『1984年』『未来世紀ブラジル』——ドラマ『ロキ』のベースになった名作SFが明らかに | VG+ (バゴプラ)

『1984年』『未来世紀ブラジル』——ドラマ『ロキ』のベースになった名作SFが明らかに

© 2021 Marvel

ドラマ『ロキ』のルーツが明らかに

Disney+で配信されるMCUドラマ第3弾として公開された『ロキ』は2021年6月より配信を開始。全6話で構成された物語は、第1話から最終話に至るまで、毎回新たな舞台を紹介する豪勢な構成に。満を持して主役に抜擢された“悪戯の神” ロキにふさわしい魅力的な世界観が繰り広げられた。

そんな『ロキ』の世界観を構成するベースとなった数々の作品が、7月21日(水) より配信を開始した『マーベル・スタジオ アッセンブル』の「ロキの裏側」で明かされた。運命や自由意志をテーマにした『ロキ』では、監視社会ディストピアSFを想起させる描写が多々見られた。ドキュメンタリーの中では、圧迫感を出すためにあえて天井を低くしたという工夫などが語られたが、同時にその背景にある名作SFのタイトルが挙げられている。

『1984年』がベースに

ドラマ『ロキ』では、『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019) で四次元キューブを拾い逃げ出した2012年のロキがTVAこと時間変異取締局に捕まる。TVAは定められた時間の流れを守る存在であり、個人の自由意志を否定する存在だ。ロキ のようにその流れからはみ出た者は盆栽の枝のように“剪定”されてしまう。

そうした活動を肯定するため、TVAにはタイムキーパーがマルチバースにわたる戦争を治めて平和を守っているという“教義”が存在する。まさに監視社会を敷き、プロパガンダを垂れ流す独裁国家の様相だ。

こうしたTVAの世界観を構成したベースには伝統的なSF作品があったようだ。『ロキ』のケイト・ヘロン監督は、TVAでは「ビッグ・ブラザーがあなたを見ている」という雰囲気を出したかったと、ジョージ・オーウェルによる名作ディストピアSF小説『1984年』(1949) をベースにしていることを明かしている。

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劇中でも、第4話ではラヴォーナが「Time-Keepers are watching(タイムキーパーは見ている)」と、『1984年』を想起させる台詞を口にする。ケイト・ヘロン監督は、ここに1960年代を舞台にしたドラマ『マッドメン』(2007-2015) のスタイリッシュさを加えたと話している。

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『ロキ』の製作総指揮を務めたステファン・ブルサードは、SF作品における「面白い役所」を参考にしたと話す。主人公が天国に行けるかどうかの審査を受けるラブコメファンタジー映画『あなたの死後にご用心!』(1991) や、死後の世界の役所が登場するホラーコメディ『ビートルジュース』(1988)、情報省が市民を統制している映画『未来世紀ブラジル』(1985) と、参考にした名作の名前を次々と挙げ、「それらを手本に巨大組織を描いた」と説明している。

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『未来世紀ブラジル』は「1984年版『1984年』」とも言われた作品で、『1984年』から大きな影響を受けている。連綿と続くSF・ファンタジー・ホラー作品の流れを『ロキ』は引き継いでいるのだ。

ネタバレ注意
以下の内容は、ドラマ『ロキ』最終話の内容に関するネタバレを含みます。

その他の作品の影響も

その他にも、 VFXを担当したルーク・マクドナルドは、デイヴィッド・リンチ監督の映画『デューン/砂の惑星』(1994) における訓練用の箱型シールドをタイムドアの参考にしたと話す。

ケイト・ヘロン監督は、TVAの「階層的な要素」を示すために、スタンリー・キューブリック監督の映画『シャイニング』(1980) に登場するような長い廊下を作ったり、映画『サンセット大通り』(1950) の舞台になった豪邸を“在り続ける者”の拠点のモデルにしたりしたことを明かしている。

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プロデューサーのケヴィン・ライトは、在り続ける者を描写するにあたって1900年に発表された児童文学の『オズの魔法使い』をベースにしたことを明かす。

在り続ける者を演じたジョナサン・メジャース自身も役作りにおいて参考にした作品に『オズの魔法使い』を挙げ、更に映画『市民ケーン』(1941)、ケイト・ヘロン監督も挙げていた『サンセット大通り』、のちに『チャーリーとチョコレート工場』(2005) として再映画化された『夢のチョコレート工場』(1971) の存在を挙げている。

これらの作品では、大きな建物に住む孤独な権力者の姿が描かれる。まさに『ロキ』における在り続ける者の存在そのものである。世界観や舞台設定だけでなく、TVAを裏で操っていた“独裁者”にもしっかりそのモデルが存在していたのだ。

このように、様々な作品から影響を受けて製作されたドラマ『ロキ』は、名作の要素を引き継ぎつつ独自の世界観を作り出した。シーズン2ではこの世界観が更に活用されることになるのか、それとも新たな世界観が描かれるのか、この点も楽しみにして配信開始を待とう。

マーベル・スタジオ アッセンブル』はDisney+で独占配信中。

『マーベル・スタジオ アッセンブル』(Disney+)

ドラマ『ロキ』シーズン1は全6話がDisney+で独占配信中。

『ロキ』視聴ページ (Disney+)

メイキングドキュメンタリーで明らかになったワニロキのモデルについての解説はこちらの記事で。

『ロキ』のように、マーベル・スタジオはMCUのドラマシリーズでサブジャンルを深掘りしようとしている。詳しくはこちらの記事で。

ミス・ミニッツの声優が語る最終回の秘話はこちらから。

トムヒが語ったロキとメビウスの関係についてはこちらの記事で。

VG+編集部

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