第3話ネタバレ解説『シークレット・インベージョン』電話の声は…? 食事にも意味が 徹底考察 | VG+ (バゴプラ)

第3話ネタバレ解説『シークレット・インベージョン』電話の声は…? 食事にも意味が 徹底考察

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『シークレット・インベージョン』第3話はどうなった?

ドラマ『シークレット・インベージョン』はMCUドラマ最新作。『シー・ハルク:ザ・アトーニー』(2022) 以来約1年ぶりの新作ドラマで、元S.H.I.E.L.D.長官のニック・フューリーを主人公に据えた作品だ。映画『キャプテン・マーベル』(2019) で初めて地球を訪れたスクラル人たちによる地球侵略の危機にニック・フューリーとタロスらが立ち向かう。

『シークレット・インベージョンズ』もあっという間に全6話中の折り返し地点にあたる第3話に突入。第3話は前半戦のラストでもあり、ここから大きく物語が動き出していくことを予感させる。今回は『シークレット・インベージョンズ』第3話の各シーンをネタバレありで解説していこう。

以下の内容は本編のネタバレを含むため、必ずDisney+で本編を鑑賞してから読んでいただきたい。

ネタバレ注意
以下の内容は、ドラマ『シークレット・インベージョン』第3話の内容に関するネタバレを含みます。

ドラマ『シークレット・インベージョン』第3話「裏切り」ネタバレ解説

スーパースクラルとは

ドラマ『シークレット・インベージョン』第3話は約40分と短めに。タイトルは「裏切り」だが、一体誰が誰に裏切りを働くのだろうか。第2話では、ニック・フューリーはローディに米政府からのクビを言い渡され、プリシラという名のスクラル人のパートナーが待つ家に帰ったところで幕を閉じた。職場を追い出され、ホームへ帰ったフューリーは次にどんな行動に出るのだろうか。

『シークレット・インベージョン』第3話はキリアン・スコット演じるペイゴンがチームを率いるシーンから始まる。サミュエル・アデウンミ演じる気弱そうな青年ビト第1話でニュー・スクラロスにやってきてガイアに迎え入れられた新入りだ。グラヴィクの一派に加わるなり戦争を起こそうとしている状況に困惑している。イギリス海軍士官の極秘ファイルを持って、三人は特殊な任務に挑むことになる。

初めはガイアによって理想郷としてニュー・スクラロスに迎え入れられたビトだったが、管轄はペイゴンへと移り、危険な任務に投入されようとしている。人間界での迫害から逃れてきたにもかかわらず、更なる危険に晒されようとしているビトが、今後の展開においてキーパーソンになるかもしれない。

一方、第2話でスクラルの新将軍となったグラヴィクは、グルートなどのDNAを用いた実験室に評議会のメンバーを呼び出していた。英海軍に工作員の三人を送り込み、国連を標的にした攻撃を加え、ヒーローたちを誘き寄せる、そこでスーパーパワーを得たスクラルが対抗するというのがグラヴィクの作戦だ。

今の状態のスクラル人たちはスーパーパワーまで擬態することができない。故に人間の間で問題が起きても、スーパーヒーローたちがそれを制圧してしまえば混乱は収束してしまう。人類同士の戦争を起こさせるには、スーパーヒーロー間にも対立をもたらす必要があった。グラヴィクの対アベンジャーズの秘策はスクラルがスーパーパワーを使えるようになることであり、“スーパースクラル人”を生み出すことだった。

ついに登場した「スーパースクラル」という言葉。スーパースクラル人は原作コミックにも登場する。ファンタスティック・フォーの敵として登場し、ファンタスティック・フォーの4人全員の力を使いこなした。ゲーム『MARVEL VS. CAPCOM 3』(2011) ではプレイアブルキャラクターとして登場する。

この個体はクラートという名前だったが、その後もスーパーパワーを擬態できる複数のスーパースクラルがコミックには登場しており、本作の原作コミックである『シークレット・インベージョン』ではイルミナティがスーパーヒーローに擬態したスーパースクラルと戦うことになる。

グラヴィクの計画は1週間で地球が戦争に突入し、地球人が殺しあっている隙をついて地球の征服を完了するというもの。第3話ではその前段階として、イギリスが国連を攻撃して争いを起こすという作戦が描かれる。英国首相がスクラル人なのでやりやすいのだろうが、第2話まででアメリカを孤立させた展開は一旦脇に置いておくようだ。

