『ドクター・ストレンジ MoM』公開
MCU映画最新作『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』が2022年5月4日(水・祝) より日本で世界最速公開。米国でも米時間5月6日(金) に遂に公開となった。「ドクター・ストレンジ」シリーズの二作目にあたる『マルチバース・オブ・マッドネス』だが、ドラマ『ワンダヴィジョン』(2021) から直接つながる物語がその特徴だ。
25歳の時からMCUでワンダ・マキシモフを演じてきたエリザベス・オルセンが、再びマーベル最強キャラを演じる。ラストでは衝撃的な展開が待っていたが、今後、エリザベス・オルセンがワンダを再び演じることはあるのだろうか。
以下の内容は、映画『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』の結末に関する重大なネタバレを含むので、必ず本編を劇場で鑑賞してから読んでいただきたい。
以下の内容は、映画『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』の結末と、ドラマ『ワンダヴィジョン』の内容に関するネタバレを含みます。
ワンダはどうなった?
『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』のラストでは、アメリカ・チャベスの力を奪って別のユニバースに行き、ビリーとトミーと暮らそうとしていたワンダが、それが過ちだと気づく。あらゆるユニバースのダーク・ホールドを燃やしたワンダは、最後のダーク・ホールド=原本であるワンダゴア山を破壊する。
ワンダは崩れゆく山の下敷きになったが、これくらいで死ぬワンダではないだろう。当然この先も登場すると願いたい、というか、是が非でも幸せになってもらわないと割が合わない。ワンダがかわいそうすぎる。
ドクター・ストレンジは第三の目を得て、ミッドクレジットシーンで新たなパートナーになると思われるクレアと出会いを果たした。気になるのはワンダがどうなるのか、ということである。
エリザベス・オルセンが語る
ワンダ役を演じたエリザベス・オルセンは、米CinemaBlendで、今回『マルチバース・オブ・マッドネス』が「X-MEN」シリーズとのコネクションを見せたことで、MCUのワンダが新しい方向に進んでいく可能性について聞かれ、以下のように語っている。
それを言われてワクワクしてきました! この映画の後、どうなるのかは私には分かりません。本当に知らないんです。私はファンが何を望み、どんなアイデアがあるのかを知りたいです。ただ、今言われたようにX-MENを登場させるなら、私はそこに参加したいです! 実際の計画はまだありません。いずれケヴィン(・ファイギ)とその話をするのがとても楽しみです。
エリザベス・オルセンは、この先の契約はまだないことを示唆しつつ、今回でワンダの出番が終わりではないことも示唆している。注目したいのは「ファンが何を望むか」を知りたがっているという点だ。
ワンダに幸せになってほしいという声はドラマ『ワンダヴィジョン』の時から存在していたが、『ワンダヴィジョン』と『マルチバース・オブ・マッドネス』はセットで製作されており、この結末は当初から予定されていたものだったのだろう。一旦ワンダの物語が“白紙”となった今が、ファンの意見を届ける絶好のチャンスなのかもしれない。ワンダにどうなってほしいか、なるべく大きな声で言っていこう。
また、エリザベス・オルセンは米Extraでも『マルチバース・オブ・マッドネス』のラストと今後について語っている。ニューヨークでのプレミアに登場したオルセンは、以下のように話している。
私たちはこれまで、このキャラクターで様々なことをやり、様々な物語を展開してきたので、この映画でも進化を続け、ファンの皆さんが見たことのない姿を演じたいと思ったんです。8年間の旅路でしたから、何かワクワクすることができればと。
この映画のラストに何が起こるかというのは、いくつかのバージョンがあり得ると思います。彼女が次にどうなるかについては、彼女のことを最も理解しているファンの皆さんの声を聞きたいです。
「X-MEN」との合流も?
