルヴィに望み通りの世界をオファーする。『アベンジャーズ』(2012) でのロキの勝利や、サノスの打倒、シルヴィの在り得たはずの人生、二人が同じく時間軸に存在する世界……これらのオファーを、シルヴィは「虚構」と、ロキは「運命は自ら切り開く」と切り捨てる。与えられた自由は、いつでも与えた者によって奪われる。二人はそんな現実を理解しているようだ。

一方、第5話でTVA創設に関する資料をミス・ミニッツに依頼していたラヴォーナは、しかし違う資料を受け取る。ミス・ミニッツは「彼がこっちの方がいいって」と言うが、ラヴォーナは「彼って?」と返答する。やはり黒幕の正体は知らないらしい。

黒幕は征服者カーン?

ロキとシルヴィはいよいよ“在り続ける者”と対面する。この人物の名前はクレジット表記でも「He Who Remains(在り続ける者)」となっている。日本語吹き替えのクレジットも同様だ。しかし、演じている俳優はジョナサン・メジャーズであり、この人物は映画『アントマン &ワスプ:クアントゥマニア』(2023) でヴィランの“征服者カーン”を演じることになっている俳優だ。

原作コミックにおけるラヴォーナ・レンスレイヤーとの関係から、『ロキ』のラスボスも征服者カーンである可能性は以前から指摘されていたが、その予想は大きくは間違っていなかったようだ。一方で、『ロキ』第6話に登場する“在り続ける者”は、厳密には“征服者カーン”とは言えない。その理由は追って説明していこう。

それにしてもジョナサン・メジャーズが演じる“在り続ける者”は、驚くほど大物感がある。今までのMCUのヴィランはいずれも悪者然としていて、現実に存在していれば相当“イタい”と思える人物が多かった。崇高な理想を掲げて軍を従えるサノスも、大仰に振舞ういかにもな“ワルさ”があった。だが、“在り続ける者”は違う。とにかく余裕があるのだ。

なお、“在り続ける者”は青リンゴを食べているが、ここで思い出されるのは『ロキ』第2話の小ネタとして登場した「“サノスのリンゴ”クイズ」だ。ドクター・ストレンジもリンゴを使ってタイムストーンの実験を行っていたが、“時間とリンゴ”は相性が良いようだ。

“在り続ける者”は自分を「生身の人間」と言うが、シルヴィの刃は彼を捉えることができない。短剣を出して警戒し続けるロキとシルヴィだが、“在り続ける者”は至って余裕で、オフィスに招き入れた上で飲み物も出してくれる。ジョナサン・メジャーズの演技も見事である。“在り続ける者”は異端のヴィランとも言えるが、果たして彼は本当にヴィランなのだろうか。

追い込まれるラヴォーナ

一方、TVAでは”虚無”から戻ったメビウスがラヴォーナと対面していた。ベストフレンドだと思っていたのに剪定されたメビウスはその悲しみをラヴォーナにぶつける。タイムキーパーが偽物だと分かっても、ラヴォーナは「意義ある任務」としてその姿勢を変えようとはしない。何がここまで“官僚”としての彼女を追い込んでいるのだろうか。

B15は、2018年のオハイオ州フレモント、F・D・ルーズヴェルト高校に来ていた。第2話でメビウスが署名する時に使っていたペンに彫ってあった学校の名前だ。この名前の学校はニューヨークに実在するが、ドラマの中ではオハイオの高校という設定になっている。ここでB15は、ミニットメンに神聖時間軸のラヴォーナ・レンスレイヤーの姿を見せることで、TVAのラヴォーナが変異体であることをTVA職員に知らせるのだった。

“在り続ける者”は、ロキとシルヴィに驚愕の事実を告げる。彼に到達した二人に対し、ある書類を取り出す。それは“台本”だった。英語で先ほどの三人の会話が書き出されている。ロキの名前は「L. 1130」、シルヴィの名前は「L. 1190」として、“在り続ける者”は「ME」と表記されている。ロキもシルヴィも、全ては台本通りに動いていたに過ぎないと言うのだ。