プリシラの本音

オープニングの後、舞台は1998年のニューヨークへと戻る。スクラルが地球にやって来たのが1995年、ニック・フューリーが20人のスクラル人をスパイとしてロンドンに招いたのが1997年。それから1年後ということになる。

ハンバーガーショップでコーヒーを頼んだ若い頃のフューリーはヴァーラと合流。ヴァーラは第2話でグラヴィクをフューリーのもとに連れてきたスクラル人だ。演じているのはシャーレイン・ウッダードであり、フューリーのパートナーだったプリシラの正体がヴァーラだったことが明らかになっている。

ヴァーラはドレイコフの手下を追い込むための情報をフューリーに渡している。ドレイコフとは、映画『ブラックウィドウ』(2021) に登場したヴィランだ。ドレイコフはスパイ養成機関のレッドルームを運営していた人物で、少女たちを洗脳し、スパイとして訓練していた。

ナターシャ・ロマノフもレッドルームで育てられたブラック・ウィドウの一人だったが、任務中にS.H.I.E.L.D.のホークアイことクリント・バートンからリクルートされてS.H.I.E.L.D.に移ることになる。ナターシャは1995年までオハイオ州で擬似家族として生活しており、1998年時点のフューリーはナターシャのことは知る由もないだろうが、この時からドレイコフのことを追っていたことが明らかになった。

ヴァーラはフューリーと関係を結ぼうとしており、フューリーは上司と部下という関係から一度は拒むものの、ヴァーラが主張した自分たちは存在しない部隊だという理屈を受け入れ、二人は共に過ごすことを選んだようだ。

そして現代に戻り、フューリーはプリシラという人間名で生きるヴァーラと共に過ごしている。テレビで「第三次世界大戦が起こりそう」と煽っているのは、グラヴィクの配下にいるクリス・スターンズだ。先ほどのラボでグラヴィクが話した通りに動いているところを見ると忠誠心の高さが窺える。

卵の固さについて、半熟か固ゆでか聞かれて「ポーチドエッグ」と答えている。ポーチドエッグはお湯の中に卵の中身を直接落として茹でる調理法で、アメリカの伝統料理であるエッグベネディクトで使われる。この時にフューリーが作っていたのもおそらくエッグベネディクトであり、イギリスで暮らすパートナーにもアメリカ流を貫くフューリーの画の強さが垣間見える。プリシラの「宇宙では料理の仕方も変わるんだね」という言葉は皮肉だろう。

プリシラ/ヴァーラは、フューリーが長く姿を消していたことに不満を見せ、留守の間にグラヴィクと連絡していたか、「今の君は何者か」と聞かれると、フューリーの留守について語り始める。『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018) でのサノスの指パッチンでフューリーが姿を消した後、『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019) でフューリーは戻ってきたが、その直後からS.A.B.E.R.宇宙ステーションへ行ってしまい、プリシラの前から二度も姿を消している。

ちなみに「一度は未亡人になった。あなたを思って毎晩枕を濡らした」というプリシラのセリフは、英語で「I became a widow in your absence. I wept on your pillow every night.」と韻を踏んでいる。傷心を癒そうと思っていたプリシラの前から、今度は自ら姿を消したフューリーに対し、プリシラは「私は私に戻った」と「何者か」というフューリーの問いに答えるのだった。

プリセラは、存在していないかのように扱われたことに怒っている。MCUの歴史の中で1995年から存在していたはずのスクラルが近年まで全く触れられなかったことは、少々無理のある設定でもある。しかし、『シークレット・インベージョン』では、「いなかったことにされていた」というスクラルの状況を逆手にとり、スクラルの人々がフューリーに抱く怒りを物語の原動力にしているのだ。

フューリーの前で電話に出るプリシラは、何かを隠している様子。映画界ではApple製品を使っていれば悪役ではないという都市伝説があるのだが、プリシラはHUAWEIかどこかの折りたたみ式スマホを使っている。フューリーはそのスマホをじっと見つめるのだった。今回は携帯電話がキーアイテムになっている。

ガイア・グラヴィク・タロスの動き

グラヴィクは第2話で隠れ家の情報が漏れた件でガイアを疑っていた。グラヴィクはブローガンを始末したが、ガイアとペイゴン、ビト以外に隠れ家を知る者はいないというのだ。ではなぜブローガンを始末したのだろうか。そこには他のメンバーに対する見せしめの意味もあったのかもしれない。裏切れば始末されるということを知っているガイアはなんとか言い逃れをしてこの場を乗り切っている。

