『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のキャスト・声優まとめ その後・現在は?【吹き替え・出演者・俳優】 | VG+ (バゴプラ)

『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のキャスト・声優まとめ その後・現在は?【吹き替え・出演者・俳優】

©️Universal City Studio, Inc., / Christopher Lloyd Instagram

初出:2020年6月8日

映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』キャストと声優は?

1985年に公開され、SF映画史に燦然と輝くクラシックとしてその名を残した『バック・トゥ・ザ・フューチャー』。今でもラッパーでプロデューサーのPUNPEEの作品に取り入れられるなど、後世にも多大な影響を残している。

2020年3月6日にはドク役を演じたクリストファー・ロイドがマーティ・マクフライ役を演じたマイケル・J・フォックスとのツーショットをインスタグラムに投稿。

コロナ禍の5月12日には俳優ジョシュ・ギャッドがYouTubeで配信する『Reunite Apart』にクリストファー・ロイド、マイケル・J・フォックス、ロレイン役のリー・トンプソンらがリモートで出演し、再共演を果たしている。

当時の出演者たちは『バック・トゥ・ザ・フューチャー』でのブレークを経て、その後、どのようなキャリアを辿ったのだろうか。今回は、ソフト版の豪華な吹き替え声優陣と合わせて『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のキャストを見ていこう。

『バック・トゥ・ザ・フューチャー』に出演したキャスト/声優まとめ

マーティ・マクフライ役 マイケル・J・フォックス / 山寺宏一

「バック・トゥ・ザ・フューチャー」シリーズにおける永遠の主人公、多くの若者の憧れとなったマーティ・マクフライ。全作で主演を務めたマイケル・J・フォックスは『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の顔にもなったが、撮影開始当初はエリック・ストルツが演じ、後に降板となったことも知られている。

『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の公開時点で、マイケル・J・フォックスは24歳。当時からドラマ『ファミリータイムズ』(1982-1989)などで人気俳優だったマイケル・J・フォックスは、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』への出演後、『ファミリータイムズ』で3年連続エミー賞コメディー部門主演男優賞受賞という快挙を成し遂げた。

その後も俳優として活躍を見せていたが『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART3』(1990)が公開される頃、マイケル・J・フォックスは運動に支障をきたすパーキンソン病を発症。2000年には俳優活動を休止するが、映画「スチュアート・リトル」シリーズではネズミのスチュアートの声を担当するなど演技の活動は続けていた。

生い立ちと闘病を描いた自伝『ラッキー・マン』(2002)はベストセラーとなり、2004年に俳優業に復帰。コメディドラマ『マイケル・J・フォックス・ショウ』(2013-2014)での主演や映画『ANNIE/アニー』(2015)には本人役で出演するなど、再び活躍を見せている。

そして、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」における未来のタイムスリップ先である2015年10月21日、マイケル・J・フォックスはドク役を演じたクリストファー・ロイドと共に人気コメディ番組『ジミー・キンメルライブ!』(2003-)に登場。実に30年ぶりにデロリアンでのタイムスリップシーンを再現し、観客から万雷の拍手を浴びた。

なお、マイケル・J・フォックスは2021年6月9日で60歳の誕生日を迎えている。

『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のソフト版でマイケル・J・フォックス演じるマーティ・マクフライの声を担当したのは山寺宏一。言わずと知れた大物声優で、デンゼル・ワシントン、ジム・キャリー、ウィル・スミスら数多くの俳優の声を担当してきた。

実は『ファミリータイムズ』を含むを多くの作品でマイケル・J・フォックスの声を担当してきたのは声優の宮川一郎太。「バック・トゥ・ザ・フューチャー」シリーズはマイケル・J・フォックスの代表作であったにも関わらず、宮川一郎太は吹き替えを担当していなかった。

だが、2014年に放送されたBSジャパン版『バック・トゥ・ザ・フューチャー』でようやくマーティ・マクフライの声を吹き替え、念願を叶えた。BSジャパン版では山寺宏一はドクの吹き替えを担当し、宮川一郎太によるマーティの吹き替えを絶賛している。

