『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』第5話 感想&考察 ゴジラ以降変化した社会 ネタバレ解説 | VG+ (バゴプラ)

『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』第5話 感想&考察 ゴジラ以降変化した社会 ネタバレ解説

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特別研究機関MONARCHはどこで変わってしまったのか

モンスター・ヴァース第1作『GODZILLA ゴジラ』(2014)で初登場し、怪獣を監視する組織として描かれてきた特別研究機関MONARCH。特別研究機関MONARCHは『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』では秘密機関やCIAに似たものとして描かれてきた。『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』第5話「出口」ではその真相へとまた一歩、近づいていくことが考察できる。そして『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』第5話「出口」が2023年12月8日にApple TV+より配信開始された

モンスター・ヴァース内に残されたゴジラの秘密とは何なのか。本記事ではモンスター・ヴァースの最新作である『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』第5話「出口」について解説と考察をしていこう。なお、本記事には『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』第5話「出口」のネタバレを含むため、本編視聴後に読んでいただけると幸いである。

ネタバレ注意
以下の内容は、ドラマ『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』の内容に関するネタバレを含みます。

ゴジラによって崩壊した世界

特別研究機関MONARCHアラスカ指揮所

2015年、アラスカ州。渡部蓮演じるケンタロウが呼んだ救助ヘリによって相手の熱を奪う怪獣(タイタン)「フロスト・ヴァーク」から逃れた、アンナ・サワイ演じるケイト、カーシー・クレモンズ演じるメイ、カート・ラッセル演じるリー・ショウたち。しかし、その救助ヘリは特別研究機関MONARCHのヘリで、ケイトら4人は特別研究機関MONARCHのアラスカ指揮所に監禁状態にあった。

凍傷寸前だったメイは救助により足の指を失わずに済んだが、平岳大演じるケイトとケンタロウの父親のヒロシ・ランダの残した機密ファイルについて、エリサ・ラソウスキー演じるデュバルから尋問を受けていた。バックアップをどこに保存したのか問うデュバル。それに対してフロスト・ヴァークをどうにかすればと返すメイ。デュバルはメイの隠し持っていた偽パスポートから、ワシントン州タコマ出身のライラ・マテオというメイの別名を引き出し、脅しの道具として用いた。

すべてを監視していた特別研究機関MONARCHのジョー・ティペット演じるティムミレリー・テイラー演じるナタリア・ベルドゥーゴ副長官。ティムは特別研究機関MONARCH創成期のメンバーであるウィリアム・“ビル”・ランダの孫にもかかわらず、ケイトとケンタロウが犯罪者のように扱われていることに苦言を呈する。ナタリア副長官はティムの誘拐の失敗を例に出して諫めるが、デュバルの「メイは何かから逃げている」という考察には食いついた。

ティムはビルの存在からケイトとケンタロウを特別研究機関MONARCHで雇うことを提案。ナタリア副長官からは一蹴されるが、デュバルが父親のヒロシの情報を欲している以上、泳がせておくという折衷案を出した。だが、それでも問題は残っている。それはビルと同じく特別研究機関MONARCH創成期のメンバーであるリー・ショウ大佐の存在だった。

アラスカ州ノーム

ケイト、ケンタロウ、メイの3人はクリーンなパスポートと現金、そして携帯電話をティムから手渡され、アラスカ指揮所からアラスカ州ノームへ解放される。反抗的な態度を取る3人に対して自分たちがどれだけ危険なことをしたのかわかっているのかとティムは激怒する。そして3人を開放するが、ティムの激怒まで含めてすべてデュバルの手の内であった。このことから2015年の特別研究機関MONARCHはスパイ組織としての色が濃いと思われる。

デュバルの手の内とは露知らず、ヒロシの生存や東京への帰路について意見が割れる3人。ケイトはまだ探していないサンフランシスコのオフィスに手がかりがあると考え、「サンフランシスコの悲劇」、通称G-Dayのトラウマの残るサンフランシスコへの渡航を決意する。そしてケイトはメイに対して、3人は一蓮托生であり、離れてはならないと念押しするのであった。

リーの正体

アラスカ指揮所に囚われたままのリーはヒロシの持っていた特別研究機関MONARCH創成期のフィルムを見せられていた。そして、リーの手錠を外すナタリア副長官。リーはナタリア副長官に対して現在の特別研究機関MONARCHは怪獣を隠蔽し、怪獣に対して何も動かないと皮肉を言い、ケイトとケンタロウ、そしてメイの方がナタリア副長官の部下よりも経験豊富になったと言い放つのだった。

ナタリア副長官とリーの間でヒロシの行方について舌戦が繰り広げられる。アラスカ指揮所から解放するつもりはないというナタリア副長官に対し、リーは自分を拘束監禁し続ける限り行き詰まるのは現在の特別研究機関MONARCHだと返す。