グラヴィクとガイアはタロスとの交渉へ向かう。その車中で電話に出たグラヴィクは、「22時に国連の航空機がネプチューンの座標に入る」という情報を話す。これは明らかにガイアに聞こえるように話しており、この情報が漏れた場合はガイアが裏切り者であることを確信できるという罠だったのだろう。ガイアはまんまとその情報を安物の携帯にメモし、タロス側に情報を提供しようとしていた。

そしてグラヴィクとタロスがついに対面。二人が会っているのはロンドンにあるナショナル・ポートレート・ギャラリーで、実際に飾られているジェイムズ・ガスリーの絵画「第1次世界大戦の政治家たち」を見ている。この時のグラヴィクは妙なテンションで、グラヴィクにとってタロスが特別な存在であることを物語っている。幼くして戦争で両親を失ったグラヴィクとっては、タロスは父のような存在であり、自分を証明したい相手なのだろう。

交渉の席についたグラヴィクは、コーヒーに大量の砂糖を入れている。第1話でも自分の基地でコーヒーに大量の砂糖を入れていたが、ここではその理由を「エスプレッソ入りの砂糖がいい」と話している。最初は少数だったが、やがて人類を侵食しようとしているスクラルの比喩のようにも聞こえる。

グラヴィクはあくまで“評議会に選ばれた将軍”としてタロスに相対している。マウントを取るのに必死になっている印象すら感じる。グラヴィクが一度ガイアの名前を挙げるとタロスは怒りを露わにするが、そこでこのカフェにいる人々が店員も含めて皆スクラル人だったことが明らかになる。グラヴィクが着実に兵を揃えていること、スクラルが社会に浸透していることを印象付けると共に、老いたかつての将軍に味方はいないということを示す展開だ。

殺し合いを続ける人類を加速させるだけだというグラヴィクに対し、タロスは共通の敵に対する人類の結束力を甘く見ないように忠告する。これは『エンドゲーム』においてアベンジャーズがアッセンブルした時のことを言っているのだろう。まぁ、裏を返せば共通の敵が現れなければ結束できないのが地球人なのだが……。

一方でタロスは人類を信じてもいて、良いスクラル人と悪いスクラル人がいるということを人類は認識できると自信を見せている。グラヴィクとタロスの違いはやはり、人類に助けられた経験があるかないかの違いなのだろう。

再びガイアの名前を挙げたグラヴィクに対し、タロスはグラヴィクの手にナイフを突き刺して交渉は決裂する。だが、タロスが去った後、グラヴィクはナイフを刺された手を“エクストリミス”の力で修復してみせる。

エクストリミスは『アイアンマン3』(2013) で紹介された人体の生体電位をコントロールする技術で、人体を再生することもできる。第2話ではスクラルがエクストリミスのDNAを手に入れたことが明かされていた。グラヴィクは既にスーパースクラルになっていたのだ。

タロスは外に出ると、肩がぶつかった老人から携帯電話を拾って返される。この老人の正体はガイアだ。タロスは外にガイアがいることをグラヴィクから聞いていたので、ガイアが老人に擬態して情報を渡そうとしていることを瞬時に理解したのだろう。あるいは、後にタロスが「母を手本にしたのさ」と語った通り、かつてガイアの母であるソレンとも同じ方法を使っていたのかもしれない。

直後に建物から出てきたグラヴィクの前をガイアが擬態した老人が駆け足で去っていくが、これはガイアが車で待っていないとグラヴィクに疑われるからだ。隠れ家の場所がバレた際にも、グラヴィクは作戦時に車で待っていたガイアのことを疑っていた。やはりグラヴィクはこの場にガイアを連れてくる必要はほとんどなく、ガイアに情報を与えて同じシチュエーションを作ることで、ガイアが裏切り者であることを確認しようとしていたように思える。

イギリス料理をディスるフューリー

国連の航空機が狙われるという情報を得たタロスは、伝統的なイングリッシュ・ブレックファストを食べている。トースト、タマゴ、ベーコンに焼いたトマトやマッシュルームなどを添えるプレートで、先ほどアメリカの伝統的な朝食を作っていたフューリーは「犬の餌のプレート」と盛大にイギリス料理をディスっている。

このフューリーの自分が正しい、自分たちのものがナンバーワンだと言わんばかりの横柄さはアメリカ合衆国という国を象徴しているようでもある。年老いたフューリーが周囲から指摘される問題点と、アメリカ人/アメリカ政府の問題点はここからクロスして描かれていくことになる。

