第4話ネタバレ解説『ミズ・マーベル』ジーンズの意味、『シー・ハルク』に繋がるアレも あらすじ&考察 | VG+ (バゴプラ)

第4話ネタバレ解説『ミズ・マーベル』ジーンズの意味、『シー・ハルク』に繋がるアレも あらすじ&考察

© 2022 Marvel

『ミズ・マーベル』第4話はどうなった?

2022年6月8日(水) に配信を開始したドラマ『ミズ・マーベル』は、マーベル初のムスリム女性の主人公であるカマラ・カーンの物語を描く。7月8日(金) にはMCU映画最新作『ソー:ラブ&サンダー』の劇場公開を控える中、『ミズ・マーベル』も全6話の後半へと入っていく。

第2話と第3話はインド系のミーラ・メノン監督が手掛けてきたが、第4話と第5話は、パキスタンのカラチ生まれのシャルミーン・ウベード=チナーイ(シャルミーン・オベイド・チノイ)監督が指揮をとる。同監督の経歴はこちらの記事に詳しい。

今回はどんな物語が描かれたのか、第4話の各シーンを解説していく。なお、以下の内容は『ミズ・マーベル』第4話のネタバレを含むため、必ずDisney+で本編を鑑賞した後に読んでいただきたい。

ネタバレ注意
以下の内容は、ドラマ『ミズ・マーベル』第4話の内容に関するネタバレを含みます。

『ミズ・マーベル』第4話「レッド・ダガーズ」ネタバレ解説

ルーツの場所へ

第3話でクランデスティン/ジンを名乗ったナジマたちは、カマラに牙を剝く。 カマラは共に“カラチ”と書かれた列車のビジョンを見ると、そこに現れたダメージ・コントロール局がナジマたちを捕らえ、カマラは難を逃れた。その夜、カマラの祖母サナはカマラにカラチに来るよう告げ、第3話は幕を閉じていた。

第4話冒頭のマーベル・スタジオのロゴタイトルはRaaginderの「Summer Nights (feat. Wisechild) 」(2019)。Raaginderはカリフォルニア出身のインド系の音楽プロデューサーだ。得意とするバイオリンで奏でるインド音楽とヒップホップビートを組み合わせた音楽が特徴。シーク教徒のルーツを持つ。

カマラはパキスタン行きの飛行機に乗っていた。飛行機といえば『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』(2019) を思い出す人も多いかもしれないが、自身のルーツがある国へ飛行機で向かう描写は『シャン・チー/テン・リングスの伝説』(2021) と韻を踏んでいる。『ミズ・マーベル』では第3話では『シャン・チー』との繋がりも示された。

カマラは動画投稿サイトで自身のチャンネル名にもしているナマケモノのぬいぐるみを抱いている。ムニーバも飛行機に同乗しているが、兄アーミルの結婚式を台無しにしたことは許されていないらしい。あくまで高齢の祖母サナのために会いにいくということのようだ。

カマラは友人のナキアに秘密を隠していたことを謝罪するテキストを打っているが、英語では「お願いだから返事して」と書かれており、返事が来ていないことが分かる。なお、アメリカでは旅行や帰省で学校を休むのは一般的。保護者の有給休暇に合わせて学校を休むことも多く、教員も快く送り出してくれる。

さらわれた女性たち

パキスタンについてカマラとムニーバは「チャチャおじさんのこどもたち」ことザイナブオワイスに再会。祖母サナも初めてテレビ電話ではなく実物が登場。カマラとは仲睦まじい姿を見せているが、ムニーバとは微妙な感じだ。

三人がタクシーに乗った時に流れている曲はTalal Qureshi feat. Naseebo Lal「AAG」(2018)。Talal Qureshiはサウジアラビア生まれ、パキスタンはカラチ出身の音楽プロデューサーで、歌っているNaseebo Lalはパキスタン出身の女性シンガーだ。

カラチには「光の街」と書かれた横断幕が。『ミズ・マーベル』の後半がパキスタンの街から始まるというのは印象的だ。サナが住んでいるのはなかなかの豪邸で、部屋の中もカマラにとってはアメリカにはないもう一つの世界という趣だ。

そして、カマラは部屋に貼られた「分離独立 さらわれた女たち」と書かれた記事の切り抜きを目にする。飾られている多くの絵は、分離の時に多くを失ったサナが記憶を留めておくために描き続けたものだった。

