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『アントマン＆ワスプ：クアントマニア』公開
2023年2月17日(金) より、映画『アントマン＆ワスプ：クアントマニア』が公開される。MCUフェーズ5の幕開けとなる本作は、「アントマン」シリーズの第3弾、「アントマン＆ワスプ」シリーズの第2弾となる。
『アベンジャーズ／エンドゲーム』(2019) で世界を救うキーパーソンになったアントマンことスコット・ラングは、生き残ったアベンジャーズの一人として一躍有名人に。しかし、『アントマン＆ワスプ：クアントマニア』では、娘のキャシー・ラングが開発した量子世界用の人工衛星によって量子世界へと吸い込まれてしまう。
これまで公開された予告編では、量子世界でアントマンのスーツを着たスコットは、ワスプのスーツを着たホープ・ヴァン・ダインと、紫色のスーツを身にまとったキャシー・ラングと共に量子世界に立っている。『クアントマニア』では、キャシーが重要人物になることは確実だが、そもそもキャシー・ラングとはどんなキャラクターなのだろうか。
今回は、MCUで過去に三度登場したキャシー・ラングのこれまでと、今後の可能性について見ていこう。
キャシー・ラングのこれまで
『アントマン』でのキャシー
キャシー・ラングがMCUで初登場を果たしたのは『アントマン』(2015) でのこと。元泥棒で人生をやり直そうとするスコットと、その元妻であるマギーの間に生まれた一人娘で、二人が離婚してからは母マギーとその婚約者で警察官のジム・パクストンと共に暮らしている。
『アントマン』では、スコットが養育費を支払えておらず、面会を禁止される場面も描かれるが、スコットから溺愛されている。ラストでは、キャシーはスコットを狙ったイエロージャケットことダレン・クロスに家を襲われるが、スコットが命を張ってこれを守った。その後、スコットが拡大したアリをペットとして飼っている描写もある。
『アントマン』で最初にキャシー・ラングを演じたのはアビー・ライダー・フォートソン。ドラマ2008年生まれで、Amazonドラマ『ザ・ループ THE TALES FROM THE LOOP』(2020) ではメインキャラクターであるロレッタの幼少期を演じている。
『アントマン＆ワスプ』でのキャシー
そのアビー・ライダー・フォートソンが続投してキャシーを演じたのが映画『アントマン＆ワスプ』。『シビル・ウォー／キャプテン・アメリカ』(2016) でスーツを持ち出して、政府に追われる立場のキャプテン・アメリカに加勢したスコットは、同作ではソコヴィア協定違反で軟禁状態に置かれている。そのスコットが冒頭で共に手作りの迷路で遊んでいるのがキャシーだ。
スコットは手作りのセットを使って、キャシーにアントマンのように縮小した気分を味合わせている。今になってみれば、このシーンは『アントマン＆ワスプ：クアントマニア』の予行演習のようにも見える。なお、『アントマン＆ワスプ』ではキャシーは10歳の誕生日を迎えている。
少し大きくなったキャシーは、『アントマン＆ワスプ』ではFBI捜査官のジミー・ウーにも堂々とした態度を見せてスコットを守っている。軟禁を守るためにハンクとホープの元を離れたスコットには、自分がパートナーになりたかったと打ち明けつつ、人助けをするよう助言。スコットが再び立ち上がるきっかけを作っている。
ラストでは、ホープ、スコットと共にドライブインシアターで50年代の映画を観ているが、これはノートパソコンを使ったスクリーンを、小さくなった3人が観ているというオチだった。つまり、この時キャシーはピム粒子を使って本当に小さくなる経験をしたことになる。
また、ラストの会話ではホープの「大人になったら何したい？」という質問に、キャシーは「パパみたいに人を助けたい」と答えている。「彼のパートナーになりたいけど、パパはあなたの方がいいって」と、自分がアントマンの相棒になりたいと思っていることも明かしている。
ペイトン・リード監督は、『アントマン＆ワスプ』のコメンタリーで、「スコットとキャシーの関係はこの映画の大きな魅力」「前作から3年、キャシー役のアビー・フォートソンの成長ぶりを見るのは楽しかった。若いが鋭くて集中力がある」と話している。その言葉通り、アビー・フォートソンは、人気小説を実写映画化する『Are You There God? It’s Me, Margaret.』(2023年4月米公開) では主人公のマーガレットを演じる。
『アベンジャーズ／エンドゲーム』でのキャシー
だが、アビー・フォートソンがキャシーを演じたのはここまで。『アベンジャーズ／エンドゲーム』では、サノスの指パッチンによるデシメーション（人口半減）を免れ、2023年に14歳の姿で登場する。量子世界から帰還したスコットは、荒廃した世界で自分が行方不明者となっていることを知ると、真っ先にキャシーが住む家を訪れて再会を果たしている。
最愛の娘と再会を果たしたスコットの表情には、すっかり成長したキャシーに少し困惑している様子も見てとれる。「大きくなったな！」という言葉を振り絞っているが、娘との5年間を失った経験は『アントマン＆ワスプ：クアントマニア』の物語に影響を与えることになりそうだ。『エンドゲーム』のラストでは、キャシーはスコットと復活したホープと共に打ち上がる花火を眺めている。
『アベンジャーズ／エンドゲーム』では、1997年生まれのエマ・ファーマンがキャシー役を演じたが、『アントマン＆ワスプ：クアントマニア』では『スリー・ビルボード』(2017) や『名探偵ピカチュウ』(2019) で知られるキャスリン・ニュートンに交代になる。一作で降板となったエマ・ファーマンは、Twitterで将来のMCU作品で別の役でカムバックすることを期待するコメントを投稿している。
「父と娘」がテーマの一つ
ペイトン・リード監督は、『アントマン＆ワスプ』のコメンタリーで、第一作目と第二作目に共通するテーマを「父と娘」と語っている。ハンク・ピムとホープ・ヴァン・ダインの関係もそうだが、やはりスコット・ラングとキャシー・ラングの関係が『クアントマニア』では中心になってくるだろう。
2021年に『クアントマニア』の撮影を開始した際には、ペイトン・リード監督は『アントマン』でスコットがキャシーにプレゼントしたウサギのぬいぐるみの写真を投稿している。このウサギのぬいぐるみをもらった時、キャシーは「醜い！」と大喜びだった。スコットとキャシーの繋がりを象徴する写真を第一報に選んだことには、もちろん意図があるのだろう。
It begins.
