シーズン3第5話ネタバレ解説『マンダロリアン』ボ=カターンが遂に…意外なゲストも あらすじ・考察・感想 | VG+ (バゴプラ)

シーズン3第5話ネタバレ解説『マンダロリアン』ボ=カターンが遂に…意外なゲストも あらすじ・考察・感想

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『マンダロリアン』シーズン3第5話はどうなった?

ドラマ『マンダロリアン』は2019年に配信を開始した「スター・ウォーズ」の人気ドラマシリーズ。後に続いた『オビ=ワン・ケノービ』(2022) や『キャシアン・アンドー』(2022-) といったドラマ群に先駆けて「スター・ウォーズ」フランチャイズに新たな風を送り込んだ。

『マンダロリアン』の魅力は、ジェダイとは全く異なる教義を持つマンダロリアンという集団の生き様と、ジェダイとマンダロリアンという二つの要素を持ったグローグーと主人公ディン・ジャリンの絆の描き方だ。シーズン3後半戦の第一歩となる第5話ではどんな物語が描かれたのだろうか。今回も各シーンをネタバレありで解説していく。

以下の内容はネタバレを含むので、必ずDisney+で本編を視聴してから読んでいただきたい。

ネタバレ注意
以下の内容は、ドラマ『マンダロリアン』シーズン3第5話の内容に関するネタバレを含みます。

ドラマ『マンダロリアン』シーズン3第5話チャプター21「海賊」ネタバレ解説

二人のヴィラン

ドラマ『マンダロリアン』シーズン3第5話の監督を務めるのは、映画『スパイダーマン:スパイダーバース』(2018) でボブ・ペルシケッティとロドニー・ロスマンと共に共同監督を務めたピーター・ラムジー。映画『ガーディアンズ 伝説の勇者たち』(2012) の監督としても知られる。

第5話の冒頭は、マンドーことディン・ジャリンがシーズン2のラストで手にいれたダークセーバーにまつわる回想シーンから始まる。ダークセーバーは決闘で勝利した者の手に渡るのだが、ドラマ『ボバ・フェット/The Book of Boba Fett』(2021-2022) ではパズ・ヴィズラがディン・ジャリンにダークセーバーをかけた決闘を挑んで敗れている。

また、帝国の残党であるモフ・ギデオンが生きている点にも触れられている。シーズン3第3話でも、恩赦組の会話の中からモフ・ギデオンのその後の消息は不明であることが示唆されていた。

シーズン3第5話の舞台は、第1話でディン・ジャリンが再訪した惑星ネヴァロ。上級監督官となったグリーフ・カルガは新共和国の手を借りることを拒否し、海賊に対してディン・ジャリンと共に自衛したが、海賊王ゴリアン・シャードもまた生き残ったままだった。シーズン3後半の最初の回想は、モフ・ギデオンとゴリアン・シャードという二人のヴィランの存在を仄めかしている。

新共和国の負の側面

グリーフ・カルガは流通インフラについてエンジニアに指示を出す立派な指導者としての一面を見せている。一方で海賊船の領空侵犯という防衛問題にも取り組まなければいけない。街が繁栄しているからか、それとも武力がないからか、ドラマ『ボバ・フェット』でタトゥイーンの指導者になったボバ・フェットよりもグリーフ・カルガの方が大変そうな印象を受ける。

ホログラムで登場したゴリアン・シャードはかつてギルドの頭目だったグリーフ・カルガに舐めた態度をとるが、確かに今のネヴァロには新共和国の後ろ盾も帝国の残党の後ろ盾もない。カルガは新共和国の「スピンワード巡視隊」が来ると言っているが、スピンワードとはアウターリム(外縁部)の中に位置する宇宙域のことである。

ゴリアン・シャードは、新共和国は中縁部すら守れていないと、建国まもない新共和国による不安定な統治を指摘する。第3話に続き、新共和国の負の側面を示すものだ。ゴリアン・シャードは「サバックとは違うぞ」とも言っているが、サバックは「スター・ウォーズ」シリーズに登場するカードゲームのことで、映画『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー 』(2018) でハン・ソロがランド・カルリジアンからミレニアム・ファルコンを手に入れた賭けのゲームがサバックだ。

ゴリアン・シャードの海賊船はネヴァロへ大規模な空爆を開始。シーズン3第5話「海賊」は思いがけない展開で幕を開ける。

テヴァとゼブ

一方、新共和国のパイロットたちが集うバーで登場したのは、カーソン・テヴァだ。カーソン・テヴァはシーズン2でマンドーを見逃し、『ボバ・フェット』でもマンドーの乗るN-1 スターファイター職質したが亜高速スラスターで逃げられ、部下に報告しないよう命じた優しい人だ。