シルヴィが彼を仕留められない理由もそこにある。これまで起きたことも、これから起きることも「私は全てを知っている」と話す“在り続ける者”。まるで神のような存在であり、『エンドゲーム』で「私は絶対だ」と言い放ったサノスが小物に見えるではないか。

シルヴィは「私たちはお前のゲームから抜け出した」と主張するが、“在り続ける者”はここまでの全ての道のりが彼が敷いたレール通りだと言う。あのラメンティスでの巨大な変異までもが。映画『キャプテン・マーベル』(2018) では、キャロル・ダンヴァースが「相手のゲームに乗らない」という道を選んだが、ロキとシルヴィにはその選択肢すらなかったのだという。これまでの旅路の意味は「成長」と「クエスト」という言葉で表現される。

強大すぎる敵を前にロキは何かを悟るが、シルヴィはそうではない。“在り続ける者”は「誰かを信じる心があるのか」とシルヴィに揺さぶりをかける。

追い込まれたラヴォーナは、タイムキーパーが作られたことにも意味があると、あくまで“大いなる目的”を信じることをやめない。だがメビウスは“虚無”に追いやられた人々の末路を知っている。自由意思すらも否定するラヴォーナは、メビウスの「裏切った」という指摘に「あなたが裏切った」と反論するが、これは『ロキ』第4話でのメビウスとロキの会話の再現である。

「自由意思は奪えない」「二人でより良い組織をつくろう」というメビウスの言葉も虚しく、ラヴォーナはタイムドアを開くと「自由意思を探しに」と行ってどこかへ消えてしまう。メビウスを再び剪定したなかったことは、ラヴォーナにとっての贖罪だったのだろうか。

“在り続ける者”はロキとシルヴィへスピーチを続ける。自分とTVAがいなければ世界は滅茶苦茶になっていたと話す彼は、過去の呼び名として「支配者 (ruler)」の次に「征服者 (conqueror)」を挙げている。これが原作コミックの名前である“征服者カーン (Kang the Conqueror) であることは間違いない。だが、ここからの“在り続ける者”の話で、この人物の正体が明らかになる。

“在り続ける者”の正体

“在り続ける者”によると、31世紀の地球に生きていた彼の変異体が科学者としてマルチバースを発見。他の変異体との交流を始めてそれぞれの宇宙は発展したが、その中で、他のユニバースを征服 (conquer) しようとする変異体が現れる。複数の宇宙にまたがる戦争(マルチバース・ウォー)は本当に起きていたのだ。この変異体は、現実の裂け目から生まれたというアライオスを従え、マルチバースにまたがる戦争を終わらせると、“神聖時間軸”と呼ばれる現在の時間軸を切り離し、TVAを創った。分岐を阻止して時間の流れを管理させているのだ。

ドラマの中では言及されていないが、“在り続ける者”のオリジンは、原作コミックにおけるナサニエル・リチャーズという人物だ。ナサニエル・リチャーズは30世紀の未来人で、先祖が残した技術を活用してタイムマシンを開発する。後にタイムスリップした先の世界を征服し、“征服者カーン”を名乗り始める。なお、原作コミックの征服者カーンは自身が起こした歴史改変などの影響により、複数の個体と名前が存在している。

“在り続ける者”が語った内容は、ほとんどは第1話で説明されたTVAの教義と同じだが、厄介なのはこの人物がマルチバースの第一発見者であり、戦争の原因でもあったという点だ。多元宇宙にまたがる大問題であることに違いはないが、人々を働かせるためには“物語”と“教義”が必要だったということだろう。

“在り続ける者”はロキとシルヴィに「私が邪悪だと思うか?」と尋ね、「それなら私の変異体たちに会ってみろ」と促す。つまり、この独裁者は“マシ”な方を選ばせようとしているし、彼の政治的信念もそれと同じものだ。混沌に陥るよりは、管理されている方が“マシ”、凶暴な変異体達よりは、冷静に判断ができる自分の方が“マシ”——

