DCU版スーパーマン役とロイス・レイン役決定と追加キャスト【全作解説】「神々と怪物」 ジェームズ・ガン共同CEOのDCU10年計画 | VG+ (バゴプラ)

DCU版スーパーマン役とロイス・レイン役決定と追加キャスト【全作解説】「神々と怪物」 ジェームズ・ガン共同CEOのDCU10年計画

(C)2023 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved TM & (C) DC

『ジャスティス・リーグ』(2017)のザック・スナイダー監督の降板を発端としたスナイダーカットを求める署名に撮影現場でのパワハラやセクハラの告発、最近では『バットガール(原題:Batgirl)』(2022)のお蔵入りにヘンリー・カヴィル氏のスーパーマンの降板騒動とトラブルの尽きないワーナー・ブラザーズ・ディスカバリーとDCスタジオ。現在、『ブラックアダム』(2022)の配信がすでに始まり、『ザ・フラッシュ』(2023)によってDCEUからDCUへの再構築(リライト)がはじまっているが、これらの作品はクリエイターへの不義理などを理由に退任寸前までいったとされるウォルター・ハマダ氏陣営からの一つの転換点とされた。

そして先日、新たにDCスタジオの共同CEOに就任したジェームズ・ガン監督がDCEU改めDCUの8~10年にいたる計画を動画で発表した。

ジェームズ・ガン監督は共同CEO就任当初からファンに寄り添う姿勢を示していたものの、ガル・ガドットらが「ワンダーウーマン」シリーズへの意気込みを述べた直後に『ワンダーウーマン3』が白紙になったことが発表された。そこに加えてヘンリー・カヴィル氏自身が熱心なファンでもある「ウィッチャー」シリーズ主演を降板後してスーパーマンに復帰したにも関わらず『ブラックアダム』に数秒カメオ出演して降板が発表されるなど、制作陣と現場の意見の相違による問題の矢面に立たされている。これらに関しては「みんなを幸せにはできない」などコメントを発表することさえあった。

しかし、今回の動画での発表はファンの不安に対して、話せるかぎりの内容を話し、この混沌とした状況の解決を試みたものとなっている。そこで現時点で制作が決定し、予告編などが公開されている作品の立ち位置、DCUの在り方、そして表題にもなっている「神々と怪物」と題する10本の作品群について発表した。それらの作品の中ではすべてを刷新するとは言いつつ、ウォルター・ハマダ氏陣営時代、いわゆる旧体制下でも制作が計画されていた作品もあるなど、非常に興味深いものとなっている。

現行作品の立ち位置

ジェームズ・ガン共同CEOは最初にファンが不安視しているであろう現行作品がDCUにおいて、どのような立ち位置になるかを発表した。そこで新たに登場した概念がDCUとは異なるユニバース群「DCエルスワールド」だ。『アロー』(2012-2020)や『フラッシュ』(2014-)に『スーパーガール』(2015-2021)など「アローバース」のクロスオーバーイベントのタイトルにもなっているなど、コミックファンには聞きなじみのある用語である「もしもの世界」を描いた作品を意味する「エルスワールド」。そう題された作品群をつくることで、一種の“隔離政策”をとったとも考えられる。

現在、アローバースは制作しているThe CWおよび親会社であるワーナー・ブラザーズ・ディスカバリーの経営方針によって打ち切りや完結が相次いでいる。その一方で映画とドラマが別離していたアローバース全盛期にはDCEUとの兼ね合いで登場させられないキャラクターが存在するなど、このDCスタジオのユニバース計画にはそこに属さない作品群のすり合わせなどで苦労する場面もあった。ジェームズ・ガン共同CEOの語る「ピーター・サフラン共同CEOと共に作品群を一つにする」という言葉にはこれらの問題の解決も含まれているのかもしれない。

動画の発表の中でDCエルスワールドに属するとされた作品はマット・リーヴス監督作品でロバート・パティンソン氏主演『THE BATMAN-ザ・バットマン-』(2022)と2025年10月3日米公開予定の続編『ザ・バットマン PartⅡ(原題: The Batman Part II)』。そしてトッド・フィリップス監督でホアキン・フェニックス氏主演『JOKER』(2019)と続編でレディー・ガガ氏がハーレイ・クインを演じるとの情報もある『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ(原題:Joker: Folie a Deux)』。映画作品以外では人気のアニメ作品であるある『ティーン・タイタンズGO!』(2013-)も属するとされている。特に『THE BATMAN-ザ・バットマン-』はDCU入りの噂もあったため、驚いたファンもいるかもしれない。