第2話で「他の種族を受け入れる余裕など残ってない」とタロスを突き放したフューリーは、タロスからちゃんと言葉にして助けを求めるよう言われ、ついに「助けてほしい」と口にする。ニック・フューリーといえば、少ないセリフで周りに意図を汲み取らせてきた印象だ。映画上の演出でもあったのだろうが、組織で上り詰めて周りに忖度させる癖がついた高齢者男性が職を失い、味方を失い、それまでのやり方が通用しない状況に遭遇する、フューリーはそこからの変化を経験していくことになる。

グラヴィクが言っていた「ネプチューン」というのは英国の潜水艦であることをフューリーは指摘する。イギリスの諜報機関で働くソーニャに電話をかけたフューリーは、フクロウの置物のホーちゃん(英語ではHoot)に発信装置をつけたことで怒られるが、ソーニャは左目に発信装置がつけられたこの置物に眼帯をつけて、新しく「ニコラス・フューリー」という名前を与えている。ニコラス・フューリーはニック・フューリーを省略せずに呼んだ名前である。

ソーニャは前回精肉店で拷問をしたことが外部に漏れたようで身動きが取りづらく、フューリーには司令官であるロバート・フェアバンクス准将の写真と住所を提供する。名前を聞いた時にフューリーが「ボブか」と言っているが、「ボブ」は「ロバート」の一般的な略称である。

歴史を書き換えるな

犬を散歩する人間を見て、異種間の間で一方がウンコを片付けるのはおかしいと訴えるタロスに、フューリーが「私はあんたのを30年片づけてる」と反論すると、ここからタロスの反撃が始まる。タロスはスクラルの私設スパイ20人からの情報を利用してS.H.I.E.L.D.で昇進していったフューリーに対し、「賢く有能」であることを認めながら、タロスの貢献を認めるように主張する。「歴史を書き換えるな」と。

これはドラマ『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』(2021) でも触れられた、アメリカ黒人の歴史的な貢献を捨象しようとする白人社会へのメタ的な批判ともとることができる。今度はアメリカ黒人であるフューリーがこの批判の対象になることで、様々なマイノリティ——アメリカという国が搾取してきた小国や少数民族、性的少数者など——にまで対象を広げて、そうした人々を「いなかったことにして歴史修正するな」という主張が示されているように思える。

二人はロバート・フェアバンクス准将の自宅に到着。タロスは准将に擬態して家に忍びこもうとするもあっさりバレてしまい、フューリーは容赦なくスクラル人の護衛達を撃ち殺していく。人間に擬態したスクラル人は死ねば元の姿に戻るので、殺すとスクラル人だったのかどうかが分かる。

フューリーはタロスから准将を捉えたという通信を受けるが、「ニック」と呼ばれた時点でこの通信の相手がタロスではないか、タロスが脅されているということを把握している。これは映画『キャプテン・マーベル』でフューリーがキャロル・ダンヴァースに「皆はフューリーと呼ぶ。ニコラスでもジョセフでもニックでもなく、ただのフューリーだ」と話したことを踏まえている。

罠に気付いたフューリーは准将の息子のザッカリーを人質にして現れる。子どもも人質に使うフューリーの容赦のなさがよく表れているが、ロバート・フェアバンクス准将はこれで人質にとっていたタロスを解放することになる。准将はスクラル人が擬態した偽者だったが、息子のザッカリーもスクラル人だったのだろうか。それとも、子供に対して情が移ったのだろうか。あるいは、ザッカリーを切り捨てることでスクラル人の擬態だとバレてしまうことを恐れたのかもしれない。

ガイアの裏切り

ネプチューンは国連の使節団が乗った国連機へのミサイル攻撃を仕掛けようとしていた。准将が出した命令に従うか否かで現場は揉めるが、船員の一人は序盤で海軍に忍び込んだペーゴンであり、グラヴィクの思惑通りにミサイル攻撃は進められてしまう。人間社会にグラヴィクの一派が忍び込むことで、このようにして人類の社会が崩壊していくだろう。

捕えられても発射中止の指示を出さない准将は、「将軍の抜け殻」とタロスのことを相手にしていない。『シークレット・インベージョン』は、フューリーとタロスが老いて力を失っていく様をまざまざと見せつける展開が続く。更にタロスはグラヴィクからの共闘案を断ったことを指摘される。タロスはグラヴィクの側につくこともできたが、人類との共闘を選んだのだった。

