Contents
映画『クレイヴン・ザ・ハンター』10月公開
ソニー・ピクチャーズが「スパイダーマン」シリーズのキャラクターで展開するSSU(ソニーズ・スパイダーマン・ユニバース)より、映画『クレイヴン・ザ・ハンター』が2024年8月31日(金) に米国で公開される。SSU作品としては2024年2月公開の『マダム・ウェブ』に続く新作となる。
『クレイヴン・ザ・ハンター』はハンターのセルゲイ・クラヴィノフを主人公に据えた作品。クレイヴン・ザ・ハンターはヴェノムやモービウスと同じくコミックの「アメイジング・スパイダーマン」シリーズが初出のキャラクターで、後にスパイダーマンの宿敵となる。
『クレイヴン・ザ・ハンター』の指揮をとるのは、『オール・イズ・ロスト 〜最後の手紙〜』(2013) のJ・C・チャンダー監督。主人公セルゲイ・クラヴィノフをMCUのクイックシルバー役で知られるアーロン・テイラー=ジョンソンが演じる。
『クレイヴン・ザ・ハンター』予告公開
SSUで初のR指定作品となる『クレイヴン・ザ・ハンター』。米時間2023年6月19日(月) には3分超となる『クレイヴン・ザ・ハンター』の初予告が公開された。
※本予告には流血および残酷な描写が含まれます。
ロシアンマフィアの映画のような大人の雰囲気も漂う予告となっており、ラッセル・クロウ演じるセルゲイの父の「息子よ、決して容赦するな」というセリフから幕を開ける。ストーリーとしては、“強さ”を求め、セルゲイの亡き母を「弱かった」と吐き捨てる父との対決が描かれるようである。
『クレイヴン・ザ・ハンター』の能力は?
クレイヴン・ザ・ハンターは、原作コミックではカリプソという人物から神秘的な薬を飲まされて能力を強化されている。だが、映画版では少年時代にライオンと戦い負った傷に動物の血液が入り、特殊な力を得たように見える。これはスパイダーマンが放射性のクモに噛まれて能力を得た展開に似ている。
同時に、シンビオートと共生するヴェノムや、コウモリの細胞から作った血清を打ったモービウスにも近い。セルゲイが特殊なのは、動物を殺すよう父に命じられたが逆に致命傷の怪我を負わされ、動物の細胞の力を得て復活するという経緯だろうか。今回の予告では読み取りきれない部分もあるが、興味深いオリジンであることは確かだ。
そしてその能力は、ビルの上階からジャンプし、車に追いつくほどのスピードで走り、ドアを剥いで開ける怪力など、スタイルこそ異なるがキャプテン・アメリカのような超人血清を打った人物のそれに近い。また、予告編の中では、動物と繋がっていて獲物を追うことができるという描写もある。一度は父の指示で自然に背こうとした者が、自然と協調して戦うというのが『クレイヴン・ザ・ハンター』のテーマの一つなのかもしれない。
原作コミックでは、武器のスペシャリストであり、高い追跡能力、そして動物を従えることができる力が特徴だった。今回の予告編でも様々な武器を操り、狼に攻撃させたりする姿を見せている。また“鳥の眼”を使っているようなシーンも見られる。
ヴィランは誰?
カメレオン
気になるのは『クレイヴン・ザ・ハンター』のヴィランだが、今回の予告では原作コミックから三人のキャラクターが登場している。一人目はクレイヴン・ザ・ハンターことセルゲイの弟でフレッド・ヘッキンジャー演じるドミトリ・スメルダコフだ。
ドミトリ・スメルダコフは、原作コミックではカメレオンという名のヴィランであり、スパイダーマンが初めて戦ったスーパーヴィランとして知られる。兄のセルゲイを喜ばせるためにモノマネの特訓に励み、誰にでも変装できる能力を習得している。実はMCUの『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』(2019) では“ディミトリ・スメルダコフ”という名の人物がニック・フューリーの部下としてバスの運転手をしている。
カメレオンはセルゲイの視点から見れば味方となるはずだが、父と共に行動しているのだとすれば敵になる可能性もある。コミックではカメレオンがセルゲイをスパイダーマンと引き合わせるので、その役回りにも注目したい。
ライノ
予告編の最後に登場するのは、アレッサンドロ・ニヴォラ演じるライノだ。コミックでも人気のヴィランの一人であるライノは人工皮膚を移植して強固な肉体を手に入れる。映画『アメイジング・スパイダーマン2』(2014) ではラストシーンで登場したが、この時はサイの見た目のロボットスーツを着ていた。
映画『クレイヴン・ザ・ハンター』のライノは、原作コミックの設定を踏襲しているのか、皮膚自体がサイのようになっていることが分かる。元々、クレイヴン・ザ・ハンターはロシアの貴族の末裔、ライノはロシアの貧民の出という設定があるため、この二人を対置する可能性は大いにある。
カリプソ、そしてクモたち
もう一人、今回の予告で登場したのはアリアナ・デボーズ演じるカリプソだ。原作コミックではセルゲイの恋人で、セルゲイに神秘の薬を飲ませて能力を得させる張本人である。コミックではブードゥー教の巫女という設定で、今回の予告編では普段着の他に首から下を黒装束に包んでいる姿も見られる。パートナーになる二人は、映画版ではどのように描かれるのだろか。
一方で、今回の予告には森の中のセルゲイの頭上に大量のクモが降りてくる場面も。SSUとしては2024年2月16日に『マダム・ウェブ』の米公開を予定している。マダム・ウェブの能力は予知能力で、クモとは関係のないものなのだが、『クレイヴン・ザ・ハンター』にもスパイダーマンの要素が登場する可能性もあるだろう。
なお、事前には俳優のクリストファー・アボットがザ・フォーリナーというヴィランを演じることも報じられている。コミックではクレイヴン・ザ・ハンターと絡むことはないが、スパイダーマンの敵として登場するキャラクターだ。また、ラッセル・クロウ演じるセルゲイの父の名前もまだ明らかになっていない。まだ何らかのサプライズが隠されているのかもしれない。
シニスター・シックス結成なるか?
クレイヴン・ザ・ハンターは、スパイダーマンの宿敵で組まれたチームであるシニスター・シックスのメンバーだ。ドクター・オクトパス、ミステリオらと並ぶオリジナルメンバーであり、MCUとSSUがクロスオーバーした『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』(2021) ではクレイヴン・ザ・ハンターが登場する案もあったという。
コミックではカメレオン、ライノ、ヴェノムもシニスター・シックスに合流する展開がある。SSUでは、『モービウス』でヴァルチャーとモービウスがタッグを組んでおり、ヴェノムが同じ世界にいることも明かされている。役者は揃いつつあるが、果たして……。
映画『クレイヴン・ザ・ハンター』は2024年8月31日(金) 米公開。日本では2024年公開予定。
『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』ラストの解説はこちらから。
映画『モービウス』ポストクレジットシーンの解説はこちらから。
映画『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』ポストクレジットシーンの解説はこちらの記事で。