劉慈欣の作品が遂に映画化
「さまよえる地球」の映画化作品が公開へ
アジア初のヒューゴー賞受賞作『三体』(2008)で知られる劉慈欣 (リュウ・ジキン) の作品が、中国で映画化される。その作品とは、2000年に発表された短編、「さまよえる地球 (原題: 流浪地球、英題: The Wandering Earth)」だ。
「さまよえる地球」は、人類がその存続をかけ、“地球ごと”、太陽系に最も近い恒星であるプロキシマ・ケンタウリを目指すという壮大な宇宙スペクタクル。ルッソ兄弟が監修し、アジア圏で大ヒットを記録した『戦狼 ウルフ・オブ・ウォー』(2017) を手がけた中国電影集団公司 (China Film Group) と北京文化 (Beijing Culture) が製作を手がける。公開された『流浪地球/The Wandering Earth』(2019年2月、邦題は『流転の地球』に決定)のトレイラーがこちらだ。
『三体』映像化には「10億ドル投入」の報道も
トレイラーからは、壮大なスケールで映像化されていることが分かる。中国での公開は、中国の旧正月にあたる2019年2月5日。劉慈欣は中国SFの雄として知られており、興行的にも重要なタイミングでの公開に設定されたようだ。彼の代表作である『三体』の映画化作品は未だ完成しておらず、『流浪地球/The Wandering Earth (流転の地球)』が劉慈欣初の映画化作品となる。『三体』は、Amazonスタジオが10億ドルを投じてドラマ化を目指しているという報道も出ており、劉慈欣の作品は映像化に向けて各スタジオが争奪戦を繰り広げている状態だ。劉慈欣は今や、世界の映画、ドラマ、小説の各業界における、最重要人物の一人なのだ。
「さまよえる地球」は、阿部敦子による日本語訳が2008年9月号の『S-Fマガジン』に掲載されている。また、早川書房は、『三体』の日本語訳版を2019年に刊行する予定。『流浪地球/The Wandering Earth (流転の地球)』の日本公開と共に、その到着を待とう。
追記 (Feb. 27, 2019):
Netflixが世界190ヶ国での配信権を獲得。邦題は『流転の地球』に決定した。
Source
INDEPENDENT / BUSINESS TIMES