ネタバレ感想!『ゴジラvsコング』勝敗の行方は——誇りを賭けた戦いの決着 | VG+ (バゴプラ)

ネタバレ感想!『ゴジラvsコング』勝敗の行方は——誇りを賭けた戦いの決着

GODZILLA TM & © Toho Co., Ltd. © 2021 WARNER BROTHERS ENTERTAINMENT INC. & LEGENDARY PICTURES PRODUCTIONS LLC.

『ゴジラvsコング』公開!

2021年7月2日、コロナ禍における公開延期を経て『ゴジラvsコング』が遂に公開された。「ONE WILL FALL」と予告されていた通り、”決着”はついた。

果たして勝者はどちらなのだろうか?
待ちに待った世紀の一大決戦を早速振り返っていこう。

ネタバレ注意
以下の内容は、映画『ゴジラvsコング』の内容及び結末に関するネタバレを含みます。

勝者は・・・

結論から言えば、勝ったのはゴジラだ。

やはり「怪獣王」の異名は伊達ではないことを今回も証明した形だ。

“モンスターバース”における前作『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』(2019)においてオキシジェン・デストロイヤーに耐え、核爆発によって生命力を回復し、ギドラをも倒して自らが”王”であることをまざまざと見せ付けたゴジラである。

如何にコングと言えどもこの2021年にゴジラと張り合うのは些か分が悪いのではないかと危惧していたが、蓋を開けてみればゴジラの熱線を避けてビルの間隙を縫うように飛び回り、戦斧で熱線をガードしつつ懐に飛び込んで一撃を加えるなど並みの怪獣では真似できない「知能」をフルに駆使した戦法でゴジラを相手に大立ち回りを演じた。

しかし、やはり、ゴジラは強かった。

劇中の説明によれば、ゴジラとコングは太古の昔よりどちらが「王に相応しいか」を賭けて争い合ってきたらしい。予告映像で映されたゴジラの背鰭を用いたと思しき戦斧はコングの勝利を約束する道具なのかと心配していたが、その一撃によってゴジラの首が両断されるような事態にはならなかった。この戦斧は、かつてのコングがかつてのゴジラに勝利したことの証だろうか?

両者死力を尽くした激闘の末に、倒れたコングの胸を踏み付けながらゴジラは自らが王であることを分からせるかの如くコングに顔を近付けて咆哮する。負けじとコングも叫び返すが、しかし最早勝敗は歴然としている。ゴジラはそんなコングに熱線を浴びせることもなく背を向けるのである。まさに勝者の振る舞いである。

さて、一件落着と思いきやゴジラの勝利の余韻を台無しにしにやってきたのがメカゴジラだ。事前のネタバレで登場することは知らされていたが、どのように登場するのかが気になっていた。もしかしたらメカゴジラが初登場したゴジラシリーズ第14作目『ゴジラ対メカゴジラ』のように最初はゴジラに擬態して登場し、コングはその欺瞞を見破ってゴジラ=メカゴジラに戦いを挑み、その渦中で本物のゴジラが登場しコングと共闘するということも有り得るかも知れないと思っていた。

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しかし事前にこれだけゴジラとコングの正面からの決戦を謳っておきながらそのようなやり口で茶を濁すことはやはり卑怯だし、そのようにしてゴジラとコング互いの面子が保たれたとしてもそれは欺瞞に汚されているとしてファンからは歓迎されるというよりもむしろブーイングの嵐だったことだろう。

逃げずに「決着」させた監督に拍手を送りたい。

プライドを賭けた戦いでは命まで奪い合う必要はない。

逆に言えば、誇りが命よりも大事だからこそ人は、そして怪獣はそこに命を賭けることができる。ゴジラが自分を見下ろしながら熱線を吐く代わりに雄叫びを上げた理由を、コングは誰よりも理解していた筈だ。互いが命を賭けて戦ったからこそ、その勝負は互いの命を奪い合うところまで行かずに決着することができたのである。

“勝敗”のその先に

しかし誇りを持たない機械、何の目的も持たずに暴れ回るだけのまさに「獣」であるところのメカゴジラ相手にはそうも行かない。

誇りという形而上のものを賭けて戦い、それができる「知性」を備えたゴジラやコングと違い、人間知性により生み出されたにも拘らず知性による制御下を離れて暴走するメカゴジラは、劇中で実は最も「怪獣」らしい振る舞いをしていた。

突如現れたこの強敵にしかしコングとの対決によって消耗し切ったゴジラは防戦を強いられることとなる。その消耗振りは地上から地下空洞まで穴を開けた過去最大級の熱線を放ったゴジラが、熱線の撃ち合いでメカゴジラに押し負けてしまったことからも窺える。

人類のコントロールを離れ、文字通りの「破壊神」として街を破壊しゴジラをも圧倒するメカゴジラ。過去のメカゴジラは宇宙人や未来人の技術を用いたり、あるいはゴジラの骨を組み込むなど何かしらのオーバーテクノロジーを使っていたためにゴジラと渡り合うにも説得力を感じられたが、『ゴジラvsコング』に登場したメカゴジラは一応は地下空洞のエネルギーを流用している描写が見られたとは言え、地球人類の科学力だけで作られたにしては余りにも強過ぎる。

頼みの熱線でも押し負けてしまい、そろそろ防戦もきつくなってきたゴジラに助太刀したのがコングである。

ゴジラとの戦いによって一時は瀕死の状態に陥ったコングは、「ラスベガス一週間分の電力」(カジノによる電力消費の規模を示している)を備えると言われた地下空洞探査機”ヒーヴ”を胸の上で爆発させるという電気ショックによって蘇生させられる。この流れは初めてゴジラと(キング)コングが対決した『キングコング対ゴジラ』(1962)において、ゴジラに敗北しつつあったキングコングが雷を浴びることによって力を増しゴジラに対して反転攻勢に打って出るシーンのオマージュを感じさせる。

そして、見事復活したコングの持つ戦斧にゴジラは自らの熱線を照射し、過去最大の威力を得た戦斧でコングはメカゴジラの四肢を切断し、最後は首を取る。こちらもまさに勝者に相応しい振る舞いである。

なお、『ゴジラvsコング』を含むメカゴジラの登場作品とそれぞれの設定はこちらの記事で振り返っている。

メカゴジラの脅威が去り、再び睨み合うゴジラとコング。
すわバトル再開か! と思いきやゴジラはコングに背を向けて海へと帰ってゆく。そしてコングは地下空洞を新たな居場所として暮らし始める。

「決着」を見事に描きつつ、メカゴジラという第三項を設定することによってゴジラ、コング両者に花を持たせることに成功した『ゴジラvsコング』。ひとまず、めでたしめでたし、である。

なお、『ゴジラvsコング』に登場した怪獣の解説はこちらの記事にまとめている。

映画『ゴジラvsコング』は2021年7月2日(金)より全国でロードショー。

『ゴジラvsコング』公式サイト

『ゴジラvsコング』の劇中に流れた曲の解説はこちらから。

無料公開されている『ゴジラvsコング』のサントラはこちらの記事で。

『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』の音楽についての解説はこちらから。

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普段は自転車で料理を運んで生計を立てる文字通りの自転車操業生活。けれど真の顔は……という冒頭から始まる変身ヒーローになりたい。文学賞獲ったらなれるかな? ラップしたり小説書いたりしてます。文章書くのは得意じゃないけどそれしかできません。明日はどっちだ!
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