ネタバレ! キャシーはなぜ重要だったのか『アントマン&ワスプ:クアントマニア』キャストと制作陣が語る | VG+ (バゴプラ)

ネタバレ! キャシーはなぜ重要だったのか『アントマン&ワスプ:クアントマニア』キャストと制作陣が語る

© 2023 Marvel

『アントマン&ワスプ:クアントマニア』公開

映画『アントマン&ワスプ:クアントマニア』が2023年2月17日(金)より日米で同時公開された。「アントマン」三部作のラストを飾る本作は、これまでと同じくスコット・ラングとホープ・ヴァン・ダインの二人を中心に、スコットの娘であるキャシーが本格的にメインキャラとして登場する作品になった。

『クアントマニア』からキャシーを演じるのは、俳優のキャスリン・ニュートン。映画『スリー・ビルボード』(2017) のアンジェラ・ヘイズ役、『名探偵ピカチュウ』(2019) のルーシー・スティーヴンス役で知られる。Amazonプライムの映画『明日への地図を探して』(2021) や、現在制作が進められている映画『リサ・フランケンシュタイン(原題)』では主演を務める。

『クアントマニア』公開時点で26歳という新鋭のキャスリン・ニュートンが演じたキャシーは、今後のMCUにとっても重要な人物になっていくはず。そんなキャシーというキャラクターについて、演じたキャスリン・ニュートンやスコット役のポール・ラッド、そして本作の制作陣がその重要性について語っている。

なお、以下の内容は『アントマン&ワスプ:クアントマニア』本編のネタバレを含むので、注意していただきたい。

ネタバレ注意
以下の内容は、映画『アントマン&ワスプ:クアントマニア』の内容に関するネタバレを含みます。

『アントマン&ワスプ:クアントマニア』におけるキャシー

これまで、『アントマン』(2015) と『アントマン&ワスプ』(2018) では幼い姿を見せていたキャシー。幼いながらに父スコットの相棒になりたい、いつか父のように人助けがしたいという意志を見せていた。サノスの指パッチンを生き延び、映画『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019) では成長した姿で登場している。

『アントマン&ワスプ:クアントマニア』では、スコットがサノスを倒してから「a few years」が経過したと話しているが、ペイトン・リード監督はブラジルメディアのNerdBunkerでのインタビューで、「この映画でキャシーは18歳になっています」と語っている。アメリカの成人年齢は日本と同じく18歳だが、スコットはまだまだキャシーのことを子どものように扱っている様子を見せている。

『クアントマニア』の冒頭では、キャシーは拘置所から出される場面で登場する。ホームレス排除に抗議するデモ隊に参加し、平和的にデモに取り組んでいるところに催涙ガスを投げた警察とトラブルになって拘置されていたという。小さい頃から父をヒーローとして見ていたキャシーは人助けがしたいと言うが、スコットはキャシーに「普通の人生を与えたかった」「自分の人生を大事にしろ」と言うのだった。

量子世界に入った後も、量子人たちを助けようとするキャシーに、日常を取り戻したいスコットは「俺たちの戦いじゃない」と主張する。これに対して、キャシーは「それでも戦いは起きている」と、ヒーロー然とした正論で応答するのだった。

スコットから見たキャシー

次世代のマーベルヒーローを率いていく雰囲気も持つ根っからのヒーロー気質を見せるキャシー。キャストと制作陣は、このキャラクターにどのような思いを込めたのだろうか。米マーベル公式では、スコットとキャシーの関係について解説する記事が公開されている。

マーベル・スタジオ社長のケヴィン・ファイギと共に『アントマン&ワスプ:クアントマニア』のプロデューサーを務めたスティーブン・ブルサードは、スコットがキャシーに対して抱いている想いについてこう話している。