現在公開予定の作品

そして、新たな作品の紹介の前に今年や来年公開予定の作品の立ち位置も解説された。DCEUとDCUの間に置かれた作品たちの立場を動画内で明確にさせたのだ。「シャザム!」シリーズ第二作目の『シャザム!~神々の怒り~』(2023)を『ザ・フラッシュ(原題:The Flash)』(2023)へと繋げ、そこでDCEUの流れをリセットし、『ブルービートル(原題:Blue Beatle)』(2023)へと移行していくとのことだ。フラッシュというヒーローはスピードスターと言われる存在であり、彼らは高速移動によって時間を越え、過去や未来を行き来することができる。

コミックでも「フラッシュ・ポイント」というフラッシュの時間改変によって世界がリセットされるエピソードがあったが、それと同じように映画でも世界をリセットすることで俳優の変更(リキャスト)などを行いやすくするとされている。もしくは、犯罪行為で訴えられているフラッシュ役のエズラ・ミラー氏や、女性蔑視セミナーの参加や反ワクチン投稿で問題になっているシャザム役のザッカリー・リーヴァイ氏など、問題を起こした俳優のリキャストなどを念頭に入れている可能性もある。後述の時間移動するヒーロー、ブースターゴールドの映像化も考えると、その可能性は捨てきれない。現時点ではリキャストしないと発表しているが、その行く先は不透明だ。

また、『アクアマン2』にあたる『アクアマン・アンド・ザ・ロスト・キングダム (原題:Aquaman and the Lost Kingdom)』(2023)はこれからのプロジェクトに直結する作品となり、ジェームズ・ガン共同CEOと他のクリエイターたち映画やテレビドラマ、アニメやゲームをまたにかける8~10年の計画の第一章「神々と怪物(原題:Gods and Monster)」がはじまるとのことだ。

『クリーチャーコマンドー(原題;Creature Commando)』

DCUの第一弾として発表されたのが、アニメーションシリーズである『クリーチャーコマンド―(原題;Creature Commando)』である。この作品は2024年頃の公開とされ、全7エピソードほどになるとされている。脚本はすべてジェームズ・ガン共同CEOが書き上げ、彼にとって挑戦的な作品になっていると語っている。オリジンは第二次世界大戦を舞台にしたフランケンシュタインの怪物などの怪物や超人(メタヒューマン)が参加するチームの物語だが、時代は変更になるかもしれない。『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』に登場したジェームズ・ガン共同CEOの弟、ショーン・ガン氏演じるイタチのウィーゼルが出演することも決定している。

本作の最大の特徴は動画内で何度も述べていた「映画、ドラマ、アニメ、ゲームを一つにする」点があげられる。本作ではアニメーション同士のクロスオーバーだけではなく、実写作品とのクロスオーバーも検討されており、そこではアニメ版の声優と実写版の俳優を同じにする試みがなされるという。それこそが今回の発表の目玉の一つであり、DCUがユニバースという展開をしていく上で作品の形式の垣根を越えたより柔軟な形をとっていくということだ。すでにアローバースでは『アース・プライム(原題:EARTH-PRIME)』(2022)というコミックでのクロスオーバーを行ったが、それを映画でも積極的に行っていくようだ。

『ウォラー(原題:Waller)』

『ウォラー(原題:Waller)』は「スーサイド・スクワッド」シリーズや『ピースメイカー』(2022)でも活躍し、『ブラックアダム』にも登場した政府組織A.R.G.U.S.に所属するタスクフォースXを指揮するアマンダ・ウォラーを主人公としたドラマシリーズである。俳優はヴィオラ・ディヴィスが続投することが決定しており、『ピースメイカー』の制作陣と再タッグを組むことも決定している。またHBO MAXのドラマシリーズ『ウォッチメン』(2019)で脚本を務めたクリスタル・ヘンリーや『ドゥーム・パトロール』(2019-2023)でプロデューサーを務めるジェレミー・カーヴァーの参加が決定している。

