ニール・ブロムカンプ監督「Conviction」メイキング公開
『第9地区』(2009)『エリジウム』(2013) で知られるニール・ブロムカンプ監督率いるオーツ・スタジオ (Oats Studios) が短編映画「Conviction」のメイキング映像を公開した。「Conviction」はエレクトロニック・アーツから2019年2月に発売されたアクションRPGゲーム『Anthem』を題材にした短編作品。『Anthem』の前日譚という位置付けで制作され、そのクオリティの高さが話題となっていた。
ブロムカンプ監督のこだわり
本編映像が3分45秒であったのに対し、今回公開されたメイキング映像はなんと28分にも及ぶ。撮影はスペイン南部とハワイのジャングルで行われ、準備期間は数ヶ月にもおよんだという。コスチュームや小道具はオーツ・スタジオが拠点をおくカナダのリッチモンドで制作されており、スペインに郵送するだけでも一苦労だ。ハワイでは、撮影前に現地の牧師と共に祈りを捧げるシーンも収められている。
また、メイキング映像の中では、ニール・ブロムカンプ監督がキーフレームアニメーションを好んでいないということも明らかにされている。モーションキャプチャーを軸にした撮影手法でよりリアルな表現を追求し、「Conviction」でもゲーム『Anthem』の世界観を再現することに成功している。
『第9地区』で長編デビュー
ニール・ブロムカンプ監督は、南アフリカ出身のSF映画監督。2009年にアパルトヘイトをテーマにした『第9地区』で長編デビューを果たし、その後も経済格差をテーマにした『エリジウム』、教育をテーマにした『チャッピー』(2015) を発表。宇宙人、コロニー、ロボットといったSF的な要素を用いて社会問題を描く手法で人気を集めた。2017年には兄弟のマイク・ブロムカンプと共にオーツ・スタジオを立ち上げ、短編映画を立て続けに公開している。
ニール・ブロムカンプ監督は現在、『ロボコップ』(1987) の正統な続編となる『RoboCop Returns』(邦題未定) の制作に着手している。今回はゲーム『Anthem』の実写化に成功したニール・ブロムカンプ監督だが、『ロボコップ』をどのように蘇らせてくれるのか、こちらも期待しよう。