スコットがこれまで望んできたのは、娘や家族との時間を増やすことなのに、彼は膨大な時間の空白によって家族から引き離された状況に置かれ続けています。その理由を見ると、常に善い行いが原因でした。正しいことをしただけなんです。ヴィスタ・コープを潰して刑務所に入れられたり、『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』で自分が信じる大義のために戦ったり、ゴーストを助けようとして量子世界に入り込んだりね。そこには常に道徳的な理由があり、娘と離れ離れになっていました。

三作かけてスコット・ラングとキャシー・ラングを描いてきたペイトン・リード監督は、特に『アントマン&ワスプ』のラストでスコットが量子世界に閉じ込められてしまった5年間がスコットの心を蝕んでいると話す。キャシーと繋がりを持ちたいと思っているが、キャシーを一人の若い女性としてではなく、時にまだ小さな女の子のように見ている節があるとしている。

スコットの写し鏡としてのキャシー

そのスコットを演じたポール・ラッドは、『クアントマニア』におけるスコットとキャシーの関係について、こう話している。

スコットにとって、キャシーとの関係は人生の中で最も重要なものでした。この二人のキャラクターの関係は愛情で溢れており、それがこの映画の核心でもあります。しかし、6歳の子どもと19歳になった人間とでは扱い方は大きく異なります。スコットはやり直して彼女との時間を過ごし、普通の生活を送りたいのですが、彼女は違う考えを持っています。

確かにキャシーは、平穏な人生を送るよりも、リスクをとってでも人助けをしたいと願っている。それは、他でもない父スコットの姿を見て育ったキャシーならではの考えだ。『クアントマニア』では『アントマン』で触れられた、スコットがヴィスタ・コープの不正を暴いた過去についても、キャシーはスコットの善い行いとして言及していた。キャシーはスコットがアントマンになる以前から、その英雄的な行動に憧れを抱いていたのだ。

ポール・ラッドは、こう続けている。

「もしスコット・ラングの人生にスコット・ラングがいたら、どうなるのだろう?」というアイデアが浮かんだんです。つまり、彼は正しい行いをしようとするのですが、彼を愛している人たちを困らせて、厄介な状況に追い込まれたり、刑務所に入れられたりするのです。彼は突然、もはや小さな女の子ではない娘を持ち、彼女は良くも悪くも父と同じ道を歩み始めるのです。

つまり、『アントマン&ワスプ:クアントマニア』におけるキャシーは、スコット・ラングの写し鏡ということだ。確かに、キャシーは冒頭で捕まっているし、中盤には征服者カーンの牢屋に入れられる。『アントマン』でも同様にスコットの出所から物語が始まり、中盤に再逮捕されることで物語が動き出す。『アントマン&ワスプ』では、スコットのせいでホープとハンクが捕まるが、『クアントマニア』でもキャシーの発明が原因で一同がカーンに捉えられることになる。

マーベル公式も「スコットは、自分が過去にやった高貴な行いと全く同じくことをするキャシーに対処しなければならない——ただし今回は量子世界で」と記している。

キャシーから見たスコット

ペイトン・リード監督は、逆にキャシーが抱える苛立ちを以下のように表現している。

彼女はもう大人で、自分の人生をどう生きるか、自分にとって不正義とは何か、不正義とどう戦うかについて自分なりの考えを持っています。それは、父の生き方と異なるものかもしれません。彼女は父に対して批判的な見方ができる歳になり、父を見て「何をやってるんだ」と思う、そんなアイデアを描ければと思いました。アベンジャーズなのに、書籍にサインをして、バックミラーを見てる。外には果たされるべき正義が山ほどあるのに。

マーベル公式も、「キャシーの目には、最近のスコットは世界を救ってからヒーロー的な活動が二の次になっていて、少し過去の栄光に安住し過ぎているように映っている」と解説している。

