シーズン2第3話ネタバレ解説『ロキ』シカゴ万博の意味、ミス・ミニッツとラヴォーナの秘密とは 考察&感想 | VG+ (バゴプラ)

シーズン2第3話ネタバレ解説『ロキ』シカゴ万博の意味、ミス・ミニッツとラヴォーナの秘密とは 考察&感想

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『ロキ』シーズン2第3話はどうなった?

MCUドラマ『ロキ』は、2021年に配信されたシーズン1に続き、2023年10月よりシーズン2の配信がスタート。映画『アントマン&ワスプ:クアントマニア』(2023) のポストクレジットシーンに登場したロキとメビウス、そしてカーンの変異体の謎がいよいよ明らかになる。

今回は『ロキ』シーズン2第3話の各シーンをネタバレありで解説&考察していこう。なお、筆者の世界SF大会参加によって、本記事の公開が大幅に遅れたことをお詫びしたい。シーズン2第4話はいつも通り金曜日に解説記事を公開する。

なお、以下の内容は重大なネタバレを含むため、必ずDisney+で本編を鑑賞してから読んでいただきたい。

ネタバレ注意
以下の内容は、ドラマ『ロキ』シーズン2第3話の内容に関するネタバレを含みます。

『ロキ』シーズン2第3話「1893」ネタバレ解説

ラグタイムから始まる第3話

時間織り機に限界が迫り、TVAに最大の危機が訪れる中、ロキとメビウスは防爆扉を開けるために在り続ける者のオーラが必要という状況になる。一方のシルヴィは在り続ける者の変異体を「全部殺す」と宣言したのだった。

『ロキ』シーズン2第3話「1893」のオープニングは、マーベル・スタジオのオープニング曲がラグタイム風にアレンジされたオシャレなバージョンに。ラグタイムとは、19世紀後半からアメリカで流行した、ジャズのベースになった音楽である。リズムに若干の“ラグ”があるのがその特徴だ。

アメリカでのラグタイムの流行が始まったのは1893年のシカゴ万博と言われている。そう、『ロキ』シーズン2第3話の舞台となるのは1893年のシカゴ万博であり、今回のエピソードタイトルも「1893」となっている。また、ラグタイムはアメリカ黒人の音楽であり、シーズン2第3話は黒人であるラヴォーナ・レンスレイヤーとヴィクター・タイムリーを中心にした物語になっている。

神聖時間軸の1868年、イリノイ州シカゴに降り立ったラヴォーナはミス・ミニッツと合流。少年期のヴィクター・タイムリー(在り続ける者の変異体)の家の窓からTVAのガイドブックを投げ入れる。未来を変える典型的なやり方だ。映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2』(1989) では老人になったビフが若い頃のビフにスポーツの結果が記された年鑑を渡すことで歴史が変わっている。

ヴィクター・タイムリーが神聖時間軸にいたということは、これまでのMCUの歴史の中で、ヴィクター・タイムリーは常に存在していたということである。ラヴォーナはというと、シーズン1でミス・ミニッツから頼まれてもいないファイルを渡され、その後にメビウスに「自由意志を探しに」と言ってタイムドアを抜けていった。そのファイルの内容は、在り続ける者のプランを実行するということだったようだ。

在り続ける者の方針は時間軸の分岐を抑えて自分の変異体による戦争を防ぐことだ。ということは、ヴィクター・タイムリーがウロボロスの作ったTVAのガイドブックで学ぶことがその目的に役立つということなのだろう。それにしてもラヴォーナとミス・ミニッツは仲が悪そう。けれど、二人はこのプランが成功して再びTVAのトップに立った在り続ける者の隣に立つことを目指して共闘するのだった。

“シカゴ万博”という場所

前回ドックス将軍が分岐への総攻撃を仕掛けたことで多くの分岐が剪定されたが、TVAでは再び分岐が始まっていた。織り機の容量を増やさないと分岐を処理できないとパニクるウロボロスに対し、ロキとメビウスはタイムパッドの通信の記録が現れたレンスレイヤーとミス・ミニッツを追うことに。ミス・ミニッツならば全システムにアクセスすることができる。この時二人はミス・ミニッツを「時計キャラ (cartoon clock)」と呼んでいる。