動画の中ではアマンダ・ウォラーが逮捕されているコミックの画像が用いられており、時系列のわからない『ブラックアダム』ではまだ現役だった彼女だが、『ピースメイカー』の最後ではダニエル・ブルックス氏演じる娘のレオタ・アバデヨの告発により失脚していたため、彼女の失脚後の物語を描くと思われる。『ピースメイカー』もシーズン2が決定しているため、その間にアマンダ・ウォラーに何があったのかが物語の焦点になりそうだ。

『スーパーマン レガシー(原題:Superman Legacy)』

ジェームズ・ガン共同CEOが最大の目玉企画として発表したのが『スーパーマン レガシー(原題:Superman Legacy)』だ。脚本はジェームズ・ガン共同CEO本人が現在執筆中で、この時間を素晴らしい時間だとまで評している。Twitterで彼はスーパーマンのコミックを読んでいる画像を投稿していたこともあり、新しいスーパーマンの映画にかなり力を入れていることがうかがえる。2025年7月11日に公開されることが決定している。

しかし、誰がスーパーマンを演じるのは明らかになっていない。現在、ヘンリー・カヴィルがスーパーマンを一度目の降板をして以降、様々なスーパーマンの映画の計画が持ち上がっている。以前はマイケル・B・ジョーダンの名前が挙がっていた黒人版スーパーマンや、若き日のスーパーマンを描くといった企画も持ち上がっていたが計画は停止状態だ。さらには映像化された作品でアローバース版のタイラー・ホークリン演じるスーパーマンやスーパーマンとロイス・レイン、そして二人の息子たちを描いた『スーパーマン&ロイス』(2021-)が放映されている。

こちらは同じくタイラー・ホークリン氏がスーパーマンを演じ、周辺人物もアローバースの中心世界であるEarth-Primeと同じ俳優が演じていため、Earth-Primeの物語だと思われていたが独立された世界に変更されるなど混乱している部分がある。これらの部分も含め、ジェームズ・ガン共同CEOは一つにまとめようとしているのかもしれない。だがヘンリー・カヴィル版スーパーマンのファンが多かったこともあり、今後の反応はいまだ予測不可能だ。

2023年6月28日にはジェームズ・ガン共同CEOがTwitterでスーパーマン/クラーク・ケント/カル=エルとロイス・レインのキャストが発表された。スーパーマン/クラーク・ケント/カル=エル役にはデヴィッド・コレンスウェット氏、ロイス・レイン役にはレイチェル・ブロズナハン氏がキャスティングされた。デヴィッド・コレンスウェット氏とレイチェル・ブロズナハン氏は『ハウス・オブ・カード 野望の階段』(2013-2018)に出演している。レイチェル・ブロズナハン氏はAmazon制作ドラマ『マーベラス・ミセス・メイゼル』で主演を務め、第75回および第76回ゴールデングローブ賞ミュージカル・コメディシリーズ部門女優賞と第70回エミー賞コメディシリーズ部門主演女優賞を受している。

また、追加キャストと追加キャラクターも発表されており、『100 オトナになったらできないこと』(2016-2017)で主題歌と主演を担当したイザベラ・メルセード氏がホークガール役にキャスティングされた。他にもグリーンランタン・コァのメンバーであり、マチズモやナルシズムの傾向のあるキャラクターとして描かれることの多い四代目グリーンランタン/ガイ・ガードナー役に『キャッスル 〜ミステリー作家は事件がお好き』(2009-2016)で主演を務めたネイサン・フィリオン氏、サイバーウェア企業を立ち上げ、Tスフィアという装置を開発した頭脳とオリンピック金メダリストの身体能力を活かして戦うミスター・テリフィック/マイケル・ホルト役にエディ・ガテギ氏がキャスティングされた。

ジェームズ・ガン共同CEO作品常連のネイサン・フィリオン氏だが、ネイサン・フィリオン氏自身は『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』でT.D.K.として出演しており、アマンダ・ウォラーやピースメイカー、ヴィーゼルのキャストが続投する上でネイサン・フィリオン氏が兼ね役をするという点においても注目していきたい。

『ランタンズ(原題:Lanterns)』

宇宙の治安を守る使命のグリーンランタン・コァに属する二人のヒーローを主人公にしたドラマシリーズが『ランタンズ(原題:Lanterns)』だ。ジェームズ・ガン共同CEOはこの作品を宇宙版『TRUE DETECTIVE』(2014-)と評している。グリーンランタンは複数人存在しており、今回取り上げられるのは人気の高い二代目グリーンランタンのハル・ジョーダンと三代目グリーンランタンのジョン・スチュワートの二名。ほかにも数多くのグリーランタンが登場することが決定している。彼らは地球を守る中でDCUの根底を揺るがす最大級の恐ろしい謎に直面するとのことだ。