第2話の解説でも紹介した通り、インドとパキスタンの分離独立は、一つの国を別けた歴史の大きな転換点。二つの国はヒンドゥー教やシーク教とイスラム教で別れた為、人々は物理的な移動を迫られた。イスラム教徒は西のパキスタンに、ヒンドゥー教徒とシーク教徒は東のインドを目指した。分離独立の混乱に際しては、女性への暴力や誘拐が多発しており、他教徒の男たちが女性を狙った犯行とされている。

サナが描いた曽祖母アイシャの絵を目にしたカマラがバングルをサナを見せると、サナは自分たちが「ジン」であることを認める。ショックを受けるカマラに「大事なのはジンであることではなく、バングルの力が命を救ったこと」とするサナの言葉は、第3話でイマームが言っていた「善は存在するものではなく行い」という言葉に重なる。

第2話でユスフが話していた、分離の際に駅で迷子になったサナが星を辿って父のもとに辿り着いたという話は、バングルの力によるものだったのだという。星がサナを連れて行った先がカラチ行きの最終列車で、その時の列車が第3話のビジョンで現れたのだ。

ジーンズの意味

バングルが何かを伝えようとしている。そのパズルを解こうとするカマラだったが、パキスタン入りの名目は親戚訪問だ。悪夢を見ていたカマラはムニーバから起こされると、とりあえず義務をこなすことに。なお、カマラが起こされる場面では、親戚のオワイスからは翼のついたナマケモノのぬいぐるみのことを「フライング・テディベア」と言われている。

ランチに出掛けるシーンで流れているのはShae Gill & Ali Sethi「Pasoori」(2022)。パキスタンの人気歌手同士によるコラボ曲で、パキスタンの人気番組「Coke Studio」のライブ動画は公開から約4ヶ月で2億回以上も再生されている。

ザイナブは「中でビュッフェを食べたかった」と口をこぼしているが、カマラのジーンズがドレスコードに引っかかって店内に入れなかったらしい。この場面での詳細は不明だが、パキスタンやインドには西洋の文化であるジーンズを女性が着用することを忌避する文化がある。インドでは、2021年に10代の女性が「ジーンズを履いた」という理由で親戚の男性に棒で撲殺される事件が起きている。

『ミズ・マーベル』第4話を手掛けたシャルミーン・ウベード=チナーイ監督は、パキスタンで「一族の面汚し」として男性が親族の女性を殺す「名誉殺人」を題材にしたドキュメンタリー映画『川の少女』(2015) でアカデミー賞を受賞した人物。この場面の「大丈夫な服を買おう」という一言が重い。

なお、このシーンから、カマラは第1話のニュージャージーで開催されたアベンジャー・コンのTシャツを着ている。

ザイナブがカラチの街を案内する時に流れている曲はSomeWhatSuper ft Abid Brohi 「The Sibbi Song」(2017)

ザイナブはイギリスに支配されていた頃の古い建物の歴史もアプリを通して説明している。オワイスの「最も古いカラチの住民」という紹介に、カマラは「フロリダ的な?」と返しているが、これはフロリダ州が米国の入植の歴史の中で最も古い開拓地だからだ。カマラはジョークを言ったものの、オワイスからは、旧市街にはインドからの難民が住んでいると真面目な話が返ってくる。

初めて見るカラチをエンジョイするカマラ。服を500ルピーで売られているが、これは日本円で300円ほど。カマラはさらに値切って200円ほどで買おうとしている。駅に行きたいと言いザイナブとオワイスと別れたカマラは、勝手に撮られた写真を1,500ルピー(約1,000円)で売りつけられる。

レッド・ダガー登場

購入する代わりに駅までの道を教えてもらったカマラは駅まで辿り着き、第3話でブルーノからプレゼントされたマスクを着けて立入禁止区域へ。「小さくても偉大になれる (You can start small and still be larger than life.)」と書かれたアントマンの絵を見つける。「カラチ × アベンジャーズ シリーズ パート4」とも書かれており、何らかのシリーズが展開されていたことが示されている。

そこに突然飛んできたのは赤い柄のダガー。「ヌールを感じた」という赤いバンダナの人物も現れてカマラと交戦する。この人物は「仮面のアメリカ人か」と言っており、アベンジャー・コンでの一件を知っている様子。カマラは「カナダ人かもよ」と言っているが、カマラを演じているイマン・ヴェラーニはカナダ人。監督のシャルミーン・ウベード=チナーイも同じくパキスタン系カナダ人だ。

割と力を使いこなせるようになっているカマラはヌールの足場をうまく活用している。互いに「そのジャンプの仕方、どこで勉強したの?」「ニンジャ・タートルズ?」「ドンキーコング?」と挑発し合う二人だったが、相手はカマラのことをクランデスティンだと勘違いしていたらしい。バングルとアイシャという共通の知識を理由に休戦し、ある人物に会いにいくことに。

