『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』次はどうなる?
映画『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』が2023年6月16日(金) より日本で劇場公開された。先行して公開された北米では2023年トップクラスのヒットを記録しており、日本でも大ヒットは確実。すでに公開が決まっている次回作『スパイダーマン:ビヨンド・ザ・スパイダーバース』にも期待がかかる。
今回は、『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』の次の展開についてチェックしてみよう。続編にとどまらない展開が明かされているので、そちらも要注目だ。
『スパイダーマン:ビヨンド・ザ・スパイダーバース』
『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』は、そもそも二部作の前編として制作が発表されている。『スパイダーマン:スパイダーバース』の続編は『アベンジャーズ:インフィニティ・ウォー』(2018)、『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019) のように前後編になることが発表されていたのだ。
続編『スパイダーマン:ビヨンド・ザ・スパイダーバース』は、『アクロス・ザ・スパイダーバース』と同じくホアキン・ドス・サントス、ケンプ・パワーズ、ジャスティン・K・トンプソンが共同監督を務め、デヴィッド・カラハム、フィル・ロード、クリス・ミラーが共同脚本を務める。全米公開日は2024年3月29日(金)を予定している。
英題では第一作目の副題が「イントゥ・ザ・スパイダーバース」、二作目が「アクロス・ザ・スパイダーバース」、三作目が「ビヨンド・ザ・スパイダーバース」となっており、それぞれ「入る」「通る」「越える」を意味している。『ビヨンド・ザ・スパイダーバース』ではスパイダーバースの“その先”を描くことが予想される。
「スパイダーウーマン」スピンオフ
2023年6月、『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』の米国公開と同時に報じられたのが「スパイダーウーマン」の単独映画作品だ。元ソニー・ピクチャーズの共同会長で現行の「スパイダーマン」映画シリーズのプロデューサーを手掛けるエイミー・パスカルは、米Varietyにスパイダーウーマンの単独アニメ映画が実現すると認め、「皆さんが思っているよりも早く」公開されると約束した。
『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』では、スパイダーグウェンと呼ばれてきたグウェン・ステイシーも世間からはスパイダーウーマンと呼ばれていることが明かされている。それもそのはずで、正体が世間に明らかになっていない以上、ファーストネームを冠した名前では呼ばれないはずだ。
一方で、『スパイダーバース2』で初登場となったジェシカ・ドリューは、スパイダーウーマンの先輩としてグウェン・ステイシーの前に登場する。映画化が進められている「スパイダーウーマン」というのは、グウェンのことなのか、それともジェシカのことなのだろうか。
過去にも「スパイダーウーマン」映画化の話は出ている。2022年8月に『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』(2019) で知られるオリヴィア・ワイルドが女性を主人公に据えた「スパイダーマン」関連作品の監督を務めることが報じられており、これが「スパイダーウーマン」の映画化になるという見方が強かった。この作品がスパイダーウーマンのアニメ映画なのか、実写作品なのかは明かされていない。
また、2024年2月16日(金) 米公開予定で制作が進むSSU映画『マダム・ウェブ(原題:Madame Web)』では、『ユーフォリア/EUPHORIA』(2019-) のキャシー・ハワード役で知られるシドニー・スウィーニーがスパイダーウーマンを演じる。こちらのスパイダーウーマンはコミックで二代目スパイダーウーマンになるジュリア・カーペンターのバージョンだと報じられている。
マイルス・モラレス実写版も
さらに、「スパイダーバース」で主人公を務めるマイルス・モラレスの単独映画作品も計画されているという。エイミー・パスカルは「スパイダーウーマン」のアニメ映画と共にマイルス・モラレスの実写映画を計画していることも明かしている。
MCUとソニー・ピクチャーズが共同で展開しているトム・ホランド主演の「スパイダーマン」シリーズは第4作目の準備に入っていることが明かされている。一方で、マイルス・モラレスを主人公に据えた実写「スパイダーマン」作品も制作されるということだ。ということは、マイルス・モラレスもMCU入りを果たすということなのだろうか。
その疑問について、エイミー・パスカルは米The Hollywood Reporterのインタビューで以下のように語っている。
(マイルス・モラレスとトム・ホランドのピーター・パーカーは)完全に別の世界です。分かりませんけどね。私は何事にもノーとは言いません。しかし、マイルスについて作るべき映画も、ピーターについて作るべき映画もたくさんあります。私は映画プロデューサーですから、トムとこのフランチャイズを続けていきたいと思っています。
つまり、トム・ホランドの「スパイダーマン」フランチャイズでマイルス・モラレスが主人公に置き換わるということはなく、マイルス・モラレスはスタートから単独の作品が作られるということのようだ。もともと「スパイダーマン」シリーズの映像化の権利はソニー・ピクチャーズが持っているが、現行のMCU「スパイダーマン」はソニーとマーベル・スタジオが合意の上で制作したシリーズになる。マイルス・モラレスの単独作品については、MCU作品としてではなく、ソニーの作品として動き出すということになるのだろう。
DCコミックスでは、他のユニバース作品と繋がるDCUの「バットマン」作品と、『THE BATMAN -ザ・バットマン-』(2022) を起点とした「ザ・バットマン・サーガ」のシリーズが別々で展開されている。「ザ・バットマン・サーガ」からはドラマ『ザ・ペンギン(原題)』の配信も予定されている。
ソニーの「スパイダーマン」でもそのような展開もあり得るだろう。また、これだけのヒット作となった「スパイダーバース」の延長線上にマイルス・モラレスの実写版「スパイダーマン」シリーズを置く可能性もある。いずれにせよ、どの企画も「スパイダーバース」の成功があってこそ。今後どんな展開を見せるのか、しっかり追っていこう。
映画『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』は、2023年6月16日(金)より全国の劇場で公開。
『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』のオリジナル・サウンドトラックは発売中。
邦訳コミック『マイルス・モラレス:ストレイト・アウタ・ブルックリン』(サラディン・アーメッド (著), ハビエル・ガロン (絵), 吉川 悠 (訳) )は発売中。
『スパイダーグウェン:ウェポン・オブ・チョイス』(ジェイソン・ラトゥーア (著), ロビー・ロドリゲス (絵), 光岡三ツ子 (訳))も発売中。
Source
Variety / The Hollywood Reporter
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