グリーンランタンは何度も映像化が計画されており、「デッドプール」シリーズでいじられてきたライアン・レイノルズ氏がハル・ジョーダンを演じた『グリーンランタン』(2011)は記憶に新しい。それ以外にHBOで初代グリーンランタンであるアラン・スコットと四代目グリーンランタンのガイ・ガードナーを主人公にした作品が計画しており、アランスコット役にはジェレミー・アーヴァイン氏、ガイ・ガードナー役にはフィン・ウィットロック氏が決まっていた。しかし、そちらも税金面の問題とワーナー・ブラザーズ・ディスカバリーの経営状況を理由に白紙になっている。また、アローバースにおいてもジョン・ディグルがグリーンランタンになるような描写があったが、DCEUとの兼ね合いもあって白紙のままだ。

『グリーンランタン』の映像化を巡るこれまでの経緯は、こちらの記事で詳しく解説している。

紆余曲折を経て『ランタンズ(原題:Lanterns)』でグリーンランタンの映像化が決定したようだが、今回はどうなるのだろうか。グリーンランタンというキャラクターは宇宙の警察官というポジションから宇宙規模の物語に関わることが多く、ジェームズ・ガン共同CEOの言葉を借りるならば、これもDCUを一つにするための計画なのかもしれない。まだ俳優や監督も発表されていないため、今後の展開に注視したいところだ。また、『スーパーマン:レガシー』で登場するネイサン・フィリオン氏演じる四代目グリーンランタン/ガイ・ガードナーの関係性にも注目していきたい。

『THE AUTHORITY』

ジェームズ・ガン共同CEOは前述の通り、DCUの抜本的かつ大胆な改革を試みているが、その一つが映画『THE AUTHORITY』だ。このヒーローチームは元々DCコミックスのキャラクターではなく、ワイルドストームという会社のキャラクターだったがDCコミックスに買収されて以降、DCの世界に加えられた。そしてジェームズ・ガン共同CEOは彼らをDCUにも加えようとしている。このキャラクターたちにはジャスティス・リーグのパロディやオマージュの側面があり、それを理解した上で導入を試みているようである。

THE AUTHORITYは世界がすでに破綻していると考えていて、その修復のためには型破りな手段もいとわないというジェームズ・ガン共同CEOが得意とする作風になると予想されている。『THE BOYS』(2019-)や『ピースメイカー』などのテイストで展開されるのかどうかも興味深いところだ。

スーパーマンのオマージュキャラクターであるアポロと、バットマンのオマージュキャラクターであるミッドナイターがゲイのカップルであるなど、ジェンダーに関する問題でも揺れたDCスタジオがどのようにキャラクターの関係性を描くのかにも注視していきたい作品でもある。また、THE AUTHORITYのメンバーであるマリア・ガブリエラ・デ・ファリア演じる2代目ザ・エンジニアが『スーパーマン レガシー』に出演することも決まっている。

『パラダイス・ロスト(原題:Paradise Lost)』

ワンダーウーマンの故郷であるセミッシラ島を舞台にしたドラマシリーズが『パラダイス・ロスト(原題:Paradise Lost)』だ。本作の舞台をジェームズ・ガン共同CEOは『ピースメイカー』を制作したHBOの大人気ドラマシリーズである『ゲーム・オブ・スローンズ」(2011-2019)や『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』(2022-)の舞台であるウェスタロスになぞらえている。そのことからもファンタジーの要素を加えた架空大河ドラマになることが予想できる。

そうなると気になってくるのが、『ワンダーウーマン3』の制作中止問題だ。主演であるガル・ガドット氏は次回作を期待してほしいと投稿していた。パティ・ジェンキンス監督も同時期抱えていた映画『クレオパトラ』から降板し、『スター・ウォーズ:ローグ・スコードロン』も棚上げするなど『ワンダーウーマン3』に集中できる状態にしていたと言われていた状況だった。それにも関わらずガル・ガドット氏が上記の投稿をした翌日に制作中止が発表されたという混迷を極めた状況でセミッシラ島を舞台にした作品をつくるという判断が吉と出るか凶と出るか、 注視していきたい。

