ドラマ『ロキ』第2話に隠れた“サノスのリンゴ”クイズ MCUのタイムトラベル理論に答え示す | VG+ (バゴプラ)

ドラマ『ロキ』第2話に隠れた“サノスのリンゴ”クイズ MCUのタイムトラベル理論に答え示す

© Marvel

『ロキ』第2話にサノスのイースターエッグ

Disney+で配信中のMCUドラマ『ロキ』第2話で、MCUの大物ヴィラン・サノスに関する小ネタイースターエッグが登場した。本編で触れられない程度の小ネタだが、『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019) の内容にも繋がる意外と重要な論点を扱っている。

ネタバレ注意
以下の内容は、ドラマ『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』『アベンジャーズ/エンドゲーム』『ロキ』第2話の内容に関するネタバレを含みます。

サノスのイースターエッグが登場したのはドラマ『ロキ』第2話の序盤。ミス・ミニッツと軽妙なトークを繰り広げるロキの前に置かれているモニターに、ある文章が表示されている。おそらくロキはPC上でTVAが用意した問題集を解いているのだろう。画面にはこんな設問が表示されているのだ。

Q.2 Thanos has two apples. He eats both but realizes he wants more. He goes back in time 20 minutes and eats the apples again. Does this mean the apples will not have existed in the timeline be left?

問2 サノスはリンゴを2個持っていました。2個とも食べた後、もっと食べたいと思い20分時間を遡り、リンゴを食べ直しました。その時間軸にはそのリンゴはもう存在していないのでしょうか。

ちなみにリンゴとタイムトラベルと言えば、映画『ドクター・ストレンジ』(2016) でドクター・ストレンジがタイムストーンを宿したアガモットの目の力を試したシーンが思い出される。ドクター・ストレンジは、タイムストーンを使うことで食べたリンゴを食べる前の姿に戻して見せた。

今回『ロキ』第2話にこっそり登場しているこの問題は、「リンゴを食べる」ということを様々な行動に置き換えると、MCUにおけるタイムトラベル理論が整理しやすくなる。誰かがもう一度サノスのデシメーション(指パッチンによる人口半減)をやり直そうとしたり、アベンジャーズがデシメーション前に戻って指パッチンをなかったことにしたり、脅威になる前のサノスを倒したりすることで歴史を変えられるか、という問いに直結しているのだ。

そしてこの問題にはしっかり回答の選択肢が用意されている。

a. No, because time is constantly happening.

b. The question doesn’t matter because a branch cannot change another time branch.

c. Thanos wouldn’t been hungry prior because the Grandfather paradox already accounted for the change in matter before its move.

a. リンゴは残らない。なぜなら時間は絶えず生じている(変化している)から。

b. その問いは重要ではない。なぜなら一つの分岐は他の分岐に変化を及ぼさないから。

c. サノスはもうお腹が空いていない。なぜなら“親殺しのパラドックス*”によって行動を起こす前に変化が適用されるから。

*親殺しのパラドックス (Grandfather Paradox):タイムトラベルに関する理論の一つ。ある人が時間を遡って親を殺すと、自分は生まれてこなかったことになるので親殺しはなかったことになるというパラドックス(矛盾)。

皆さんは答えがお分かりになるだろうか……。

正解は……

この問題の正解はb.。ロキの前にあるモニターの画面上でもb.の選択肢だけ色が付いており、理論的に考えてもb.が答えになる。a.とc.の回答は、時間軸が一本であるという考えに基づいている。MCUがこれらの理論を採用してしまうと、前述の「誰かがサノスのデシメーションをもう一度発生させる」も「デシメーション前のサノスを倒してデシメーションをなかったことにする」も可能になってしまう。

『アベンジャーズ/エンドゲーム』や『ロキ』でも見てきたように、MCUのタイムトラベル理論では、過去に干渉しても歴史が変わるわけではなく、時間軸が枝葉のように分岐するだけだ。サノスがタイムトラベルを利用してリンゴを食べても分岐が生まれるだけで、神聖時間軸はそのまま進んでいく。そして生じた分岐はTVAが処理するので、なかったことになる。

今回は、敢えて“サノス”という名前を挙げてタイムトラベル理論を整理したTVA。当然だがサノスの存在を把握していたということでもある。そして、この場面でロキがちょっと不機嫌だったのは、後に自分を殺すことになるサノスの名前を見たからかもしれない。

それにしてもこのクイズ、今回は「問2」と表示されていたが、全問読んでみたいものである……。

ドラマ『ロキ』は2021年6月9日(水)より、全6話が毎週水曜日に配信される。

『ロキ』視聴ページ (Disney+)

時間軸の改変にも関連する変異体の目的と第2話ラストの描写については、こちらの記事で詳しく解説&考察しているので、ぜひチェックしていただきたい。

ミス・ミニッツの正体についての考察はこちらから。

ドラマ『ロキ』第2話のあらすじ&ネタバレ解説はこちらの記事で。

ドラマ『ロキ』第1話のあらすじ&ネタバレ解説はこちらの記事で。

『ロキ』の出演キャストと吹き替え声優の情報はこちらの記事で。

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