ネタバレ! ピーターとMJは…ラストをマーベル公式が解説 トムホとゼンデイヤも語る『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』 | VG+ (バゴプラ)

ネタバレ! ピーターとMJは…ラストをマーベル公式が解説 トムホとゼンデイヤも語る『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』

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『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』公開

MCU27作目『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』が2022年1月7日(金)より日本で公開された。米公開より3週間遅れての公開となり、既に2021年の世界最高興行収入を記録した本作が満を持して登場することに。歴史に残るであろう名作を早速見に行ったという方も多いだろう。

『ノー・ウェイ・ホーム』で待ち受けていたのは衝撃の展開の数々。最後まで息をつかせぬ展開で148分を走り切る。既にご覧になられた方は、その終わり方に様々な思いを抱いていることだろう。実は『ノー・ウェイ・ホーム』のラストについては、米マーベル公式が解説し、主人公ピーター・パーカーを演じたトム・ホランドと、MJを演じたゼンデイヤもコメントを出している。今回は、その内容をチェックしてみよう。

以下の内容は『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』の結末に関するネタバレを含むため、必ず本編を鑑賞してから読むようにしていただきたい。

ネタバレ注意
以下の内容は、映画『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』の結末に関するネタバレを含みます。

ピーターはなぜ?

『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』では、他のユニバースからスパイダーマンの正体を知る存在が詰めかけることを阻止するために、ピーター・パーカーはドクター・ストレンジに全ての人がピーター・パーカーの存在を忘れる呪文を唱えてもらう。それは、ネッドやMJ、ハッピーやアベンジャーズの仲間達もピーターのことを忘れてしまうということを意味していたが、ピーターはこの世界を守るためにその道を選択する。

それでも、ピーターはネッドとMJに別れを言う際に、必ず会いに行くと約束する。呪文が成就した後、カンペで自己紹介を練習しているピーターは、自分のことを思い出してもらえるか、それ以前に受け入れてもらえるかと、不安な気持ちでいっぱいだったことだろう。ゼンデイヤが働くお店に入ったピーターは、ネッドとMJが共にMITに合格したことを知り、二人の幸せそうな様子を目にする。

ピーターの視点では、順調な二人の姿、ピーターがプレゼントしたMJのネックレス、最後の戦いの中でついたMJの右目の傷が目に入っている。その中で、ピーターが触れるのはMJの右目の傷だ。ピーターは「大丈夫?」と聞くと、MJは「もう痛まない」と答え、ピーターはそこで名乗ることをやめて店を出てしまう。

米マーベル公式の解説は?

ピーターが約束を破り、MJとネッドに事実を話さなかった理由は、劇中では明確に説明されることはなかった。だが、米マーベル公式は、米公開から2週間が経ったタイミングで公開した記事で、『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』のラストにおけるこのピーター・パーカーの行動について解説している。

計画は成功し、後にネッドとMJは夢だった大学(MIT)に進学する。しかし、彼女らはもう“親愛なる隣人”スパイダーマンのことを認識できない。ピーターは彼女らと再会し、自分が何者であるかを説明しようとするが、彼女らが自分とスパイダーマンなしでどれほど幸せでいるかを見て再考する。この方がいいのかもしれないと。

やはりピーターは、二人の姿を見て「この方がいいのかもしれない」と考え、その場を後にしたのだという。MJの傷痕を見た時には、再びスパイダーマンの物語に巻き込むことでまたMJを傷つけることになるかもしれないと考えたのだろう。メイおばさんを亡くしたピーターにとっては、自分の我がままによって再び大切な人を失うリスクを冒すことはできなかったのかもしれない。

ゼンデイヤとトム・ホランドもコメント

このエンディングについて、ピーター・パーカーを演じたトム・ホランドとMJを演じたゼンデイヤはどのように感じているのだろうか。ゼンデイヤは米マーベル公式で以下のように語っている。

実は、こういうインタビューで「これはとても楽しい映画です!」と言うのは嫌なんです。私は(鑑賞時に)映画全編を通して泣いていました。見終わって最初に「これ、ほんとに悲しい」って言ったんです。

この意見にトム・ホランドは「残酷ですよね。辛く、ほろ苦い」と同意するが、ゼンデイヤは「ほろ苦い? ただただ苦いだけですよ。甘い部分がないんですから」と反論している。だが、トム・ホランドは、ピーターにとっては新しい人生の始まりだということも主張している。

新しいチャプターを始めるんですよ。彼は自分の名前を明かすことができた。あらゆるものから解放されたんです。そして彼が愛している人たちは——

このトム・ホランドの言葉を遮って、ゼンデイヤは「彼は愛している人を全員失ったんです」と言うが、トム・ホランドは「彼が愛している人たちは無事に生きているんです」と訂正。それでも、ゼンデイヤはMCU世界が危険に満ちていることを踏まえて「無事ではありません!」と主張している。

このトム・ホランドとゼンデイヤの立ち位置の違いは、ピーターとMJの立場の相違でもあるのだろう。MJには選択肢がなかったのだから。それでもトム・ホランドは、『ノー・ウェイ・ホーム』のラストについて以下のように締めくくっている。

ハッピーエンディングにして欲しかったですよ。でも、私たちはまだここにいて、いい気分でいます。この映画を誇りに思っています。二人が一緒に大学に行って、夕陽に向かってスイングして終われたら最高なんですけどね。残念ですが、これが現実なんです。

