ネタバレ考察『ホークアイ』第4話 〇〇の登場で判明した4つの事実と残った疑問 | VG+ (バゴプラ)

ネタバレ考察『ホークアイ』第4話 〇〇の登場で判明した4つの事実と残った疑問

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ドラマ『ホークアイ』配信中

Disnsey+で独占配信中のドラマ『ホークアイ』は、映画『マイティ・ソー』(2011) で初登場を果たしたホークアイことクリント・バートンと、本作で初登場のケイト・ビショップの出会いと戦いを描くバディドラマ。スーパーパワーを持たない二人だが、ヒーローを辞めたいクリントと、ヒーローになりたいケイトのタッグが時にコミカルに時にシリアスに描かれている。

『ホークアイ』第4話では、ある人物の登場に注目が集まった。画面上に登場したのはわずかな時間だったが、その間の描写の中にも多くのことが読み取れる。今回はあの人の登場を通して、MCU全体の展開にも関わるいくつかのポイントを考察していこう。

ネタバレ注意
以下の内容は、ドラマ『ホークアイ』第4話の内容に関するネタバレを含みます。

エレーナ登場で分かったこと

ドラマ『ホークアイ』第4話の終盤に登場したのは、エレーナ・ベロワだ。映画『ブラック・ウィドウ』(2021) でナターシャ・ロマノフの義理の妹として登場し、一躍人気を集めた。演じているのは俳優のフローレンス・ピューで、本人もInstagramで『ホークアイ』へのエレーナの登場を報告している。

映画『ブラック・ウィドウ』のポストクレジットシーンでは、ナターシャの墓参りをするエレーナの姿が描かれた。墓の前で目に涙を浮かべるエレーナをよそに鼻をかむヴァルことヴァレンティーナ・アレグラ・デ・フォンティーヌは、エレーナに仕事を依頼する。エレーナはヴァルに「報酬をあげて」と言っており、既に雇用関係にあるか、継続的に業務委託を受けていることを窺わせている。

ヴァルは「次のターゲット」と称して、iPadでクリント・バートンの写真をエレーナに見せ、ドラマ『ホークアイ』にエレーナが登場することを示唆して『ブラック・ウィドウ』は幕を閉じた。そして、『ホークアイ』第4話では、そのエレーナがクリントを狙う立場として登場したのだ。

そして今回のエレーナの登場を通して、4つの事実が判明している。一つずつ見ていこう。

①仕事を受けたエレーナ

まず最初に分かることは、エレーナがヴァルからの仕事を受けたということだ。ヴァルは「この男のせいでお姉さんは死んだ」と、エレーナの個人的な感情を利用してこの仕事を受けさせようとしていた。一方で、エレーナはヴァルに報酬を上げるよう交渉しており、お金にもそれほど余裕がないのかもしれない。

『ブラック・ウィドウ』のポストクレジットシーンでは、エレーナはヴァルに対して「顔に“必死”って書いてある」とも発言。ヴァルにとっても、エレーナに受けてもらわなければ困る仕事だったことが示唆されている。確かに元アベンジャーズを仕留めようというのだから、誰にでも依頼できる仕事ではない。

また、ヴァルが見せた写真のクリントはローニンのコスチュームを着ていることから、ヴァルとエレーナはクリントがローニンであることを知っている可能性が高い。つまりホークアイを狙っているのではなく、多くの悪人から恨みを買っているローニンを狙っている可能性もあるのだ。

②ヴァルの動き

エレーナの登場によって直接明らかになったわけではないが、ドラマ『ホークアイ』の中の描写を通して、ヴァルの動きも見えてくる。まず、ドラマ『ホークアイ』の舞台は2024年12月、または2025年12月であることが明らかになっている。第3話では、2025年2月にあたる巳年の旧正月を祝うポスターが作中に登場している。このポスターはかなり汚れており、監督も『ホークアイ』の舞台を「『エンドゲーム』から二年後」と話していることから、本作の舞台は2025年12月が有力視される。

そして、ヴァルがドラマ『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』(2021) の中でジョン・ウォーカーをリクルートしたのは2024年4月のこと。『ブラック・ウィドウ』のポストクレジットシーンでヴァルがエレーナに依頼を出したのは、ドラマ『ホークアイ』の直前(2025年の冬)であると考えられる。つまり、エージェントとしてのヴァルの活動は継続的で、少なくとも一年半以上続いていることになる。