その様子をモニタリングしていたティムとデュバル。ティム曰く、リーが特別研究機関MONARCHに参加したのは特別研究機関MONARCHが設立された1940年代よりも後のことで、機密任務に携わり、そのミスが原因で現在も監視下におかれているとのことだ。90代にしては若々しい容姿と機密任務に疑問を覚えるデュバル。そのすべての秘密はファイルにあるとティムは考えていた。

崩壊したサンフランシスコ

ゴジラ襲撃の爪痕が未だ生々しく残るサンフランシスコ。ケイト、ケンタロウ、メイはヒロシの情報を求めてカリフォルニア州アラメダ郡オークランド国際空港にいた。G-Day以降、アメリカでも怪獣ビジネスは盛んであることが考察でき、空港内ではチタニウム構造で守られた地下シェルターという売り文句のストラータ安全ホームのCMが流れている。初めての渡米に戸惑うケンタロウだったが、メイは初めて来日したときのケイトも同じ気持ちだったはずと語る。

ケイトは迎えの車を頼んでいたが、来たのはチャーリー・ヒューソン演じるジェームズのトラックだった。それを見てぼやくケイト。ケイトの母親の同僚であるジェームズはケイトの母親から頼まれたと言って強引に3人をトラックに乗せるのだった。ケイトたちが向かった先はアメリカ連邦緊急事態管理庁(FEMA)によって用意された住宅アラメダ・ポイントだった。

アメリカ合衆国連邦緊急事態管理庁、通称フィーマは現実に存在する省庁で、アメリカ合衆国国土安全保障省の一部である。各州に緊急事態管理局(FEMA)、保険・緩和局(FIMA)、中小企業局(SBA)、消防局(FA)など下部組織を抱えるアメリカ合衆国連邦緊急事態管理庁は洪水やハリケーン、地震などの天災から原子力災害などの人災に至るまで災害時の家屋や工場の再建や企業活動・行政活動の復旧を資金面から支援する組織だ。

アメリカ合衆国連邦緊急事態管理庁の介入とジェームズの「フィーマは移住させたがったが、住人は拒んだ。住み慣れた自宅から遠くは嫌だと」という台詞からわかる通り、アメリカ政府はG-Dayによるゴジラ被害をかなり重たく受け止めているようだ。アメリカ政府はゴジラによる被害地域に軍を投入して封鎖するなど、徹底した管理下に置こうとしたが、その直前まで怪獣ビジネスとして被災地観光ツアーがあったジェームズは解説する。

タムリン・トミタ演じるケイトの母親のキャロラインが3人を出迎えるが、それはケンタロウ・ランダという夫のもう一つの家庭を突き付けることになる残酷な出会いだった。ジェームズとキャロラインは被災地の私物の回収する都市再生を行っているとのことだったが、それを話す態度は困惑が見て取れる。ケンタロウは自分の存在がケイトの家庭を引き裂いたことに傷つき、ケイトとキャロラインは関係性がG-Day以降破綻していた

ヒロシのオフィスを探すべく、危険を顧みずに軍が規制している復興エリアのレッドゾーンに入ろうとするケイトたち。ケイトたちの作戦はジェームズのトラックの荷台に隠れ、キャロラインとジェームズが都市再生の仕事として軍が規制しているレッドエリアまで近づくのを利用しようとするものだった。崩壊したゴールデン・ゲート・ブリッジを見てG-Dayを思い出すケイト。ジェームズの言葉からサンフランシスコの被災地に略奪者が横行していることが考察できる

道を間違ってしまった特別研究機関MONARCH

アラスカ指揮所で舌戦を繰り広げ続けているリーとナタリア副長官。リーはG-Dayの際にゴジラと2体のムートーを核で一気に殲滅する作戦や同士討ちにさせるというアメリカ海軍第七艦隊司令長官のウィリアム・ステンツ提督が下した命令に対し、止めることが出来なかった現在の特別研究機関MONARCHを非難する。

そしてゴジラが勝利しなかった場合、ムートーが繁殖していたことについても言及するのだった。このときナタリア副長官やティムなどは現場に出ておらず、現場に出ていたのは渡辺謙演じる特別研究機関MONARCHに所属する生物科学者の芹沢猪四郎博士だ。これらはモンスター・ヴァース第1作『GODZILLA ゴジラ』での出来事であり、リーはG-Dayでの特別研究機関MONARCHの対応の甘さから数十年ぶりの脱走を企てたと語る。

ナタリア副長官はのらりくらりとヒロシのファイルの中身についての質問をはぐらかすリーに激昂するが、リーは「特別研究機関MONARCHは組織として間違っている」と言い、監視カメラを見つめた。昔から特別研究機関MONARCHは間違ってきたという言葉にティムとデュバルも反応する。確かに第3話「秘密とウソ」では特別研究機関MONARCHは怪獣に対する核使用及びそれによる放射能汚染に対し、一定の見解を持っていたが『GODZILLA ゴジラ』では被爆二世の芹沢博士を実質的なリーダーに置きながら核使用を止めきれなかった。

