第1話ネタバレ考察『シークレット・インベージョン』最後の展開を疑ってみる | VG+ (バゴプラ)

第1話ネタバレ考察『シークレット・インベージョン』最後の展開を疑ってみる

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ドラマ『シークレット・インベージョン』配信開始

MCUドラマ『シークレット・インベージョン』が2023年6月21日(水) よりディズニープラスで配信を開始。MCUフェーズ5では初のドラマ作品となり、MCU第1作目『アイアンマン』(2008) から登場しているサミュエル・L・ジャクソン演じるニック・フューリーが15年以上の時を経て初めて主人公を務める作品でもある。

『シークレット・インベージョン』は第1話からまさかの展開に。驚きをもって第2話を迎えることになる。今回は、第1話のラストについておさらいしつつも様々な可能性を考察していきたい。以下の内容は第1話終盤のネタバレを含むので注意して頂きたい。

ネタバレ注意
以下の内容は、ドラマ『シークレット・インベージョン』第1話の内容に関するネタバレを含みます。

『シークレット・インベージョン』第1話ラストで何が起きた?

ドラマ『シークレット・インベージョン』第1話は、航空宇宙防衛システムのS.A.B.E.R(セイバー)にいたニック・フューリーが地球に呼び戻されるところから物語は始まる。映画『キャプテン・マーベル』(2018) でフューリーとキャロル・ダンヴァースが新たな故郷を見つけると約束したスクラル人が、その約束が果たされなかったことで地球を乗っ取ろうとしているのだという。

ニック・フューリーが盟友タロスとマリア・ヒルと共にこれを阻止しようとする中、タロスの娘で反乱グループに加入したガイアから貴重な情報提供を受ける。地球の乗っ取りを進めるスクラル人グループのリーダーであるグラヴィクは、ロシアの民族統一の日に放射性の爆弾を使ったテロを敢行しようとしていたのだ。

三人はガイアから受けた情報をもとにテロを阻止しようとするが、ガイアが爆弾が入っていると言っていたリュックは囮だった。ニック・フューリーは目の前に現れたグラヴィクに広場に仕掛けられた爆弾を起動されてしまう。更にフューリーに化けたグラヴィクがマリア・ヒルの腹部を狙撃し、血を流して横たわるマリアの姿で『シークレット・インベージョン』第1話は幕を閉じることに。

まさかの展開、それもS.H.I.E.L.D.の副長官として登場した『アベンジャーズ』(2012) から11年が経つマリア・ヒルが第1話で死んでしまうなんて……。しかも、第1話では映画『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』(2019) でマリア・ヒルに擬態していたソレンが死んだことにも触れられており、丁寧にマリアがスクラル人の擬態である可能性を否定しているようにも思える。

長年のMCUファンにとっては悲しい事態だが、今回はマリア・ヒルの件も含めて、この第1話のラストにまつわる幾つかの可能性を考察しつつ、状況を整理していこう。

グラヴィクはずっといた?

まず押さえておきたいのはラストシーンでニック・フューリーの前に現れたグラヴィクの動きについてだ。リュックを追っていたフューリーは虹色の大きなボールを持った少女を見つけ、そのあとを追って行った。その少女は次々と姿を変えながらフューリーを導いていき、最終的にグラヴィクに姿を変える。

この時、グラヴィクが擬態した人物は全て、『シークレット・インベージョン』第1話でニック・フューリーが出会った人になっている。少女はフューリーが散歩に出かけた時に出会った、同じく虹色の大きなボールを持っていた少女。中年の男性は酒場でフューリーが酒を奢った人物。赤い口紅の女性は川辺でキスをしていた人物だ。

少女と女性はフューリーのことを不自然に見つめていた。酒場の男性はフューリーが鏡を見ているときにロシア語で「昔のお前には戻れないぞ」と言っており、フューリーの昔の姿を知っているような口ぶりだった。この男性は擬態したグラヴィクで、フューリーがロシア語が分からないと踏んで本音を口にしてしまったのだろう。なお、この時フューリーはロシア語で「なんだって? 同志」と聞き返しており、フューリーは本当に聞き取れていなかった可能性が高い。

最後のシーンでグラヴィクが三人に姿を変えるのは、「ずっと見ていた」ということをフューリーに伝えるためだろう。グラヴィクはかなり高い能力を持つシェイプシフターであり、誰にでもなりすますことができるのかもしれない。酒場でフューリーがマリア・ヒルに「昔は3歩先を読んでいた」と指摘されたことも聞いており、フューリーの現在の状態を確認した上で、罠に嵌める作戦の実行を決断したとも考えられる。

フューリーは本物?

