第二回かぐやSFコンテスト結果発表 「未来の色彩」をテーマにしたSF短編小説を世界へ | VG+ (バゴプラ)

第二回かぐやSFコンテスト結果発表 「未来の色彩」をテーマにしたSF短編小説を世界へ

第二回かぐやSFコンテスト 結果発表

SFメディアのバゴプラは「未来の色彩」をテーマに4,000字以内のSFショートショート(短編小説)を募集した第二回かぐやSFコンテストの結果を発表します。

まず、各作品の筆者を発表します。第二回かぐやSFコンテストでは全ての応募者に筆者匿名で応募して頂きました。最終候補の10名は、誰がどの作品を書いたのかを伏せた状態で読者投票および審査員による最終審査を行いました。

そして本日、最終候補10編の筆者を以下の通り発表いたします。

そして、第二回かぐやSFコンテストでは、審査員が選ぶ大賞と審査員特別賞、ウェブ上で実施された読者投票で最多票を獲得した読者賞の三賞が選出されました。

第二回かぐやSFコンテストの最終結果を以下の通り発表します。

大賞
吉美駿一郎「アザラシの子どもは生まれてから三日間へその緒をつけたまま泳ぐ」
読者賞
枯木枕「境界のない、自在な」
審査員特別賞
一階堂洋「熱と光」

 

  • 大賞に選ばれた吉美駿一郎さんの「アザラシの子どもは生まれてから三日間へその緒をつけたまま泳ぐ」は英語と中国語に翻訳されます。
  • 読者賞に選ばれた「境界のない、自在な」の枯木枕さんには図書カード3万円分が贈られます。
  • 審査員特別賞に選ばれた「熱と光」の一階堂洋さんへの賞品は後日発表いたします。

受賞者の皆様、おめでとうございます!
今回は受賞に至らなかった皆様も含め、本コンテストの運営趣旨にご理解とご協力をいただき、誠にありがとうございました。

審査員4名による選評は後日公開いたします。

最終候補作品を読む

受賞作を含む最終候補作品は特設ページで公開中。こちらから読むことができます。

第二回かぐやSFコンテスト特設ページ

また、各審査員が“最終候補には残せなかったが優れた作品”をまとめた選外佳作リストは、こちらで公開しています。

かぐやSFコンテストについて

かぐやSFコンテストは、SFメディアのバゴプラが主催するSFショートショートのコンテストです。4,000字以内のSF短編小説を対象に作品を募集し、大賞に選ばれた作品を英語と中国語に翻訳すること、最終候補作品を筆者匿名の状態でウェブ上に公開し、読者投票で読者賞を決定すること等が、その特徴となっています。創設時の目標は、海外の読者を意識してSF小説を書いてもらうこと短編小説が読まれる新しい場所を作り出すことでした。

「未来の学校」をテーマにして2020年に開催した第一回かぐやSFコンテストでは、勝山海百合さんの「あれは真珠というものかしら」が大賞に、佐伯真洋さんの「いつかあの夏へ」が読者賞に、大竹竜平さんの「祖父に乗り込む」が審査員特別賞に、坂崎かおるさんの「リモート」が審査員特別賞に選出されました。受賞作や選外佳作の作品も英訳されるなど、かぐやSFコンテストは、海外のSF媒体に日本の掌編が次々と登場することになるきっかけを作り出しました。

第二回目の審査員であり、十数年ぶりに書いた小説「リモート」で第一回目の審査員特別賞を受賞した坂崎かおるさんは、同作がToshiya Kameiさんによって英訳され、著名なオンラインSF誌Daily Science Fictionに掲載されました。選外佳作に選ばれた「つくえ・くろにくる」もToshiya Kameiさんによる英訳が豪AntipodeanSFに掲載されています。2021年にはバゴプラにSF短編小説「パラミツ戦記」、SF同人誌『SFG Vol.03』で姉妹編「常夜の国」を寄稿すると、第3回百合文芸小説コンテストで『電信柱より』がSFマガジン賞を受賞し、同作の「S-Fマガジン」掲載により商業誌デビュー。「日本SF作家クラブの小さな小説コンテスト」、通称「さなコン」では「ファーサイド」で日本SF作家クラブ賞を受賞しました。