Day One – Principal Photography #AntManAndTheWaspQuantumania pic.twitter.com/86RqUN3MLQ— Peyton Reed (@MrPeytonReed) July 26, 2021
原作でのキャシーは？
以下の内容は、原作コミックの展開に触れています。
スタチュアになる？
注目したいのは、『アントマン＆ワスプ：クアントマニア』の予告ではキャシーもまたコスチュームを身にまとっているということだ。原作コミックでは、スコットの娘のキャシー・ラングは“スタチュア”というヒーローになる。キャスリン・ニュートンはキャシー役への就任が発表された際には「昨晩、スーパーヒーローになる夢を見ました」とSNSに投稿している。
映画『アントマン＆ワスプ』のラストで語られたように、原作コミックでもキャシーは父のようにスーパーヒーローになりたいと願うようになる。そのキャシーの近くにいたのはドラマ『ホークアイ』(2021) で新たなホークアイを襲名したケイト・ビショップで、二人は活躍が認められてヤングアベンジャーズのメンバーになる。
スタチュアの能力は、アントマンの縮小化と巨大化の機能を引き継いでいる。スタチュアの特異な点は、幼い頃からピム粒子を浴びていたために能力が身についたということだ。『アントマン＆ワスプ』のラストで幼くして縮小化を経験したMCUのキャシーにも、十分起こりうる展開だ。
スティンガーになる？
コミック版のスタチュアは、後にスティンガーを名乗ることになるのだが、実は『アントマン＆ワスプ：クアントマニア』のキャシーが着ているスーツは、スタチュアよりもスティンガーに近いものになっている。スタチュアはアントマンのように赤と黒を基調にしたスーツでアイマスクをつけているが、スティンガーは紫色のスーツに触覚のあるヘルメットを被っている。
Check out new exclusive @reald3d’s artwork for Marvel Studios’ #AntManAndTheWaspQuantumania, only in theaters this Friday.
Get tickets now: https://t.co/BUKUMeytC0 pic.twitter.com/2R4T6TGJ4X
— Ant-Man and The Wasp: Quantumania (@AntMan) February 13, 2023
『クアントマニア』ではアントマンに近いヘルメットを被って、紫を基調にしたスーツを身にまとっているので、キャシーがいきなりスティンガーを名乗る可能性もあるだろう。ちなみに「スタチュア (Stature)」は日本語で「身長」という意味がある。「スティンガー (Stinger)」は「針を持つ昆虫」という意味だ。
キャストは変更になりながらも、MCU4度目の登場になるキャシー・ラング。『アントマン＆ワスプ：クアントマニア』では、どんな活躍を見せてくれるのだろうか。
映画『アントマン＆ワスプ：クアントマニア』は2023年2月17日(金)劇場公開。
【！ネタバレ注意！】キャシーの重要性について、キャストと制作陣が語った内容の解説はこちらの記事で。
「アントマン」シリーズは早くも『アントマン4』に関する話題も出ている。詳しくはこちらの記事で。
『アントマン＆ワスプ：クアントマニア』脚本家が語った征服者カーンとサノスの違いについてはこちらの記事で。
『クアントマニア』で描かれた量子世界の原点について、ペイトン・リード監督が語った内容はこちらから。
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「クアントマニア」の意味の考察はこちらの記事で。
プロデューサーは『クアントマニア』を『シビル・ウォー／キャプテン・アメリカ』級の重要作になると語っている。詳しくはこちらの記事で。
『クアントマニア』の上映時間は2時間5分と発表された。フェーズ4の平均を下回る上映時間になる。詳しくはこちらから。
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