第3話「秘密とウソ」の記事でも書いた通り、現実のモンスター・ヴァースで「被爆2世である芹沢猪四郎博士が父親が経験した原爆について語り、核の使用を止めようとする」というシーンを製作に協力していたアメリカ国防総省が抗議したためカットした歴史がある。その意味では、このリーの台詞はモンスター・ヴァース制作陣が自戒を込めたものとして元米軍人の口から語らせたのかもしれない。

レッドゾーン

崩壊したサンフランシスコはケイトにフラッシュバックを引き起こさせる。G-Day以前のケイトはサンフランシスコでコートニー・ディーツ演じる恋人ダニと過ごしていた。馴染みのコーヒーショップでコーヒーを買うといった平穏な日常や恋人との幸福な日々、大事な教え子たちといったすべてがゴジラの襲撃によって破壊され尽くされた。

米軍が規制しているレッドゾーンは被災直後の姿を残しており、ケイトのフラッシュバックを悪化させる。ヒロシが昔歌っていたモルツやタンスにゴン、ポリンキーのCMソングを歌い、ケンタロウが場を和ませるが、そこに米軍の監視の手が迫る。逃げるケイトだったが、ケイトはG-Dayの日にスクールバスに閉じ込められた影響で閉所恐怖症を発症していた。

ケイトのトラウマの根源には生徒の死だけではなく、恋人のダニがいるのにもかかわらず、ブリアン・ウィリアムソン演じるエヴィンと浮気をしていたことがあった。浮気を隠したまま、恋人のダニを喪ったことがケイトにとってヒロシがもう一つの家庭を持っていたことが余計に許せない要因となっていた。ケイトはヒロシのやっていた行いに自分の影を見ていたのだと考察できる。

遂にサンフランシスコのヒロシのオフィスに辿り着いたケイト、ケンタロウ、メイの3人。しかし、オフィスには何も書類はなかった。だが、衛星の正弦波が描かれていると思われていた星図は大陸の消された世界地図であり、地図上の点はサンフランシスコやアラスカ、アフリカなど怪獣が出現したと思われる場所を示していた。そしてケイトは母親にヒロシはゴジラを追っており、まだ生きていることを明かすのだった。

ケイト、ケンタロウ、キャロラインとそれぞれがヒロシという人物において自分なりの踏ん切りをつけていく中、メイだけは違う動きをしていた。自分と無関係なヒロシという人物を追っていく中で、デュバルに何者からか逃げている人物であることを悟られてしまったメイ。そしてメイはデュバルに家に帰るために協力するという電話を隠れてかけるのだった。

第6話で描かれる過去の特別研究機関MONARCH

第4話「パラレルとインテリア世界」、そして第5話「出口」と連続して2015年の特別研究機関MONARCHを描いてきた『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』。第6話「恐ろしい奇跡」では山本真理演じるミウラ・ケイコたち特別研究機関MONARCH創成期の物語が描かれることが予告されている。これまでの特別研究機関MONARCHといえば、ケイトが「CIAに似た組織」と形容するように隠蔽工作を得意とする面が強調されてきた。

第6話「恐ろしい奇跡」ではそのようなスパイ組織となる前の特別研究機関MONARCHが描かれることが考察され、特別研究機関MONARCHが如何にして隠蔽工作を行うような、対怪獣の研究機関ではなく民衆から脅威の存在を隠す組織になってしまったのかがわかると考察できる。第5話「出口」では懐かしCMソングなど日本とのつながりも描かれたため、第6話「恐ろしい奇跡」でもそのような描写があるか期待したい。

『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』第5話「出口」2023年12月8日(金)よりApple TV+にて配信開始。

『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』公式サイト

『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』第1話「余波」のネタバレ考察&解説記事はこちらから。

『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』第2話「旅立ち」のネタバレ考察&解説記事はこちらから。

『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』第3話「秘密とウソ」のネタバレ考察&解説記事はこちらから。

『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』第4話「パラレルとインテリア世界」のネタバレ考察&解説記事はこちらから。

『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』初情報解禁時の記事はこちらから。

『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』予告編第1弾の記事はこちらから。

『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』予告編第2弾の記事はこちらから。

『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』の冒頭映像と怪獣名に関する記事はこちらから。

モンスター・ヴァース版ゴジラの最新作の情報はこちらから。

『ゴジラxコング 新たなる帝国』と新怪獣スカーキングに関する記事はこちらから。

『ゴジラvsコング』登場怪獣の紹介はこちらから。

『ゴジラvsコング』の続編考察はこちらから。

鯨ヶ岬 勇士

1998生まれのZ世代。好きだった映画鑑賞やドラマ鑑賞が高じ、その国の政治問題や差別問題に興味を持つようになり、それらのニュースを追うようになる。趣味は細々と小説を書くこと。
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