ネタバレ解説『バッド・バッチ』シーズン2第15話 二人のゲストがクライマックスに登場 あらすじ&考察 | VG+ (バゴプラ)

ネタバレ解説『バッド・バッチ』シーズン2第15話 二人のゲストがクライマックスに登場 あらすじ&考察

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『バッド・バッチ』シーズン2第15話はどうなった?

アニメ『スター・ウォーズ/バッド・バッチ』は2021年にシーズン1の配信を開始。2023年1月からシーズン2の配信を開始し、3月29日(水) に第15話と第16話の配信をもってシーズン2の最終回を迎えた。

まずは、シーズン2第15話の各シーンを振り返っていこう。以下の内容は本編のネタバレを含むため、必ずDisney+で本編を鑑賞してから読んでいただきたい。

ネタバレ注意
以下の内容は、アニメ『スター・ウォーズ/バッド・バッチ』シーズン2第15話の内容に関するネタバレを含みます。

シーズン2第15話「サミット」あらすじ&ネタバレ解説

テクの思い

第14話でターキン総督に“サミット”に呼び出されていたドクター・ヘムロック。第15話のタイトルはその「サミット」となっている。テクはヘムロックが所属する特殊科学部門の情報は乏しいとぼやいている。だが、サミット=帝国の首脳会議が行われるという情報を得て、エリアドゥにあるターキンの基地へ向かうのだった。

ハンターはここでも慎重な姿勢を見せるが、テクは「兄弟は見捨てない」とクロスヘアー奪還に熱い思いを見せている。ハンターにとっては、家族である仲間を失うのが怖いということもあるのだろう。

パブーを離れる一行。復興はそんなに簡単じゃないと思うが、任務があるなら仕方あるまい。何も言わずに去ろうとしたテクは、海賊のフィーに「ブリーフィング」が必要だったか、と言うが、友達とは「カンバセーション」が必要だとフィーは切り返す。テクらしい兵士としての一面を見せながらも、熱い気持ちを胸にバッド・バッチはシーズン2最後の任務に挑む。

クローンを脅威に変えたもの

バッド・バッチの目的は、サミットに乗り込んでドクター・ヘムロックの船に追跡装置をつけること。バッド・バッチは帝国軍の船を使っているから潜入しやすいのだ。潜入中、レッカーは「ラクサスでは成功した」と言っているが、これはシーズン1第10話で惑星ラクサスでの救援ミッションに取り組んだ時の話をしている。ちなみにこの時はオメガはシドのもとで留守番させられている。

ヘムロックもエリアドゥのターキン総督のもとへ到着。サミットでは、全銀河を支配下に置く計画について議論されている。ヘムロックはクローン技術について話し、「皇帝にとって重要なクローン技術」としている。やはりパルパティーンのクローン製造計画のことをさしているのだろうか。

ヘムロックは「高度な遺伝子技術で進歩的な文明社会が実現できる」と抽象的な言い方もしているが、クローンで「軍隊」ではなく「社会」を作るという点は、これまでの科学者と一味違う点だ。さらに、退役クローン兵には他の使い道があるとも話している。

その「使い道」に対するクローン兵の同意を確認する上官に、ヘムロックは、クローンは持ち物であり同意は必要ないと主張。だが、クローンの権利を主張する元老院議員のことを気にしている上官もおり、成立間もない帝国の弱気な一面も見られる。ドラマ『マンダロリアン』シーズン3で、成立間もない新共和国の稚拙な統治が垣間見られるのと似た演出になっている。

サミットには、先の大戦でクローンと共に戦った将校もいる。共和国軍からそのまま帝国軍に編入された人間は少なくない。この会話の中で、クローンは「予測不能な行動をとる」とされているが、その原因が「ジェダイの指揮下で厄介な個性を身につけた」こととされている。それこそアナキン・スカイウォーカーやアソーカ・タノ、時にはオビ=ワン・ケノービといった型破りなジェダイが蒔いた種が芽生えたのだ。

オーソン・クレニック登場

帝国軍がクローンの蜂起について危機感を募らせている様子が見て取れるが、ターキン総督はその不安をかき消すように、クレニック司令官にスターダスト計画についての報告を求める。スターダスト計画とはデス・スターの建設を目的とした計画のコードネームである。

そして、このクレニック司令官は顔を見てピンと来た人もいることだろう。この人物は、映画『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』(2016) に登場したオーソン・クレニックである。アニメ『バッド・バッチ』シーズン2では、十数年前の姿ということになるが、『ローグ・ワン』で演じたベン メンデルソーンそっくりの造形になっている。

オーソン・クレニックは共和国時代から兵器部門で働いており、ジン・アーソの父ゲイレン・アーソを共和国の教育プログラムに誘った人物でもある。その才能を認められていたクレニックは、帝国樹立後は若くして兵器開発部門の長官になっている。後にキャシアン・アンドーの最後の敵となる人物が意外なところで登場した。

ちなみにターキンがクレニックにデス・スター建設計画の進捗を聞くのはかなりの皮肉だ。なぜなら『ローグ・ワン』ではキャシアンに撃たれたクレニックは殺されずに放置されるが、自らが建設に尽力したデス・スターの砲撃によってクレニックは惑星スカリフごと消滅するからだ。しかも、その指示を出すことになるのはターキンである。