ヴァルは、制作陣からは「ダークなニック・フューリー」と呼ばれており、ヴィランチームの結成に動いていると思われる。ここまでチームとしての表立った動きはないが、『ホークアイ』ではエレーナが任務に就くことで、今回初めてヴァルのチームのメンバーがMCUで躍動する姿が見られる。

③クリントを狙う別の組織

『ホークアイ』第4話の注目ポイントの一つは、ジャージ・マフィアとジャック・デュケインが繋がった一方で、エレーナを送り込んだもう一つの勢力が物語に加わり、三つ巴の展開に発展したということだ。エレーナが『ホークアイ』に登場するまでは、ジャージ・マフィアがエージェントのヴァルを通してエレーナを雇った可能性も考えられたが、第4話ではマフィアのリーダーであるマヤがいきなりエレーナを蹴り飛ばしている。

この時点で、ローニン/クリントは異なる二つの組織から追われていることになる。米Marvel公式のあらすじ紹介によると、「何者かが暗殺者としてブラック・ウィドウを雇ったことで、クリントはより大きな問題が起きていることに気づく」とされている。つまり、クリントはエレーナの存在を認識したというよりも、“ブラック・ウィドウが送り込まれた”という事実に動揺しており、ケイトを危険にさらさないために離脱させることを決めたのだ。

クリントは、ブラック・ウィドウを生み出したレッドルームが存続していたことも、その後完璧に破壊されたことも、ウィドウ達が解放されたことも知らないはずだ(ナターシャから聞かされていなければ)。映画『シャン・チー/テン・リングスの伝説』(2021) では、闘技場でウィドウの一人が登場しており、ウィドウ達は世界中で各々の道を生きている。

その内の一人が暗殺者として雇われても不思議ではないが、ほかでもないクリントにブラック・ウィドウをぶつけるやり方が、アベンジャーズに起きたことを深く知る人物が黒幕であることを示唆している。少なくともクリントはそのように受け止めたのではないだろうか。

そして、そのような事情を知っている組織は、政府の組織である可能性が高い。ヴァルは、『ブラック・ウィドウ』にも登場したロス国務長官を中心に据えたヴィランチームのサンダーボルツを率いる可能性がある。ローニンの正体がクリントであることを“国”が突き止め、罪を背負った英雄を秘密裏に抹殺しようとしているとすれば……クリントはなかなか辛い状況になる。

なお、この組織の拠点がどこにあるのかは不明だが、ヴァルはエレーナにミッションを伝えるために、アメリカ中西部に位置するオハイオ州まで出かけている。ジャージ・マフィアはニューヨークの組織であり、行動範囲の広さを見ても組織の規模の違いを感じ取ることができる。

④エレーナの装備

新たに“ブラック・ウィドウ”となったエレーナの装備にも注目だ。第4話では、ケイトに銃を蹴落とされたエレーナは、ガジェットを使って戦い始める。まず両腕の手首が赤く光ると、そこからマヤに二つのボタンのようなものを放って、マヤに赤い電流を走らせている。これは、ナターシャも使っていたウィドウズ・バイトだ。この直後にクリントの顔が映し出されており、クリントは恐らくここで相手がブラック・ウィドウであることに気づいたのではないだろうか。

『アベンジャーズ/エンドゲーム』でナターシャとクリントがあの“譲り合い”を見せた時にも、ナターシャはクリントに対してウィドウズ・バイトを使っている。マヤは感電しながらもすぐに付着したボタンを取り除いていたが、『エンドゲーム』のクリントも同じように対処した。

なお、『エンドゲーム』ではソウルストーンを手に入れた後のクリントの左腕にはウィドウズ・バイトが装着されている。形見として持ち帰ったのだろう。

エレーナはそのウィドウズ・バイトを首に打ち込んでクリントをノックアウトする。ケイトから矢を向けられるも、エレーナは余裕の表情を見せてその場を立ち去っていった。今回は、ウィドウズ・バイト以外は暗視ゴーグルやロープ、銃といった基本装備だけだったが、ウィドウズ・バイトが赤色だったことは注目に値する。

ナターシャが使うS.H.I.E.L.D.製の武器が放つ電流は、基本的には青色になっている。映画『ブラック・ウィドウ』では、エレーナは赤い色のウィドウズ・バトンを使っており、レッドルームのウィドウ達も赤色の電流を放つ武器を使っていた。つまり、エレーナはレッドルーム時代の武器をそのまま使い続けているのだろう。