ドク (エメット・ブラウン) 役 クリストファー・ロイド / 青野武

マーティの相棒であるドクことエメット・ブラウンを演じたのはクリストファー・ロイド。1938年生まれ、舞台俳優としてキャリアを積んでいき、舞台版にも出演していた『カッコーの巣の上で』(1975)でスクリーンデビューを果たす。

46歳の時に公開された「バック・トゥ・ザ・フューチャー」シリーズで大当たり。その後も映画『アダムス・ファミリー』(1991)でのフェスター役などで高い評価と人気を集めた。また、様々な企業のCMやキャンペーンでドク役を再演している。また、前述の『マイケル・J・フォックス・ショウ』には1エピソードにゲストとして出演し、マイケル・J・フォックスと共演している。クリストファー・ロイドは、2022年10月22日で84歳を迎える。

クリストファー・ロイドが演じたドクの声を担当したのは、2012年4月9日に75歳で亡くなった青野武。「宇宙戦艦ヤマト」の真田志郎、『ちびまる子ちゃん』(1995-)のおじいちゃん役、「メタルギア ソリッド」シリーズのロイ・キャンベル役などで知られてきた。

吹き替えにおいては、「アダムス・ファミリー」シリーズを含む他の作品でもクリストファー・ロイドの声を担当している。また、「ホーム・アローン」シリーズなど多くの作品でジョー・ペシの声を担当している。

ビフ・タネン役 トーマス・F・ウィルソン / 谷口節

『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の敵役であるビフを演じたのはトーマス・F・ウィルソン。1959年生まれで、マイケル・J・フォックスよりも2歳年下。20代前半で映画史に残る悪役となるビフを演じたトーマス・F・ウィルソンは、その後『ハリー奪還』(1986)や『アクション・ジャクソン/大都会最前線』(1988)といったアクション映画に出演。

ビフ役を演じる前はスタンダッぷコメディアンとしても活動していたトーマス・F・ウィルソン。2000年頃からは再び『フリークス学園』(1999-2000)や『チャーリー・シーンのハーバー★ボーイズ』(2003)といったコメディ作品に登場している。

なお、トーマス・F・ウィルソンはビフ役を演じてからというもの、会う人には決まって「バック・トゥ・ザ・フューチャー」について聞かれるようになったという。これに困ったウィルソンは「Biff’s Question Song (ビフについての質問の歌)」という曲を書き、スタンダップコメディのショーに出演した際には毎回この曲を披露している。

ビフの吹き替えを担当したのは、2012年12月27日に65歳で亡くなった谷口節。サントリーBOSSコーヒーのCMでトミー・リー・ジョーンズの声を担当していた他、「トイ・ストーリー」シリーズではグリーン・アーミー・メン軍曹の声を担当した。また、『燃えよドラゴン』(1973)のTBS版ではブルース・リーが演じた主人公リーの声を演じている。

ロレイン・ベインズ・マクフライ役 リー・トンプソン / 佐々木優子

マーティを演じたマイケル・J・フォックスと同い年 (誕生日はたったの10日違い) でありながら、その母親であるロレイン・ベインズ・マクフライを演じたリー・トンプソン。『バック・トゥ・ザ・フューチャー』公開の2年前に『ジョーズ3』(1983)でケリー・アン・ブコウスキを演じ、1985年に満を持して『バック・トゥ・ザ・フューチャー』でブレークを果たす。

翌1986年には『スペースキャンプ』『ハワード・ザ・ダック/暗黒魔王の陰謀』と、SF映画に立て続けに出演。一方で、1987年に公開され、代表作の一つとなる青春ロマンス映画『恋しくて』が広く知られている。

なお、『恋しくて』で主演を務めたのは『バック・トゥ・ザ・フューチャー』で撮影開始当初にマーティを演じ、その後降板となったエリック・ストルツだった。リー・トンプソンは1989年には『恋しくて』の監督であるハワード・ドゥイッチと結婚している。