そしてロキとシルヴィは究極の二択を迫られる。“在り続ける者”を殺してマルチバースと凶暴な彼の変異体を解放するか、ロキとシルヴィが代わりに支配者(管理人)になるか——。彼は「あらゆる筋書きを体験したが、これが唯一の道」と、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018) におけるドクター・ストレンジのようなことを言う。彼はもう権力に興味はない。「疲れた」と、本当にその座を譲るつもりなのだ。永遠に時間を管理していれば、そりゃ疲れるだろう。

つまり、ロキとシルヴィは“選ばれた”のだ。マルチバース・ウォーを戦うか、後を継いで善き支配者となるか……。自分たちがその座に座れば“政治家”にならざるを得ないだろうというのが“在り続ける者”の考えだが、シルヴィはそう捉えない。なぜなら、シルヴィはその“政治”によって人生を奪われた当事者だからだ。

ぶつかる二人の脆さ

“在り続ける者”は、この三人は皆ヴィランだと嘯き、これまでやってきたことを「善良な理由」のために行えるチャンスだと説く。つまりそれは、“大いなる目的”のための悪行だ。その時、宇宙の何かが変化し、“在り続ける者”は途端に動揺し始める。ここでおそらくシルヴィの心境に変化が起きたはずだ。「必ずこいつを殺す」という決心がついたのかもしれない。大いなる目的のために幼い頃に人生を奪われ、今度は自分の手でそれをやれと迫られたのだ。無理もない。

「今から」は何が起こるか全く分からないと話す彼は、再度二人に“破壊”と”引継”のどちらを選ぶか尋ねるが、シルヴィは“在り続ける者”に襲いかかる。ここで間に入ったのはロキだ。しかし、ロキはシルヴィを止める。「宇宙の命運が懸かってる」と、「さらなる悪の解放」を恐れている。それは“大いなる目的”のために生きてきた過去の自分に戻っているのではないかとも思えるが、シルヴィもまた“在り続ける者”の話を信じておらず、ロキの目的が王座だと勘違いするという対人関係の脆さを露わにする。

ここに来て、二人の脆さがぶつかり合い、それは剣と魔法を交えた戦いへと発展する。シルヴィはロキに「全部嘘だったの?」と問い、ロキはこれに傷つく。ロキが「全部ロキの策略だった?」と言う箇所は「Evil Loki’s master plan=邪悪なロキのマスタープラン」と表現しており、乗り越えたはずの“ヴィランとして生まれた”という他者からの視線が舞い戻る。

シルヴィが完全には自分のことを信じていなかったと悟ったロキだが、「今は個人的なことを言ってる場合ではない」とシルヴィに決定的な一言を言ってしまう。英語では「This is bigger than our experience.(これは私たちの経験よりも大きな問題だ)」と言っており、人生を通して辛い経験を強いられてきたシルヴィにとっては、自分の苦悩が“なかったこと”にされてしまう辛い一言である。

シルヴィはこれに怒るのではなく、「なぜ私と見方が違うの?」と、悲しげな表情を見せる。ロキは「君が他者を信じられず、私が信じてもらえないから」と、二人が抱える弱さを言い当てる。“信じられないシルヴィ”と“信じてもらえないロキ”。二人は再び剣を交えるが、シルヴィが“在り続ける者”を仕留めようとしたその時、ロキは武器を捨て、命を賭して間に入ると、涙を流しながらシルヴィに「ただ幸せでいてほしい」と伝える。

ロキから漏れた本心がきっかけになり二人はキスを交わすが、シルヴィは「私はあなたとは違う」と告げて、ロキをTVAへと飛ばす。シルヴィは最後の瞬間にロキを信じはしたが、シルヴィが求めたのは「幸せ」ではなかったのだ。“在り続ける者”にトドメをさす瞬間、彼は「近いうちに会おう」と言う言葉を残し、笑顔で息を引き取る。シルヴィは復讐の旅を終え、多元宇宙は解き放たれた。