タイムパッドの反応があったのは1868年と1893年のシカゴ。ラヴォーナとミス・ミニッツは先ほどいたところから25年後に飛んだということになる。1868年は重要な年ではなく、「シカゴ大火は1871年だし」とメビウスが言っているのは、シーズン1でTVAから逃げるシルヴィが歴史的な大災害を渡り歩いて逃げ延びていたことを踏まえているのだろう。

1983年のシカゴ万博を訪れたメビウスが「ホワイト・シティ」と呼んでいるのは、シカゴ万博の建物が白で統一されていたことからつけられた会場の通称である。「エジソン」と言っているのは、トーマス・エジソンが社長を務めていたゼネラル・エレクトリック社の発電機等が展示されていたからだ。「ホームズ」と言っているのは、シカゴ万博の会場近くで連続殺人に及んだシリアルキラーのH・H・ホームズのこと。また、画面にはシカゴ万博でお披露目された世界初の観覧車も映し出されている。

また、この1893年は「分岐時間軸」と表示されている。ラヴォーナがTVAガイドブックをタイムリー少年に与えたことで、タイムリーは変異体となり時間軸が分岐したのだろう。「時計のオバケ」の出現を伝える号外には、右側に「World’s Fair Hotel」の広告が入っている。このホテルはH・H・ホームズが所有していたホテルで、事件の現場になった場所だ。皮肉にもその下には「LIFE INSURANCE=生命保険」の広告が入っている。なお、日付は1983年6月23日となっている。

万博デート

この号外を見てロキとメビウスはミス・ミニッツを追う……かと思いきや、すっかり二人での万博デートを楽しんでいる。中国とブルガリアの展示と話すメビウスとロキは、バルドル、オーディン、ソーの彫刻を見つける。バルドルは北欧神話のオーディンの息子で、ロキの謀略で死に追いやられたとされている。

マーベルコミックスにはボールダー・ザ・ブレイブという名でソーの兄弟として登場しており、MCUにも登場する予定だったがいまだに実現していない。映画『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』(2022) ではイルミナティのメンバーの一人として、ダニエル・クレイグが演じるという報道もあったが、これも実現せず。ロキにその座を奪われたソーの不遇の兄弟ということだが、「誰も知らない」と言うロキにメビウスが「バルドル・ザ・ブレイブだろ」と言ってやることで一矢報いている。

なお、ロキはこの彫刻を見て「複雑な文化だぞ、ジオラマにはできない」と、故郷へのプライドを覗かせている。このロキは2012年のロキなので、実際にはアスガルドとの和解は経験していないのだが、プライドはある様子。一方で、「ソーはもっと小さい」と弟らしい小言も忘れていない。

ヴィクター・タイムリー登場

そして、二人はヴィクター・タイムリーの「時間という脅威」のショーを発見。ヴィクター・タイムリーは原作コミックに登場するカーンの別名で、カーンが1901年にタイムトラベルした時に用いた名前だ。コミック版のヴィクター・タイムリーはタイムトラベル先にロボット工学をもたらしており、MCUのヴィクター・タイムリーにもその設定の影響が見られる。

舞台上に登場したのは在り続ける者と同じ顔をしたヴィクター・タイムリー。「彼だ」と驚くロキに「もっと怖いやつかと思った」と軽口をたたくメビウスのシーンは、映画『アントマン&ワスプ:クアントマニア』のポストクレジットシーンと同じものだ。ここでようやく『クアントマニア』のポストクレジットシーンと『ロキ』が繋がったことになる。

Varietyでは、シーズン2第3話を指揮したカスラ・ファラハニ監督がヴィクター・タイムリーの人物像について、グランヴィル・ウッズという実在の人物をモデルにしたことを明かしている。グランヴィル・ウッズは黒人の発明家で、「ブラック・エジソン」とも呼ばれていた。この時代の素晴らしい発明家であり、エジソンから特許に関する訴訟を二度起こされたが、二度ともグランヴィル・ウッズが勝利している。

