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2019年アカデミー賞にノミネートされたSF作品は..?
SF映画にとっては鬼門?
2019年2月24日(日)に発表される第91回アカデミー賞のノミネート作品が発表された。かねてより、「アカデミー賞はSFに厳しい」とされてきたことをご存知だろうか。『2001年宇宙の旅』(1968)や『ブレード・ランナー』(1982)、『ダークナイト』(2008)など、数々の名作が作品賞のノミネートから外れてきたのだ。一方で、2017年の第90回アカデミー賞では、ギレルモ・デル・トロ監督の『シェイプ・オブ・ウォーター』(2017)が作品賞を受賞。「ドラマ界のアカデミー賞」と呼ばれるエミー賞でも、多くのSF作品がノミネートされるなど、風向きは変わりつつある。
アメコミ作品が初の作品賞ノミネート!
今回話題となっているのは、『ブラックパンサー』が作品賞を含む7部門にノミネートされたことだ。クリストファー・ノーラン監督の『ダークナイト』(2008)でも成し遂げられなかった、アメコミ作品初となる作品賞へのノミネートを果たした。『ダークナイト』が撮影賞を含む7部門にノミネートされ、助演男優賞を含む2部門を受賞した第81回アカデミー賞から10年。果たして『ブラックパンサー』は、どれほどの栄誉を手にするのだろうか。
Congratulations to Marvel Studios’ #BlackPanther on its seven Academy Awards nominations, including Best Picture! #OscarNoms pic.twitter.com/ediJCl4iTS
— Black Panther (@theblackpanther) 2019年1月22日
アニメ映画賞はSFが独占
注目すべきは、アニメ映画賞だ。ノミネートされた5作品全てがSF作品に。日本からノミネートされた『未来のミライ』は、米巨大アニメ配信サイトのクランロールが主催する“アニメアワード2019”においても、最優秀映画作品賞へのノミネートを果たしている。また、日本を舞台にした米独合作映画『犬ヶ島』もノミネート。ピクサーやディズニーといった巨大スタジオとオスカーを争う。
視聴効果賞もSFが強い
また、賞の性格上、視聴効果賞にはSF作品のノミネートが多くなる。MCUから『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』、「スター・ウォーズ」シリーズから『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』、スティーブン・スピルバーグ監督作品の『レディ・プレイヤー1』がノミネートを果たした。MCUは、第89回の『ドクター・ストレンジ』、第90回の『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー: リミックス』に続き、3年連続で同部門にノミネート。「スター・ウォーズ」シリーズは『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』(2015)からなんと4年連続のノミネートを果たしている。なお、昨年の視聴効果賞は、『ブレードランナー 2049』が受賞している。
第91回アカデミー賞の栄誉は、一体どの作品に渡るのか。結果の発表を楽しみに待とう。
第91回アカデミー賞ノミネート作品は以下の通り (太字はSF作品)。
助演男優賞
マハーシャラ・アリ 『グリーンブック』
アダム・ドライバー 『ブラック・クランズマン』
サム・エリオット 『アリー/ スター誕生』
サム・ロックウェル 『バイス』
リチャード・E・グラント 『Can You Ever Forgive Me? (原題)』
衣装デザイン賞
『The Ballad of Buster Scruggs (原題)』
『ブラックパンサー』
『女王陛下のお気に入り』
『メリー・ポピンズ リターンズ』}
『ふたりの女王 メアリーとエリザベス』
長編ドキュメンタリー賞
『Free Solo (原題)』
『Hale Country This Morning, This Evening (原題)』
『Minding The Gap (原題)』
『Of Fathers and Sons (原題)』
音響編集賞
『ブラックパンサー』
『ボヘミアン・ラプソディ』
『ファースト・マン』
『クワイエット・プレイス』
『ROMA』