一方で、キャシーを演じたキャサリン・ニュートンは、キャシーの立場をこう語っている。

彼女はただ、父親のようなスーパーヒーローになりたいだけなんです。父のようになりたい、それがキャシーです。しかし、彼女の父がそう教えたように、世界を変えられると思うだけでは不十分で、実際に行動に移さなければならないのです。スーパーヒーローになるということは、多くの人に頼りにされるはずです。しかし、それが本当に必要なことなのか、十分な知識があるのか、忍耐力があるのか……彼女は世界を救おうとする時に、実際にはそんなにうまくいかないということを学んでいきます。

『クアントマニア』の冒頭でも、キャシーは行政によるホームレス排除を止めようとして捕まり、誰かが量子世界に迷い込んでも助けられるように監視衛星を作って量子世界へと連れ込まれてしまう。必ずしも理想通りに進むわけではないが、かつてのスコットがそうだったように、周りの人々が正義を実行に移す人を助けて、スーパーヒーローの活動は成り立っていく。

受け入れること

ペイトン・リード監督は、キャシーがヒーローになっていくことをスコットが受け入れなくてはならなくなるという点が、この映画の中心にあるダイナミズムだと語っている。キャシーは正義を遂行しようとすることのリスクや周囲の人からの助けが不可欠であるということを学び、スコットはかつての自分がヒーローになっていった時に周囲がそうしてくれたように、キャシーがヒーローになっていくことを受け入れていく。

スコットにとってそれは、かつて善い行いをしようとしてトラブルに巻き込まれていた過去の自分自身を受け入れるというプロセスでもあったはずだ。『アントマン&ワスプ:クアントマニア』のラストで、征服者カーンに「見過ごせたものを」と言われたスコットは、「できない性分だ」と言い返す。いくらトラブルに巻き込まれても、懲りずに善い行いをしようとするのがアントマンなのだ。

また、本作の最後で、スコットはキャシーの「人助けは終わらない」という言葉を紹介している。キャシーを通して過去の自分を見つめ直し、ヒーローとは何たるかを学び直したスコットは、まだまだ現役を続けていくことになりそうだ。そして、生粋のヒーローであるキャシーは、若き次世代アベンジャーズを引っ張っていく人物の一人になるだろう。

意外にも今のところ唯一のアベンジャーズメンバーの二世ヒーローになりそうなキャシー。今後の活躍にも期待したい。

映画『アントマン&ワスプ:クアントマニア』は2023年2月17日(金) より劇場公開。

『アントマン&ワスプ:クアントマニア』公式サイト

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Source
NerdBunker / Marvel.com

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キャシーのこれまでと原作コミックでの展開はこちらの記事で。

キャシーと同じ問題意識を持つホープが取り組むサノスが残した爪痕についての解説はこちらから。

征服者カーンの強さと能力の解説&考察はこちらから。

征服者カーンがラストでどうなったのか、『アベンジャーズ/シークレット・ウォーズ』に繋がるかもしれない今後の展開の考察はこちらの記事で。

『アントマン&ワスプ:クアントマニア』ラストからミッドクレジット、ポストクレジットシーンの解説&考察はこちらから。

征服者カーンとハンク、そしてキャシーにも共通する『クアントマニア』のテーマの解説はこちらから。

 

マーベル公式とペイトン・リード監督は「アントマン」シリーズを「三部作」と表明した。詳しくはこちらの記事で。

一方で、「アントマン」シリーズには早くも『アントマン4』に関する話題も出ている。詳しくはこちらの記事で。

『アントマン&ワスプ:クアントマニア』脚本家が語った征服者カーンとサノスの違いについてはこちらの記事で。

『クアントマニア』で描かれた量子世界の原点について、ペイトン・リード監督が語った内容はこちらから。

 

2023年5月4日(水・祝) 公開の映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3』新予告の解説&考察はこちらから。

齋藤 隼飛

社会保障/労働経済学を学んだ後、アメリカはカリフォルニア州で4年間、教育業に従事。アメリカではマネジメントを学ぶ。名前の由来は仮面ライダー2号。編著書に『プラットフォーム新時代 ブロックチェーンか、協同組合か』(社会評論社)。
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