グリーフ・カルガはこのカーソン・テヴァに、一度は断った新共和国の庇護を求めるメッセージを送っていた。市民の危機にプライドを捨てられるのは指導者に必要な素養だ。そしてこの展開は現実におけるウクライナのEU加盟に関する動向を想起させる。目下攻撃を受けて危機にある国に対して、より大きな共同体はどのように振る舞うべきなのだろうか。

カーソン・テヴァは新共和国に介入許可を求めようとするが、コルソンは多忙で音信不通の状態だという。英語のセリフでは「in weeks(数週間)」とされており、新共和国の行政が機能していないことを窺わせる。

この発言をしたキャラクターは、『スター・ウォーズ 反乱者たち』(2014-2018) に登場したロザルの反乱者たち=ゴーストの一員、ゼブことガラゼブ・オレリオスだ。クレジットを見ると、アニメと同じく英語はスティーヴン・ブルーム、日本語は稲葉実が声優を務めていることが分かる。

『スター・ウォーズ 反乱者たち』は『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』(2005) と『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』(1977) の間を舞台にしたアニメで、ゼブは『反乱者たち』のラストで自身の種族であるラサットの故郷リラ・サンへ行った姿が最後だった。しかし、新共和国の樹立後はゼブは新共和国軍に参加していたようだ。

カーソン・テヴァは手遅れになる前に直接コルソンに出向くことを決意。ここでついに第3話で登場したが物語に合流する。キャプテン(大尉)の位にあるカーソン・テヴァが直談判するタトル大佐もまた、第3話で描かれた展開から地続きで記録の整理に追われている。

新共和国の前哨基地があるアデルファイから来たカーソン・テヴァ。コルサントの行政が混乱している一方で、パイロットが集まるあのバーは暇そうであり、新共和国は、激務のセクターと暇なセクターが共存する上手くいっていない組織の典型のようにも思える。ゼブが続三部作におけるファースト・オーダーとの戦いに参加できなかった理由も、こうした新共和国のマネジメントの混乱にあったのかもしれない。

全ては繋がっている

タトル大佐はイライア・ケインからネヴァロが新共和国未加盟であることを聞くと、「加盟している星からの要請が優先」ともっともなことを言い出す。だが、あれだけパイロットが余っているのを見ていれば、その論は崩れる。カーソン・テヴァは、ネヴァロが狙われやすいという点を指摘しているが、これはシーズン3第1話でカルガがネヴァロを通商拠点にしたいと言っていたことと繋がる。地理的に狙われやすい位置にあるのだろう。

タトル大佐は、新共和国軍はもはや反乱軍ではなく、「要請に応える立場」と話す。これは意外と重要な指摘だ。タトル大佐の哲学においては、反乱は何かの目的に向かっていくもので、自ら動き出すものだったが、統治はそうではなく、来た要請に応えていくものだということだろう。ドラマ『キャシアン・アンドー』(2022-) のネミックの宣言では、反乱は自然と起こるものともされており、反乱に対する様々な考えを知ることができるのも「スター・ウォーズ」ドラマシリーズの面白いところだ。

カーソン・テヴァは、ネヴァロへの出動を要請するが、イライア・ケインは「加盟の価値」を分からせるべきと主張。テヴァは「帝国らしい考え方」と恩赦組のケインに皮肉を言うが、これはやはりウクライナの状況を踏まえた脚本と考えることができる。欧米だって領土を拡大する帝国主義を掲げて今の地位を得たのである。

そして、「戦力分配を再検討する」というタトル大佐の回答は、「検討を指示」を繰り返すどこかの国の首相を思い出す。今週の『マンダロリアン』は全部乗せだ。なお、第3話でも新共和国の行政は「申請のための確認がいる」と、非常に遠回りなお役所仕事を見せている。

全ては繋がっており、一連の出来事だとするカーソン・テヴァの言葉とイライア・ケインの表情は、第3話でのケインの行動が続三部作におけるファースト・オーダーの台頭とパルパティーンの復活に繋がっていることを示唆している。カーソン・テヴァの聡明な意見を拾い上げる仕組みがあれば、ファースト・オーダーの台頭は防ぐことができたのかもしれない。

難民となったネヴァロの人々。グリーフ・カルガは「助けは向かっている」と言い人々を安心させようとするが、実際にはそうではない。だが、キャプテン・テヴァは自らが出動する代わりにマンダロリアンに助けを求めることにしていた。反乱軍時代の仲間だったR5-D4がテヴァにマンダロリアンの居場所を教えたそうだ。第一作目『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』から登場しているR5-D4は、『マンダロリアン』シーズン2第2話ではペリ・モットーから改めて元反乱軍という設定が紹介されていた。