録音賞
『ブラックパンサー』
『ROMA』
『ボヘミアン・ラプソディ』
『ファースト・マン』
『アリー/ スター誕生』
美術賞
『ブラックパンサー』
『メリー・ポピンズ リターンズ』
『女王陛下のお気に入り』
『ファースト・マン』
『ROMA』
外国語映画賞
『万引き家族』(日本)
『Capernaum』(レバノン)
『ROMA』(メキシコ)
『COLD WAR あの歌、2つの心』(ポーランド)
『Never Look Away(原題)』(ドイツ)
助演女優賞
レジーナ・キング 『ビール・ストリートの恋人たち』
エマ・ストーン 『女王陛下のお気に入り』
レイチェル・ワイズ 『女王陛下のお気に入り』
エイミー・アダムス 『バイス』
マリーナ・デ・タヴィラ 『ROMA』
短編アニメ賞
『Bao (原題)』
『Late Afternoon (原題)』
『One Small Step (原題)』
『Weekends (原題)』
『Animal Behaviour (原題)』
アニメ映画賞
『インクレディブル・ファミリー』
『犬ヶ島』
『未来のミライ』
『シュガー・ラッシュ: オンライン』
『スパイダーマン: スパイダーバース』
視覚効果賞
『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』
『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』
『ファースト・マン』
『プーと大人になった僕』
『レディ・プレイヤー1』
編集賞
『ブラック・クランズマン』
『ボヘミアン・ラプソディ』
『女王陛下のお気に入り』
『グリーンブック』
『バイス』
短編ドキュメンタリー賞
『Black Sheep (原題)』
『End Game (原題)』
『Lifeboat (原題)』
『A Night At The Garden (原題)』
『Period. End of Silence (原題)』
短編実写映画賞
『Detainment(原題)』
『Fauve (原題)』
『Marguerite (原題)』
『Mother (原題)』
『Skin (原題)』
脚色賞
『The Ballad of Buster Scruggs(原題)』
『ブラック・クランズマン』
『Can You Ever Forgive Me?(原題)』
『ビール・ストリートの恋人たち』
『アリー/ スター誕生』
脚本賞
『女王陛下のお気に入り』
『ROMA』
『魂のゆくえ』
『グリーンブック』
『バイス』
撮影賞
『ROMA』
『COLD WAR あの歌、2つの心』
『女王陛下のお気に入り』
『Never Look Away(原題)』
『アリー/ スター誕生』
作曲賞
ルドウィグ・ゴランソン 『ブラックパンサー』
テレンス・ブランチャード 『ブラッククランズマン』
ニコラス・ブライテル 『ビール・ストリートの恋人たち』
アレクサンドル・デスプラ 『犬ヶ島』
マーク・シェイマン 『メリー・ポピンズ リターンズ』
主題歌賞
「All the Stars」『ブラックパンサー』
「I’ll Flight」『RBG』
「When A Cowboy Trades His Spurs for Wings」『バスターのバラード』
「Shallow」『アリー・スター誕生』
「The Place Where Lost Things To Go」『メリー・ポピンズ リターンズ』
監督賞
スパイク・リー 『ブラック・クランズマン』
アルフォンソ・キュアロン 『ROMA』
ヨゴス・ランティモス 『女王陛下のお気に入り』
パヴェウ・パヴリコフスキ『COLD WAR あの歌、2つの心』
アダム・マッケイ 『バイス』
主演男優賞
クリスチャン・ベール 『バイス』
ブラッドリー・クーパー 『アリー/ スター誕生』
ラミ・マレック 『ボヘミアン・ラプソディ』
ヴィゴ・モーテンセン 『グリーンブック』
ウィレム・デフォー 『永遠の門 ゴッホの見た夢』
主演女優賞
ヤリッツァ・アパリシオ 『ROMA』
グレン・クローズ 『天才作家の妻 40年目の真実』
オリヴィア・コールマン 『女王陛下のお気に入り』
レディー・ガガ 『アリー/ スター誕生』
メリッサ・マッカーシー 『Can You Ever Forgive Me?(原題)』
作品賞
『ブラックパンサー』
『グリーンブック』
『ブラッククランズマン』
『ROMA』
『ボヘミアン・ラプソディ』
『アリー/ スター誕生』
『バイス』
『女王陛下のお気に入り』
Source
OSCARS