『ゴジラvsコング』公開!
2021年7月2日(金)、コロナ禍における公開延期を経て『ゴジラvsコング』が遂に公開された。早速だが、今回は劇中の登場怪獣を振り返っていきたい。
以下の内容は、映画『ゴジラvsコング』の内容に関するネタバレを含みます。
『ゴジラvsコング』の登場怪獣
ゴジラ
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破壊神 #ゴジラ 🔥🔥
\\\彼は人類の味方か、それとも脅威か😱
映画史上最も壮絶なバトルが始まる❗️⚠️
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まずは主役たるゴジラの紹介だ。『GODZILLA ゴジラ』(2014)に登場して以来、”モンスターバース”には一貫して同一個体が登場している。
今回のゴジラは2019年公開の前作『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』で見せた「人類の守護者」としての振る舞いとは打って変わって、冒頭の登場シーンから早速戦艦を沈め都市を破壊するなど初代『ゴジラ』(1954)や『シン・ゴジラ』(2016)などで描かれた「破壊神」のイメージを踏襲したものとなった。
もう一方の主役たるコングをベビーフェイスとして描く手前役割分担は当然だが、どのような理由でゴジラは都市を破壊し人類を蹂躙するようになったのかという理屈付けとして「メカゴジラ」を準備したのは秀逸なアイディアだ。
それにしても、今回の放射熱線はアニメ映画『GODZILLA』(2017 )三部作登場の”ゴジラ・アース”のものを除けば歴代でも最大級の威力なのではないだろうか。何せ地上を貫通して地下空洞までの出入り口を作ってしまう程なのである。ゴジラ・アースは地上から地球に迫る妖星ゴラスを撃墜した程なので、設定上余りにも神格化されているために比較対象とする意味は稀薄だが、「生物」の枠を超えない範囲で表現されたゴジラの熱線としては文句なしに過去最大級の威力を誇っているだろう。
かと思いきやその後のメカゴジラとの戦いにおいてはメカゴジラの吐き出す熱線に力負けしてしまっていたのは少々惜しい。とは言えこれもコングがそれだけゴジラを消耗させたことの証だろう。
思えば、『GODZILLA ゴジラ』(2014)で飛び道具も持たず、怪獣王たるゴジラとしては役不足の感の否めなかったムートゥーを相手に満を持して背鰭を発光させて吐き出した熱線は、バリアのように滑らかな体表に弾かれてしまっていた。そして最後の決着が口を手で抉じ開けてそこに注いだ例の”ゲロビーム”というのには流石に興醒めさせられたが、同じく下に向けて放つ熱線も今回のように地下空洞まで貫通する様を見せ付けられるとトラウマも解消された。
同一個体とは思えない程に威力にバラつきがあるが、そこはそれ、怪獣王とて体調次第なのだと捉えておこう。
コング
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勝つのは守護神 #コング か⁉️🦍
それとも破壊神 #ゴジラ か⁉️🔥
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世紀の決戦を劇場の大スクリーンで目撃せよ‼️🎬✨
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そしてもう一方の主役と言えばコングである。こちらは『キングコング: 髑髏島の巨神』(2017)に登場したものと同一個体である。
作中設定の1973年当時には30m程だった体長も100mを超える程にまで成長し、体格的には立派にゴジラの向こうを張れるものとなった。
とは言え相手は怪獣王である。徒手空拳では分が悪いと思われたところ、予告映像でも映っていた通りゴジラの背鰭を用いた戦斧を手にして大立ち回りを演じた。
全身が体毛に覆われているために流石に放射熱線を正面から食らえば火ダルマにされることは避けられない。ムートゥーのようなその場凌ぎは自分にはできないことを悟ったコングはとにかくビルの隙間を縫って熱線を避けまくる。ここには確かな戦略と、それを裏付ける知性が感じられる。
果たして勝ったのはゴジラの武か、はたまたコングの知か。
その結果はこちらの記事で確認されたい。