エレーナがヴァルに賃上げを要求する一方で、ヴァルも賃上げしてほしいと話していたことから、エレーナを送り込んだ組織はエレーナに新しい武器を提供するほどの予算がないのかもしれない。ヴァルは超人血清を打ったジョン・ウォーカーに「あなたの価値が一部で高騰してる」と伝えており、お金で動く集団であることも示唆している。言い換えればお金にシビアということだ。

一方で、ジョン・ウォーカーにはUSエージェントのユニフォームを提供しているので、エレーナにも新たな武器かコスチュームを提供して欲しいものである。MCUのスパイダーマンは、トニー・スタークの支援を受けて高機能装備になったが、果たして……。

残された疑問

エレーナの『ホークアイ』への登場で、明らかになった事実だけでなく、残された疑問もある。

まず、エレーナはなぜクリントの居場所が分かったのかということだ。エレーナはクリントとケイトを尾行しており、クリントが一人になるのを待っていたのだろうか。クリントが向かった住所はローラからテキストメッセージで送られてきたものだが、データが傍受されているとすれば厄介である。

また、エレーナはケイトが自分に矢を射てないと分かっているような表情を見せたが、それならばなぜ、あの場を立ち去ったのだろうか。二代目ブラック・ウィドウと二代目ホークアイという関係にある二人だが、年齢的にも実戦経験的にも、エレーナはケイトの大先輩だ。実力には差があるだろうし、直前にクリントもノックアウトしていることから、まだ戦えた可能性はあった。

それに、エレーナからはクリントに対する「ナターシャの仇」という殺気のようなものも感じることができなかった。それはケイトを守ろうとするクリントの姿を見てのことだろうか。そもそもエレーナの任務は“クリントの抹殺”なのだろうか。ヴァルは「次のターゲット」「この男のせいでお姉さんは死んだ」としか言っておらず、具体的な任務は告げないままだった。

エレーナの狙いは、そしてエレーナを送り込んだ組織の狙いはどこにあるのだろうか。第5話以降に注目したい。

ちなみに、映画『ブラック・ウィドウ』のポストクレジットシーンでは、エレーナは“ファニー”という名前の犬を連れていた。エレーナはファニーを誰かに預けてニューヨークに来たのだろうか。動物好きとしては、ファニーとピザドッグとの出会いに期待したい。なお、ピザドッグは原作コミックでは“ラッキー”という名前が付けられる。ファニーとラッキーが揃えば、縁起の良い話である。

原作コミック『ホークアイ』はKindleで日本語訳版が発売中。

ドラマ『ホークアイ』は2021年11月24日(水)より、Disney+で独占配信中。

ドラマ『ホークアイ』(Disney+) 

第4話のネタバレ解説はこちらから。

第4話のサプライズについて製作陣が語った裏側はこちらの記事で。

ヴァルという人物についての解説はこちらから。

映画『ブラック・ウィドウ』のポストクレジットシーンの解説はこちらから。

ヴァルのiPadをめぐる考察はこちらの記事で。

 

第3話のネタバレ解説はこちらから。

第3話に隠されていたカジの過去についてはこちらの記事で。

第1話のネタバレ解説はこちらから。

第1話に登場した「サノスは正しかった」という落書きについては、こちらで詳しく考察している。

第2話のネタバレ解説はこちらから。

第2話で判明した、ケイトがウエストコースト・アベンジャーズのリーダーになる可能性についての考察はこちらの記事で。

ドラマ『ホークアイ』のヴィラン候補まとめはこちらから。

MCUの時系列における『ホークアイ』の位置と、フェーズ4のタイムラインについての解説はこちらの記事で。

スパイダーマンが本作に登場するかどうかの考察はこちらから。

 

映画『エターナルズ』のポストクレジットシーンの解説はこちらから。

映画『シャン・チー/テン・リングスの伝説』のポストクレジットシーンの解説はこちらから。

映画『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』の予告編解説と考察はこちらから。

『ノー・ウェイ・ホーム』の三大ヴィラン俳優が同作について語った内容はこちらから。

『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』のポストクレジットシーンの解説はこちらから。

 

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齋藤 隼飛

社会保障/労働経済学を学んだ後、アメリカはカリフォルニア州で4年間、教育業に従事。アメリカではマネジメントを学ぶ。名前の由来は仮面ライダー2号。編著書に『プラットフォーム新時代 ブロックチェーンか、協同組合か』(社会評論社)。
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