『デッドプール&ウルヴァリン』のユニバースについて予告編を考察&解説
2024年に唯一公開されるMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の映画作品として注目を集める『デッドプール&ウルヴァリン』。しかも、日本は2024年7月24日(水)の世界最速公開ということでその注目はさらに高まっている。しかし、注目が高まると同時に気になってくるのはウルヴァリンがどのアースから来たのかについてだ。
ウルヴァリンはアース1005を舞台にした20世紀FOX版「X-MEN」シリーズに第1作から参加しており、『LOGAN/ローガン』(2017)で悲劇的な結末を迎えた。それは「デッドプール」シリーズのウルヴァリンも同様であることが、『デッドプール2』(2018)でも語られている。そして、『デッドプール&ウルヴァリン』の予告編「俺の世界を救いたいんだ編」では「デッドプール」シリーズの世界において、ウルヴァリンは英雄であることが描写された。
『デッドプール&ウルヴァリン』の制作陣は、『LOGAN/ローガン』の結末を無駄なものにしたくはないと以前より様々な媒体で語っている。デッドプールは第四の壁を越える能力によるメタネタではなく、シリアスなムードの中でミュータントの子供たちを守って命を落とした『LOGAN/ローガン』の結末を英雄と評していた。その内容は以下の通りだ。
「俺の世界ではあんたは尊敬されている。あんたはX-MAN。間違いなくX-MANだ。ウルヴァリン。彼はヒーローだった」(In my world you’re well regarded. You were X-Man. F*** that, you were the X-Man. The Wolverine, he was a hero in my world.)
それに対するウルヴァリンの返答は、「そうか。クソじゃなかったか」(Yeah well, he aint’t s*** in mine)というものだった。これはウルヴァリンにとって自分の世界では英雄ではなかったというニュアンスが含まれていると考察でき、『デッドプール&ウルヴァリン』のウルヴァリンはどこかで道を間違え、X-MENのヒーローにならなかったアースのウルヴァリンであることを意味していると考察できる。
コミック準拠のスーツを着ていたX-MEN?
他にも『デッドプール&ウルヴァリン』のウルヴァリンがアース1005、もしくはその後のアースTRN414のウルヴァリンではない理由として、黄色のスーツの存在が挙げられることが出来る。アース1005のX-MENたちのスーツと言えば黒い合皮のスーツだ。
ウルヴァリンは一度、『ウルヴァリン:SAMURAI』(2013)で黄色いコミック準拠のスーツを着るように言われているが拒否している。更には『LOGAN/ローガン』で民家を訪れた際、子供が読んでいたX-MENのコミックを見て、X-MENはこんな派手なスーツは着ないと否定していた。それに対し、『デッドプール&ウルヴァリン』の予告編「俺の世界を救いたいんだ編」では以下のように語っている。
「スーツを着ろと言われた。ストームやビーストにも。だが俺はチームに入らなかった。遅すぎた」(Scott used to beg me to wear this suit. So Storm and Beast. But I couldn’t have em’ thinking I wanted to be there. Now it’s too late.)
この原語版で触れられているスコットとはスコット・サマーズ、つまりX-MENのリーダーのサイクロプスであると考察できる。それ以外にもストームやビーストからもスーツを着るように言われていたことから、『デッドプール&ウルヴァリン』のウルヴァリンが存在していたアースではX-MENのメンバーたちが原作コミック準拠のスーツを着ていた可能性が考察できる。
ウルヴァリンがヒーローだと知るローラ
また、『デッドプール&ウルヴァリン』のウルヴァリンは焚火を前に「俺に頼るのは大きな間違いだ」(Whoever you think I am, you got the wrong guy.)だと語っている。それに対して、『LOGAN/ローガン』に登場したローラ/X-23が「いつもそう言ってた。あの時まで」(You were always the wrong guy, till you weren’t.)と返す。
ローラ/X-23はウルヴァリンの遺伝子から生み出されたミュータントだ。ローラ/X-23を演じたダフネ・キーンはこれまで『デッドプール&ウルヴァリン』には出演しないと語ってきたが、ここにきて8年ぶりのサプライズカメオ出演となった。自分はヒーローではないと語る『デッドプール&ウルヴァリン』のウルヴァリンに対して、『LOGAN/ローガン』のローラ/X-23はウルヴァリンはヒーローであったと返す。このことから、『LOGAN/ローガン』のアースのウルヴァリンと『デッドプール&ウルヴァリン』のアースのウルヴァリンは違う人物だと考察できる。
『デッドプール&ウルヴァリン』のウルヴァリンはこれまでの20世紀FOX版「X-MEN」シリーズとは異なるアースから連れてこられた人物で、20世紀FOX版「X-MEN」シリーズのウルヴァリンのヒーローとしての偉業を触れ、何かの失敗からやり直そうとする人物になることが考察できる。そのため、20世紀FOX版のウルヴァリンでない可能性が高いといえる。自分のことをヒーローではないと卑下するウルヴァリンが、『デッドプール&ウルヴァリン』でどのような活躍をするのか期待が高まる。
『デッドプール&ウルヴァリン』は2024年7月24日(水)より全国劇場公開。
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