メカゴジラ
Welcome to mecha madness. #GodzillaVsKong pic.twitter.com/zJPZR7pP6Y
— Godzilla vs. Kong (@GodzillaVsKong) June 10, 2021
事前のネタバレで登場を知らされてはいたものの、一体いつどのような形で登場するのかが気になっていたメカゴジラである。やはり定石通りに主役二人(二頭?)の決着がついた後に共通の敵として画面に現れた。
ライバル同士が共通の敵を前にしてそれまでの過去を棚上げにして一時共闘する展開にはいつだって胸を熱くさせられる。それにしても今回のメカゴジラは強かった。
過去のメカゴジラは地球外文明やゴジラの骨などの何かしらのオーバーテクノロジーを用いて建造されていたためにゴジラと渡り合えるのも納得できたが、『ゴジラvsコング』におけるメカゴジラは地球人類の科学力のみによって造られたにしては余りにも強過ぎる印象だ。
特にゴジラの熱線が地上から地下空洞にまで穴を開ける程の過去最大級の威力を見せ付けられた後だからこそなおのことその印象は強まる。
ところで、劇中ブライアン・タイリー・ヘンリー演じるバーニーが初めてメカゴジラをその目にした際に「ロボットゴジラ」と呟いたのをジュリアン・デニソン演じるジョシュが即座に「いや、メカゴジラだ」と訂正していたが、英語圏における「ロボット」と「メカ」の使い分けはどういったものなのだろうか。
簡単に英語で検索してみたところ、どうやらロボットとは「複雑な作業を行うための機械」を指し、メカとは「(アニメや漫画では)足のついた大型の装甲ロボットで、通常はパイロットが内部に座って操縦するもの」のことを指すらしい。ロボットの方が包括的な概念ということだろうか。そう言えば、殉職した警官がサイボーグとして蘇生し活躍する映画のタイトルは『ロボコップ』だった。
『ゴジラvsコング』を含むメカゴジラの登場作品とそれぞれの設定はこちらの記事で振り返っている。
スカルクローラー
『キングコング: 髑髏島の巨神』(2017)に登場してコングを苦しめたスカルクローラーが『ゴジラvsコング』にもゲスト出演している。とは言えコングとの絡みはなく、登場したのは香港にあるエイペックスの施設内。メカゴジラの熱線の威力を試すための噛ませ犬としてあっさりと胴体を縦に両断されてしまった。合掌。
その他
地下空洞に辿り着いたコングに真っ先に襲い掛かったのは”ワーバット“だ。巨大な翼で空を舞い、長大な尾で敵に絡み付く。コングの身体に纏わり付き、その翼を膜のように用いてコングの顔面を覆い窒息させようとした時に地下空洞探査船”ヒーヴ”からの攻撃を受け、引き剥がされた拍子にコングに捕まれ最終的に首を捥がれて生き血を啜られてしまった。合掌。
コングがゴジラの背鰭を用いた戦斧を手に入れた地下空洞内の神殿のような場所で蝙蝠のように天井にぶら下がっていたのは”ヘルホーク“だ。こちらはヒーヴに乗り込み地上へと脱出しようとする人間の前に立ち塞がったが、予期せぬ地上から放たれたゴジラの熱線によって焼き殺されてしまった。合掌。
この際にヒーヴに乗り込もうとするケイリー・ホトル演じるジアやレベッカ・ホール演じるアイリーンを庇うべくアレクサンダー・スカルスガルド演じるネイサンがろくな武器もない中でヘルホークに向かって石を投げ付けて注意を自分に向けたのは勇敢だった。それまで自分が矢面に立つことは避けていたためにジアから「臆病者」と言われていた印象が好転したシーンだ。
余談だが、パンフレットに描かれたヘルホークのイラストの頭部は、どことなく『ウルトラセブン』登場のガッツ星人の顔を思わせる。
そして地下空洞を動き回る謎の甲殻類のような生物はパンフレットによれば「未確認生物(ロッククリーチャー)」と記されている。岩に擬態して捕食者の目を眩ませるようだが、同じく名称不明の巨大生物によってパクりとやられてしまっていた。合掌。
振り返れば、『ゴジラvsコング』には、ゴジラとコング、そしてメカゴジラ以外にも多様な怪獣が登場した。全体を通して賑やかで楽しい画作りだったのではないだろうか。
『ゴジラvsコング』は2021年7月2日(金)より全国でロードショー。
『ゴジラvsコング』で流れた楽曲についての解説はこちらの記事で。
無料公開されている『ゴジラvsコング』のサントラはこちらから。