A.B.C.という中華料理店で流れている曲はNazia Hassan「Disco Deewane」(1981)。Nazia Hassanはカラチ生まれのシンガーソングライターで、「南アジアのクイーン・オブ・ポップス」とも呼ばれた人物。2000年に肺癌で35歳の若さで亡くなっている。この場面でのこの曲の起用は、彼女へのトリビュートだろう。

A.B.C.の厨房には仕掛け扉があり、謎の人物は「レッド・ダガーズへようこそ」と案内する。レッド・ダガーは原作コミックにも登場するパキスタン人のヒーローで、本名はカリーム。コミックでは大学入試でカマラの祖母と一緒に住んでいたという設定になっている。

ディメンションの概念

隠し家に入った二人に、レッド・ダガーズのワリードという人物も加わり、三人は酸辣湯(スーラータン)を食べる。なぜ赤いのかと聞くカマラにカリームは「アメリカ人は中国料理も漂白を?」と言っているが、「漂白」の部分は、白人ではないキャラクターに白人の俳優を起用する「ホワイトウォッシュ (whitewash)」という言葉を使っている。

ワイードはレッド・ダガーには何百年もの歴史があり、「敵から仲間を守ること」が任務だと説明する。また、クランデスティンはよく知られているジンとは違うとも。「ソーもヒマラヤに降りていたらジン」と言う通り、地球人は別の世界から人々を後付けでカテゴライズしているに過ぎないのだろう。

ここからワイードによるMCU世界の解説が始まる。まず、ディメンションはいくつも存在するということは、MCUファンにはよく知られていることだ。ソーの世界や「ドクター・ストレンジ」シリーズで登場するミラー・ディメンション、ダーク・ディメンション、「アントマン」シリーズのマイクロ・ディメンションなどが挙げられる。

これらは異なる“アース”であるマルチバースとは違う概念だ。ワイードも、クランデスティンの世界は私たちの世界と繋がっていると説明している。二つの世界は共存しているが、ヌールのヴェールによって隔てられており、バングルの力でヴェールが破られたらクランデスティンの世界が押し寄せるという。

ワイードは、そうなればこちらの世界は消滅する、だからバングルを守らないといけないと話す。いきなり世界消滅の危機というレベルの問題だと知らされたカマラ。バングルに書かれている文字は「求めればやってくる」という意味だという。

ダメージ・コントロール局に刑務所が

そして映し出されたのは「ダメージ・コントロール局 最高警備レベル刑務所」。これは8月17日(水) から配信を開始するドラマ『シー・ハルク:ザ・アトーニー』の予告に登場した施設だ。『インクレディブル・ハルク』のヴィランで、『シャン・チー』や『シー・ハルク』の予告編に登場したアボミネーションことエミル・ブロンスキーもここにいるのだろうか。

『シー・ハルク』の主人公ジェニファー・ウォルターズはここで「超人法専門の部署を新設した。君にはその顔になってほしい」と言われていた。やはりダメージ・コントロール局がスーパーヒーローを規制する流れ弁護士の主人公であるシー・ハルクが登場する流れは繋がっていたのだ。

MCUに持ち込まれるであろうスーパーヒーローについての法律の流れは、こちらの記事で考察している。

ダメージ・コントロール局 最高警備レベル刑務所に連行されたのは第3話で捕まったカムランとナジマたち。しかし割とあっさり脱獄に成功。大丈夫か、「最高警備レベル刑務所」。ナジマは第3話で決裂した実の息子カムランとはここで別れることに。もしかすると、この脱獄劇が「超人法専門の部署の新設」や、警備への能力者起用に繋がっていくのかもしれない。『シー・ハルク』のジェニファー・ウォルターズもスーパーパワーを持つ弁護士になる。

「とても納得できない」

帰宅したカマラに、祖母のサナは、国籍はパキスタン、先祖はインドと自分探しの旅は今でも終わっていないとため息をつく。自分を勝手に規定するのは「イギリス人が去る時に決めた国境」。1858年にインドを植民地国としたイギリスは、第二次世界大戦後の脱植民地化の流れで撤退する中、1947年にインド帝国をパキスタンとインドに分割することを定めた。

ガンディーらが分離の動きに反対する中で、国境はイギリスの法廷弁護士シリル・ラドクリフという人物が決定し、その国境は今でも「ラドクリフ・ライン」と呼ばれている。先述のように、ヒンドゥー教徒及びシーク教徒とイスラム教徒で移住を進めた結果、分離の実現に際しては大きな混乱と衝突が起き、以降、パキスタンとインドの間には現在に至るまで遺恨が残り続けている。