また、ガル・ガドット版ワンダーウーマン自体は消滅したわけではなく、今後映画などで登場させる予定があることをジェームズ・ガン共同CEOはTwitter上で語っている。その一方で、DCEUからDCUへの移行の中で扱われるワンダーウーマンは何故か登場するたびに性的なジョークなどが語られるという制作陣の悪癖が垣間見える。そのため、『パラダイス・ロスト』とガル・ガドット版ワンダーウーマンの関係性や今後のワンダーウーマンの扱いについても注目していきたい。

『バットマン ブレイブ・アンド・ボールド(原題:Batman Brave and Bold)』

ロバート・パティンソン氏が演じるバットマンがDCUではなく、DCエルスワールドの作品と位置付けられた現在。DCUにおける新たなバットマンの物語のはじまりになるのが『バットマン ブレイブ・アンド・ボールド(原題:Batman Brave and Bold)』だ。この物語はバットマンことブルース・ウェインとその息子でロビンでもあるダミアン・ウェインの二人の物語であり、DCUにおいてバットファミリーを築く第一歩になると発表された。

これまでDCEUではロビンは直接描かれたことはなく、ベン・アフレック氏演じるバットマンの基地、バットケイブにジョーカーによって殺害されたと考えられるロビンのスーツのみが飾られていた。またジョーカーのタトゥーにコマドリ(ロビン)が矢によって串刺しになっているものが彫られているなど、すべてほのめかされる程度に留まっている。それ以外にもDCEUのロビンのスーツはおそらく成人男性ほどのサイズのものになっている。また、ベン・アフレック氏は『ザ・フラッシュ』を最後にバットマンを卒業するため、新キャストにも注目が集まる。

このダミアン・ウェインというキャラクターはジェームズ・ガン共同CEOもかなり気に入っているようで、その生い立ちも特殊だ。バットマンの実子だがバットマンはその存在を知らず、彼の宿敵にして師でもあったラーズ・アル・グールの娘のタリア・アル・グールが人工子宮で培養し、リーグ・オブ・アサシンという暗殺集団に育てられ10歳にして天才的な暗殺技術をもった少年がダミアン・ウェインだ。生意気と言われる性格だが、実際は父のようにヒーローになりたいと考えており、家族の物語としての側面を描くかのようなことを語っている。現時点では監督に『ザ・フラッシュ』を監督したアンディ・ムスキエティ監督が就任することが発表されている。

『ブースターゴールド(原題:Booster Gold)』

未来の世界ではうだつの上がらなかった青年が、現代にタイムスリップし、ひどく世俗的なヒーローになろうとする『ブースターゴールド(原題:Booster Gold)』のドラマシリーズも制作が決定している。これは以前から制作の計画の噂などは持ち上がっていたこともあり、ある意味では旧体制下から続く映像化だ。

本作はジェームズ・ガン共同CEOの言葉を借りるとすれば、偽物のヒーローが人々に愛されようと奮闘する物語になるとのことである。彼はコミックでも軽はずみな時間移動で世界改変をもたらしてしまうことのあるキャラクターであり、『ザ・フラッシュ(原題:The Flash)』でDCUをリセットした後、世界を改変するなどのポジションは彼が担うのかもしれない。しかし、『ザ・フラッシュ』には続編の計画があり、そちらでもエズラ・ミラー氏を続投させたいといったアンディ・ムスキエティ監督のコメントもあるので詳細は不明だ。

また今年公開予定の『ブルービートル(原題:Blue Beatle)』では魔法のスカラベで戦う三代目ブルービートルのハイメ・レイエスが主人公を務めるが、二代目ブルービートルのテッド・コードとブースターゴールドは親友である。テッド・コードは魔法のスカラベに選ばれなかったがそれを扱える次世代のヒーローを待ち、ブースターゴールドと同じく科学技術で戦った。今後、ハイメ・レイエスとブースターゴールドは関係性を持つのだろうか。もともと『ブルービートル(原題:Blue Beatle)』は劇場公開映画ではなく配信予定作品だったため、何か交流があるのについても期待したい。

『スーパーガール ウーマン・オブ・トゥモロー(原題:Supergirl Woman of Tomorrow)』

トム・キングのコミックを下敷きに新しくスーパーガールの映画化も決定した。ここではスーパーガールとスーパーマンの出自の差が描かれる。いとこ同士ながら赤ん坊の頃に地球に送られ、愛情深い両親に育てられたスーパーマンと惑星クリプトンで生まれ育ち、家族や同胞が苦しんで滅ぶ様子を見てきたスーパーガール。この二人の差をもとにスーパーガールの暗い面を描くSF映画になる予定とのことだ。