テヴァがマンロリアンに助けを求めたのは、帝国の残党と繋がっている可能性がある海賊をマンダロリアンに倒させることで、帝国の再興を新共和国に警告するためだった。そして、シーズン2でモフ・ギデオンを倒したマンダロリアンを頼ったのだ。

見逃してもらった借りがあるマンドーはマンダロリアンの居場所を知ったテヴァを見逃すと共に、友人であるカルガを助けることを決めるのだった。善意の個人のそれぞれの行動が銀河の平和を守っているということ印象付ける展開である。

ディン・ジャリンの説得

ディン・ジャリンはマンダロリアンの助けを借りるべくスピーチするが、シーズン1のラストでカルガの罠がきっかけでマンドーが包囲された際に、ネヴァロに潜伏していたマンダロリアンたちが帝国の残党から虐殺されたことに触れている。だが、その時カルガは改心してマンドーとグローグーを助けており、これは第4話でアーマラーが行った「孤児を救うという最も崇高な行い」にあたるだろう。

なお、アーマラーはシーズン1で仲間を失ったことについてカルガを「彼のせいではない」とは庇っていた。この時アーマラーは星を出た者もいるとも話しており、その生き残りがこの洞窟にもいるようだ。ネヴァロを救いたいというディン・ジャリンは、シーズン1ではカルガに激昂しており、アーマラーがそれをおさめていた。

しかし、今回は前のアジトを襲ったのは帝国の残党であることを説明すると、シーズン3第1話で土地をオファーされた件を持ち出し、マンダロリアン一同に「光の中で暮らそう」と提案する。確かに惑星マンダロアが帝国による大粛清を受け、その後、マンダロリアンは隠れて生きてきたが、新共和国時代位においても隠れ続ける道理はない。

それにこの新しいアジトがある惑星はなかなか危険な場所でもある。シーズン3第1話では、海の怪獣が、第4話では空の怪獣が登場し、宣誓の儀式や訓練をするのも一苦労という様子が描かれている。新共和国のカーソン・テヴァがアジトを見つけたという点も相まって、マンダロリアンを動かす動機の設定が非常にうまい展開になっている。

次にマイク(ハンマー)を握ったパズ・ヴィズラは、マンダロリアンが払った犠牲について語りながらも、「命を懸ける理由」として、自分たちが「マンダロリアンだからだ」と、一転して肯定的な態度を見せる。パズには、第4話で息子を助けられた恩があるのだ。あらゆる会話をまとめる「我らの道」という宣言でマンダロリアンは遂にネヴァロへ部隊を送り込むことを決めたのだった。

ネヴァロの戦い

作戦を指揮するボ=カターン・クライズの姿は頼もしい。チルドレン・オブ・ザ・ウォッチに必要だったのは、戦いを指揮するジェネラル(将軍)やコマンダー(指揮官)だったのだろう。かつてはネヴァロの下水道にアジトを作っていた一同を鼓舞するスピーチも素晴らしい。

ネヴァロはかつて酒場だった学校も荒らされている。海賊船には、シーズン1で登場したクイールと同じアグノートの種族と思われるクルーもいる。ディン・ジャリンはR5-D4をドロイドコクピットに、グローグーを膝に乗せてN-1 スターファイターで登場。流石のドッグファイトを見せると、マンダロリアン部隊も降下し、街の海賊を次々と制圧していく。空ではボ=カターンとディン・ジャリンが、地上ではパズ・ヴィズラとアーマラーが大活躍を見せている。全員で戦うのがマンダロリアンだ。

海賊王ゴリアン・シャードは本艦が被弾して「ダンク・ファリック!」と言っているが、これは『マンダロリアン』シーズン1第1話から登場した「スター・ウォーズ」世界におけるFワードのような罵倒語である。

ネヴァロの人々も立ち上がり、地上部隊は勝利を収める。シャードの右腕だったヴェインは一人逃げ出す一方で、本艦も最後のエンジンを破壊して撃墜。最後の爆炎に突っ込んでいくファイター・トランスポート目線のミサイル命中シーンは非常にリアルな描写だった。

二つの世界の橋渡し

グリーフ・カルガは「解放者」であるマンダロリアンにネヴァロはこの恩は一生忘れないと宣言。上級監督官として、西部の溶岩原からブロック渓谷までをマンダロリアンの土地として制定し、ネヴァロを故郷とすることを受け入れたのだった。だが、故郷マンダロアに思いを寄せるボ=カターンは、浮かない表情を見せている(顔が見えなくても感情が伝わる演技は流石)。

