『デッドプール&ウルヴァリン』は『ロキ』から繋がる? TVAにあの場所も登場? 特報を考察&解説 | VG+ (バゴプラ)

『デッドプール&ウルヴァリン』は『ロキ』から繋がる? TVAにあの場所も登場? 特報を考察&解説

©2024 Marvel

『デッドプール&ウルヴァリン』と『ロキ』の繋がりは?

『デッドプール3』改め『デッドプール&ウルヴァリン(原題:Deadpool & Wolverine)』の初映像が、米時間2024年2月11日(日) に公開された。『デッドプール&ウルヴァリン』の特報は全米が注目するスーパーボウルに合わせてのお披露目となっている。

『デッドプール&ウルヴァリン』は、これまで20世紀フォックスの作品に登場していたデッドプールがMCUに合流する作品とあって、その設定にも大きな注目が集まっている。本作は、そのタイトル通り、ヒュー・ジャックマンがウルヴァリン役として復帰する作品でもある。そしてそのヒュー・ジャックマンは、『デッドプール&ウルヴァリン』で過去作との矛盾は生じない旨の発信をしていた。

旧シリーズのファンもMCUファンも注目していた「デッドプール」3作目だが、初の予告編で重大な設定が明かされることになった。それは、デッドプールを引退したウェイド・ウィルソンの元にTVAがやってくるというものだ。

『ロキ』からTVA登場

TVAはドラマ『ロキ』(2021-) に登場した組織で、正式名称を“時間変異取締局”という。元は31世紀の科学者で、タイムトラベルを実現した在り続ける者が作り上げた組織で、分岐するタイムラインを“神聖時間軸”と呼ばれる時間軸に統一する役目を担っていた。

MCUにおけるタイムラインは、誰かが未来を変えるような予定外の行動に出ても未来が変わるわけではなく、ただ別の時間軸へと分岐していく。これは、映画『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019) でエンシェント・ワンがタイムトラベルしてきたハルクに語った通りだ。在り続ける者は、かつて別の時間軸の自分と戦争を起こしてしまい、それを防ぐためにTVAを使って分岐する時間軸を“剪定”していたのである。

映画『デッドプール&ウルヴァリン』の予告編では、冒頭でTVAの実働部隊であるミニットメンがデッドプールを迎えにくると、オレンジ色のタイムドアを通してデッドプールをTVA本部へ連行してしまう。ミニットメンは時間軸を分岐させる行動を起こした“変異体”を剪定できるタイムスティックも持っているが、ユニフォームはドラマ『ロキ』と異なる装いとなっている。

そしてデッドプールが連れてこられた先に待っているのがパラドックスという人物だ。パラドックスは原作コミックのMr.パラドックスをベースにしたキャラクターだと考えられる。『ロキ』の方にはドックス将軍というキャラクターが登場しており、ドックスがMr.パラドックスのMCU版と見る向きもあったが、『デッドプール&ウルヴァリン』で正式に登場することになったようだ。

『ロキ』シーズン2後のTVA?

気になるのは、TVA本部という『ロキ』と同じ舞台でありながら、『ロキ』に登場していない人々がそこにいること。TVAに連れて行かれて任務を担うという話の流れは『ロキ』そのものだが、ミニット面の服もそこにいる面子も見覚えのないものになっていることから、『デッドプール&ウルヴァリン』に登場するTVAは『ロキ』シーズン2後の新しいTVAである可能性が考えられる。

ここから先の考察は、『ロキ』シーズン2の結末に関するネタバレを含むので、未視聴の方は注意していただきたい。

ネタバレ注意
以下の内容は、ドラマ『ロキ』シーズン2の結末に関するネタバレを含みます。

ドラマ『ロキ』シーズン2のラストでは、ロキが自らを犠牲にして全てのタイムラインを生かし続けることを選んだ。マルチバースを司るユグドラシルの樹の幹となって、ロキがそこに“在り続ける”ことで誰も剪定されずに済むようになったのだ。変異体を剪定するという仕事を担っていたTVAは、征服者カーン等、在り続ける者の変異体を狩る組織へと生まれ変わっている。

