『モービウス』ジャレッド・レトの変化に注目
映画『モービウス』が2022年4月1日(金)より劇場で公開された。『モービウス』は『ヴェノム』(2018)、『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』(2021)と世界観を共有するSSU(ソニーズ・スパイダーマン・ユニバース)の最新作で、DCEU(DCエクステンデッド・ユニバース)ではジョーカー役を演じたことで知られるジャレッド・レトが主人公マイケル・モービウスを演じた。
マイケル・モービウスは幼い頃から血液に関する難病を患っている天才ドクターで、吸血コウモリのDNAを活用して自らの治療を試みる。これにより予想だにしていなかったスーパーパワーを手に入れるが、同時に血を欲するようになり、その力をコントロールすることに苦悩し始める。
予告編でも注目を集めたのが、マイケル・モービウスを演じるジャレッド・レトの肉体の変化である。難病に苦しんでいる時のマイケルは痩せ細っているが、吸血コウモリのパワーを手に入れた後は筋肉隆々の姿を見せている。その変化は凄まじく、まるで別人かと見紛うほどだ。
実は、この筋肉は特殊効果などではなく、『モービウス』の撮影にあたってジャレッド・レト自身が肉体改造をして身につけたものだという。ジャレッド・レトが米Yahoo Entertainmentに話したところによると、ジャレッド・レトは減量から始めて映画序盤のマイケル・モービウスの身体を作り、その後、筋肉をつけて67ポンド=30キロ増量することでスーパーパワーを得たモービウスの身体を完成させたのだという。
つまり、一度減量した上で撮影中に30キロの増量を実現したというのだから驚きだ。映画『スーサイド・スクワッド』(2016)でジョーカーを演じた時にも減量に取り組んだジャレッド・レトは、痩せるよりも体重を増やす方が大変だとして、以下のように話している。
痩せるという行為は、人類が何千年も前から探究してきた“自制”というものがあるので、違うものなんです。自分自身の探求やスピリチュアルな探究のために、制限を設けたり、瞑想をしたりしますよね。そのプロセス自体に興味深いものがあります。
正直に言うと、体重を増やすのはかなり大変なことです。増えてもまた減りますからね。体重が減り出すと、身体は自然と元に戻ろうとしますし。『モービウス』は私にとって完璧な映画であり、俳優として興味深いものでした。身体的にも精神的にも大きなチャレンジだったからです。
ジャレッド・レトは、米extraには「実はお腹が空かないんです」とも話している。これまでの役作りでファスティング(断食)に慣れてしまったのだという。ジャレッド・レトのキャラクターへの入り込み方に、共演者たちも驚きを隠せない。『モービウス』でマイケル・モービウスの親友であるマイロ役を演じたマット・スミスはこう語っている。
私はそんな経験がなかったのですが、彼は肉体的にも精神的にも感情的にも、ずっとこのキャラクターに近い状態でいるんです。一度ゾーンに入ると、もうそこにいるんです。
『モービウス』を手がけたダニエル・エスピノーサ監督は、ジャレッド・レトの取り組み方について、「非常に献身的で、その変化は彼自身を引き裂いてしまいそうでもあり、少し怖くもありました」と話す。また、マイケル・モービウスの同僚の医師マルティーヌを演じるアドリア・アルホナも、「ダニー(エスピノーサ監督)が言ったように、とても怖い時がありました」として、以下のように話している。
彼は何時間もかけてそのキャラクターを壊さないようにするんです。何時間もあの状態でいるなんて想像もできません。彼が自分の肉体にしたことは本当にすごいことでしたが、同時に恐ろしくもありました。
映画『ジョーカー』(2019)で主人公アーサー・フレックを演じたホアキン・フェニックスは24キロの減量で役作りを行い、映画『シャザム!』(2019)で主人公シャザムを演じたザッカリー・リーヴァイは1年半のトレーニングで筋肉をつけたという。
1971年生まれ、映画『モービウス』公開時点で50歳を迎えているジャレッド・レトは、この作品のために一人で30キロの幅を減増量したというのだから驚きだ。一方でジャレッド・レトは、「楽しいことではありません。健康や身体にとってはとても辛く、悪いことです」と付け加えることも忘れていない。次回作では減増量の必要のないマイケル・モービウスの姿が見られるだろうか……。
映画『モービウス』は2022年4月1日(金)より全国の劇場でロードショー。
Source
Yahoo Entertainment / extra
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