ソウ・ゲレラ登場

センサーをダウンさせて侵入に成功したバッド・バッチ。格納庫では追跡装置の取り付けに成功するが、バッド・バッチ以外にも何者かが侵入している形跡を発見する。ターキン総督の基地に侵入し、ここを爆破しようとしていたのはソウ・ゲレラだった。

ソウ・ゲレラは映画『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』、アニメ『スター・ウォーズ/クローン・ウォーズ』(2008-2020) に登場したキャラクターで、2022年にはドラマ『キャシアン・アンドー』シーズン1で6年ぶりの実写登場を果たしている。実写版を演じたのはフォレスト・ウィテカーだ。

シーズン1第1話ではまだ帝国の兵士だったバッド・バッチは、ターキンによって忠誠心を試すためにオンダロンに送り込まれている。そこで出会ったのが反乱分子を率いているソウ・ゲレラだった。反乱分子といってもついさっきまで共和国の人々であり、ソウ・ゲレラはバッド・バッチにオーダー66の真実を告げ、ハンターは任務の中止を決断した。

これがバッド・バッチが帝国から離れることになる最初のきっかけであり、クロスヘアーがチームを離れるきっかけにもなった。ソウ・ゲレラは、その時の出会いの結果、バッド・バッチが反帝国の道を歩んだと思い感激しているが、バッド・バッチとしてはクロスヘアーを救うためにドクター・ヘムロックは生かしておいてもらわないと困る。

しかし、ソウ・ゲレラは捕えられている人々を犠牲にしてでも帝国に打撃を与えようとする強硬路線をとる。「大義のためには犠牲も必要」という過激派の思想はこの頃から変わっていないようだ。ドラマ『キャシアン・アンドー』では、ここから十数年後を舞台に、ソウ・ゲレラと、より強硬な姿勢を持つ反乱分子指導者のルーセン・レイエルの折衝が見られるので、未視聴の方はぜひ。

一同の侵入がバレて銃撃戦になる中、高官たちは会議室に閉じこもる。ゲレラ組は脱出時に爆弾を起動して去っていく。ゲレラのチームは帝国の船とストームトルーパーのユニフォームを用意している当たり用意周到だ。

バッド・バッチもモノレールで脱走を試みる。コードロックを解除してくれるエコーの存在がありがたい。しかし、爆発の影響でバッド・バッチが乗り込んだモノレールが停止。バッド・バッチは上空に取り残されて、シーズン2第15話は幕を閉じる。

『バッド・バッチ』シーズン2第15話 考察&感想

「スター・ウォーズ」のダイナミズム

最終話は第15話と同時に配信されているので、今回の考察はそこそこにしておこう。シーズン2のクライマックスは、第15話でサミットでの追跡作戦に成功し、第16話でクロスヘアーを助けにいく展開かと思いきや、全くそうはならなかった。ソウ・ゲレラという意外な客人のおかげでバッド・バッチは予期せぬ事態に陥ってしまった。

第15話の注目ポイントは、ターキン総督がクローンによる蜂起を警戒し、デス・スターの建設計画に期待していたという点だ。ターキンが警戒する「厄介な個性」をクローンに植え付けた張本人であるアナキン・スカイウォーカー=ダース・ベイダーは、後に帝国軍の会議でデス・スターの力に頼りすぎないよう警告している。

それはフォースの力を信じての発言だったが、ジェダイがクローンを育て、クローンの脅威がデス・スター建設を推し進める理由の一つになり、シス卿になったベイダーがデス・スターをフォースに比べれば取るに足らないとしてその脆弱性を指摘し、結果デス・スターは敗れ去ったという流れがあると考えれば、「スター・ウォーズ」の宇宙のダイナミズムにワクワクする。

シーズン1第1話でいきなり帝国によるクローン兵廃止の背景が語られて以来、「スター・ウォーズ」史のスキマの部分を埋めてくれている『バッド・バッチ』。最終話ではどんな展開が待っていたのか、続けて見ていこう。

同時配信のシーズン2最終回第16話のネタバレ解説はこちらの記事で。

アニメ『スター・ウォーズ:バッド・バッチ』シーズン2はDisney+で独占配信中。

『スター・ウォーズ:バッド・バッチ』(Disney+)

同日配信の『マンダロリアン』シーズン3第5話のネタバレ解説&考察はこちらの記事で。

 

『バッド・バッチ』シーズン2最終話第16話のネタバレ解説はこちらから。

第1話のネタバレ解説はこちらから。

第2話のネタバレ解説はこちらから。

第3話のネタバレ解説はこちらから。

第4話のネタバレ解説はこちらから。

第5話のネタバレ解説はこちらから。

第6話のネタバレ解説はこちらから。

第7話のネタバレ解説はこちらから。

第8話のネタバレ解説はこちらから。

第9話のネタバレ解説はこちらから。

第10話のネタバレ解説はこちらから。

第11話のネタバレ解説はこちらから。

第12話のネタバレ解説はこちらから。

第13話のネタバレ解説はこちらから。

第14話のネタバレ解説はこちらから。

 

シーズン1ラストの解説はこちらの記事で。

シーズン1で明かされたクローン兵廃止の理由はこちらから。

 

ドラマ『マンダロリアン』シーズン3第1話のネタバレ解説&考察はこちらの記事で。

齋藤 隼飛

社会保障/労働経済学を学んだ後、アメリカはカリフォルニア州で4年間、教育業に従事。アメリカではマネジメントを学ぶ。名前の由来は仮面ライダー2号。編著書に『プラットフォーム新時代 ブロックチェーンか、協同組合か』(社会評論社)。
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