また、メビウスもTVAを退職しているため、パラドックスはメビウスの後任の職員だと考えられる。ロキは直接指示を出すわけではないだろうが、TVAがかつてロキに救われたことから、時を駆ける救世主に手を借りるという文化が育っていても納得はいく。

そうなると、TVAは無制限に増殖するカーン狩りか、他の問題についてデッドプールの力を借りようと考えたという考察が成り立つ。デッドプールには、映画『デッドプール2』(2018) でケーブルがタイムトラベルしてきた事件を解決したという“実績”はあるが、TVAもさすがにロキという“前例”があったからこそデッドプールを引き入れる決断をしたのではないだろうか。

あの場所は…

ところが、『デッドプール&ウルヴァリン』特報予告の後半では、ミニッツメン相手に戦うデッドプールの姿も見られる。TVAに用意してもらったと思われるスーツを着用し、TVAのエレベーターから現れたデッドプールだったが、そのあとはミニッツメンにナイフを投げるわ、刀で切り捨てるわの大暴れ。ミニッツメンも相手を剪定できるタイムスティックを持ってデッドプールに対峙している。

なんらかの経緯でデッドプールとTVAは対立することになるのだろう。この考察に説得力を与えるのは、特報予告の1分44秒あたりに映る映像だ。ミニッツメンの一人が紫色の煙にさらわれるシーンが確認できる。ミニッツメンの怯え方や連れ去られ方からして、巨大な敵が存在していることが予想できる。

“紫色の煙”で思い出すのは『ロキ』シーズン1に登場したアライオスである。アライオスは、かつて在り続ける者が手懐けてマルチバース間の戦争を終結に導いた怪物であり、剪定された者が飛ばされる時の終わり=虚無に棲息していた。巨大な龍のような顔を持っているが、身体は紫色の煙でできている。アライオスはクラシック・ロキによって倒されたはずだが、生き延びていたのかもしれない。

『ロキ』シーズン2のラストでは、虚無に飛ばされたラヴォーナ・レンスレイヤーが紫の光を浴びるシーンが挿入されていた。これはアライオスの光だと考えられ、やはりアライオスが生きていたことが示唆されている。

デッドプールが虚無に来たのだとすれば、デッドプールはTVAと対立し、ミニッツメンに剪定されたと考えることができる。今はなき20世紀フォックスの巨大なロゴが朽ち果てているシーンもあるが、これもまた20世紀フォックスが虚無に捨てられたというネタなのではないだろうか。

この場所が虚無であり、時系列的に『ロキ』シーズン2の後の話なのだとすれば、虚無にはレンスレイヤーやミス・ミニッツもいるはずだ。デッドプールと彼女らが合流したら相当厄介なことになりそう。願わくば、早速ロキに登場してもろて事態を収集してほしいところだが、果たして……。

映画『デッドプール&ウルヴァリン』は2024年7月26日(金) より日米同時公開。

 

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『ロキ』シーズン2が最新の時系列に据えられたMCU最新のタイムラインの解説はこちらの記事で。

『ロキ』シーズン2最終話の解説&考察はこちらから。

 

『デッドプール&ウルヴァリン』にてウルヴァリンにフィーチャーした新予告編が公開された。詳しくはこちらから。

『デッドプール&ウルヴァリン』のヴィランについての考察と予想はこちらから。

『デッドプール&ウルヴァリン』と旧「X-MEN」シリーズの繋がりについての考察はこちらから。

『デッドプール3』のタイトル変更についての考察はこちらの記事で。

ウルヴァリンが登場した過去作品のおさらいはこちらの記事で。

マシュー・ヴォーン監督は「デッドプールはMCUの世界を救おうとしている」と発言した。詳しくはこちらの記事で。

ヒュー・ジャックマンが語った『デッドプール&ウルヴァリン』の時系列はこちらから。

ヒュー・ジャックマンが明かしたウルヴァリン役復帰の経緯はこちらから。

本作に登場する“ドッグプール”についてはこちらの記事で。

齋藤 隼飛

社会保障/労働経済学を学んだ後、アメリカはカリフォルニア州で4年間、教育業に従事。アメリカではマネジメントを学ぶ。名前の由来は仮面ライダー2号。編著書に『プラットフォーム新時代 ブロックチェーンか、協同組合か』(社会評論社)。
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