最終的にエジソンは自社での仕事をグランヴィル・ウッズにオファーしたが、グランヴィル・ウッズはそれを断っている。カスラ・ファラハニ監督は、そうした要素をヴィクター・タイムリーのエッセンスとして加えていると話している。

ヴィクター・タイムリーが紹介するのは過去と未来のエネルギーを利用する時間織り機の試作機。時間を新たなパワーとして利用する自身のアイデアを「SFだと笑いたければ笑え」と言っているが、世界初の科学小説と言われているジュール・ヴェルヌの『月世界旅行』は1865年に発表されており、H・G・ウェルズ『タイム・マシン』は本作の舞台の2年後にあたる1895年に発表されている。

自らの発明品によってカーンの片鱗を見せたヴィクター・タイムリーだったが、実はこの時代ではペテン師として生きていた。パートナーシップを持ちかけてきた人物の誘いを断ると、チェック柄のスーツを着た人物が時間織り機を買いたいと申し出て、織り機の値段が釣り上げられていく。入札の結果織り機は1,000ドルで売れたのだが、このチェック柄のスーツの人物はタイムリーとグルで、時間織り機を売るために一芝居打っていたのだった。

そんなタイムリーでも時間織り機の危機を救うためには役に立つ。ここからはロキ&メビウスと在り続ける者のプラン通りにタイムリーを回収したいラヴォーナのタイムリー争奪戦が幕をあける。それにしても、不良品を売りつけたと追われて逃げるヴィクター・タイムリーの小悪党っぷりは、在り続ける者や『クアントマニア』のカーンの大物感とはオーラが全く違う。演じたジョナサン・メジャーズの演技が光る。

繰り返す状況

ここに参戦したのはシルヴィだ。世界初の観覧車の中でヴィクター・タイムリーを守ろうとするロキと、タイムリーを殺そうとするシルヴィが向かい合うことになる。シルヴィは前回のラストで在り続ける者のタイムパッドを持っていることが明らかになっていた。通常のタイムパッドとは違い、他の使用者の追跡などもできるのだろう。シルヴィは宣言通り在り続ける者の変異体全員を殺すつもりのようだ。

一方で観覧車の下でタイムリーらを待つメビウスとラヴォーナも再会。メビウスを選んだロキはシルヴィから、ロキを選んだメビウスはラヴォーナから厳しい態度を向けられることになる。TVAと世界を守ろうとするロキはタイムリーが必要と主張するが、シルヴィからすれば、TVAと在り続ける者(の変異体)を守ろうとするロキは状況を後退させているように見えても仕方がない。哀しい状況だ。

シルヴィは、レンスレイヤーがタイムリーにTVAガイドブックを与え、ロキがタイムリーをTVAに連れ帰ろうとしていると主張。それこそが在り続ける者のマスタープランなのかもしれない。「自由意志を奪った男」とタイムリーを糾弾するシルヴィと、タイムリーがいなければ世界が崩壊すると主張するロキ。ロキがシルヴィに武器を向けないことも含め、この状況はシーズン1第6話の展開を踏襲したものとなっている。

二人乗り自転車

観覧車から突き飛ばされたロキとタイムリーだったが、ここでミス・ミニッツが巨大化。人々がパニックになる中、ラヴォーナはタイムリーを連れて逃走することに成功する。メビウスはこんな時も二人乗り自転車でロキと一緒にタイムリーを追おうとしているが、ロキにお断りされている。

ヴィクター・タイムリーの家は25年前と同じ場所。冷却機能付きの椅子をラヴォーナに見せるタイムリーに、ミス・ミニッツは割って入り、ラヴォーナへの嫉妬心をのぞかせている。ここで初めてミス・ミニッツから自身が「意識と知能を持ったAI」であることが説明されている。

ラヴォーナはタイムリーの別のバージョンがTVAを創ったことを説明し、ミス・ミニッツはタイムリーが偉大な人物になると説明する。なぜロキと協力しないのかという質問には、ラヴォーナは「すぐ立場を変える、つまりすぐ裏切る」と回答。ぐうの音も出ない。