ボ=カターンをかつての地下の鍛冶場に呼んだアーマラーは、惑星のマンダロアの壮大な鍛冶場について話しながら、意外にもボ=カターンにヘルメットを脱ぐよう告げる。アーマラーは恐らくアーマラー達のチルドレン・オブ・ザ・ウォッチとボ=カターン達のデス・ウォッチという二つの宗派の代表として話がしたかったのだろう。

全てのマンダロリアンが共に歩まなければならないと譲歩する姿勢を見せると、第4話ラストでボ=カターンが明かしたミソソーを見たという話を信じて、「次の時代の前触れ」とするのだった。来る時代に向けてルールを柔軟に運用できるのは、優れたリーダーの証だ。

次の時代に備えてマンダロアを団結させる必要を感じたアーマラーは、ボ=カターンを「二つの世界の橋渡し役」になれると評する。「二つの世界の橋渡し」というのは『マンダロリアン』の裏テーマでもある。ディン・ジャリンが持っているダークセーバーはかつて唯一マンダロリアンでジェダイになったター・ヴィズラが作ったものであり、グローグーもまたジェダイのようにフォースを操りながらマンダロリアンになろうとしている。

アーマラーは、ヘルメットを取った状態のボ=カターンを皆の前に連れて行き、彼女が二つの世界を歩んで民を一つにすると宣言。マンダロリアンの名家ヴィズラ氏族出身のパズ・ヴィズラの視線の先には、マンダロリアンにルーツを持たない孤児のディン・ジャリンとグローグーの「クラン・オブ・ツー(二人の氏族)」の姿がある。

気づけば多様性の中にいたパズ・ヴィズラ。元を辿れば、1,000年前にはあなたのご先祖であるター・ヴィズラがジェダイとマンダロリアンという二つの世界を歩んでいたのですよ。「マンダロアを取り戻す」というアーマラーの力強い言葉を受けて、ボ=カターンは他の仲間を連れ戻すというミッションに挑むことになる。

一方、カーソン・テヴァは宇宙で襲撃されたラムダ級シャトルを発見。『ボバ・フェット』でも共に行動していたリード中尉に確認を取るが、行方不明の情報はありながらも詳細は機密扱いになっているという。なんとこの機体はモフ・ギデオンの護送船で、その中に残されていたのはベスカーの破片だった。マンダロリアン同士の衝突を予感させ、シーズン3第5話は幕を閉じる。

『マンダロリアン』シーズン3第5話 感想&考察

ボ=カターンがリーダーに

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ドラマ『マンダロリアン』シーズン3第5話は、開始から16分ほど経ったところでやっとグローグーの姿を見ることができた。第4話でグローグーが多めだったのは、第3話と第5話がグローグー要素少なめだったからなのだろうか。

それはさておき、今回はマンダロリアンの物語が一層本格化している。チルドレン・オブ・ウォッチの面々は遂に太陽の下で暮らす環境を手に入れた。後ろ盾を持たない惑星ネヴァロにとってもありがたい用心棒であり、同時に新共和国は加盟国にできるはずだった惑星をみすみす逃したということにもなる。いわばマンダロリアンという集団とネヴァロという国の同盟であり、ネヴァロは独立惑星として発展を続けていくことになりそうだ。

新しいアジトを手に入れたマンダロリアンだが、息つく暇もなく民族統一へ向けて動き出した。シーズン3第3話の考察では、復活したマンダロアの統治者には誰がなるのか、という点について考えたが、その答えはボ=カターン・クライズということになったようだ。仲間が離れて腐りかけていたボ=カターンだが、やはりリーダーシップに長けている。それだけでなく、チルドレン・オブ・ザ・ウォッチの教義に敬意を払い、受け入れた姿をアーマラーは評価したのではないだろうか。

となれば、ボ=カターンが離散したデス・ウォッチの面々を集めた後は、惑星マンダロアを奪還することになるのだろうか。グリーフ・カルガとしてはマンダロリアンにネヴァロを離れられると困るので、二つの惑星に棲み分けることになるのかもしれない。

次の時代に向けてアーマラーが思い描くのは、宗派は自由に選べるが宗派間で憎み合わない多様なマンダロリアンのコミュニティなのだろう。だが、第5話のラストにその期待に一抹の不安を投げかける展開が待っていた。

マンダロリアン対決?

