『アントマン&ワスプ:クアントマニア』公開
映画『アントマン』(2015)、『アントマン&ワスプ』(2018) に続くシリーズ第3弾、MCUフェーズ5第一作目として公開された映画『アントマン&ワスプ:クアントマニア』が2023年2月17日(金) より公開された。本作では征服者カーンが本格的にスクリーンデビューを果たす。
征服者カーンを演じたのはジョナサン・メジャース。ドラマ『ロキ』(2021-) シーズン1でも、その変異体である在り続ける者を演じているが、征服者カーンとしては初めてスクリーンに大々的に登場することになる。
映画『アントマン&ワスプ:クアントマニア』では、他の人間とは異なる時間の感覚で生きてきた征服者カーンによる意味深なセリフがふんだんに散りばめられていた。その中でも、特に印象的なあるセリフについて、演じたジョナサン・メジャースがその背景を解説している。
以下の内容は、映画『アントマン&ワスプ:クアントマニア』の内容に関するネタバレを含みます。
征服者カーンのあのセリフ
『アントマン&ワスプ:クアントマニア』に登場した征服者カーンは、いくつもの時間軸を破壊した結果、量子世界に追放された存在だった。征服者カーンは量子世界に墜落した科学者を装い、ジャネットに近づくと、共にマルチバース間を移動できる船のエネルギーコアの修復に取り組んでいる。
その途中、ジャネットは久しぶりにできた友人にすっかり心を許して娘のことを話す。「もっと娘といたかった」と話すジャネットに、征服者カーンは「僕が時間をあげる」と言い、カーンとジャネットの二人は量子世界からの脱出を目指して作業を続行する。
このシーンの会話で、カーンはジャネットと自らの時間に対する見方が異なるという話をして、「時は檻のようなもの」と言う。カーンはその檻から解放されるべきという考えなのだが、非常に哲学的で小難しい話のようでもある。
「時は〇〇」の意図
征服者カーンを演じたジョナサン・メジャースは、この「時は檻」発言について、米NMEで自ら解説している。実はあのセリフはセットでジョナサン・メジャース自ら思いついたそうで、あのセリフが気に入っていると話すインタビュアーに、以下のように話している。
あのセリフを気に入ってくれて嬉しいです。なぜならあのセリフはあの(撮影の)日に思いついたものなんです。(「自分で考えたんですか?」という問いに)そうですね。でもチームのサポートがあってのものです。「何がいいだろう、何がいいだろう」と話し続けました。
あれは彼(征服者カーン)のものの見方です。あのセリフで言うと、「時」というのは多くもののメタファー(比喩)になっています。「時は——」という表現が(征服者カーンの)「考え方」や「経験」を示しているんです。この場面においては、時間は(征服者カーンにとって)檻のようなものでした。そういう経験をしているので、少なくとも、彼はそう表現したんですね。
「時は〇〇」という表現は、カーンのその時の考え方や経験していることによって変化するというのがジョナサン・メジャースの考えのようだ。『アントマン&ワスプ:クアントマニア』の脚本家ではなく演じているジョナサン・メジャースが決めたセリフだというのだから、今後の別のMCU作品でも「時は〇〇」という表現が形を変えて登場する可能性は十分にある。
「時は〇〇」で自分の考えや置かれている状況を表現するとは、時を司るヴィランらしいやり方だ。ちなみにジョナサン・メジャース自身は、自分が「時は〇〇」の中に入れる言葉として「無限」を選んでいる。「視点は無限にある」とその理由を語っているが、確かにジョナサン・メジャースは今後のMCUでフェーズ6まで様々な立場のカーンを演じることが保障されており、可能性は無限大だ。
また、ジョナサン・メジャースは2023年5月に本公開の映画『クリード 過去の逆襲』では、マイケル・B・ジョーダン演じる主人公アドニス・クリードの前に立ちはだかるデイミアン・アンダーソン役を演じる。俳優としても無限の可能性をもつジョナサン・メジャース。次にカーンを演じるときにはどんなセリフを忍ばせるのか、今後に注目しよう。
映画『アントマン&ワスプ:クアントマニア』は2023年2月17日(金) より劇場公開。
征服者カーンことナサニエル・リチャーズを主人公に据えたコミック『征服者カーン』も邦訳が発売中。
スコット・ラングを主人公にしたコミック『アントマン:セカンド・チャンスマン』は邦訳版が発売中。
ハンク・ピムのオリジンを描くコミック『アントマン:シーズンワン』も邦訳が発売中。
Source
NME
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