そして、エリザベス・オルセンの発言の二つ目の注目ポイントは、「X-MEN」シリーズとの合流というアイデアに前向きな姿勢を見せていることだ。原作コミックでは、ワンダは元々「X-MEN」のキャラクター。ミュータントであり、父はマグニートーだ。
「X-MEN」シリーズは、映画化の権利を持っていた旧20世紀フォックスが2000年から映画シリーズを展開してきた。2019年にマーベル・スタジオの親会社であるディズニーが20世紀フォックスを買収し、社名が20世紀スタジオに変更されると共に、マーベル・スタジオが「X-MEN」シリーズを製作することが可能になった。買収に伴い、ディズニーCEOのボブ・アイガーは将来的に「X-MEN」シリーズの製作をマーベル・スタジオが引き継ぐことを認めている。
今回、『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』では、X-MENのリーダーであるプロフェッサーXが復活。旧映画シリーズと同じパトリック・スチュワートが演じるサプライズが待っていた。同時に、あくまで別ユニバースの存在ということだったが、MCUで初めてミュータントの存在が認められることになった。
また、エリザベス・オルセンが、いずれマーベル・スタジオ社長のケヴィン・ファイギと話をしたいと述べた点もポイントだ。ケヴィン・ファイギは映画人としてのキャリアを2000年公開の映画『X-メン』での製作助手からスタートさせており、『X-MEN2』(2003) では共同製作、『X-MEN:ファイナル ディシジョン』(2006) では製作総指揮を務め、キャリアを積み重ねてきた人物だ。
ケヴィン・ファイギは、『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』(2021) では、キャリアの中で『X-メン』の次に携わった「スパイダーマン」三部作を合流させ、『マルチバース・オブ・マッドネス』では同三部作を手掛けたサム・ライミ監督を起用。自身が携わった過去作とのコラボを加速させている。
また、ケヴィン・ファイギはマーベル・スタジオが2032年までの計画を進めていることも明かしている。MCU版「X-MEN」シリーズでのワンダの再登場もあり得ない話ではないだろう。
「会いたいのはピエトロ」
更に、米Twitter Moviesに登場したエリザベス・オルセンは、ファンから寄せられた質問に回答。「マルチバースで誰に会いたいか」を聞かれ、「別バージョンのピエトロです。楽しくなりそう」と短く回答している。ちなみにエリザベス・オルセンは英語で「different version of my b- Petro」と言っており、「ピエトロ」を「私の兄弟」と言いかけたように聞こえる。
https://t.co/zk4OkV2Ook pic.twitter.com/8TQeQe5efH
— Twitter Movies (@TwitterMovies) May 5, 2022
ピエトロは映画『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』(2015) でワンダの双子の兄として登場。別名はクイックシルバーで、MCU版はアーロン・テイラー=ジョンソンが演じたが、20世紀フォックス版の「X-MEN」シリーズではエヴァン・ピーターズが演じていた。
状況が変わったのはドラマ『ワンダヴィジョン』でのこと。ワンダが作り出したヘックスの中で、死んだはずの兄ピエトロが、エヴァン・ピーターズが演じる姿で登場したのだ。旧「X-MEN」シリーズとMCUの一大クロスオーバーになると期待されたが、ヘックスが解除された後にラルフ・ボーナーという名の無関係の青年だったことが明かされた。
『ワンダヴィジョン』の展開は、期待させて落とす手法にファンからは不満の声も上がったが、今回エリザベス・オルセンは「別バージョンのピエトロ」に会いたいと発言。『マルチバース・オブ・マッドネス』ではパトリック・スチュワートがプロフェッサーXを演じたが、エヴァン・ピーターズ演じるピエトロが本当に登場すれば、『ワンダヴィジョン』の雪辱になる。
“偽トロ”ことラルフ・ボーナーが何者だったのか、その後どうなったのかは描かれていない。ヴィジョンについては、S.W.O.R.D.が生み出した人口のホワイト・ヴィジョンがMCU世界のどこかにいる。ワンダはこれまで、両親、ピエトロ、ヴィジョン、ビリー&トミーと、全ての家族を失った。『マルチバース・オブ・マッドネス』ではビリーとトミーへの想いに焦点が当てられたが、この先のシリーズではピエトロやヴィジョンの再登場にも期待したい。
なお、ドクター・ストレンジを演じたベネディクト・カンバーバッチは、同じく「マルチバースで誰に会いたいか」を聞かれ、「喋るイルカ」と答えている……。
https://t.co/zk4OkV2Ook pic.twitter.com/WqSQPCLT98
— Twitter Movies (@TwitterMovies) May 5, 2022
映画『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』は、2022年5月4日(祝・水)より劇場公開。
『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』公式サイト
脚本家は『ワンダヴィジョン』との矛盾とワンダのラストについて答えている。詳しくはこちらから。
Source
CinemaBlend / Twitter Movies / Extra
ベネディクト・カンバーバッチが今後について語った内容と次作についての考察はこちらから。
パトリック・スチュワートがプロフェッサーXの再演と今後について語った内容はこちらから。
本作における映画『X-MEN:フューチャー&パスト』からのオマージュと共通点の解説はこちらの記事で。
『マルチバース・オブ・マッドネス』ラストとポストクレジットシーンのネタバレ解説はこちらの記事で。
アース838におけるイルミナティのメンバー6名の紹介はこちらから。
侵略者カーンが登場しなかった理由について脚本家が語った内容はこちらの記事で。
エリザベス・オルセンが”ワンダの強さ”について語った内容はこちらから。
マーベル・スタジオ社長のケヴィン・ファイギが明かした“マルチバース化の犯人”はこちらから。
本作におけるドクター・ストレンジの変化についての解説はこちらから。
ドクター・ストレンジとワンダのこれまでの道のりについてはこちらの記事で。
【ネタバレ注意】ドラマ『ムーンナイト』最終話の解説はこちらから。
【ネタバレ注意】『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』ラストの徹底解説はこちらの記事で。