第二回目となる今回は全ての筆者に匿名で応募して頂き、審査員もどの筆者がどの作品を書いたか分からない状態で最終審査を行いました。これは、書き手のキャリアや関係性を審査と切り離し、小説の内容だけで評価を決定する仕組みです。

結果、第二回かぐやSFコンテストには381編の作品が寄せられ、第一回目に続き、SNSを中心に大きな盛り上がりを見せました。最終候補発表後には、多くの方が書き手として応募作品を公開され、8月14日から8月25日の期間に実施した読者投票では、多くの方が読み手として最終候補作品の感想をウェブ上に投稿してくださいました。かぐやSFコンテストは、何かが動き出す「きっかけ」としては、その役目を果たせたのではないかと思っています。書き手として、読み手として、本コンテストを共につくりあげてくださった皆様に、心より御礼申し上げます。

最後に、第三回かぐやSFコンテストと今後についてお知らせいたします。

第三回かぐやSFコンテストについてのお知らせ

バゴプラは、第三回かぐやSFコンテストを開催します。
開催時期は、2023年を予定しています。

これまで、2020年、2021年とかぐやSFコンテストを二年連続で開催し、筆者・読者・審査員・スタッフを含む多くの方々によって立派なコンテストに育てて頂きました。海外を意識して小説を書いてもらうこと、国内外で広く作品が読まれることなど、かぐやSFコンテストを通して生まれた結果は、どれも掛け替えのないものです。本コンテストは今後も継続していくべきイベントだと私たちは考えており、第三回目の開催をここにお約束します。

同時に、SFのウェブメディアであるバゴプラは、多くの企業や団体が抱える様々な制約から自由であることを最大限に生かした運営を行うべきだと考えるに至りました。毎年、準備期間を含めて4ヶ月間ほどを駆け足で運営するよりも、各回のコンテストで出た結果に対してもう少し丁寧に向き合うべきではないかと考え、これらの結果を次のステップに繋げる取り組みに時間・労力・資本を投じたいと思っています。

また、当初は作家さんが海外に出られる際の武器になればよいという思いで、大賞受賞作の英中翻訳という賞品を掲げていましたが、コロナ禍もあり、物理的に海外に出ていくことが厳しい状況が続いています。海外を志向するSFメディアとしては、翻訳された作品が報われるような新しい形の取り組みを模索したいと考えています。

今後のかぐやSFコンテストは、二年開催して一年空ける、あるいは一年半ごとに開催するなど、ちょうどよい間隔を探してみたいと思います。2022年はかぐやSFコンテストはありませんが、それでも、日本では複数のSFコンテストが定期的に開催されています。様々な場所で様々な方の作品が読め、日本のSFがより良いものとなっていくことを願っています。

かぐやSFコンテストを実施しない間の取り組みについては、現時点で具体的な展開をお約束することはできませんが、引き続きかぐプラの運営に力を入れると共に、他企業・他団体様との協業/コラボレーションや、皆で楽しめる単発の企画は実施していく予定です。

また、既に頂いているご要望やアイデアをもとにしつつ、Twitterや配信を通して皆さんからのご意見も頂戴しながら、これまでのバゴプラにはできなったことにチャレンジしていきます。

バゴプラは、読者と書き手の皆さんに支えて頂いている、まだまだ成長過程にあるメディアです。皆さんに応援していただけるメディアであることを目指しつつ、色々なことがシステム化・慣例化してしまう前に一度、冒険をしてみたいと思います。もし皆さんも一緒に冒険していただけるなら、とても嬉しいです。

次のコンテストは、筆者・読者・スタッフにとって、より良い状況の中で開催できるように頑張ってまいります。引き続き、応援とご指導をいただけますと幸いです。

ここまで長文を読んでいただき、ありがとうございます。
今後とも、かぐやSFコンテストとバゴプラを宜しくお願い致します。

バゴプラ運営一同

 

Kaguya Planetでは毎月SF短編小説を配信中!

かぐやSFコンテストを主催するバゴプラでは、SF短編小説を定期的にウェブ上に掲載するKaguya Planetを主宰しています。Kaguya Planetは第一回かぐやSFコンテストの結果を受けて得た問題意識をもとに始動したプロジェクトです。月500円で登録していただくと、毎月先行公開の作品を読むことができます。Kaguya Planetを出版につなげていく計画も進行中です。

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