『流転の地球』ついにNetflixで日本上陸 怒涛の3ヶ月を振り返る | VG+ (バゴプラ)

『流転の地球』ついにNetflixで日本上陸 怒涛の3ヶ月を振り返る

via: Netflix

「さまよえる地球」の実写化映画『流転の地球』がついに

いよいよNetflixで配信開始

中国初のブロックバスターSF『流転の地球 (原題: 流浪地球、英題: The Wandering Earth)』が、遂にNetflixで配信を開始する。『三体』でアジア初のヒューゴー賞長編小説部門を受賞したリュウ・ジキン (劉慈欣) の「さまよえる地球」を実写映画化した同作は、2月に中国で公開されるやいなや大ヒットを記録。日本でも劇場公開を望む声があがっていたが、Netflixにて190ヶ国で配信されることになっていた。今回は『流転の地球』の日本上陸を記念して、『流転の地球』が公開されてから世界デビューを果たすまでの怒涛の3ヶ月を振り返ってみよう。

公開前から大ヒットの予感

VG+が“「さまよえる地球」映画化”の第一報をお伝えしたのは、2018年11月9日のこと。この時点で最初のトレイラーが発表されており、中国での公開日も春節 (旧正月) に当たる2019年2月5日に決定していた。

続報は2019年2月2日。中国での公開を前に『流転の地球』の北米公開が決定した。アメリカ、カナダに加えて、オーストラリアでの公開も決定し、中国史上最大のSF映画が英語圏へ進出することとなった。また、最終版となる新たなトレーラーもこのタイミングでご紹介した。

公開から怒涛のニュースラッシュ

中国での公開直後、2月7日には「『流転の地球 (さまよえる地球)』は中国のSF映画をどう変えるのか——2019年は“中国SF映画元年”に」と題した特集を公開。公開からたった二日間で6,800万ドル (約74億6,400万円) という驚異の興行収入記録を叩き出しており、中国内外から大きな注目を集めていた。ウー・ジン (呉京) が同作の支援を申し出た経緯とその理由をご紹介し、『流転の地球』という作品が中国SF映画史においてどのような役割を果たすのか、という点をご紹介した。なお、この記事は日本のSFファンからも注目を集めたが、中国のネット上でも広く共有され、日本における『流転の地球』への関心の高さを知らしめる結果になった。

2月8日には、『流転の地球』はSF映画大国アメリカでも公開。2月11日の記事では、最初の週末を終えた時点のアメリカでの評価をご紹介した。この時点では、アメリカのSF映画と比較し、驚きの声をあげるレビューが多く発表されていた。

翌2月12日には、『流転の地球』に降りかかったフェイクニュース事件の顛末をご紹介。アメリカの右派メディアから標的にされるほどの話題作となった。

2月15日には、中国国内だけで興行収入が10億ドルに達する可能性について、記事を公開。この時点で、中国国内での初週の成績としては史上最高記録となる興行収入3億4,900万ドルを記録していた。その後『キャプテン・マーベル』など後発のアメリカ産SF映画に押された結果、4月30日現在、『流転の地球』の国内興行収入は6億9,400万ドルとなっている。一方で、年間世界興収では、『アベンジャーズ/エンドゲーム』、『キャプテン・マーベル』に次ぐ堂々の第3位につけている。

Netflixでの配信が決定

2月21日、ついにNetflixが世界190ヶ国、28の言語で『流転の地球』を配信することを発表。Netflixは「『流転の地球』は世界中のSFファンに愛されることでしょう」とのコメントを残した。

その一週間後の2月27日、『流転の地球』はこれまで各メディアで『さまよえる地球/The Wandering Earth/流浪地球』と表記されていたが、Netflixの視聴ページにて、『流転の地球』という邦題が明らかになった。4月8日には配信開始日が5月6日に設定され、4月17日になって4月30日の配信開始に前倒しとなった。

製作の裏側も明らかに

3月7日には、『流転の地球』でスーツ制作を手がけたニュージーランドのウェタ・ワークショップの取り組みを紹介。様々な苦労を乗り越えて制作された同作のコスチュームは、SF映画製作の現場において、中国とニュージーランドをつなぐ架け橋となった。

翌3月8日には、ドイツのピクソモンドが手がけたVFXシーンを紹介。『アイアンマン2』(2010) などを手がけてきた同スタジオが「前代未聞の作業量」と語ったVFX制作のメイキング映像をお届けした。

話題に事欠かない『流転の地球』

3月10日、米国での『流転の地球』公開から1ヶ月が経過し、改めてアメリカでの評価をご紹介した。The Hollywood Reporter や The New York Times にも批評が掲載された結果、アメリカ産SF映画に対するプライドが入り混じり、アメリカでは賛否両論が並ぶことになった。

4月6日、原作「さまよえる地球」を手がけたリュウ・ジキンが米ブランダイス大学から名誉博士号を授与されることがわかった。同大学は有名なユダヤ系大学。この出来事に『流転の地球』の大ヒットが関連していることは明らかだろう。

4月7日は、同作に出演した韓国人キャストが語った撮影秘話を紹介。意外な経緯で出演が決定したチェ・キョンジョンが、フラント・グォ監督の人柄から出演料にいたるまで、赤裸々に明かしている。

そして2019年4月30日(火)、Netflixでの『流転の地球』配信がスタート。世界は『アベンジャーズ/エンドゲーム』の公開に湧いているが、アジア発の大作SF映画は、どれほどの爪痕を残してくれるのだろうか。

『流転の地球』(Netflix)

VG+編集部

映画から漫画、ゲームに至るまで、最新SF情報と特集をお届け。 お問い合わせ

関連記事

  1. ネタバレ解説『ブラック・ウィドウ』の時系列はどうなってる? ラストシーンもまとめて解説

  2. インドネシア初のヒーロー・ユニバース映画『スリ・アシィ』12月15日より日本上陸!

  3. ホドロフスキー&メビウスの傑作SFマンガ『アンカル』映画化! 監督をつとめるのはタイカ・ワイティティ!

  4. ペドロ・パスカルのMCU参戦は確実? 『ファンタスティック・フォー』のミスター・ファンタスティック役、課題はスケジュールか