ヴィクター・タイムリーは湖の向こうのウィスコンシンにある試作機を取ってからTVAに行くと言う。この湖はミシガン湖のことだ。追っ手がやってきて、三人は家の窓から逃げているが、この窓は25年前にラヴォーナがTVAのガイドブックを投げ入れた窓である。

三人に先に追いついたのはロキとメビウス。ロキがさっき断った二人乗り自転車にちゃっかり乗っているのが笑える。追っ手を前にしてメビウスがロキに「やって」と軽く促しているあたりにも二人の信頼関係が滲み出ている。

ミシガン湖を渡る大型蒸気船に乗り込んだタイムリーたち。ラヴォーナがガイドブックを届けたことを知り感謝するタイムリーは、このノートがウロボロスと自分の往復書簡のようなものだ説明する。ウロボロスは裏方でTVAを運営するエンジニアのような存在だが、事実上TVAを走らせている人物なのかもしれない。つまり、在り続ける者が経営者(CEO)で、O.B.が実務のトップ(COO)ということだ。

在り続ける者&カーンとの共通点

そしてタイムリーは、処理速度倍増器を思いついたが技術が追いつかなかったと、その設計図を見せる。時間織り機に処理速度倍増器をつけることができれば、分岐が増えても時間軸を一本に織るための処理がスムーズにできるということだろう。

良い感じの雰囲気になったところで、タイムリーはラヴォーナの手に触れるが、この時のミス・ミニッツは非常に悲しそうな顔をしている。しかし、ラヴォーナは「パートナーシップに期待してる」と返答。これは先ほどタイムリーがパートナーシップを持ちかけてきた人物の誘いを断った流れを引き継いだものだ。ラヴォーナはタイムリーにビジネス上の関係しか求めていないが、タイムリーはビジネスパートナーは不要だと考えている。

シーズン1の配信時には、ケイト・ヘロン監督がラヴォーナ・レンスレイヤーという人物は、「自らの努力で駆け上がってきた人物」形容していた。タイムリーともあくまで仕事の上の関係として接していきたかったのだろう。一方、在り続ける者はロキとシルヴィが現れた時も、共にTVAを運営するのではなく、二人がその座を引き継ぐことを求めていた。パートナーシップに興味がないという点ではタイムリーと在り続ける者は共通しているし、ラヴォーナはそこに気づくべきだったのかもしれない。

一方で、『クアントマニア』のミッドクレジットシーンに登場したカーンの変異体たちは合議制を敷いており、明かに一人で支配したいという独裁欲がある在り続ける者とは異なる。同作のメインヴィランになった征服者カーンも同様であり、パートナーを求めないタイムリーは貴重な部類の変異体であると言える。

そして『クアントマニア』でカーンがジャネット・ヴァン・ダインを利用したように、タイムリーはあっさりラヴォーナを切り捨てる。ミス・ミニッツに促されたのだろうが、この冷淡さもまた支配者・独裁者になりうる変異体の特徴を捉えている。

自由意志と運命論

ラボでミス・ミニッツと二人きりになったヴィクター・タイムリーはミス・ミニッツから意外な告白を受けることになる。ミス・ミニッツは、TVAや多言宇宙間の戦争のはるか前に在り続ける者によって創られたこと、元はチェスの相手をするためのAIだったこと、自分自身をプログラムする権限を与えられて欲望を持つようになったこと、そしてずっと一緒にいたのに実体を与えてくれなかったことを明かす。

この設定はトニー・スタークとウルトロンやヴィジョンの関係の別パターンとも言える。人工知能と人間の関係は難しく、実体を持ったときにウルトロンのような脅威にも、ヴィジョンのような仲間にもなり得る前例はあるが、ミス・ミニッツの場合は……?