リー・トンプソンは、1989年の『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2』、1990年の『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART3』にももちろん出演。1995年から1999年まではコメディドラマ『キャロライン in N.Y.』で主演を務め、全4シーズンが放送されている。その後も『スイッチ ~運命のいたずら~』(2011-2017)など、様々な映画・ドラマ作品に出演している。

『バック・トゥ・ザ・フューチャー』でリー・トンプソン演じるロレインの声を担当したのは佐々木優子。佐々木優子は『スイッチ ~運命のいたずら~』をはじめとする他の作品でもリー・トンプソンの声を担当している。吹き替えでは、メグ・ライアン、コトーニー・コックス、ジュリア・ロバーツ、ロビンライトなどの声も担当している。

アニメでは『ちびまる子ちゃん』のおばあちゃんの声で知られている。そう、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』におけるドクの声はちびまる子ちゃんのおじいちゃん、ロレインの声はちびまる子ちゃんのおばあちゃんの声なのだ。

なお、2020年7月9日(木)より配信開始のNetflixオリジナルアニメ『日本沈没2020』では、中心的な人物である武藤マリ役を演じている。

ジョージ・マクフライ役 クリスピン・グローヴァー / 富山敬

『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の個性的な登場人物の中でもひときわ目立つキャラクターであるジョージ・マクフライ役 (マーティの父親) を演じたのはクリスピン・グローヴァー。『バック・トゥ・ザ・フューチャー』公開時点で21歳と、出演キャストの中でも若手の俳優だった。クリスピン・グローヴァーは『バック・トゥ・ザ・フューチャー』出演時はまだ駆け出しで、『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2』では出演交渉が難航し、俳優は交代となってしまう。

それでも、1986年にはキアヌ・リーブス主演の『リバース』に出演、オリバー・ストーン監督の『ドアーズ』(1991)では伝説のアーティスト、アンディ・ウォーホルを演じた。その後も映画を中心に活動を続け、2005年にはインディー映画『What Is It?』で監督・脚本・製作・主演を務め、2005年にも『It Is Fine! Everything Is Fine』を自費で製作している。

近年ではドラマ『アメリカン・ゴッズ』(2017-)ではミスター・ワールド役を演じた他、アメリカのスリラー映画『We Have Always Lived in the Castle』(2018)、加仏合同制作のクライム映画『Lucky Day』(2019)など、様々な作品に出演し続けている。

『バック・トゥ・ザ・フューチャー』でジョージの声を担当したのは1995年9月25日に亡くなった富山敬。『タイガーマスク』(1969-1971)で伊達直人、『宇宙戦艦ヤマト』(1974-1975)で古代進、『銀河英雄伝説』(1988-2000)でヤン・ウェンリーなど、代表は挙げ始めればきりがない。なお、1990年から1995年までは『ちびまる子ちゃん』で初代おじいちゃんの声を担当していた声優でもある。

吹き替えではウディ・アレンやジョン・ハードの声を担当。『燃えよドラゴン』では、ビフ役の谷口節がのTBS版でブルース・リーの声を演じたが、テレビ朝日版では富山敬がリーの役を演じている。

ジェニファー・パーカー役 クローディア・ウェルズ / 勝生真沙子

マーティの恋人であるジェニファーを演じたのはクローディア・ウェルズ。マレーシア生まれ、ビバリーヒルズ高校の出身で、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』公開時点ではジョージ役を演じたクリスピン・グローヴァーよりも若い18歳だった。実は『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の撮影中に母親が癌であることが明らかになり、同作の大ヒットにも関わらず、クローディア・ウェルズは俳優業を休止せざるを得なかった。

