吉美駿一郎「アザラシの子どもは生まれてから三日間へその緒をつけたまま泳ぐ」英訳公開
SFメディア、バゴプラが主催する第二回かぐやSFコンテストの大賞受賞作品、吉美駿一郎「アザラシの子どもは生まれてから三日間へその緒をつけたまま泳ぐ」の英語訳と表紙イラストを公開しました。英訳を手がけたのは翻訳家で小説家のToshiya Kameiさん、イラストを手がけたのは井上彼方さん、カバーデザインを手がけたのは浅野春美さんです。
英語版タイトルは「Toward the Open Sea」となりました。こちらから読むことができます。
「Toward the Open Sea」 Translated by Toshiya Kamei
世界へ羽ばたくかぐやSFコンテスト大賞作品
かぐやSFコンテストでは、日本のSFを世界に発信していくことを目標に、大賞作品への副賞を“英語と中国語への翻訳”としています。
2020年に開催された第一回かぐやSFコンテストでは「未来の学校」をテーマに416編のSFショートショートが集まりました。その中で見事大賞作品に選ばれた勝山海百合「あれは真珠というものかしら」は、イーライ・K・P・ウィリアムさんによる英語訳と田田さんによる中国語訳をバゴプラに掲載しています。またToshiya Kameiさんによってスペイン語に翻訳され、Nagari Magazineに掲載されました。
第二回かぐやSFコンテストでは「未来の色彩」をテーマに381編のSFショートショートが集まり、筆者名を伏せた完全匿名の審査が行われました。その中で大賞に輝いた吉美駿一郎「アザラシの子どもは生まれてから三日間へその緒をつけたまま泳ぐ」はToshiya Kameiさんに英語訳を、中国語訳を田田さんに手がけていただきました。翻訳者のお二人のプロフィールはこちらからご覧ください。
「アザラシの子どもは生まれてから三日間へその緒をつけたまま泳ぐ」の英語版タイトルは「Toward the Open Sea」、中国語版のタイトルは「曾經,小海豹出生後能拖著臍帶遊三天」(繁体字)、「曾经,小海豹出生后能拖着脐带游三天」(簡体字) となりました。中国語訳はすでに完成し、現在は中国の媒体への掲載を検討しています。そちらの結果が出るまで、バゴプラへの掲載は見送りとします。詳細が決定しましたら、随時お知らせいたします。
吉美駿一郎「アザラシの子どもは生まれてから三日間へその緒をつけたまま泳ぐ」はこちらからお読みいただけます。
また、第二回かぐやSFコンテストで最終候補に選ばれた作品はこちらの特設ページから全文無料で読むことができます。
審査員特別賞、一階堂洋さんの賞品
第二回かぐやSFコンテストで審査員特別賞をとった「熱と光」の作者、一階堂洋さんには賞品としてバゴプラの主催するオンラインSF誌Kaguya Planetにて新作の短編小説を執筆していただくことになっています。執筆にあたっては原稿料が支払われます。
2022年3月、4月と二ヶ月に渡って新作のSF短編小説を執筆していただきます。一階堂さんの作風の多彩さを味わえる二本になる予定です。こちらもお楽しみに。
最終候補作品の筆者、もといもとさんの新作SF
Kaguya Planetではまた、最終候補作品「黄金蝉の恐怖」の作者もといもとさんによる新作SF短編小説「境界の街〜僕らの極秘計画〜」を先行公開しています。小学生二人組の冒険譚、ぜひお読みください。
Kaguya Planetとは
Kaguya Planetとは、バゴプラの主催するオンラインSF誌です。第一回かぐやSFコンテストの結果を受けて得た問題意識をもとに始動しました。月500円で登録していただくと、毎月公開されるSF短編小説を約一ヶ月の先行公開期間に読むことができます。こちらも登録&応援して頂けますと幸いです。
現在はもといもとさんとこい瀬伊音さんの新作SF短編小説と、伊藤螺子さんと星野いのりさんと穂崎円さんによる、架空の諸島を舞台にした島SF作品を先行公開中。
また、社会評論社と業務提携を結び、かぐやSFコンテストやKaguya Planetを出版へとつなげていく計画も進行中です。こちらも引き続きご注目ください。