ミス・ミニッツは在り続ける者を愛しており、恋仲になることを夢見ていた。AIが自我を持ち、欲望を持つという状況をホラー風に描いている。だが、ここはタイムリーがミス・ミニッツをタイムパッドに戻して難を逃れる。しかし、ここに現れたのは切り離されたボートを漕いで追いついたラヴォーナだった。ラヴォーナらしいストロング・スタイルだ。

ラヴォーナが持っているのは、タイムリーが作ったらしい剪定棒の試作品。まだ大きくて不安定だが、この時代にこれを作っていたのだとしたらペテン師ではなく本物の天才だ。ここに追いついたのはロキとメビウス。メビウスは「これが君が探していた自由意志か?」と聞いてるが、これはラヴォーナがTVAを離れるときに自由意志を探しに行くと言っていたことへの言及だ。

ラヴォーナはずっとTVAを優先して自分を犠牲にしてきたと主張。混沌に対応する秩序が必要で、自分が秩序であると宣言したところで、混沌=カオス代表のシルヴィの登場だ。魔術で一同を吹き飛ばし、再びヴィクター・タイムリーに刃を向ける。

タイムリーは「まだ何もしていない」と命乞いをするが、シルヴィは「これからする」と断言。それでも「君は私のことを知らない」「私は自分自身の道を選べる」と食い下がるタイムリーに対し、シルヴィは苦悩の表情を浮かべた末にロキとメビウスにタイムリーを連れていくことを許す。シルヴィがこの判断を下した理由には、シルヴィ自身が変異体であるという背景がある。

『ロキ』シーズン1では、運命論 vs 自由意志の物語が描かれた。「こいつの存在は許してはいけない」と、その人物の未来を無視して剪定するのがTVAの仕事なら、変異体だろうがなんだろうが自由意志で生きて良いという立場を取ったのがシルヴィだったはずだ。

ロキの変異体であるシルヴィは、在り続ける者の変異体であるタイムリーを殺そうと、つまり剪定しようとした。その存在を個人として見ていないという意味では自分が在り続ける者と同じことをしようとしていると気づいたのだろう。

ロキ・メビウス・タイムリーがタイムドアを通って去った後、シルヴィはラヴォーナと対峙。シルヴィは殺すよりも酷い仕打ちをラヴォーナに与えるため、開いたタイムドアにラヴォーナを蹴り入れる。ラヴォーナが飛ばされた先は、シーズン1ラストの舞台となった時の終わりの在り続ける者の城であり、そこの玉座には在り続ける者の死体が腰掛けていた。

ラヴォーナはタイムパッドからミス・ミニッツを呼び出すと、ミス・ミニッツは先ほどの「愛してる」と言おうとしたところの続きから再生される。ミス・ミニッツはタイムリーが自分を敵に回したことを怒り、在り続ける者の秘密を全て知っていると話す。ラヴォーナと在り続ける者の間の秘密も知っているというが、ラヴォーナには心当たりがなさそうだ。だがラヴォーナがそれを知れば「はらわたが煮えくりかえる」という。ミス・ミニッツとラヴォーナの“反在り続ける者同盟”の結成を匂わせて『ロキ』シーズン2第3話は幕を閉じる。

『ロキ』シーズン2第3話ネタバレ感想&考察

どうなるヴィクター・タイムリー

『ロキ』シーズン2第3話では、折り返しとなるエピソードでいよいよ在り続ける者の変異体が登場。過去の女性への暴行疑惑に関する裁判の渦中にあるジョナサン・メジャースが出演した。ジョナサン・メジャースの裁判は延期を繰り返しており、米時間の10月25日(水)に法廷が開かれる予定となっている。

Varietyでは、シーズン2第3話の監督を務めたカスラ・ファラハニがメジャースが置かれている状況について「本当に驚いた」としながらも「何も知らない」と話している。スタジオとしては裁判の行方を注視するという姿勢は変わらないようだ。

物語の方はというと、ヴィクター・タイムリーは意外にもロキとメビウスと協力関係に立つことになりそうだ。タイムリーのオーラで防爆扉を開き、ウロボロスが作った分岐に対処する装置を使うか、タイムリーが思いついた処理速度倍増器を使えば現在の問題は解決できるかも知れない。

一方で、ロキがやっていることはTVAを元に戻すことに繋がるのではないかという懸念もある。全ては在り続ける者のマスタープランだとすれば、TVAに行ったタイムリーは次の在り続ける者になってしまい、また分岐を剪定して神聖時間軸を守る元の世界が戻ってくるのではないだろうか。人生を奪われたシルヴィも、剪定を「虐殺」と呼ぶB-15も、それを許さないだろうが、ロキの進む道に“元のTVA”以外の代替案がないことが気に掛かる……。

