【最新曲編】『スパイダーマン: スパイダーバース』で流れたヒップホップまとめ | VG+ (バゴプラ)

【最新曲編】『スパイダーマン: スパイダーバース』で流れたヒップホップまとめ

via: Screenshot on Post Malone Youtube

『スパイダーバース』で流れた最新曲は?

最新チューンをご紹介!

2019年3月8日(金)から日本でも公開された『スパイダーマン: スパイダーバース』は、ストリートカルチャーを背負った新たなスパイダーマン像を提示した。ファッションやグラフィティだけでなく、80年代、90年代のヒップホップ・クラシックも数多く登場している。

一方で、現代っ子のマイルスのメンタリティを表現していたのは、今をときめくフレッシュなラッパー達による最新チューンだろう。【クラシック編】に続き、今回は【最新曲編】として、『スパイダーマン: スパイダーバース』に挿入された最新曲をご紹介する。

シングルカットされた二曲は?

『スパイダーマン: スパイダーバース』のサウンドトラックの中から、シングルカットされた曲は二曲存在している。それが、「Sunflower」「What’s Up Danger」だ。
作中、最も印象的だった曲は、ポスト・マローン&スワエ・リー「Sunflower」だろう。オリジナルがリリースされたのは、2018年10月18日。1995年生まれのポスト・マローンとスワエ・リーのフレッシュな二人によるこの一曲は、『スパイダーバース』公開後の2019年1月、「スパイダーマン」シリーズのサウンドトラック曲としては初のBillboard Hot 100の首位を獲得した。内容はラブソングのようにも聴こえるが、ヒーローの視点に置き換えると、不思議と違う聴こえ方がしてくる。マイルスがソニーのヘッドフォンを身につけ、うろ覚えの「Sunflower」の歌詞を歌い上げるシーンは、同曲のMVにも採用されている。

マイルスがスパイダーマンとなるシーンでは、ブラックウェイ&ブラック・キャビア「What’s Up Danger」がニューヨークの街に鳴り響く。成長したワイルドなマイルスの姿と呼応する内容で、ストリートファッションに身を包んだ“黒い”スパイダーマンにピッタリの一曲だ。

なお、NYのプロデューサーデュオであるブラック・キャビアが同曲をEDMとして生まれ変わらせた「What’s Up Danger – Black Caviar Remix」は、2019年2月にBillboard 200で第2位にランクインしている。

 

ドタバタの日常を彩る楽曲達

“高校生マイルス・モラレス”のドタバタの日常生活も、ヒップホップで彩られている。
マイルスが街中にステッカーを貼って回るシーンで聞こえてくるのは、ニッキ・ミナージュと、プエルトリコのラッパーであるAnuel AA、ジンバブエ出身のプロデューサー/シンガーであるBantuの三人による「Familia」だ。『スパイダーバース』の為に書き下ろされた一曲だ。

マイルスの父親のカーステレオから聞こえてくる曲は、1994年生まれの人気ラッパー、アミーノ「Invincible」。「今すぐ飛び立ちたい」と、父親の保護下にあるマイルスの心情を表したリリックとなっている。

また、通り過ぎていく車から流れてくるのは、Ski Mask the Slump God & Jacquees「Save the Day」。Ski Maskは1996年生まれ、フロリダ出身の超新星だ。

ブルックリン出身のThutmoseによる感傷的な一曲、「Memories」が聞こえてくるのは、マイルスの父親が彼をパトカーで学校に連れていくシーン。「Why won’t you love me now?」と繰り返し歌われているが、この直後に「父さん、愛してる」のワンシーンが挿入される。

 

部屋に帰ってきたマイルスのルームメイトのヘッドフォンから漏れ聞こえてくるのは、LAのDUCKWRTHとバージニアのShaboozeyが組んだ「Start a Riot」。コミカルなワンシーンで使用されているが、リリックは「もし君の世界が壊れてしまうなら、暴動を起こそう」と、激しい内容だ。

センチメンタルな演出も

Juice WRLD feat. Seezyn「Hide」は、マイルスがスパイダーマンのグループを離れ、一人歩くセンチメンタルなシーンで挿入される。重要なシーンでの起用となったが、シカゴ生まれのJuice WRLDは1998年生まれで、『スパイダーマン: スパイダーバース』公開時点では弱冠20歳だった。

大物ラッパーのリル・ウェインが登場するのは、Lil Wayne & Ty Dolla $ign「Scared of the Dark (feat. XXXTENTACION)」。冒頭のスパイダーマンことピーター・パーカーの死が報じられるシーンで挿入され、ニューヨークの街の人々の喪失感を演出する。

怒涛のエンディングテーマ3曲

ラストシーンからのおさまらない高揚感を更に引き上げてくれるのが、エンドロールで流れるエンディング曲たちだ。

最初に流れるのは、ジェイデン・スミス「Way Up」。1998年生まれのジェイデン・スミスの両親は、俳優のウィル・スミスとジェイダ・ピンケット=スミスだ。

次に流れ出すのは、LAに拠点を置くDJカリル「Elevate (feat. Denzel Curry, YBN Cordae, SwaVay & Trevor Rich)」。若手ラッパー達を従えて、ご機嫌なサウンドを鳴らしている。

『スパイダーマン: スパイダーバース』という作品を締める最後の一曲は、ヴィンス・ステープルズ「Home」。ステープルズは1993年にコンプトンで生まれ、後に治安面の問題でロングビーチへ引っ越した。貧困層の出身の彼は、今ではロングビーチの教育プログラムに寄付を行い、デザインや音楽・映画制作を志す若者を支援している。『スパイダーバース』のテーマや、作品に込められたメッセージを考えれば、これ以上ない人選だと言える。

以上が、『スパイダーマン: スパイダーバース』に挿入された、ヒップホップ界のフレッシュな面々による楽曲たちだ。これらの楽曲を納めたサウンドトラック・アルバムは、リパブリック・レコードから発売されている。ヒップホップ好きな人も、そうでない人も、この作品に参加した面々が今後どのような活躍を見せてくれるのか、注目してみよう。

 

映画『スパイダーマン: スパイダーバース』は、は2019年3月8日(金)より全国でロードショー。

VG+編集部

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