『ムーンナイト』第4話に注目
MCUドラマ『ムーンナイト』が後半戦に突入。Disney+オリジナルで配信されるMCUドラマとしては初めて新キャラを単独主人公に据えた本作は、主演のオスカー・アイザック、そしてヴィランを演じるイーサン・ホークの好演を軸に新たなダークヒーローの物語を展開してきた。
そして全6話で構成される『ムーンナイト』は、第4話が大きなポイントになるようだ。『ムーンナイト』でアーロン・ムーアヘッドと共に共同監督を務めるジャスティン・ベンソンは、米ComicBook.comで以下のように語っている。
(第4話の)脚本が出来上がったときは、皆が部屋に集められて「みんな、しないといけない話があるんだ」という感じでした。そして大きなケースが開くと、そこにはエクスカリバーがあったんです。
そして私たちはそれを手に取って、脚本に取り入れました。それはただただ素晴らしい宝物で、私たちがこれをやれるということ自体が贈り物でした。これをやるのが自分たちだと気づいたときには、自分たちに嫉妬するような感覚でしたよ。
エクスカリバーとは、アーサー王伝説に登場する聖剣のこと。伝説の武器を与えられたと例えるくらいなのだから、『ムーンナイト』第4話には相当なサプライズが待っているのだろう。続けて、もう一人の共同監督であるアーロン・ムーアヘッドは以下のように話している。
『パルプ・フィクション』のように、黄金の光が私たちを照らしていました。とてもエキサイティングなことで、私たちにとっても同じようにエキサイティングで、そこには大きなサプライズがあるんです。私たちが監督したものなので800万回は観たんですが、それでも最後の15分を再生するのが大好きなんです。
映画『パルプ・フィクション』(1994) では、スーツケースを開くと黄金の光が漏れ出るシーンがある。ジャスティン・ベンソン監督曰くケースに入っていた“エクスカリバー”と、アーロン・ムーアヘッド監督の言う「大きなサプライズ」とは何を指しているのだろうか。
『ムーンナイト』でレイラ役を演じるメイ・カラマウィも、お気に入りのエピソードは「第4話と言いたいです。ラストのおかげでね」とした上で、こう語っている。
役者としてそこにいられることが幸運だと思えるような素晴らしいセットがあって、多くのことは想像することができますが、それは想像もできないようなものでした。まさに、贈り物の後に贈り物が来るような感じです。セットのデザイナーさん達には本当に感謝しています。
なお、ドラマ『ムーンナイト』を手がけるジャスティン・ベンソン監督とアーロン・ムーアヘッド監督は、ドラマ『ロキ』シーズン2でも監督を務めることが明らかになっている。映画『ロキ』との絡みもあるのか、“サプライズ”に注目したい。
過去のMCUシリーズも第4話がポイントに
実は、これまでに配信された2021年のMCUドラマも、第4話がサプライズ回になっている。
以下の内容は、2021年に公開されたMCUフェーズ4作品の第4話の内容に関するネタバレを含みます。
ドラマ『ワンダヴィジョン』第4話の「番組を中断します」では、初めてシットコムの世界が中断され、外の世界の様子が映し出された。いわば最初のネタバラシ回でもあり、『キャプテン・マーベル』(2019) からモニカ・ランボー、『アントマン&ワスプ』(2018) からジミー・ウー、そして「マイティ・ソー」シリーズからダーシー・ルイスが登場するサプライズ回だった。
ドラマ『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』第4話の「世界注視の中で」では、映画『ブラックパンサー』(2018) から前話ラストに登場したアヨに加えて、ドーラ・ミラージュも登場。ラストではジョン・ウォーカーが世界が注視する中で人を殺めてしまう衝撃の展開が待っていた。
ドラマ『ロキ』第4話の「分岐イベント」では、「マイティ・ソー」シリーズからレディ・シフがサプライズで登場。シルヴィの過去とTVAの人々が変異体であったことも明かされた。タイムキーパーとの対面も描かれた上、剪定されたはずのロキが“虚無”で目を覚ますポストクレジットシーンも用意されていた。
ドラマ『ホークアイ』第4話の「私たち相棒でしょ?」では、クリントとケイトが揃って紫の新コスチュームに袖を通す。そして、終盤では映画『ブラック・ウィドウ』(2021) からエレーナ・ベロワが登場。一方でホークアイの二人は解散という重大局面を迎える。
ドラマだけでなく、アニメ『ホワット・イフ…?』シーズン1第4話の「もしも…ドクター・ストレンジが手の代わりに恋人を失ったら?」も重要回だった。2022年5月4日(水・祝) 公開の映画『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』での登場が噂されるドクター・ストレンジの変異体、ストレンジ・スプリームが登場している。
このように、Disney+のMCUシリーズは第4話がポイントになることが多く、今回の『ムーンナイト』に至っては、二人の監督が重要回になることを認めている。「大きなサプライズ」は他のMCU作品とのクロスオーバーを指しているのだろうか。“第4話の法則”は『ムーンナイト』でも続いていくのか、第4話を注視しよう。
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ドラマ『ムーンナイト』は2022年3月30日(水)よりDisney+で独占配信。
『ムーンナイト』の原作コミックは堺三保による日本語訳全2巻が発売中。
Source
ComicBook.com
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