ちなみに、少年時代のヴィクター・タイムリーは部屋でキャンドルを作っていたようだが、在り続ける者がいる玉座の部屋にもキャンドルが飾られている。やはりヴィクター・タイムリーは在り続ける者に成り代われる者であり、「ロキが変異体と共に在り続ける者を殺す→分岐が解放される→ロキが在り続ける者の変異体をTVAに連れてくる→新たな在り続ける者が生まれる」という状況がループするというのは考える展開の一つだろう。

ラヴォーナとミス・ミニッツはどうなる?

シーズン2第3話のラストは、時の終わりに取り残されたラヴォーナとミス・ミニッツの姿だった。一方でラヴォーナはタイムパッドを持っているので自由に移動することはできる。ただし、TVAに追跡されてしまうので居場所はすぐにバレてしまう。

気になるのは、ミス・ミニッツが話した「秘密」の存在だ。第1話では過去のTVAに飛んだロキがラヴォーナと在り続ける者の会話の録音を聞いてる。その時、在り続ける者はラヴォーナに「共に指揮できて嬉しい」「この戦争で殊勲を立てた」と話していた。

つまり、ラヴォーナはかつて在り続ける者のパートナーだったということだ。ラヴォーナには恐らくこの記憶がないのだろう。ミス・ミニッツが言っている「秘密」とは、在り続ける者がラヴォーナの記憶を消したということかもしれない。

あるいは、独裁者のマインドがある在り続ける者が変異体どうしのマルチバース戦争の中でパートナーシップを組んだ相手ならば、ラヴォーナが在り続ける者の変異体だったという展開もあり得るだろう。ロキとシルヴィのように、戦争では協力したが、その後在り続ける者がラヴォーナを切り捨てて一管理職のメンバーとして利用したとすれば、ラヴォーナの腹わたは煮えくりかえるだろう。憧れて忠誠を誓っていた存在がほかでもない自分自身だったとしたら……。

いよいよ次回はシーズン2の第4話。6話構成のMCUドラマでは第4話で起承転結の“転”にあたる大きな展開が待っているのが通例だが、果たして。

ドラマ『ロキ』シーズン2は2023年10月6日(金)よりDisney+で独占配信。

『ロキ』視聴ページ (Disney+)

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『ロキ』シーズン2第4話のネタバレ解説はこちらから。

シーズン2第2話のネタバレ解説はこちらから。

シルヴィを演じたソフィア・ディ・マルティーノは、ロキが「脅威」になると語っている。詳しくはこちらから。

シーズン2第1話のネタバレ解説はこちらから。

トム・ヒドルストンが語ったシーズン2のロキの”新しい家族”についてはこちらから。

プロデューサーが語ったマクドナルド登場の理由はこちらの記事で。

トム・ヒドルストンが『ロキ』シーズン2の「責任」というテーマについて語った内容はこちらから。

新キャラのウロボロスの背景について俳優とプロデューサーが語った内容はこちらから。

 

『ロキ』シーズン1最終話の解説はこちらの記事で。

プロデューサーが語った時間軸とマルチバースの関係についてはこちらから。

ケヴィン・ファイギが語ったロキとシルヴィがMCUに与えた影響はこちらから。

『ロキ』のベースになった名作SFはこちらの記事で。

トム・ヒドルストンが語ったシーズン1でのロキの変化はこちらから。

 

ドラマ『シークレット・インベージョン』最終話の解説はこちらから。

11月10日(金)公開の映画『マーベルズ』で主人公三人が置かれている状況についてはこちらから。

齋藤 隼飛

社会保障/労働経済学を学んだ後、アメリカはカリフォルニア州で4年間、教育業に従事。アメリカではマネジメントを学ぶ。名前の由来は仮面ライダー2号。編著書に『プラットフォーム新時代 ブロックチェーンか、協同組合か』(社会評論社)。
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