『アベンジャーズ/エンドゲーム』で流れた楽曲は?
『エンドゲーム』がついに公開
2019年4月26日(金)、『アベンジャーズ/エンドゲーム』がついに封切りとなった。MCU作品22作の集大成となる同作は、厳重なネタバレ禁止の箝口令が敷かれているが、ネット上ではその感動を伝える声がやまない。今回は、そんな『アベンジャーズ/エンドゲーム』の演出を支えた音楽を紹介しよう。劇中で流れた曲とその場面をご紹介するため、作品を未見の方は注意していただきたい。
以下の内容は、映画『アベンジャーズ/エンドゲーム』の内容に関するネタバレを含みます。
『エンドゲーム』で流れた6曲に込められた意味
『アベンジャーズ/エンドゲーム』のオープニングを飾ったのは、トラフィック (Traffic) の「Dear Mr. Fantasy」(1967)。『インフィニティ・ウォー』後の世界を生きるアベンジャーズの心情を表した一曲だ。「この憂鬱から逃れるためなら、なんでもやろう」「歌を歌って、ギターを弾いて、シャレた感じ (snappy) にしよう」と歌われており、「snappy」はサノスの “指パッチン = snap” にかかっている。この時点で観客には、『アベンジャーズ/エンドゲーム』では音楽が効果的に使用されていくことが暗示されている。
アントマンことスコット・ラングがタコスを食べようとするシーンで流れてくる曲は、キンクス (The Kinks)の「Supersonic Rocket Ship」(1972)。このシーンは、アベンジャーズ再合流のシーンでもある。「(超音速の宇宙船で) どこにだって行ける」と、希望に満ちた新たな船出を象徴する楽曲となっている。
ローリング・ストーンズ (The Rolling Stones) の「Doom and Gloom」(2012)は、ソーが帰還し、ロケットが宇宙船を修理しているシーンで流れてくる。「doom and gloom」というタイトルは、「希望がない」「どうしようもない」という意味だ。悲観的な歌詞が並ぶが、サビでは「それでもドラムが鳴り出せば」「チャンスを掴んで、踊り出さないか」と、どん底から這い上がろうとするアベンジャーズの状況を代弁してくれている。
MCUファンにはおなじみの一曲は、いつも通り、スター・ロードことピーター・クィルの登場シーンで流れ出す。レッドボーン (Redbone) の「カム・アンド・ゲット・ユア・ラヴ (Come and Get Your Love)」(1973) と共に再現された『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』(2014) のワンシーンは、ジェームズ・ガン監督の復活を予感させてくれる。
アイアンマンことトニー・スタークとキャプテン・アメリカことスティーブ・ロジャースが1970年にタイムスリップした際のBGMには、ステッペンウルフ (Steppenwolf) の「Hey Lawdy Mama」(1970) が使用されている。退屈な町に「長居はしない」という内容が歌われているが、同時に「あなたが笑顔でよかった」と、トニーの心情も表現されている。
物語の最終盤、キャプテン・アメリカことスティーブ・ロジャースがペギーとダンスを踊るシーンで流れてくるのは、ハリー・ジェイムス&キティ・カレンの「イッツ・ビーン・ア・ロング・ロング・タイム (It’s Been a Long, Long Time)」。1945年11月に米国で大ヒットした曲で、歌詞は、戦争から帰ってくる兵士を恋人が「久しぶり」と迎え入れる内容だ。この曲は『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』(2014) でも使用されているが、キャプテン・アメリカは大戦終結時には氷漬けになっていたため、リアルタイムにはこの曲のブームを経験していなかった。“戦争の終わり”と“恋人との再会”を意味するこの曲には、キャプテン・アメリカの人生とMCUの歴史を“閉じる”、様々な意味が込められている。
以上が、『アベンジャーズ/エンドゲーム』で流れた6つの楽曲だ。いずれも『エンドゲーム』のストーリーと関連した内容の曲になっていると共に、MCUの歴史を踏まえた選曲となっている。音楽の持つ意味もチェックした上で再度鑑賞すれば、さらに心を動かされることは間違いないだろう。
映画『アベンジャーズ/エンドゲーム』は、2019年4月26日(金)より、全国でロードショー。
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via: © 2019 MARVEL