衝撃のラスト&ポストクレジット

TVAのモニターでその様子を眺めるメビウスとB15は、最終話第6話のタイトルになった「とわに時を」「いつでも」というTVAの標語を改めて読誦する。ロキは失意に沈んでいたが、ロキには信じられる人がもう一人いる。メビウスだ。

ロキは立ち上がるとTVAの中を走り回り、メビウスと共に過ごした場所を回ってB15とメビウスの姿を発見する。そしてシルヴィと共に見た光景、出来事を全て話すのだった。それはなぜか? メビウスならロキの話を信じてくれるからだ。

だが、「戦争に備えなければ」と話すロキに、メビウスは衝撃的な一言を返す。「君は分析官だな?」「どこの部署の所属だ?」(字幕ではカット)「君は誰だ? 名前は?」と聞くのだ。メビウスがロキのことを知らない? 衝撃を受けるロキの目に映ったのは、タイムキーパーの巨像の代わりに建てられた“征服者カーン”の像だった。

神聖時間軸を守り続けてきた“在り続ける者”が死に、彼の変異体がすぐにTVAを征服したのだろう。宇宙はマルチバース化を続けているが、新たな支配者はこれを止めるつもりはあるのだろうか……。

ここまでのラストシーンについて製作陣とトムヒが語った内容はこちらの記事にまとめている。

メビウスのことは考察の項で後述することとして、見逃してはいけないのがポストクレジットだ。『ワンダヴィジョン』『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』と、今後のMCUを占う重要な展開がポストクレジットシーンには用意されていた。しかし『ロキ』では、なんと「ロキはシーズン2で帰ってくる」というシンプルかつクラシックな一文が表示されて幕を閉じる。

非常に短いポストクレジットシーンだが、実は映画『マイティ・ソー』(2011) との繋がりが隠れている。ロキとソーの兄弟が繋いだある要素について、こちらで解説している。

MCUではお馴染みのこのフレーズがロキに使われたということも感慨深いが、何よりもDisney+におけるMCUドラマ初のシーズン2決定まだまだロキの物語が楽しめるということに喜びを感じる。『ワンダヴィジョン』は一回限りの“リミテッド・シリーズ”として製作されたが、『ロキ』は『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』同様、シーズン2の可能性がある“ドラマ・シリーズ”として製作されていた。ロキの物語はまだ終わっていないのだ。

ドラマ『ロキ』はまだシーズン1を終えたばかり。シーズン2では一体どんな出会いが待っているのだろうか。

ドラマ『ロキ』最終話考察

征服者カーンはまだ登場していない?

『ロキ』最終回となる第6話では、遂にTVAの真実が明かされた。そして、2023年2月17日(金) 公開予定のMCU映画『アントマン&ワスプ:クアントゥマニア(原題)』で征服者カーンを演じるとされているジョナサン・メジャーズも登場した。だが、ジョナサン・メジャーズの役名は“在り続ける者”となっており、「カーン」という名は最後まで登場しなかった。

“在り続ける者”は、その名の通り神聖時間軸を“維持”したい人物であり、名前に「征服者」とある変異体は、別の宇宙(ユニバース)を侵略することで領土を広げることを目的にしている変異体ではないだろうか。別のユニバースから“征服者”として現れるバージョンの変異体が、“征服者カーン”になるということだ。

そして『ロキ』シーズン1のエンディングで早速TVAを征服したのが征服者カーンなのではないだろうか。タイムキーパーを立てて、裏から世界を調整する“在り続ける者”に対して、征服者カーンは表舞台に出て世界を侵略し続けるのかもしれない。

メビウスはロキの記憶を失った?