准将を銃で撃とうとするフューリーに対し、タロスはそれを止めるも、「娘ですら忠誠を捨てた。それとも裏で情報を流しているのか?」という言葉を受けてすぐさまタロスは准将を射殺してしまう。タロスは娘の名前を出されると冷静になれないのかもしれないが、冷静になってもガイアに疑いの目が向けられている状況は危険と判断したのかもしれない。

発射中止のコードを手に入れなければなくなったタロスは、最終手段としてガイアに電話をして発射中止コードの入手を託す。この通話は“無許可の通信”としてスクラル内部で傍受されている。それがあったからガイアはメモを入れた電話を渡すというやり方でタロスに情報を提供していたのだろう。にもかかわらずタロスが電話をかけてきたことで、ガイアはことの緊急性を察知したのだった。

守衛を力技で突破したガイアは、もう後戻りはできない。アナウンサーや英国首相らが捕えられているポッドを通り過ぎてフェアバンクス准将の元へ。『キャプテン・マーベル』でキャロル・ダンヴァースがタロスにされたように記憶を遡ってコードを割り出そうとするが、そこに映っていたのは准将の息子ばかりだった。准将に擬態したスクラル人もこの映像を見て息子への思い入れが強くなったのかもしれない。

高齢者男性同士のケア

タロスはフェアバンクス准将の声で、息子の名前である“ザッカリー”を中止コードとして告げるとミサイルの発射は阻止される。ペイゴンは間一髪でミサイルを発射しようと試みるが、これは人類に阻止されている。

危機を脱し、グラヴィクとの共闘を断った理由をフューリーから聞かれたタロスは、「君は私をわかってない」と返すが、フューリーは「分からせてくれ」と応答する。これはフューリーがタロスに「言葉にしてくれ」と言われたことの反復だ。

友情を築いてきた高齢者男性の二人が、なぁなぁにせずにしっかり言葉にして想いを伝えることをやり直す。それを若い人や女性のケアによって実現するのではなく、二人の間で互いにケアするという展開だ。そしてタロスは、グラヴィクに付かない理由を「君といるから」とハッキリ口にするのだった。

一方、裏切りが公然となったガイアはバイクでニュー・スクラロスを逃げ出そうとするが、そこに現れたのはグラヴィクだった。ミサイル発射の失敗と無許可の通信を受けて、グラヴィクはガイアを裏切り者と判断したのだろう。先ほどの守衛が通報したのかもしれない。

「自分はスクラルにとってリーダーか敵か」と自問するよう言われたグラヴィクはガイアを撃ってしまう。撃たれたガイアはスクラル人の姿に戻り、ガイアが死んだことを示している。ガイアが死を装って元の姿に戻ったとも考えられるが、マリア・ヒルと違って明らかに心臓のあたりを撃たれていることから、死んだものと考えてよいだろう。

電話の声は…?

そして『シークレット・インベージョン』第3話のラストシーンでは、プリシラ/ヴァーラが何者かから連絡を受けて貸金庫に向かう。プリシラが手にした金庫内の袋に入っていたのは銃だった。電話を受けると、相手の声は1時間後に聖ジェームズ協会へ来るよう告げる。プリシラはグラヴィクと話したいと返すが、電話の相手は「私に話せ」と返して電話を切り、第3話は幕を閉じる。

この電話の声はウォーマシンことローディ・ローズの声に似ている。声質も似ているし、何よりイントネーションがアメリカ英語なのだ。グラヴィクの周囲にはロシア人が多いし、プリシラの周りにはイギリス人が多いはずだが、電話でアメリカ英語を話している相手はグラヴィクの代理人のような口ぶりだ。

ニック・フューリーにクビを言い渡したローディが、そのパートナーであるプリシラに銃を渡し、そのプリシラがグラヴィクと話したいと言っている状況……素直に受け取ればローディがグラヴィク側のスクラルの擬態だったということになる。

これまでのローディの怪しい点については、こちらの記事で考察している。

また、プリシラはフューリーにグラヴィクと連絡をとっているのかと聞かれ、その返事を濁していた。プリシラの口ぶりからして、まだグラヴィクとは連絡をとっていたものと思われる。一方で、フューリーがいる時に受けた電話でプリシラは「その情報はない」と言っていたが、これはフューリーの居場所を聞かれてフューリーのことを庇ったのかもしれない。たとえローディとグラヴィクが通じていたとしても、プリシラは簡単にはフューリーを裏切らないと思われるが、果たして……。