気になるのがマリア・ヒルが指摘したニック・フューリーの“老い”だが、「誰も信じるな」という本作のキーワードからすると、第1話で登場したフューリー自身が偽物だったという可能性はないだろうか。フューリーは『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』の時点で偽物の自分を使っているし、時系列は不明だが映画『マーベルズ』の予告ではフューリーはS.A.B.E.R.にいる姿を見せている。

また、マリアは「チェス中は本音を言うルール」「以前なら3歩先まで読んでた」と、フューリーの変化を指摘していたが、これは本当に“老い”によるものなのだろうか。地球に降り立ったフューリーが最初から別のスクラル人に入れ替わっていたとすれば、マリアがフューリーのことを「以前とは違う」と認識するのは自然なことだ。

チェス中の約束を知らなかったり、チェスが強くなかったりするのは別人だったからで、それを「老いのせい」という風にミスリーディングしていたのではないだろうか。むしろニック・フューリーは「変わった」ということに説得力を持たせるために、しばらくの間地球を離れた可能性だってある。

だとすれば、フューリーに擬態しているのは誰だろうか。スクラルで名前が出ている人物は多くなく、可能性があるのはソレンが生きていてフューリーに擬態しているという線だ。その場合、タロスはフューリーに擬態しているソレンに対してソレンが死んだと話していたことになるので、タロスも騙されている側ということになる。フューリーとソレンでそこまでのことをやるだろうか……?

ガイアは裏切った?

もう一点気になるのが、ガイアは父タロスに情報を提供したが爆弾の入ったリュックは囮だったということで、これはガイアがタロスを裏切ったということを意味するのだろうか。グラヴィクが酒場でフューリーの状況を掴んでおり、ガイアがタロスに偽の情報を掴ませたのだとすれば、フューリーたちは完全に主導権を握られているように思われる。

タロスは基地でタロスが現れるという情報を聞いた際に、その娘であるガイアのことを見ていた。ガイアを利用してタロスを騙せると考えたのかもしれない。何より、ガイアは二つの囮のリュックを背負っていたが、両方中身が空だったら流石に気づくはずだ。

一方で、ガイアはタロスを裏切っておらず、ガイアがタロスに情報をもらすと予想していたグラヴィクが当日になって作戦を変更した可能性もある。リュックを囮にすることが当日加えられた変更だったとすれば、その時点でガイアになす術はないはずで、ガイアはタロスたちを裏切っていなかった可能性も残されている。

マリアは死んだ?

最後に、やはりマリアが死んだのかどうかが気になるところ。マリアこそソレンが成り代わっていた可能性はある。“ニック・フューリー偽物説”と同様にソレンが生きており、タロスがソレンの死について嘘を言っている(またはタロス自身も騙されているとすれば)、『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』でマリアに擬態していたソレンが『シークレット・インベージョン』でもマリアに擬態しており、死んだのはマリアではなくソレンだったという可能性もなくはない。

その場合、ソレンはあっさり殺される役目ということになり、かわいそうではある。または、ラストのあの場面のマリアが名もないスクラルによる擬態だったとしても、それはそれでかわいそうである。マリアが死んでいないとすれば、撃たれたのは腹部なので一命は取り留めたという線が考えられる。それでも、作戦的には一旦死を偽装してドラマの終盤で再登場というのが最も無理のない展開だと言える。

なお、マリアを演じたコビー・スマルダーズは、『シークレット・インベージョン』第1話の“マリアの死”について米メディアに話している。詳しくはこちらの記事で。

あちこちに潜んでいるグラヴィク、本物かどうか分からないニック・フューリー、裏切ったかどうか分からないガイア、そして生きているかもしれなマリア。様々な種を蒔いた第1話。『シークレット・インベージョン』第2話の配信を楽しみに待とう。

ドラマ『シークレット・インベージョン』は2023年6月21日(水)より、ディズニープラスで独占配信。

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『シークレット・インベージョン』第1話の解説はこちらから。

『シークレット・インベージョン』では、ローディは「大統領の右腕」として登場するとされている。詳しくはこちらから。

サミュエル・L・ジャクソンが語ったニック・フューリーが消えた理由についてはこちらの記事で。

『シークレット・インベージョン』は映画『アーマー・ウォーズ』に繋がっていく要素もあるという。詳しくはこちらから。

 

『シー・ハルク:ザ・アトーニー』ラストに残された9つの謎はこちらから。

【ネタバレ注意!】『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』にあったMCU要素の解説はこちらから。

ドラマ『ロキ』シーズン2は2023年10月6日(金)より配信開始予定。詳しくはこちらの記事で。

映画『マーベルズ』のヴィランについてはこちらから。

齋藤 隼飛

社会保障/労働経済学を学んだ後、アメリカはカリフォルニア州で4年間、教育業に従事。アメリカではマネジメントを学ぶ。名前の由来は仮面ライダー2号。編著書に『プラットフォーム新時代 ブロックチェーンか、協同組合か』(社会評論社)。
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