気になるのはメビウスだ。なぜロキとメビウスを引き離し続けるのか、と愚痴の一つも言いたくなるが、一縷の望みはある。最後にロキにたいして「誰だ?」と聞いたメビウスは、メビウスの別の変異体である可能性が高い。なぜなら、前話で“虚無”を彷徨っていたメビウスは、直前の分岐イベントをモニターで眺めるシーンまではネクタイを緩めたラフな格好をしていたからだ。最後のメビウスは綺麗にネクタイをしめており、心なしか清潔な雰囲気が漂う。

つまり、メビウスの記憶がなくなったのではなく、最後のメビウスは別人なのだ。『ロキ』第1話では、コースターを使わないメビウスが家具にコップの痕を残したことでラヴォーナに注意される場面が登場するが、メビウスは心当たりがないという反応を見せる。これはメビウスの変異体が複数存在していることを示唆するヒントとして注目されていた。

また、今回の第6話でラヴォーナがミス・ミニッツと会話を交わすシーンにおいてもこのコップの痕が映し出されている。毎話のエンディングテーマが流れるクレジットシーンでも“メビウスのコップの痕”が映し出されており、この描写がキーポイントとなることを匂わせている。

なお、『ロキ』のプロダクション・デザイナーであるカスラ・ファラハニは、ロキらが最後にいる場所は「異なる場所、異なるタイムライン」とマーベル公式に説明している。

『ロキ』シーズン2では、ロキが“友達の方のメビウス”と合流できることを心から願う。

シルヴィはどうなる?

気になるもう一人の人物はシルヴィだ。自分の人生を奪った“在り続ける者”を殺して目的を果たした今、シルヴィはどこへ向かうのだろうか。新たに自分の人生を歩むとして、それはどこから始まるのだろうか。ヴァレンティーナ・アレグラ・デ・フォンテーヌが登場して……という展開は、世俗離れしているシルヴィには必要なさそうだ。

征服者カーンが『アントマン&ワスプ:クアントゥマニア』のヴィランとして登場するとして、シルヴィがドラマ『ロキ』以外に登場することもあるのだろうか。今のところはシーズン2で“革命家のその後”が描かれることを期待しよう。

少なくとも、ロキはシルヴィを探すはずだ……。

シルヴィを演じたソフィア・ディ・マルティーノが最終話のシルヴィの行動について語った内容はこちらの記事で。

そして“在り続ける者”から何かしらの書類を受け取って旅に出たラヴォーナの今後にも注目だ。ラヴォーナが“在り続ける者”復活の鍵を握っているのかもしれない。

シーズン2へ向けて多くの期待(と不安)を残してくれたドラマ『ロキ』シーズン1。次回作の配信を楽しみに待とう。

ドラマ『ロキ』シーズン1は全6話がDisney+で独占配信中。

『ロキ』視聴ページ (Disney+)

“在り続ける者”について製作陣が解説した内容はこちらで紹介している(第1話からの意外な伏線も明らかに)。

在り続ける者/カーンについて、監督・脚本家・俳優が語った内容はこちらの記事で。

ラヴォーナ・レンスレイヤーの原作での設定についてはこちらの記事で。

最終話を迎え、ドラマ『ロキ』を通してロキがどのように変わったか、またメビウスとロキの関係についてトムヒが語った内容はこちらから。

クラシック・ロキの誕生秘話はこちらから。

ワニロキグッズの情報はこちらの記事で。

メイキングドキュメンタリー「ロキの裏側」の情報はこちらから。

 

ドラマ『ロキ』第5話のあらすじ&ネタバレ解説はこちらの記事で。

第1話のあらすじ&ネタバレ解説はこちらの記事で。

第2話のあらすじ&ネタバレ解説はこちらの記事で。

第3話のあらすじ&ネタバレ解説はこちらの記事で。

第4話のあらすじ&ネタバレ解説はこちらの記事で。

 

11月24日(水)から配信を開始するドラマ『ホークアイ』の予告編とその解説&考察はこちらから。

映画『ブラック・ウィドウ』のレビューはこちらの記事から。

『ブラック・ウィドウ』のポストクレジットの解説はこちらから。

『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』シーズン2についての考察はこちらの記事で。

ドラマ『ワンダヴィジョン』で残された12の疑問はこちらから。

齋藤 隼飛

社会保障/労働経済学を学んだ後、アメリカはカリフォルニア州で4年間、教育業に従事。アメリカではマネジメントを学ぶ。名前の由来は仮面ライダー2号。編著書に『プラットフォーム新時代 ブロックチェーンか、協同組合か』(社会評論社)。
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