『マッドマックス:フュリオサ』でAIによって成長を表現
2015年に公開された『マッドマックス 怒りのデス・ロード』でシャーリーズ・セロンが演じ、人気を博したイモータン・ジョーの配下の警備大隊長フュリオサ・ジョ・バサ。フュリオサは健康な女性という理由で、子供を産むための出産母体に選ばれたワイブズを救うためにイモータン・ジョーに反旗を翻し、緑の地へと逃亡しようとした。そのフュリオサの前日譚を描く2024年5月31日(金)公開の『マッドマックス:フュリオサ』で、AIが用いられていることを米Varietyが報じた。
『マッドマックス:フュリオサ』ではクリス・へムズワース演じるウォーロード・ディメンタス将軍の部下によって連れ去られた幼いフュリオサが、イモータン・ジョーのもとで警備大隊長へと成長し、ウォーロード・ディメンタス将軍に復讐する物語となっている。『マッドマックス 怒りのデス・ロード』でシャーリーズ・セロンが演じたフュリオサ役を引き継いだのはアニャ・テイラー=ジョイだ。幼少期のフュリオサはアリーラ・ブラウンが演じている。幼少期のフュリオサであるアリーラ・ブラウンから大人のフュリオサであるアニャ・テイラー=ジョイへと変化していく過程で、AIが用いられたとのことだ。
その方法とはアリーラ・ブラウンの顔とアニャ・テイラー=ジョイの顔を混ぜるというものだ。35%から80%といった具合でアニャ・テイラー=ジョイとアリーラ・ブラウンの顔の割合を少しずつ変えていく。それによってフュリオサの成長を表現したとのことで、ジョージ・ミラー監督はこのアイデアを早い段階で持っていたという。『ケリー・クラークソン・ショー』(2019-)でアニャ・テイラー=ジョイは以下のように語った。
観客は既に『マッドマックス 怒りのデス・ロード』のシャーリーズ・セロンのフュリオサに慣れていました。それで、想像もつかないようなクレイジーなことを2日間やったのです。そして私たちの顔を混ぜ合わせました。
全米俳優組合ストライキの影響は?
AIによって顔を修正するのは『インディ・ジョーンズと運命のダイアル』(2023)で若い頃のハリソン・フォードを再現するなど、様々な場面で使われている。一方でAIを俳優に使用することはセンシティブな面も持つ。全米脚本家組合ストライキと全米俳優組合ストライキの際にはチャットAIでの脚本作成や、AIの生成音声の使用やAIでの死後の出演など、AIの使用が争点となっていた。今回のAIの使用について、アニャ・テイラー=ジョイは以下のようなコメントをした。
それを使うのであれば、正直でなければならないですし、常に同意がなければならないと思います。人生において同意がないことこそが恐ろしいことなのです。
あくまでも、同意など法的かつ倫理的なルールを定めた上で、AIの使用が行なわれるべきだとしたアニャ・テイラー=ジョイ。今後の映画でAIによって複数の俳優の顔を混ぜ合わせ、キャラクターの成長を表現することなどはあり得るのだろうか。カーアクションに注目が集まる『マッドマックス:フュリオサ』だが、フュリオサの成長によって変化する顔にも注目していきたい。
『マッドマックス:フュリオサ』は2024年5月31日(金)より全国劇場公開。
Source
Variety
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