『ドクター・スリープ』が公開
2019年に公開された映画『ドクター・スリープ』。スタンリー・キューブリック監督が手がけた伝説のホラー映画『シャイニング』(1980) の40年ぶりの続編で、『IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。』(2019) に続くスティーヴン・キング原作映画の最新作となる。
< どうして…戻ってきたの…?
『#シャイニング』の惨劇を生き延びたダニー。
40年の時を経て、彼は再び“呪われた”ホテルへ…。一体なぜ?
そして彼の運命は?『IT』スティーヴン・キング最新作『#ドクタースリープ』大ヒット上映中!伝説が、遂に終わる。#シャイニング完結 pic.twitter.com/7UFn2fruqf
— ワーナー ブラザース ジャパン (@warnerjp) November 28, 2019
『シャイニング』を完結させる物語
映画『ドクター・スリープ』は、前作『シャイニング』を観ていない人でも楽しめる作りになっている。だが、原作者のスティーヴン・キングは映画『ドクター・スリープ』を「キューブリック映画『シャイニング』の素晴らしい続編」とも述べており、作中には『シャイニング』の物語を完結させる仕掛けがいくつも用意されている。
『シャイニング』から転用した3つのシーンとは?
『ドクター・スリープ』には、『シャイニング』ファンが思わずニヤリとしてしまう映像がいくつも登場する。キューブリックのこだわりシーンの数々を40年の時を経て蘇らせることに成功している。だが実は、『ドクター・スリープ』には、キューブリックの『シャイニング』から転用した映像が3つ存在するのだという。指揮をとったマイク・フラナガン監督が、FOXのインタビューで明らかにしている。
以下の内容は、映画『ドクター・スリープ』の内容に関するネタバレを含みます。
意外な3つのショット
マイク・フラナガン監督は、「キューブリック作品で使用された映像に手を加えたシーンが (『ドクター・スリープ』には) 3つ存在するんです」と語る。インタビュアーが「迷路ですか?」と尋ねるが、「あれは私たちが作りました」と回答。キューブリックから受け継いだ3つのシーンを明らかにしている。
小島と渓谷が映るショットは『シャイニング』のものを使用しています。明度を落として、雪を足しました。残りの二つのシーンは、その後に続く車が山を登っていく二つのシーンです。(キューブリックの映像を使用した理由は、) 全く同じショットにしたいという思いがありましたし、完全に再現することは不可能だったからです。雪を足して車をダニーの車に置き換えることで悪夢の雰囲気を作り出しました。
キューブリックの『シャイニング』から転用された3つのシーンは、なんと全て“展望ホテル”へ向かう場面にあったというのだ。スティーヴン・キングの『ドクター・スリープ』とスタンリー・キューブリックの『シャイニング』を繋ぐこの場面に、マイク・フラナガン監督が相当なこだわりを持っていたことが分かる。
“血のエレベーター”シーンの製作秘話
なお、マイク・フラナガン監督は、非常に高い再現度の“血のエレベーター”については、デジタル映像で再現したことも明らかにしている。こちらも実物で元の映像を再現することは不可能であった上に、演出上、カメラの視点を変える必要があった。『シャイニング』では、キューブリックは非常に低い位置にカメラを置いてエレベーターを捉えていたが、『ドクター・スリープ』ではローズ・ザ・ハットがこの“血のエレベーター”を目撃するため、カメラをローズの目線の位置に置く必要があった。結果、デジタルで再現されたこのシーンだが、製作には4ヶ月の月日を費やしたというから驚きだ。
上記のシーン以外にも、『ドクター・スリープ』では『シャイニング』から数多くのシーンが再現されている。『ドクター・スリープ』を鑑賞した後に『シャイニング』を再度鑑賞してみると、更なる発見があるかもしれない。
また、『ドクター・スリープ』では、映像だけでなく音楽においても『シャイニング』からの引用が見られた。詳細は音楽記事をご覧いただきたい。
Source
FOX 5 DC