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映画『クレイヴン・ザ・ハンター』12月13日公開
ソニー・ピクチャーズが「スパイダーマン」シリーズのキャラクターで展開するSSU(ソニーズ・スパイダーマン・ユニバース)より、映画『クレイヴン・ザ・ハンター』が2024年12月13日(金) に日米で同時公開される。SSU作品としては2024年2月公開の『マダム・ウェブ』、11月公開の『ヴェノム:ザ・ラストダンス』に続く新作となる。
『クレイヴン・ザ・ハンター』はハンターのセルゲイ・クラヴィノフを主人公に据えた作品。クレイヴン・ザ・ハンターはヴェノムやモービウスと同じくコミックの「アメイジング・スパイダーマン」シリーズが初出のキャラクターで、後にスパイダーマンの宿敵となる。
『クレイヴン・ザ・ハンター』の指揮をとるのは、『オール・イズ・ロスト 〜最後の手紙〜』(2013) のJ・C・チャンダー監督。主人公セルゲイ・クラヴィノフをMCUのクイックシルバー役で知られるアーロン・テイラー=ジョンソンが演じる。
『クレイヴン・ザ・ハンター』新予告公開
アメリカでは『ヴェノム:ザ・ラストダンス』に続いてR指定作品となる映画『クレイヴン・ザ・ハンター』。2024年8月14日(水) に第2弾となる予告編が公開された。
※本予告には流血および残酷な描写が含まれます。
今回の予告編では、初予告で身体の一部だけが登場していたヴィランのライノの全身が映し出されている。また、主人公セルゲイとその父との因縁を強調するつくりになっている。2023年6月に公開された初予告では、“強さ”を求め、セルゲイの亡き母を「弱かった」と吐き捨てる父とセルゲイの対決が描かれることが示唆されていた。
『クレイヴン・ザ・ハンター』の能力は?
クレイヴン・ザ・ハンターは、原作コミックではカリプソという人物から神秘的な薬を飲まされて能力を強化されている。だが、映画版では少年時代にライオンに襲われたことをきっかけに、<百獣の王>の力を得ることになっているる。スパイダーマンが放射性のクモに噛まれて能力を得たという設定に似た展開だ。
同時に、シンビオートと共生するヴェノムや、コウモリの細胞から作った血清を打ったモービウスにも近い。セルゲイが特殊なのは、動物を殺すよう父に命じられたが逆に致命傷の怪我を負わされ、動物の細胞の力を得て復活するという経緯だろうか。まだ明かされていないバックストーリーもあるだろうが、興味深いオリジンであることは確かだ。
そしてその能力は、ビルの上階からジャンプし、車に追いつくほどのスピードで走り、ドアを剥いで開ける怪力など、スタイルこそ異なるがキャプテン・アメリカのような超人血清を打った人物のそれに近い。また、予告編の中には、動物と繋がり獲物を追うことができるという描写もある。一度は父=権力者の指示で自然に背こうとした者が、自然と協調して戦うというのが『クレイヴン・ザ・ハンター』のテーマの一つなのかもしれない。
原作コミックのクレイヴン・ザ・ハンターは武器のスペシャリストであり、高い追跡能力、そして動物を従えることができる力が特徴だった。映画版の予告編でも様々な武器や動物を操る姿を見せている。
ヴィランは誰?
気になるのは『クレイヴン・ザ・ハンター』のヴィランだが、予告編には原作コミックから三人のキャラクターが登場している。
ライノ
新予告で大々的に登場したのは、アレッサンドロ・ニヴォラ演じるヴィランのライノだ。コミックでも人気のヴィランの一人であるライノは人工皮膚を移植して強固な肉体を手に入れる。映画『アメイジング・スパイダーマン2』(2014) ではラストシーンで登場したが、この時はサイの見た目のロボットスーツを着ていた。
映画『クレイヴン・ザ・ハンター』のライノは、原作コミックの設定を踏襲し、皮膚自体がサイのようになっていることが分かる。元々、クレイヴン・ザ・ハンターはロシアの貴族の末裔、ライノはロシアの貧民の出という設定がある。新予告には、この二人が対決するシーンが含まれているが、二人の間の因縁はどのように描かれるのだろうか。
カメレオン
二人目は第一弾の予告編でフィーチャーされたクレイヴン・ザ・ハンターことセルゲイの弟で、フレッド・ヘッキンジャーが演じるドミトリ・スメルダコフだ。ドミトリ・スメルダコフは、原作コミックではカメレオンという名のヴィランであり、スパイダーマンが初めて戦ったスーパーヴィランとして知られる。
原作コミックでは兄のセルゲイを喜ばせるためにモノマネの特訓に励み、誰にでも変装できる能力を習得している。カメレオンはセルゲイの視点から見れば味方となるはずだが、父と共に行動しているのだとすれば敵になる可能性もある。コミックではカメレオンがセルゲイをスパイダーマンと引き合わせるので、その役回りにも注目したい。
ちなみに、MCUの『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』(2019) では“ディミトリ・スメルダコフ”という名の人物がニック・フューリーの部下としてバスの運転手をしている。
カリプソ、そしてクモたち
もう一人、予告編に登場しているのはアリアナ・デボーズ演じるカリプソだ。新予告ではセルゲイを「父親と同じ。ギャングスタで殺し屋」と煽っているように見えるが、原作コミックではセルゲイの恋人で、セルゲイに神秘の薬を飲ませて能力を得させる張本人である。コミックではブードゥー教の巫女という設定で、予告編では黒装束に身を包んでいる姿も見られた。パートナーになる二人は、映画版ではどのように描かれるのだろか。
一方で、初予告には森の中のセルゲイの頭上に大量のクモが降りてくる場面もあった。SSUとしては2024年2月に『マダム・ウェブ』が公開されたが、『クレイヴン・ザ・ハンター』にもスパイダーマンの要素が登場する可能性もあるだろう。
なお、事前の報道では、俳優のクリストファー・アボットがザ・フォーリナーというヴィランを演じるとも言われている。コミックではクレイヴン・ザ・ハンターと絡むことはないが、スパイダーマンの敵として登場するキャラクターだ。また、ラッセル・クロウ演じるセルゲイの父ニコライ・クラヴィノフを演じる。すでに豪華キャストが集結していることが分かるが、まだ何らかのサプライズが隠されているのかもしれない。
シニスター・シックス結成なるか?
原作コミックのクレイヴン・ザ・ハンターは、スパイダーマンの宿敵で組まれたヴィランチームであるシニスター・シックスのメンバーだ。ドクター・オクトパス、ミステリオらと並ぶオリジナルメンバーであり、MCUとSSUがクロスオーバーした『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』(2021) ではクレイヴン・ザ・ハンターが登場する案もあったという。
コミックではカメレオン、ライノ、ヴェノムもシニスター・シックスに合流する展開がある。SSUでは、『モービウス』でヴァルチャーとモービウスがタッグを組んでおり、ヴェノムが同じ世界にいることも明かされている。役者は揃いつつあるが、果たして……。
映画『クレイヴン・ザ・ハンター』は2024年12月13日(金) 日米同時公開。
映画『マダムウェブ』ラストのネタバレ解説はこちらから。
映画『モービウス』ポストクレジットシーンの解説はこちらから。
映画『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』ポストクレジットシーンの解説はこちらの記事で。