ネタバレ! モードックの改変は成功? 『アントマン&ワスプ:クアントマニア』キャストが本音を語る | VG+ (バゴプラ)

ネタバレ! モードックの改変は成功? 『アントマン&ワスプ:クアントマニア』キャストが本音を語る

© 2023 Marvel

『アントマン&ワスプ:クアントマニア』モードックに注目

映画『アントマン&ワスプ:クアントマニア』が2023年2月17日(金)より劇場公開。アントマンことスコット・ラング、ワスプことホープ・ヴァン・ダインとその家族たち、そして征服者カーンが登場し、量子世界での戦いが描かれる。

一方で注目を集めたのは、マーベルの人気キャラクターであるM.O.R.D.O.K(モードック)のスクリーンデビューだ。モードックは2021年にはHulu配信でストップモーションアニメ化されたこともあるが、実写化はこれが初めてになる。

モードック役を演じたのは、映画『アントマン』(2015) でイエロージャケットことダレン・クロスを演じたコリー・ストール。まさかのカムバックを果たしたコリー・ストールは、『アントマン&ワスプ:クアントマニア』版のモードックに対するファンの反応や、MCU復帰の裏側についてコメントしている。

ネタバレ注意
以下の内容は、映画『アントマン&ワスプ:クアントマニア』の内容に関するネタバレを含みます。

モードックの描かれ方

『アントマン&ワスプ:クアントマニア』でもモードックの描かれ方は、原作コミックから大きく改変されたMCUオリジナルのものだった。『アントマン』のラストで量子世界に突入するまで縮小したアントマンにイエロージャケットのスーツを破壊されたダレン・クロスは、身体が縮小していき消滅したかに思われていた。しかし、ダレンは量子世界で征服者カーンから改造を受けて生き延びていたのだ。

原作では脳が巨大化したキャラクターだったが、『クアントマニア』では手足が縮小したという設定に変更された。もちろんイエロージャケットがモードックになるという設定もMCUオリジナルのものである。

征服者カーンに兵器として改造されたモードックは、ダレン・クロスとしてのアイデンティティを捨ててダレンと呼ばれても返事しないというコミカルさも見せる。それでも、最後には同じ科学者であり、ハンク・ピムの弟子のような存在であるキャシー・ラングに「クソ野郎はやめられる」と説得されて善の心を取り戻したのだった。

「変えなければならないものもある」

モードックの設定の原作からの改変については、ファンからは賛否の声が上がっている。原作通りのモードックを求める声もあれば、コミカルで実写化しにくいキャラクターだったモードックに「縮小したイエロージャケット」「量子世界」「征服者カーンのテクノロジー」という理由づけをうまく行って実写化させたと見る評価もある。

これらの声について、モードックを演じたコリー・ストールはどのように考えているのだろうか。コリー・ストールはネット上でのファンからの声について聞かれ、米Varietyに率直な感想を共有している。

私はネットは見ないんですよ。多くの人がこれらのキャラクターに思い入れがあるんだと思います。誰もがページ上の二次元の静止画から実写にジャンプしようとするわけで、その時には変えなければならないものもあります。

脚本のジェフ・ラブネス、ペイトン(・リード監督)とポール(・ラッド)は、モードックが存在するための新しい理由を作り直すという非常に力強い選択をとりました。私は本当にうまくいったと思っています。ダレンのキャラクターの文脈の中で、しっかり機能していますよ。

コリー・ストールは、今回のモードックを巡る原作改変について、『アベンジャーズ/ザ・カーン・ダイナスティ(原題)』も手がける脚本家のジェフ・ラブネス、『アントマン』からシリーズ三部作を手がけたペイトン・リード監督、そして主演のポール・ラッドの選択であるとしながらも、その結果はうまくいったと話している。

オファーの裏側

2作ぶりの「アントマン」シリーズ復帰、それもモードックの姿で——コリー・ストールがペイトン・リード監督から復帰のオファーを受けた時には、既にモードックの名前が挙がっていたことも明かしている。

彼が最もクレイジーな名前を用意していたことは知っていました。ペイトンが最初に私に話をした時、「モードックていう名前のキャラクターは知ってますか?」と聞いてきたんです。私は「えぇ、頭が大きなやつですよね」と答えました。コミックで読んだかどうかは確かじゃないけれど、見たことはありまました。一度見たら忘れられないですよね。唯一無二の存在ですから。とにかく大袈裟で、恐ろしくもあり滑稽でもある。ですから、ペイトンが私にこの役を売り込む必要は全くありませんでした。(最初に話された段階で)決まりでしたね。

モードックの流石の知名度も手伝って、コリー・ストールは最初の段階でモードック役としての復帰を受け入れたようだ。実際の撮影にあたってはコリー・ストールは他のメンバーとは別で、顔面にドットを付けてのパフォーマンス・キャプチャ・カメラの前で演技をしたという。机と椅子、台本が置いてあるだけの場所で撮影を行ったといい、「200億円規模の映画というより、演劇のワークショップに近かった」と振り返っている。

別バージョンを見る楽しみ

加えて、コリー・ストールは新たな設定のモードックを演じたことに関連して、前向きな発言を残している。

私がコミックファンとして好きなことは、同じキャラクターが全く違うバージョンで登場することです。私はバットマンの大ファンだったのですが、フランク・ミラーの『ダークナイト・リターンズ』は、『イヤー・ワン』などとは全く異なるキャラクターでした。全てのバージョンを等しく好きである必要はありません。どのキャラクターにも“決定版”というのは存在しないのです。

確かに、キャラクターは何度も描き直されることによって、新たなファンを獲得していく。マルチバース化が進むMCUにおいては、今後、ダレン・クロス以外のバージョンのモードックが登場する可能性も十分にある。モードックの今後に期待しよう。

映画『アントマン&ワスプ:クアントマニア』は2023年2月17日(金) より劇場公開。

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Source
Variety

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齋藤 隼飛

社会保障/労働経済学を学んだ後、アメリカはカリフォルニア州で4年間、教育業に従事。アメリカではマネジメントを学ぶ。名前の由来は仮面ライダー2号。編著書に『プラットフォーム新時代 ブロックチェーンか、協同組合か』(社会評論社)。
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