2024年1月日本公開決定
DCEU(DCエクステンデッドユニバース)の最終作にあたる『アクアマン/失われた王国』の公開がアメリカでは2023年12月20日、日本では2024年1月になることが新予告映像と共に発表された。新予告映像では、ジェイソン・モモア演じるアーサー・カリー/アクアマンをはじめ、前作に引き続き多くのキャラクターが登場している。
『アクアマン/失われた王国』のあらすじは以下の通りだ。七王国の支配者であるオーシャン・マスターの座を巡る戦いを描いた『アクアマン』(2018)から時は流れ、アーサー・カリー/アクアマンは一児の父親となり、根無し草の生活からアトランティス帝国の王として多忙な毎日を過ごしていた。しかし、そこにアーサー・カリー/アクアマンによって父を喪ったと憎悪するヤーヤ・アブドゥル=マティーン2世演じるデイビッド・ケイン/ブラックマンタが襲撃してくる。
アトランティス帝国の装備に加え、アトランティス帝国の王の証であるトライデントと双璧を為す邪悪なブラックトライデントを持つデイビッド・ケイン/ブラックマンタに追いつめられるアーサー・カリー/アクアマン。窮地に陥ったアーサー・カリー/アクアマンはかつての宿敵にして異父弟であり、オーシャン・マスターを名乗って戦争を起こしたパトリック・ウィルソン演じるオーム・マリウスと手を組むことになる。
予告映像ではアーサー・カリー/アクアマンの父親のテムエラ・モリソン演じるトム・カリーや、アーサー・カリー/アクアマンとオームの母親のニコール・キッドマン演じるアトランナ、水を操る能力を持つ海底国ゼベルの王女のアンバー・ハード演じるメラが登場している。更には前作『アクアマン』で太鼓を叩いていたタコのトポもアーサー・カリー/アクアマンと共に巨大なタツノオトシゴに乗って登場している。また、キャスト紹介ではドルフ・ラングレン演じるメラの父のネレウス王やアトランティス帝国を研究するランドール・パーク演じるスティーヴン・シン博士も登場する。
テーマは親子とブロマンス
一時はジョニー・デップとの離婚裁判によってアンバー・ハードの起用が危ぶまれたが、『アクアマン/失われた王国』では予定通り出演するようだ。しかし、その出演時間は短いと言われている。その理由はアンバー・ハードにあるのではなく、『アクアマン/失われた王国』のテーマがアーサー・カリー/アクアマンとオーム・マリウスとのブロマンスにあるからだと制作陣が公言している。
ブロマンスとはブラザーとロマンを組み合わせた造語で、意味は幅広いが、多くの場合では性的な接触や恋愛感情は無いものの非常に親密な関係性にある男性同士のことを指す。『アクアマン/失われた王国』ではかつてはお互いの存在によって苦しめられたアーサー・カリー/アクアマンとオーム・マリウスが認め合い、そして理解し合うまでが描かれると考えられる。
映画『アクアマン』ではオーム・マリウスにとってアーサー・カリー/アクアマンとは、母親のアトランナがトム・カリーとの真実の愛の末に生まれていた子供であり、政略結婚によって生まれた自分の存在を否定しかねない存在であった。解禁された予告映像では「この先、何があるかわからない。だけど子供たちに希望のない世界を残すわけにはいかない」と迷いながら戦うアーサー・カリー/アクアマンに対し、オーム・マリウスは「お前が思っているほど、お前は悪くない」と語っており、二人の間に何か心境の変化があったことを感じさせる。
また、もう一つのテーマに親子愛があると考えられ、父親の復讐に燃えるデイビッド・ケイン/ブラックマンタはトム・カリーの住む灯台を襲撃し、焼き尽くしている。トム・カリーという父親をアーサー・カリー/アクアマンから奪おうとしていることがうかがえる。また、父親を奪われたと感じているデイビッド・ケイン/ブラックマンタに対し、アーサー・カリー/アクアマンは父親として忙しく過ごしているなど、両者は親子愛の面でも対比的に描かれている。
以下の内容は、映画『ザ・フラッシュ』の内容に関するネタバレを含みます。
アクアマンの明日はどっちだ
『アクアマン/失われた王国』は再撮影が繰り返されている。最初の再撮影は関係者試写会での評価が予想を下回ったため、再撮影が行われたと言われている。その次の再撮影はベン・アフレック版ブルース・ウェイン/バットマンやマイケル・キートン版ブルース・ウェイン/バットマンの登場に関して、最後の再撮影では『ザ・フラッシュ』(2023)の公開時期の変動により、バットマンの登場シーンそのものをすべてカットしたという海外報道がなされている。
そこにメラを演じるアンバー・ハードの泥沼化した離婚裁判も加わり、波乱に満ちた末に公開が決定された『アクアマン/失われた王国』。そして、『ザ・フラッシュ』の公開時期の変動により、DCEUの最終作にもなってしまった。そのため、今後のキャスティングも気になるところだ。
『ザ・フラッシュ』のポストクレジットでは酔っぱらったジェイソン・モモア演じるアーサー・カリー/アクアマンが登場したが、同じくラストシーンで登場したジョージ・クルーニー版ブルース・ウェイン/バットマンに関してDCUの今後を知るジェームズ・ガン共同CEOは「ジョージ・クルーニーは今後のバットマンを演じない」と語っている。そのため、ジェイソン・モモアがアーサー・カリー/アクアマンからリキャストされる可能性もある。
その一方、ジェイソン・モモアはDCUとの何らかの契約を結んだことを喜ぶ動画をInstagramに投稿しており、ファンの間ではアーサー・カリー/アクアマンから宇宙の賞金稼ぎロボへリキャストされる可能性がささやかれている。日本ではDCEUとDCUの間を繋ぐ映画であり『ブルービートル(原題:Blue Beetle)』の公開が未定なため、余計にDCUの先行きは不明だ。今後のDCUに注目していきたい。
『アクアマン/失われた王国』は2024年1月より全国公開予定。
Source
Entertainment Weekly
DCU『スーパーマン:レガシー(原題:Superman:Legacy)』に登場するヒーローに関する記事はこちらから。
デヴィッド・コレンスウェット版スーパーマンとヘンリー・カヴィル版スーパーマンの年齢差に関する記事はこちらから。
『ザ・フラッシュ』のヴィランとスーパーガールについての解説&考察はこちらの記事で。
DCU最初の映画となる『ブルービートル』予告の解説&考察はこちらから。
『ザ・フラッシュ』公開までの経緯のまとめはこちらから。
DCU10年計画『神々と怪物』の全作品の紹介はこちらから。
ヘンリー・カヴィルのスーパーマン降板に関する経緯はこちらから。
『ジャスティス・リーグ:ザック・スナイダーカット』ラストの解説はこちらから。
『ザ・フラッシュ』ポストクレジットの解説はこちらから。
『ザ・フラッシュ』続編をめぐる現在の状況についての解説はこちらの記事で。
『ザ・フラッシュ』におけるマルチバースの解説&考察記事はこちらから。
『ザ・フラッシュ』に登場するバットマンについての解説はこちらから。
フラッシュの能力とキーワードになる「スピードスター」に関する解説はこちらから。