『ファルコン＆ウィンター・ソルジャー』ヴァルとは誰か
Disney+オリジナルのMCUドラマ『ファルコン＆ウィンター・ソルジャー』はいよいよクライマックスに突入。それぞれの登場人物の決意の下、物語は大きく動き出した。一方で、残り1話を残しての新キャラの登場もあった。第5話でMCU初登場を果たしたヴァレンティーナ・アレグラ・デ・フォンテーヌだ。今回は、“ヴァル”を自称するこの人物が一体どのようなキャラクターなのか、原作コミックの設定から見てみよう。
「伯爵夫人」の意味は?
第5話に登場したヴァレンティーナ・アレグラ・デ・フォンテーヌは、まず自分の名前を名乗った後、「正式には“伯爵夫人”も付くんだけど」と付け加える。英語では「Actually, it’s Contessa Valentina Allegra de Frontaine.」と話しており、「Contessa (コンテッサ)」が「伯爵夫人」という意味になる。原作コミックでは単に「コンテッサ」と呼ばれることもあるため、このセリフは重要な意味を持っていたのだ。
ヴァルが最初に原作コミックに登場したのは1967年8月に刊行の『Strange Tales #159』に掲載された「Nick Fury, Agent of S.H.I.E.L.D.」。そう、ニック・フューリーと非常に縁の深いキャラクターなのだ。ジム・ステランコによって創造されたヴァルは、ニック・フューリーとの初対面でミソジニーな態度を見せたニック・フューリーを投げ飛ばすが、その後すぐに二人は恋仲に。『Nick Fury, Agent of S.H.I.E.L.D.』は独立したシリーズとして刊行されることになるが、ヴァルは長年ニック・フューリーの恋人として、そしてS.H.I.E.L.D.のエージェントとして描かれる。
一方、コンテッサことヴァルは、スクラル星人の成り済ましによってスクラル星人と入れ替わっていたことも。このエピソードは、MCUでドラマ化されることが決まっている『シークレット・インベーション』というコミック作品での展開。ドラマ『シークレット・インベーション』はニック・フューリーがスクラル星人の密かな侵略にタロスと共に立ち向かうストーリーが展開される予定で、この作品にヴァルが登場する可能性は高いだろう。
“悪のニック・フューリー”に？
また、ヴァルはヒドラのスパイとして活動し、“マダム・ヒドラ”を名乗るヴィランになることも。『ファルコン＆ウィンター・ソルジャー』に登場したMCU版のヴァルも、最初からヴィランとしての立場を示しているように見える。そして、悪に堕ちたジョン・ウォーカーに無地の名刺だけを渡して立ち去るこのスタンスは、誰かの姿を彷彿させないだろうか。そう、ヴァルはMCUにおいて悪のニック・フューリーになる可能性もある。
マーベルにおけるDCのスーサイド・スクワッドのような悪のチームといえば、サンダーボルツだ。『インクレディブル・ハルク』(2008) からMCUに登場しているロス将軍が原作コミックで結成するチームだが、ヴァルが一人ひとりの“ヴィラン候補”に声をかけて回ってリクルートしているとすれば、アベンジャーズにとっては相当に厄介な相手になる。
ヴァルがジョン・ウォーカーに話していたのは、ウォーカーの“市場価値が高まっている”という話だ。裏のマーケットに精通している人物だということが分かるが、それでも、ヴァルがウォーカーに声をかけた目的はまだ定かではない。MCUではヴィランもまたそれぞれに信念を持っているが、ヴァルは目的を達成することができるのだろうか。
『スパイダーマン: ファー・フロム・ホーム』(2019) を最後に全く姿を見せないニック・フューリーだが、原作コミックで非常に関係が深い“コンテッサ” ヴァレンティーナ・アレグラ・デ・フォンテーヌが『ファルコン＆ウィンター・ソルジャー』に登場した。本作だけにとどまらないヴァルの活躍に期待しよう。
追記 (4/20/2021)：『ファルコン＆ウィンター・ソルジャー』のプロデューサーであるネイト・ムーアはヴァルを“よりダークなニック・フューリー”と表現し、今後のMCUに影響を与えていくことを認めた。詳しくはこちらの記事で。
2022年のD23 Expoで発表されたMCUのヴィランチーム “サンダーボルツ”のメンバーはこちらから。
ドラマ『ファルコン＆ウィンター・ソルジャー』はDisney+で独占配信中。
ヴァルが登場した『ファルコン＆ウィンター・ソルジャー』第5話のネタバレ解説・あらすじ＆考察はこちらから。
第5話「真実」で生まれた『ブラックパンサー』との繋がりについてはこちらの記事で。
ニック・フューリーの所在を含む『ワンダヴィジョン』で明かされなかった謎についてはこちらの記事を。
ドラマ『ファルコン＆ウィンター・ソルジャー』のヴィラン候補についてはこちらの記事を。