『シークレット・インベージョン』第3話ネタバレ考察

「裏切り」の意味

ドラマ『シークレット・インベージョン』第3話のタイトル「裏切り」は、ガイアによるグラヴィクへの裏切りが最終局面を迎えることを指していると思われた。しかし、最後の最後でプリシラ/ヴァーラによるニック・フューリーへの裏切りが示唆されて幕を下ろした。

一方で、プリシラからすれば裏切って地球を離れたのはフューリーであり、准将がタロスを裏切り者扱いしたように、誰が「裏切られた」のかはそれぞれの立場によって異なる。それは映画『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(2016) でのスティーブ・ロジャースとトニー・スタークの仲違いを忘れてはいけない。

皆が「裏切られた」と考えて行動すれば収拾がつかなくなる気がするが、今はジャッジする存在がいないことも確かだ。この争いの決着を後半戦の3話でどこに持っていくのかに注目したい。

ガイアは死んだ?

第3話でもショッキングな展開が待っていた。ガイアがグラヴィクに銃撃されたのだ。第1話ではマリア・ヒルが撃たれたが、今度はガイアだ。グラヴィクはニック・フューリーとタロス、それぞれの大切な人を奪っており、憎しみの対象としての存在感を増しているように思える。

第3話ではタロスが娘のことになると感情のコントロールを失う様が強調されていた。ガイアが殺されたと聞いた時のタロスは何がなんでもグラヴィクを仕留めようとするだろう。そして、グラヴィクが次に凶行に及ぶとすれば、ヴァーラがフューリー暗殺を拒否したときだろう。

そうなればフューリーも愛する人を奪われるという展開になるが、それが起きるとするならば、男たちの戦いで女性たちが犠牲になり物語の原動力になるということであり、それはちょっと短絡的な展開ではある。そもそもマリアもガイアも死んでいないというどんでん返しに期待したいところだが、その場合、視聴者が納得できるトリックを用意できるかどうかが注目ポイントになってくるだろう。

第4話は転換点?

ドラマ『シークレット・インベージョン』は次の第4話で後半戦へと入っていく。MCUドラマにおいて、第4話は大きな転換点になるエピソードであることが多い。起承転結の転にあたる部分だ。

例えば『ワンダヴィジョン』(2021) では初めてシットコムの世界が中断されて舞台が現実世界に移った。『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』ではジョン・ウォーカーが公然の場で人を殺してしまい、『ロキ』(2021-) ではロキは“虚無”へ飛んでしまった。『ホークアイ』(2021) ではエレーナ・ベロワが登場し、『ムーンナイト』(2022) では主人公の死、『ミズ・マーベル』(2022) ではタイムスリップというラストが待っていた。

MCUマーベルにおいては第4話に大きな仕掛けが待っていることは明らか。第3話ではグラヴィクがスーパースクラルになっていることが明かされたが、その能力は第4話で披露されることになるのだろうか。また、ローディがスクラル人の擬態だったとすれば、本物のローディは一体どこにいるのだろうか。第4話の展開を楽しみに待とう。

ドラマ『シークレット・インベージョン』は2023年6月21日(水)より、ディズニープラスで独占配信。

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第4話のネタバレ解説はこちらから。

第2話のネタバレ解説はこちらから。

第2話で見えた米国の孤立とソコヴィア協定廃止との関係に関する考察はこちらの記事で。

エミリア・クラークが演じるガイアの原作での設定はこちらから。

第1話のネタバレ解説はこちらから。

マリア・ヒル役のコビー・スマルダーズは第1話ラストの展開についてメディアに語った。詳しくはこちらから。

 

『シークレット・インベージョン』では、ローディは「大統領の右腕」として登場するとされている。詳しくはこちらから。

サミュエル・L・ジャクソンが語ったニック・フューリーが消えた理由についてはこちらの記事で。

『シークレット・インベージョン』は映画『アーマー・ウォーズ』に繋がっていく要素もあるという。詳しくはこちらから。

 

『シー・ハルク:ザ・アトーニー』ラストに残された9つの謎はこちらから。

【ネタバレ注意!】『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』にあったMCU要素の解説はこちらから。

ドラマ『ロキ』シーズン2は2023年10月6日(金)より配信開始予定。詳しくはこちらの記事で。

映画『マーベルズ』のヴィランについてはこちらから。

齋藤 隼飛

社会保障/労働経済学を学んだ後、アメリカはカリフォルニア州で4年間、教育業に従事。アメリカではマネジメントを学ぶ。名前の由来は仮面ライダー2号。編著書に『プラットフォーム新時代 ブロックチェーンか、協同組合か』(社会評論社)。
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