ネタバレ! ピーターのあのセリフはアドリブだった『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』 | VG+ (バゴプラ)

ネタバレ! ピーターのあのセリフはアドリブだった『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』

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『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』観た?

2022年1月7日(金)より日本全国で劇場公開が始まった『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』は、公開4日目で観客動員100万人を突破。全世界累計興行収入は15億ドルを超え、『アベンジャーズ』(2012) を上回り第8位にランクインした。

『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』では過去の「スパイダーマン」シリーズからヴィラン達が集結。それもサム・ライミ監督版「スパイダーマン」とマーク・ウェブ監督版「アメイジング・スパイダーマン」というソニー印のシリーズとのコラボレーションとあって、大きな注目を集めている。

そんな中、本作中のピーター・パーカーのある印象的なセリフが、アドリブだったことが明かされた。以下の内容は『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』の内容に関する重大なネタバレを含むので、必ず本編を鑑賞してから読んでいただきたい。

ネタバレ注意
以下の内容は、映画『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』の内容に関する重大なネタバレを含みます。

あのピーター

『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』を観た方なら「どのピーターのどのセリフ?」と疑問に思われることだろう。そのピーター・パーカーとは、アンドリュー・ガーフィールドが演じる「アメイジング・スパイダーマン」から登場したピーター・パーカーだ。

ドクター・ストレンジのリングを使い、ネッドが別ユニバースから呼び寄せたアンドリュー・ガーフィールド演じるピーター・パーカーと、トビー・マグワイア演じるピーター・パーカーは、MCUのトム・ホランド演じるピーター・パーカーに助言を与え、共闘する。これまでの経験を踏まえ、より若いピーターに寄り添う二人の姿は印象的だった。

孤独に戦ってきた二人のスパイダーマンは、自由の女神でスタンバイする間、「スパイダーマン」の“内輪ネタ”で観客を楽しませてくれる。まずはトビー・マグワイアの“腰痛ネタ”。トビーは『スパイダーマン2』(2004) の際に腰痛が理由で降板するという噂が何度も立っていた。

腰痛を理由にギャラの増額を求めているという噂も立つなど、SNSの発達していない当時はとにかくパパラッチやメディアにネガティブなイメージを拡散されていたトビー・マグワイア。『ノー・ウェイ・ホーム』ではそれをネタにすると共に、もう一人のピーターであるアンドリュー・ガーフィールドがその問題に親身に寄り添い、腰を伸ばしてあげることで、この問題を“成仏”させている。

また、トビー・マグワイア版のスパイダーマンは唯一ウェブ・シューターを使わず、手首から直接糸を出せることにも言及。これは「高校生がウェブ・シューターを作れるわけがない」と考えたサム・ライミ監督によるオリジナル設定だった。コミックファンも含めてこの設定には賛否があったが、こちらもアンドリュー・ガーフィールドがリスペクトを込めて羨ましがることで昇華させている。

アドリブだったのは、あのセリフ

そして、この後のシーンでは、単独行動が主だった二人のピーターに対して、トム・ホランド版ピーターが自分はアベンジャーズとチームで活動していたと主張する。アンドリュー・ガーフィールドはここでも「アベンジャーズって? バンド?」と笑わせてくれる。これは『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018) でアベンジャーズが解散したと言うトニー・スタークにブルース・バナーが「解散した? バンドみたいに?」と問いかける場面を想起させる。

そして、アンドリュー・ガーフィールドが米Varietyに明かした即興のセリフはこの直後のシーンだ。トム・ホランドのピーター・パーカーとトビー・マグワイアのピーター・パーカーの肩に手をかけたアンドリュー・ガーフィールドのピーター・パーカーは、二人に「愛してる(I love you guys)」と告げる。トビー・マグワイアのとトム・ホランドのピーターは戸惑いながらも「ありがとう」と答えるのだが、実はこのシーンはアドリブだったのだという。

アンドリュー・ガーフィールドは以下のように話している。

劇中に私が即興で作ったセリフがあります。(トビーとトムを)見つめて、彼らを愛してるって言うんです。あれは私がただ彼らを愛していたから言っただけなんです。

あの自由の女神での「愛してる」のセリフが台本にあったものではなく、アンドリュー・ガーフィールドのアドリブで発されたセリフだったことを明かしている。このシーンのアンドリュー・ガーフィールドは慌てて二人を引き止めており、カメラも彼の顔にズームアップするなど非常に自然なシーンになっている。アンドリュー・ガーフィールドのアドリブに合わせた二人の演技も流石である。

アンドリュー・ガーフィールドは、当初は三部作として契約していた「アメイジング・スパイダーマン」シリーズの打ち切りについて「またファンに戻れることを嬉しく思っていた」と語っており、兼ねてからスパイダーマンファンだったことを明かしている。『ノー・ウェイ・ホーム』のオファーを受けた感想としては、「スパイダーマンファンとしては、3人のスパイダーマンを同じ画の中で見られるというアイデアだけで十分」とも話している。

三人のピーターの中ではどちらかというと“ファン寄り”の発言をしているアンドリュー・ガーフィールド。再びスパイダーマンを演じることにも意欲を見せており、一度は幻となった『アメイジング・スパイダーマン3』の製作にも期待が高まっている。

アンドリュー・ガーフィールドがスパイダーマン再演への意欲を見せたコメントはこちらの記事で。

愛してる——シンプルだが、それがアンドリュー・ガーフィールドの口からとっさに出た“本心”だったのだろう。三人の共演とアメイジング・スパイダーマンを再び拝める日を楽しみ待とう。

映画『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』は2022年1月7日(金) より、日本全国の劇場で公開中。

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Source
Variety

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『ノー・ウェイ・ホーム』エンディングからミッドクレジット、ポストクレジットの解説はこちらの記事で。

『ノー・ウェイ・ホーム』の終わり方を受けたスパイダーマン達とその他のキャラクターの今後については、こちらの記事で考察している。

MJとピーターの最後の会話に関するマーベル公式の解説と、トム・ホランドとゼンデイヤの見解はこちらの記事で。

他のユニバースのスパイダーマンとは異なるピーターを噛んだクモについての考察はこちらの記事で。

脚本家が語ったヴェノム登場の意味はこちらの記事で。

脚本家が解説した『ノー・ウェイ・ホーム』ラストの意図はこちらの記事で。

『ノー・ウェイ・ホーム』に登場したあの弁護士についての解説はこちらから。

トム・ホランドとゼンデイヤが語ったトビー・マグワイアとアンドリュー・ガーフィールドとの共演エピソードはこちらから。

MCU「スパイダーマン」は新たな三部作が製作される予定がある。詳しくはこちらから。

ネッドのこれまでの活躍と原作コミックでの設定はこちらの記事にまとめている。

齋藤 隼飛

社会保障/労働経済学を学んだ後、アメリカはカリフォルニア州で4年間、教育業に従事。アメリカではマネジメントを学ぶ。名前の由来は仮面ライダー2号。 訳書に『デッドプール 30th Anniversary Book』『ホークアイ オフィシャルガイド』『スパイダーマン:スパイダーバース オフィシャルガイド』『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース オフィシャルガイド』(KADOKAWA)。正井編『大阪SFアンソロジー:OSAKA2045』の編集担当、編書に『野球SF傑作選 ベストナイン2024』(Kaguya Books)。
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