「とても納得できない」というサナの言葉は重い。しかし、長くその状況を生きてきたサナは、アイデンティティを巡る道の半ばにあるカマラに「焦る必要はない」と声をかけるのだった。

レッド・ダガーズのカリームから集まりに招かれたカマラは、焚き火を囲みながらビリヤニを食べる。青春の一ページだ。

サラの家で流れている曲はMusarrat Nazir「Mera Laung Gawacha」(1987)。ひたすら掃除をしていたらしいムニーバはサラに「なんでこんなにトフィーの箱が?」と問い詰めているが、トフィーとはイギリス由来のキャンディーのこと。サラはムニーバが小さい頃にトフィーが好きだったから、帰ってきたときのために買っていたという。「ほとんど自分で食べた」というサラの言葉は、それだけムニーバが故郷から離れていたことを意味している。

年老いたサラにアメリカに来ないかと誘うムニーバだったが、サラはムニーバが自分から逃げてアメリカに行ったと考えていた。それに対し、ムニーバは「変化が必要だった」と、変わっていたサラのせいで孤立して生きてきたと主張する。ムニーバが第1話で「妄想に取り憑かれるとロクなことがない」と繰り返していた理由が明かされている。欲しかったのは「物語ではなく、母親だった」と話すムニーバは、自分の娘カマラには「母親」として接するのだった。

カラチでのカーチェイス

翌日、カマラはまたA.B.C.に来ていた。ワイードはカマラの“人間性”が力を与えていると話すが、これはナジマも第3話で話していたことだ。ナジマらと違い、カマラはこちらの世界で生まれたことでバングルを通して力を発揮できるというのがナジマの意見だった。

パワーを練習カマラは、ワイードから「君は一人じゃない (You are not alone.)」という言葉と共にベストを受け取る。祖母から受け継いだバングルに、親友からもらったマスク、そしてパキスタンでもらったベストと、アイテムが揃っていく。

そこに現れたのはクランデスティン。無事に脱獄してパキスタンへ渡ることができたらしい。警備も出入国審査もザルである。レッド・ダガーズとクランデスティンはカラチを舞台にカーチェイスを繰り広げる。カリームが運転しているのはパキスタンの乗り物チンチー(三輪バイク)。カリームが叫んでいる通りスピードが出る代物ではない。なお、このシーンでは「Come with me if you want to live.」をはじめ、いくつかのカリームのセリフが『ターミネーター2』(1991) からの引用になっている。

カマラはヌールの力で4人家族を助けると、カリームはチンチーを分離させ一輪車状態で突っ走る。カマラとカリームが転けた時もカマラはヌールで着地の衝撃を緩和している。キャプテン・アメリカの盾さながらに防御に適した能力なのかもしれない。

トラックに乗ったカマラは「よし、逆の車線をマニュアルで」と戸惑っている。カマラが運転の練習をしていたアメリカは右車線だが、パキスタンはかつてイギリス領だったため日本と同じ左車線なのだ。また、アメリカの運転免許にはオートマとマニュアルの区分がない。第1話の解説でも書いた通り、実技試験は自分の車を使うため、ほとんどの場合アメリカ人はオートマしか運転することがないのである(そもそもカマラは運転免許を取れていないが)。カマラは第1話で兄アミールに教えてもらったおまじない「ビスミッラー」を唱えている。

ラストの意味は?

クランデスティンの一人を見事にはね飛ばしたカマラはカリームと共に走り出し、ここでミズ・マーベルのテーマ曲が鳴る。今後のMCUで何度も聴くことになるであろうテーマ曲だ。ワリードは二人を守るために命を捧げ、カマラとカリーム、つまりミズ・マーベルとレッド・ダガーは共闘してクランデスティンを倒していく。早くもキャプテン・アメリカにとってのファルコン的存在が現れたようだ。

しかし、ここから物語は意外な展開に。ナジマの攻撃をカマラがバングルで防ぐと、第4話と同じようにビジョンが現れたかと思いきや、カマラは完全に別世界へと飛んでしまう。それは、分離独立の時代であり、サナが星に導かれたカラチ行きの最終列車が来る場面だった。カマラはタイムスリップしてしまったのだろうか。分離独立の騒乱の中、『ミズ・マーベル』第4話は幕を閉じる。

第4話のエンディングはシリーズで初めて既存の曲ではなく『ミズ・マーベル』のテーマ曲「Ms. Marvel Suite」となっている。また、第3話まではニュージャージーの街並みが映されていたが、今回はパキスタンの街並みに変わっている。

