主演のバッド・バニー降板のままで企画進行中
2024年には『マダム・ウェブ』や『クレイヴン・ザ・ハンター』、『ヴェノム3』など「スパイダーマン」シリーズの脇を支えてきたキャラクターたちの映画化が多いSSU(ソニーズ・スパイダーマン・ユニバース)。その中で企画が頓挫したと思われていたヒール・プロレスラーを主人公とした『エル・ムエルト(原題:El Muerto)』の企画が今も進行中であることを米Varietyが報じた。
『エル・ムエルト』で描かれるエル・ムエルトは魔法のマスクの力で超人的な怪力を持ったヒール・プロレスラーであり、「スパイダーマン」シリーズではマイナーなヴィランに当たる。2002年公開のサム・ライミ監督、トビー・マグワイア主演の『スパイダーマン』の冒頭にも少し出ており、そこではスパイダーマンとレスリング対決をしてみせた。
この企画自体はマイナーなヴィランにスポットライトを当てるものとしてSSUとしては早くより計画されており、主演をプエルトリコ出身でラッパーのバッド・バニーが務めることが報じられていた。しかし、バッド・バニーのライブツアーの計画と映画撮影の計画が合わないこと、そしてエル・ムエルトの知名度が低かったことなどから企画は頓挫したと思われていた。そのため、今回の報道には皆が驚かされた。
SSUの今後の方針
『エル・ムエルト』の計画の続行には、SSUの今後の方針が影響しているものと考察できる。SSUは2024年に『マダム・ウェブ』と『クレイヴン・ザ・ハンター』、『ヴェノム3』の3作品を公開することになっている。しかし、『マダム・ウェブ』は舞台が2000年代初頭であるなど、作品同士の時系列はバラバラになっていると考察できる。『マダム・ウェブ』の時代設定に関してはこちらの記事に詳しい。
SSUはユニバースをむやみやたらと拡大するのではなく、作品一つ一つを独立した存在にしていきたいという思惑があるのだと考察できる。『マダム・ウェブ』のS・J・クラーソン監督が米Entertainment Weeklyで「『マダム・ウェブ』は独立した作品になる」といった旨の発言をしている。
このことから、作品ごとのつながりは緩やかなものとし、ユニバースに縛られるのではなく、作品シリーズが独立して物語が完結する展開にしていこうとしているのがSSUの今後の方針だと考察できる。『エル・ムエルト』はそのような独立した作品として、超人的な力を持ったヒール・プロレスラーの姿と、父親が伝説的なプロレスラーという苦悩を抱えた人物として映画化するのかもしれない。
だが、主演のバッド・バニーは降板しており、『エル・ムエルト』の企画が生きており、今も計画は進行中といっても主演がいない状況に変わりはない。そのため、今後新たな主演俳優を迎え入れて、計画が練り直されていくことが考察できる。そのような変化しつつある『エル・ムエルト』の今後に注目していきたい。
Source
Variety/Entertainment Weekly
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