予告編の背景に注目
2024年2月23日(金)に全国公開されるSSU(ソニーズ・スパイダーマン・ユニバース)の最新作『マダム・ウェブ』。その舞台背景について、2000年代初頭ではないかという考察が海外ファンの間で広がっている。米Entertainment Weeklyのインタビューにて、主人公のカサンドラ・“キャシー”・ウェブを演じるダコタ・ジョンソンと監督のS・J・クラーソンがこれまでのSSUとは独立した作品となると答えている。
また、コミックのマダム・ウェブことカサンドラ・ウェブは重症筋無力症の高齢女性として登場している。そのため、当初34歳のダコタ・ジョンソンの起用にはエイジズムとルッキズムに関する批判が上がっていた。もし、2000年代初頭が舞台となる場合、『マダム・ウェブ』ではマダム・ウェブのオリジンを描き、今後のSSUやスパイダーマンにつなげていくのかもしれない。それでは、2000年代初頭が舞台と考察される理由について述べていこう。
PSP、ゲイリー・カーター、フレドリック・ユングベリ
まずは地下鉄でタハール・ラヒム演じるエゼキエル・シムズが襲撃してくる場面だ。ここで黒人男性が「最近のニューヨークはどうなってんだ」とぼやきながらゲーム機をプレイしている。そのゲーム機はPSPだ。PSPことPlay Station Portableは2004年に発売開始され、2005年にアメリカでも出荷が開始、そして2014年に生産が終了している。
その次に高齢の白人男性が読んでいる新聞の記事だ。そこではメジャーリーガーのゲイリー・カーターが野球の殿堂入りしたことが、愛称がキッドであることをもじり、「KID IN THE HALL」として報じられている。そのゲイリー・カーターが野球の殿堂入りしたのが2003年だ。
PSPの登場とゲイリー・カーターの野球の殿堂入りの時期には多少ずれがあるが、2000年代初頭であることは共通している。このことから海外ファンの間で、『マダム・ウェブ』は2000年代初頭ではないかと考察されているのだ。他にも考察される要素は存在している。それがフレドリック・ユングベリを起用したカルバン・クラインの広告だ。
フレドリック・ユングベリはスウェーデン出身の元サッカー選手だ。そのフレドリック・ユングベリが2003年にカルバン・クラインの広告を務めたことがある。その広告が、エゼキエル・シムズが車の上に飛び乗ったシーンで一瞬だけ映っていることがわかる。このことからも『マダム・ウェブ』が2000年代初頭を舞台にしていることがわかる。
写真に残されたメモ
もう一つ舞台が2000年代初頭だと考察できる要素がカサンドラ・“キャシー”・ウェブの年齢だ。カサンドラ・“キャシー”・ウェブを演じるダコタ・ジョンソンの年齢は34歳だ。カサンドラ・“キャシー”・ウェブの母親のコンスタンス・ウェブとエゼキエル・シムズが一緒に写った写真の裏には「コンスタンス/エゼキエル ペルーのアマゾンにて 1973年」と記されている。それに加え、コンスタンス・ウェブはそのアマゾンで死亡している。
そこから考察すると、カサンドラ・“キャシー”・ウェブは最低でも1973年よりも前に生まれていることになる。現代が舞台だった場合、カサンドラ・“キャシー”・ウェブの年齢は最低でも50歳を超える。そうなると34歳のダコタ・ジョンソンとは合わなくなってしまう。
そのため、ダコタ・ジョンソンの年齢とカサンドラ・“キャシー”・ウェブの年齢が近いものにしていることを考えると、舞台設定が現代である可能性は限りなく低くなる。それらのことから時代背景とS・J・クラーソン監督のインタビューのこれまでのSSUとは独立した作品といった旨の発言を合わせて考察すれば、『マダム・ウェブ』の舞台設定が2000年代初頭である可能性が高くなるのだ。
SSUの過去を描き、新たなキャラクターたちのオリジンが明らかになると思われる『マダム・ウェブ』。2024年には『クレイヴン・ザ・ハンター』や『ヴェノム3』といったSSUの他の作品も公開される。『マダム・ウェブ』はそれらを蜘蛛の巣のようにつなげるようなオリジンになるのだろうか。今後の情報解禁に期待したい。
『マダム・ウェブ』は2024年2月23日(金)より全国公開。
Source
Entertainment Weekly
『マダム・ウェブ』の予告編公開の記事はこちらから。
『マダム・ウェブ』の日本公開日解禁の記事はこちらから。
『アクロス・ザ・スパイダーバース』ラストの解説はこちらの記事で。
ドナルド・グローヴァー演じるアーロン・デイヴィスが『アクロス・ザ・スパイダーバース』に登場した件についてはこちらの記事で。
エイミー・パスカルはマイルス・モラレスの実写映画とスパイダーウーマンの単独映画の存在について明かしている。詳しくはこちらの記事で。
【ネタバレ注意!】『アクロス・ザ・スパイダーバース』ラストの解説はこちらの記事で。
【ネタバレ注意!】スパイダー・パンクの活躍とその裏側についてはこちらの記事で。
トム・ホランドは『スパイダーマン4』について話し合いが複数回行われていることを明かしている。詳しくはこちらから。