シーズン3第5話ラストに待っていた『マンダロリアン』のシリーズを通してのヴィランであるモフ・ギデオンを逃したのがマンダロリアンであるという示唆には驚かされた。これはミスリードなのか、それともマンダロリアン同士が戦う展開が待っているのだろうか。

最も分かりやすい展開は、シーズン3第1話でボ=カターンが話した通り、ボ=カターンが率いたナイト・アウルのメンバーは傭兵になっており、帝国の残党に雇われてモフ・ギデオンを脱獄させたというものだ。傭兵仕事なら、そこに善悪の判断はないので再団結はそれほど難しくはないと思われる。

それに、ナイト・アウルのメンバーがボ=カターンのもとを離れた理由はダークセーバーを手に入れられなかったからと語られていた。ダークセーバーはディン・ジャリンの手にあり、全てのマンダロリアンが共に歩むのであれば、ダークセーバーは自分たちの側にあると言える。ボ=カターンに合流しない理由はないだろう。

なお、ボ=カターン役を演じたケイティー・サッコフは、スター・ウォーズ公式サイトのインタビューで、ボ=カターンが罪悪感と混乱の中にあると、その心境を明かしている。その状況もかつての仲間との再会に際して影響があるかもしれない。詳しくはこちらの記事で。

だが、一部のマンダロリアンがモフ・ギデオンの脱獄に手を貸したのだとすれば、今後、新共和国とマンダロリアンおよびマンダロアは対立関係になる可能性が高い。

絆を大事にするマンダロリアンは決して仲間を売り渡さないだろう。けれど、その対立関係によって、新共和国全体のピンチにもマンダロリアンが出動しなくなるのだとすれば、新三部作においてグローグーやマンドーを含むマンダロリアンが登場しなかったことにも理由がつくことになるが、果たして……。

イライア・ケインの謎

気になるのはイライア・ケインだ。というか第3話のラストから大きくスキップしたが、ドクター・パーシングはケインによって始末されたということなのだろうか。だとすれば、死体の処理も含めてイライア・ケインには大きな権限が与えられているか、権限を持つ内通者が新共和国にいるものと考えられる。流石にケイン一人あの部屋に残してパーシングに何かあれば真っ先にケインが疑われるはずだからだ。

ドクター・パーシングが持ち出したクローン技術をイライア・ケインが手に入れ、それを新共和国に渡さないためにパーシングを殺したのだとすれば、ケインがモフ・ギデオンと合流しようとしている可能性は高い。

モフ・ギデオンの護送船が襲撃されたことが秘匿扱いになっていたが、これもイライア・ケインが新共和国行政の混乱に乗じて内部から操作したとすれば合点がいく。それほどの権限が与えられていなかったとすれば、やはり協力者が新共和国内にいるのかもしれない。

『エピソード7』から始まるファースト・オーダーの台頭に対し、新共和国は十分な対応ができず、レイア・オーガナの私設軍隊であるレジスタンスが対処に当たった。その背景には、もしかすると新共和国内に帝国の残党のスパイが浸透していたという背景があったのかもしれない。“恩赦組”がその温床となっていた可能性もあるだろう。

なんだかディン・ジャリンとグローグーをそっちのけで転がり始めた大きな物語。その中でグローグーはどのように成長していくのだろうか。残り3話、1秒たりとも見逃せない。

ドラマ『マンダロリアン』シーズン3は2023年3月1日(水) より、ディズニープラスで独占配信。

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シーズン3第6話のネタバレ解説はこちらから。

第1話のネタバレ解説はこちらから。

第2話のネタバレ解説はこちらから。

第3話のネタバレ解説はこちらから。

第4話のネタバレ解説はこちらから。

 

同日配信のアニメ『バッド・バッチ』シーズン2第15話のネタバレ解説はこちらから。

同時配信のシーズン2最終回第16話のネタバレ解説はこちらの記事で。

ドラマ『ボバ・フェット/The Book of Boba Fett』最終回のネタバレ解説はこちらから。

高い評価を受けている「スター・ウォーズ」ドラマ『キャシアン・アンドー』シーズン1の解説はこちらから。

ドラマ『オビ=ワン・ケノービ』の解説はこちらの記事で。

 

シーズン3配信のタイミングで、主演のペドロ・パスカルは生涯マンダロリアンを演じると宣言した。詳しくはこちらから。

ジョン・ファブローと共に『マンダロリアン』の監督・脚本・制作総指揮を手掛けるデイブ・フィローニは、グローグー=ヨーダのクローン説に言及した。詳しくはこちらの記事で。

齋藤 隼飛

社会保障/労働経済学を学んだ後、アメリカはカリフォルニア州で4年間、教育業に従事。アメリカではマネジメントを学ぶ。名前の由来は仮面ライダー2号。編著書に『プラットフォーム新時代 ブロックチェーンか、協同組合か』(社会評論社)。
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