このため、クリスピン・グローヴァーと同じく、『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2』および『PART3』にはクローディア・ウェルズは登場しない。クローディア・ウェルズは、俳優としては1996年にインディ映画『Still Waters Burn』で演技の道に戻り、2010年のゲーム『Back to the Future: The Game』でドク役のクリストファー・ロイド、ビフ役のトーマス・F・ウィルソンと共に25年ぶりにジェニファーの声を演じた。2011年にはSF映画『Alien Armageddon』に出演している。

なお、クローディア・ウェルズは実業家としての一面も持っている。1990年代には“Armani Wells”という洋服店を立ち上げ、2020年現在も運営している。

ジェニファーの吹き替えを担当したのは勝生真沙子。『機動戦士Ζガンダム』(1985-1986)のレコア・ロンド、「美少女戦士セーラームーン」シリーズのセーラーネプチューン、『NARUTO -ナルト-』(2002-2007)の綱手役などで知られる。

吹き替えでは「セックス・アンド・ザ・シティ」シリーズで知られるキム・キャトラルやシャロン・ストーン、ジュリア・ロバーツ、ジョディ・フォスターらの声を担当している。なお、クローディア・ウェルズの「バック・トゥ・ザ・フューチャー」シリーズ降板後も、エリザベス・シューが引き継いだジェニファーの声は勝生真沙子が担当した。

ジェラルド・ストリックランド役 ジェームズ・トールカン / 大木民夫

“教頭先生”ことジェラルド・ストリックランドを演じたのはジェームズ・トールカン。メインキャラクターではないが、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」シリーズの全作品に出演している数少ない人物の一人だ。

『ウディ・アレンの愛と死』(1975)ではナポレオン・ボナパルト役を演じた他、『トップガン』(1986)ではスティンガー役を演じた。その後も『コブラ』(1993-1994)、『A Nero Wolfe Mystery』(2001-2002)といったドラマシリーズなどで活躍した。

ジェームズ・トールカン演じるジェラルド・ストリックランドの声を担当したのは、2017年12月14日に亡くなった大木民夫。「攻殻機動隊」シリーズの荒巻大輔や『トップをねらえ!』(1988)のタシロ艦長役などで知られる。吹き替えではシーザー・ロメロやクリストファー・プラマーらを担当し、「X-MEN」シリーズでパトリック・スチュワートが演じたプロフェッサーXの声をあててきた。

教師役 ヒューイ・ルイス / 大塚明夫

『バック・トゥ・ザ・フューチャー』には、意外なところでカメオ出演を果たしている人物も。マーティがオーディションを受ける場面、「音が大きすぎる」とバンドの演奏を止める教師の役を、本作の主題歌である「パワー・オブ・ラヴ」(1985)を提供したヒューイ・ルイスが演じている。

ヒューイ・ルイスの「音が大きすぎる」というセリフは、「ウィー・アー・ザ・ワールド」(1985)の収録に参加したヒューイ・ルイスが「声が大きすぎる」と注意されたことをパロディにしている。なお、劇中に登場するマーティの部屋にはヒューイ・ルイスのバンドであるヒューイ・ルイス&ザ・ニュースのポスターが貼られているという小ネタも仕込まれている。

そして日本語吹き替え版も驚きの配役だ。カメオ出演のヒューイ・ルイスを大塚明夫が吹き替えている。大塚明夫は言わずもがな、スティーヴン・セガールやニコラス・ケイジら、数々の大物俳優の声を担当。「攻殻機動隊」シリーズのバトーや「メタルギア ソリッド」シリーズのスネーク、各作品におけるブラック・ジャックの声など、誰もが知る有名キャラクターたちの声をあてている。

以上が、映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』に出演した俳優および吹き替え声優の面々だ。一時代を築き上げたキャストたちも、その後紆余曲折を経て各々の人生を歩んできたことが分かる。俳優たちの“その後”にも思いを巡らせながら『バック・トゥ・ザ・フューチャー』を観てみると、深みが増すかもしれない。

映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』は30周年記念トリロジー版Blu–rayボックスが発売中。

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『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2』および『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART3』の出演者および吹き替え声優については、以下の記事から。

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