現時点で情報はまだはっきりとしていないが、現時点でスーパーガールを演じている俳優はEarth-38のスーパーガールでアローバース版を演じたメリッサ・ベノイスト氏と『ザ・フラッシュ(原題:The Flash)』に出演予定のサッシャ・カジェ氏の二人である。順当に考えればDCEUの系譜からサッシャ・カジェ氏が演じることが容易に想像できるが、一方でDCUは作品の世界観を一回リセットすると明言されているので、リキャストも十分あり得るが、サッシャ・カジェがスタジオとスーパーガールの続投について検討しているという報道もあるので、こちらの作品もキャストが不透明な作品の一つと言えるだろう。

『スワンプシング(原題:Swamp Thing)』

今回の発表の最後を飾ったのは「神々と怪物」において“怪物”の役割を担うであろう『スワンプシング(原題:Swamp Thing)』だ。湿地帯に棲む元科学者の植物の怪物であるスワンプシングは他の作品よりもダークでホラーな映画になるとのことだ。また、この作品はDCUの中ではアウトサイドな作品になるが、他の作品にも影響を与えるような特殊な立ち位置になると発表された。

しかし、スワンプシングは2019年に「アクアマン」シリーズや「死霊館」シリーズの監督を務めるジェームズ・ワン監督が製作総指揮となってドラマ化されている。そしてワーナー・ブラザーズとDCコミックスが米国内で独自展開していた映像配信サービスの「DCユニバース」で配信されていたが、税金控除の手続きミスなどによって全13話が全10話に短縮された上に1シーズンで打ち切られてしまった。今作のスワンプシングはその仇討となるのか。アローバースも含め過去作の存在について就任時に触れていたジェームズ・ガン共同CEOの心中はいかなるものだろうか。

今回の発表に関して

今回の発表はマーベル・スタジオが行うようなものよりも、どちらかと言えば最近のDCスタジオの混乱を鎮静化させるための役割があったように思える。様々な作品の企画が立ち消え、ワンダーウーマンですら続編が中止となり、ヘンリー・カヴィル版スーパーマンは復帰してたった数秒で降板となった。更には10年近く続いたアローバースも終了させていくなど、ファンたちは不安を隠せない状況にある。また、『ザ・フラッシュ』が想定を下回る初週興行収入になってしまったのもスタジオ側としては痛い。

MCUをまとめあげたケヴィン・ファイギのような人材を求めて白羽の矢が立ったジェームズ・ガン共同CEOだったが、就任して早々に混乱による批判の矢面に立たされることになった。もちろん、彼一人が就任して数日でどうにかこうにかできる問題ばかりではない上、過去の尻拭いをさせられるような形になっているように思える。この発表によって世界各国のファンの間にどのような反応が広がるか。注視していきたい。

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『ザ・フラッシュ』と『ジャスティス・リーグ:ザック・スナイダーカット』の関係性に関する記事はこちらから。

『ジャスティス・リーグ:ザック・スナイダーカット』ラストの解説はこちらから。

『ザ・フラッシュ』ポストクレジットの解説はこちらから。

『ザ・フラッシュ』続編をめぐる現在の状況についての解説はこちらの記事で。

『ザ・フラッシュ』におけるマルチバースの解説&考察記事はこちらから。

『ザ・フラッシュ』に登場するバットマンについての解説はこちらから。

フラッシュの能力とキーワードになる「スピードスター」に関する解説はこちらから。

DCU最初の映画となる『ブルービートル』予告の解説&考察はこちらから。

マット・リーヴス監督の『ザ・バットマン2』は、DCUからは独立した“バットマン・クライム・サーガ”という枠組みで制作されることが発表された。詳しくはこちらから。

ヘンリー・カヴィルがスーパーマン役を降板することになり、DCスタジオの炎上騒動となった経緯のまとめはこちらから。

『バットガール』のお蔵入り騒動についての解説はこちらの記事で。

鯨ヶ岬 勇士

1998生まれのZ世代。好きだった映画鑑賞やドラマ鑑賞が高じ、その国の政治問題や差別問題に興味を持つようになり、それらのニュースを追うようになる。趣味は細々と小説を書くこと。
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