『ミズ・マーベル』第4話考察

全6話構成の『ミズ・マーベル』は、舞台設定とエンディングの変更も含めて新たなフェーズに入ったことが窺える。第4話ではブルーノやナキアは登場せず。第3話までのアメリカ編のキャラクターはカマラとムニーバ、そしてクランデスティンを残して総入れ替えとなった。

新キャラのレッド・ダガーことカリームは原作コミックではアメリカに留学することになる。しかし、MCU版のカリームはパキスタンに友達もいるようだし、「敵から仲間を守ること」が任務と言っていたことからも、ワリードが死んだからといって簡単にパキスタンを出ることはなさそう。

また、カマラが今回ワリードから貰ったベストは残念ながら遺品となってしまったが、このベストを着たとしても、カマラはポスターのミズ・マーベルの姿にはならない。もう一段階変化があって、カマラは初めて“ミズ・マーベル”になるのだろう。そのきっかけはアイシャとの出会いということになるのだろうか。

第4話ラストでカマラが過去に飛んだのは、ビジョンの延長だと思われる(タイムスリップだとしたらエラいことになるので)。ドラマ『ムーンナイト』(2022) でもコンスが記憶を頼りに夜空を遥か昔の様子に戻したことがあった。過去に遡る展開が続いているが、カマラの場合は訪れることができるのはバングルの記憶の範囲ということになるのだろう。

最後に、ダメージ・コントロール局には立派な刑務所があったことも驚きの事実だ。アベンジャーズなき今、政府は急速に対能力者の対策を進めていると見られる。同刑務所が登場すると見られる『シー・ハルク』の舞台は西海岸のロサンゼルスで、クランデスティンが捕まったのは東海岸のニュージャージーなので、刑務所の所在も気になるところ。

これまで、ダメージ・コントロール局は「スパイダーマン」シリーズに登場し、本作『ミズ・マーベル』でも登場したことで、何かと事件が起こりがちな東海岸がその管轄だと思われていた。しかし、西海岸を舞台にした『シー・ハルク』にも登場するということは、ダメージ・コントロール局はその範囲を全米に広げているということを意味するのかもしれない。あとはクランデスティンを逃したクレイアリー&ディーヴァー連邦捜査官の動向にも注目したいところ……。

カマラの物語と共に過去と未来の大きな物語が絡み合う『ミズ・マーベル』は次回で早くも最終回直前の第5話。その2日後には映画『ソー:ラブ&サンダー』も待っている。夏の気温と共に熱さを増していくMCUから目が離せない。

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ドラマ『ミズ・マーベル』は2022年6月8日(水) より、Disney+で独占配信。

『ミズ・マーベル』(Disney+)

第5話のネタバレ解説はこちらから。

第3話のネタバレ解説はこちらから。

第3話で描かれた『シャン・チー』との繋がりについての解説と考察はこちらの記事で。

マーベル公式が明かしたブルーノとカマラの関係についてはこちらから。

第1話のネタバレ解説はこちらから。

第2話のネタバレ解説はこちらから。

『ミズ・マーベル』第1話では、キャプテン・マーベルが東京を訪れていたことが小ネタとして挿入されている。この件についての考察はこちらの記事で。

撮影中にドラマ『ワンダヴィジョン』を観た主演のイマン・ヴェラーニをケヴィン・ファイギが注意した理由はこちらから。

 

『梨泰院クラス』のパク・セロイ役で知られるパク・ソジュンの『ザ・マーベルズ』出演に関するコメントはこちらから。

2代目キャプテン・マーベルになることが予想されるモニカ・ランボー役のテヨナ・パリスが『ザ・マーベルズ』について語った内容はこちらから。

 

7月8日(金)公開『ソー・ラブ&サンダー』本予告の解説&考察はこちらから。

8月10日(水)配信開始の『アイ・アム・グルート』についてはこちらから。

8月17日(水)配信『シー・ハルク』予告編の解説&考察はこちらの記事で。

 

ドラマ『ムーンナイト』最終話のネタバレ解説&考察はこちらから。

『ムーンナイト』最終話で残された9つの謎はこちらから。

2023年の配信が発表されたドラマ『エコー』の情報はこちらの記事で。

齋藤 隼飛

社会保障/労働経済学を学んだ後、アメリカはカリフォルニア州で4年間、教育業に従事。アメリカではマネジメントを学ぶ。名前の由来は仮面ライダー2号。編著書に『プラットフォーム新時代 ブロックチェーンか、協同組合か』(社会評論社)。
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