ゼンデイヤが「(映画を見た)たくさんの小さい子ども達が動揺するでしょう」と指摘すると、トム・ホランドは「若い人たちにはレッスンになるでしょうね。まだ教わるには早いことかもしれませんが。いずれにせよ、この映画は面白いですよ」と冷静なコメントを残している。

MJの想いは

ピーターと同じく、トム・ホランドは『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』のラストを「仕方のないこと」と受け止めているように見える。一方で、ゼンデイヤはトム・ホランドほどはこの最後に対して納得しているわけではなさそうだ。MJとしてのゼンデイヤの想いは、米マーベル公式の別のインタビューで示されている。

ピーターはMJの心を少し溶かしてくれて、彼女が世界から自分を守るために作らざるを得なかった殻を壊してくれるんです。彼女には信頼できたり、頼れたりする人があまりいませんが、今ではピーターがその一人になっています。ですから、彼女は彼を失いたくないんです。

MJは自分がどんどん自分らしくなれて、自分が自分であることにもっともっと自信を持てるようにしてくれて、自分を自分たらしめている全てのものを愛してくれている人を失いたくないんです。ピーターはあまりに多くのことを経験し、彼はポジティブな気持ちを失い始めて、MJがそれを受け取っています。彼はよりネガティブで虚無的(ニヒリスティック)な考え方をするようになってきています。

『スパイダーマン:ホームカミング』(2016) では、ニヒルにピーターとネッドに嫌味を言っていたのはMJの方だ。『ノー・ウェイ・ホーム』でも「期待しなければ失望しない」と言い聞かせていたが、ピーターと一緒に時間を過ごしていく中で、少しずつポジティブな考え方を身につけていく。ゼンデイヤは一方で、最終的にはピーターの方がネガティブな考え方をするようになっていったと語っており、それがあの結末を招いたと考えることができる。

また、ゼンデイヤはMJについて「ピースを拾い上げて、ピーターがどんな人で、何を大切にしているかを思い出させ続ける存在」とも語っており、ピーターにとってもMJは自分がどんな人間であるかを思い出させる重要な存在であるとしている。確かに『ノー・ウェイ・ホーム』の劇中でも、ピーターが「僕の問題じゃない」とヴィラン達から手を離そうとする時には、MJかメイが近くにて、ピーター=スパイダーマンはそんな人間ではないということを思い出させていた。

だからこそピーターは最後に、スパイダーマンは自ら大切な人を危険に晒したりはしないと考えたのだろう。二人が互いに影響を与えあったことで、悲劇的な結末を迎えることになったのだ。MJとピーター、正反対の二人がお互いの要素を取り込んでいくことは、それぞれにとっての成長であり、二人が大人になるということだったのかもしれない。

それでも、ゼンデイヤはやはり「二人は望んでいない」と、『ノー・ウェイ・ホーム』の結末について締めくくっている。「期待しなければ失望もしない」と言っていたMJは、最後には記憶が消えてもピーターが会いに来てくれると期待するようになっていた。そして、ピーターが現れなければ「私が見つけにいく」とMJは語っていたが、私たちはその未来を見ることができるのだろうか。

脚本家の二人がまた違った立場で解説した『ノー・ウェイ・ホーム』ラストの意図はこちらの記事で。

トムホとゼンデイヤの二人が語ったトビー・マグワイアとアンドリュー・ガーフィールドとの共演エピソードはこちらから。

本作でサプライズ出演を果たしたアンドリュー・ガーフィールドは、MJの救出シーンや、今後のスパイダーマン再演についても語っている。詳しくはこちらの記事で。

『ノー・ウェイ・ホーム』の終わり方を受けたスパイダーマン達とその他のキャラクターの今後については、こちらの記事で考察している。

映画『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』は2022年1月7日(金) より、日本全国の劇場で公開。

『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』公式サイト

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Source
Marvel 1 / Marvel 2

『ノー・ウェイ・ホーム』のエンディングからミッドクレジット、ポストクレジットシーンまでの解説はこちらから。

脚本家が語ったヴェノム登場の理由はこちらの記事で。

ドラマ『MARVEL デアデビル』から登場したデアデビルことマット・マードック弁護士についての解説はこちらの記事で。

『ノー・ウェイ・ホーム』後のMCU「スパイダーマン」新三部作の計画については、こちらの記事に詳しい。

魔法の力を得た? ピーターを噛んだクモについての考察はこちらの記事で。

ネッドのこれまでの活躍と原作コミックでの設定はこちらの記事にまとめている。

 

映画『ブラック・ウィドウ』のポストクレジットシーンの解説はこちらから。

映画『エターナルズ』のポストクレジットシーンの解説はこちらから。

映画『シャン・チー/テン・リングスの伝説』のポストクレジットシーンの解説はこちらから。

『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』のポストクレジットシーンの解説はこちらから。

 

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アニメ『ホワット・イフ…?』最終話のネタバレ解説はこちらから。

 

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社会保障/労働経済学を学んだ後、アメリカはカリフォルニア州で4年間、教育業に従事。アメリカではマネジメントを学ぶ。名前の由来は仮面ライダー2号。 訳書に『デッドプール 30th Anniversary Book』『ホークアイ オフィシャルガイド』『スパイダーマン:スパイダーバース オフィシャルガイド』『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース オフィシャルガイド』(KADOKAWA)。正井編『大阪SFアンソロジー:OSAKA2045』の編集担当、編書に『野球SF傑作選 ベストナイン2024』(Kaguya Books)。
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